2024-01-01から1年間の記事一覧

佐賀の地域性とは?地形や祭礼から土地を読み解く旅

今まで旅したことがなく新幹線で通過したことしかなかった佐賀を旅してみようと思った。福岡から佐賀への地続きを感じ、そこに佐賀という特質が見えれば良いと思った。訪れたことがない土地に訪問することは新鮮である。新しい土地を読み解く手法との出会い…

獅子頭制作15日目

茨城県石岡市での獅子頭制作は15日目。本日は毛玉の左右をバランスよく整えるのと、顎の周りを削るという行程だった。毛玉は職人によって彫り方が変わるし、巻く回数も変わる。個人的には彫りが深くてはっきりした造形が好きだったので高さが必要で、それを…

獅子頭制作14日目

本日、茨城県石岡市での獅子頭制作は14日目。毛玉の続きをメインで行った。 毛玉はクルクルした模様の中心部分にいくほど細かい表現になるので、そこを正確に彫るのが難しかった。ささくれのように表面が毛羽立ってしまう。彫れる力加減とかノミの角度とか、…

変化に富んだ観るものを楽しませる獅子舞、東京都渋谷区代々木囃子保存会

2024年5月26日(日)、東京都渋谷区代々木囃子保存会を取材!今度、7月に渋谷区で開催するイベントに出演いただくこともあり、演舞の流れについて知っておくため、今回取材することにした。 金魚祭りとお囃子・獅子舞の位置付け 大正時代以前、金魚を買うお宅…

獅子頭制作13日目

本日、茨城県石岡市での獅子頭づくり。本日はテレビ取材込みだった。作業内容としては家で課題として木片を獅子頭の側面に貼り付けていたので、それを彫るというものである。この彫る部分を毛玉という。 毛玉の彫り方はまずぐるりと周りの木を削り大まかな形…

船の上で肩車して獅子舞!?アクロバティックな「船上継ぎ獅子」、愛媛県今治市大西町九王にて

愛媛県今治市越智郡大西町九王(くおう)。この地には、船上継ぎ獅子なる獅子舞があると聞いていた。ただでさえバランスのとりにくい船の上で、肩車をしながら獅子舞をするという。聞いただけでもハラハラするような獅子舞が存在するのだ。以前、今治市内で…

東京都豊島区「長崎獅子舞」、大地を回りながら踏みしめる。暮らしから発生した舞い

2024年5月12日(日)東京都豊島区で唯一の民俗芸能とされ、区指定無形民俗文化財となっている長崎獅子舞を訪れた。当日のスケジュールがこちらで、お囃子団体もいくつか来ていたようだったが、長崎獅子舞の出番だけを抜き出すとこんな感じだった。11:00〜ふん…

獅子頭制作12日目

本日、茨城県石岡市での獅子頭制作12日目。今日は獅子頭の構造というよりは、表面的な装飾がメインとなった。今日のミッションはこちら。・歯をVの字の形で溝のように彫る ・眉をVの字の形で溝のように彫る ・額の皺や頭頂部のラインを彫る実際にやってみて…

【2022年12月】石川県加賀市 獅子舞取材 大聖寺仲町

2024年5月4日、石川県加賀市大聖寺仲町(なかちょう)で獅子頭が発見されたとの連絡を受けて、取材を行った。 新しく獅子頭を発見に至った経緯としては、今年3月、大聖寺仲町在住の井上隆司さん(隆の生の字は横棒4本、生の上に横棒が1本増える形。以下井上さ…

日本最古の大陸系獅子舞、その始まりとは?大阪府天王寺舞楽の獅子

古来の風格を纒う獅子は、1400年の歳月を今に伝える。2024年4月22日、大阪府大阪市四天王寺の天王寺舞楽を観た。大陸系の中で日本最古の獅子とも言われ、その始まりは聖徳太子の時代に遡る。この獅子の起源をより明確に知りたいという思いもあり、現地を訪れ…

五穀豊穣をもたらす古の呪術!?岐阜県関市「どうじゃこう」農業の獅子舞の系譜を考える

箕獅子から見る農耕の獅子舞の原点は、里山に暮らし身近なところに潜む魔物と格闘する人間の暮らしだったのかもしれない。2024年4月21日、岐阜県関市の「どうじゃこう」と呼ばれる謎深い民俗行事を訪れた。獅子舞というべきか、獅子概念を呪術に消化した芸能…

獅子頭制作11日目

本日は茨城県石岡市の獅子頭づくり11日目。僕の進みが遅すぎて、職人さんが持って帰って進めてくださった獅子頭を受け取った。めちゃくちゃ素晴らしい造形!そして、たくさんの隙間を埋め、かさ増ししたオガコの跡が。本日のミッションは鼻と口との間の造形…

知られざる獅子舞文化の再発見!獅子舞講演会・獅子頭展示、第2回 加賀獅子舞春祭り(4月)

4月14日(日)、僕が所属する加賀市獅子舞を応援する会は石川県加賀市にて「第2回加賀市獅子舞春祭り」を開催。獅子舞講演会&獅子頭展示を行った。獅子舞講演会は石川県加賀市の大聖寺地区会館にて、14時から15時半の日程で開催。現在、石川県唯一の獅子頭専…

北飛騨地域の「金蔵獅子」の系譜を辿る、自然界との獣との対峙する里人の暮らしとは

4月13日(土)、北陸圏での獅子舞を探していた。そこでたまたま獅子魂というサイトで1週間前に更新された情報を確認していると、神通川流域の富山県と岐阜県の県境付近3箇所(町長、楡原、岩稲)で獅子舞が開催されることがわかった。このうち、時間の関係で…

農業らしい腰の動き「干し物獅子」、埼玉県川越市「石田の獅子舞」から考える環境適合型の獅子舞

環境の影響を受けて所作を形成する獅子舞がある。そういう獅子舞に強く惹かれる自分がいる。そこの土地で継承されるべくして継承されている存在。だからこそ大きな価値を感じるのだ。2024年4月7日、埼玉県川越市の市指定無形民俗文化財・石田の獅子舞を取材…

獅子頭制作10日目

茨城県石岡市での獅子頭づくりは、今日で10日目。10日目にして分かったことがある。師匠である獅子頭職人は全体的な形をイメージしながら、そのバランスで部分的なパーツを彫っているという感覚がすごすぎる。自分は今までなんとなくでやっていたのだけど、…

千葉県・東葛に潜む祭囃子の系譜

千葉県の松戸市には3匹獅子舞が、和名ヶ谷、上本郷、大橋の3箇所で継承されている。これは緻密な報告書が作成されており、比較的広く知られている。しかし、お囃子の獅子舞がいくつか存在することを知る人は多くない。今回訪問したのは、松戸市の六実お囃子…

【クラファン応援】染め物の魅力を広めたい!獅子蚊帳職人がバックを制作、富山県高岡市 山本染業の挑戦

富山県高岡市で、染め工場「山本染業」の新しい挑戦が始まった。 創業115年の伝統的な染めの技術を生かしてカジュアルなトートバックを制作し、それをクラウドファンディングで販売しておられる。2024年3月22日から一ヶ月、クラウドファンディングに挑戦され…

新たなる獅子舞伝説!富山県魚津市「金山谷の獅子舞」、鉱山そして海外から舞いを導入

2024年3月17日(日)、富山県魚津市金山谷の獅子舞を訪れた。石川県に用事があり、その流れで訪れられる獅子舞を探していたところ、奇跡的に富山の東端、魚津市にて獅子舞を行う情報を得た。魚津市役所に問い合わせ、現地の人に確認してもらい、獅子舞がしっか…

【2024年12月】石川県加賀市 獅子舞取材 中代町(追加)

石川県加賀市中代町の獅子舞を取材した。以前、獅子頭の撮影と取材をさせていただいたが、それから日にちが経ってちょうど祭りの日にかぶる形で加賀市に滞在する予定ができたので、今回取材する流れとなった。中代町の獅子舞を観るのは、これが初めてである…

加賀未来市開催!石川県加賀市で9団体が演舞、獅子舞が集い新幹線延伸を祝う

2024年3月16日、北陸新幹線延伸を記念して、「加賀未来市」を開催!石川県加賀温泉駅前の芸能ステージでは「獅子舞演舞」が行われ、加賀市の獅子舞が過去最高の9団体が出演しました!今回出演したのは、塩屋町、山代温泉、大聖寺下屋敷町、山中温泉、動橋町…

大獅子展示から獅子舞演舞まで!地域の繋がりを感じる祭りとは?石川県加賀市 山中温泉獅子祭り

2024年3月10日、石川県加賀市にて山中温泉獅子祭りを開催。僕が所属する加賀市獅子舞を応援する会は、「獅子舞演舞3団体」「獅子頭展示9体」「獅子頭作りワークショップ」「グッズ販売」の担当をした。10時から16時の時間帯、昨日までの雪がからっと晴れ、と…

コミュニティ獅子舞の実践

獅子舞をとある特定のコミュニティに生息させる試み。獅子の歯ブラシは地域を対象とするのに対して、この獅子舞の作り方はもっぱらコミュニティを対象とする。 3/3 しょくやぼ農園(神奈川県横須賀市) ひな祭りの日に神奈川県横須賀市のしょくやぼ農園にて「…

獅子頭制作9日目

茨城県石岡市での獅子頭づくり。今回で9回目だ。まだまだ半分くらいいったかどうかというところ。ゆっくりと着実に進めていきたい。本日の作業は前回取り付けた頭頂部をひたすら丸く削るというもの。かつてないほどに木屑が大量に出た。また、頭頂部の木が薄…

獅子頭制作8日目

本日は眉毛の彫りと獅子頭の頭頂部への木の貼り付けを行った。寄木づくりの獅子頭は全体的に角張った木の塊を丸くしていくことが必要になる。その丸い角度や刃物を入れる深さなどをしっかりと見極めていかねばならない。その塩梅が難しいのでまず右で師匠の…

和歌山県民俗芸能祭、ここにもあったか!素晴らしい獅子舞たち

和歌山の獅子舞ってどんな特徴があるの?という疑問とともに、2024年2月18日、第17回和歌山県民俗芸能祭を訪れた。もともと三面獅子という全国にも珍しい形態があることから、その取材をメインに、現地を訪れた。 野中の獅子舞(和歌山県田辺市) 始まりはなん…

東京都板橋区 諏訪神社の田遊び。千年続く素朴な神事で、獅子舞を発見!

田遊び神事の獅子舞は非常に素朴で東京の中にあってはどこか貴重で珍しい獅子舞と思った。 2024年2月13日、国指定重要無形民俗文化財、赤塚諏訪神社の田遊び神事を訪問した。この民俗芸能のことをつい最近までずっと知らなかった。都市祭礼というよりは農村…

鈴鹿・獅子神御祈祷神事から、日本の獅子舞のルーツを探す

始発の電車に乗って伊勢市駅から鈴鹿市を目指した。真っ暗の中、電車は出発する。徐々に辺りが白み始めたとき、眩しくて微細な光が窓から差し込み、そして田園地帯を地平線からまばゆい太陽の光が照らしていた。獅子神御祈祷神事。日本で最も古い獅子舞を今…

伊勢・高向の御頭神事、日本全国に通じるヤマタノオロチの系譜を考える

三重県伊勢市、宮町駅に降り立った。19時16分、辺りはもう暗い。これから祭りが行われるわけだが、あたりは静まり返っている。本当にここで合っているのだろうか、20分の徒歩ののち、高向大社につく。途中、若い人が数人歩いており、携帯を見ながら何やら話…

富山県の獅子舞研究旅、職人、獅子舞、研究者との出会い

富山県は獅子舞が盛んな地。獅子舞に関するまだまだ調べきれていないことがたくさんある。そこで、2024年1月28〜29日で、現地を訪れる機会を得た。ここで、獅子舞職人、研究者にお会いしたり、獅子舞演舞を拝見したりと大充実だった。日記的に振り返る。 英…