大獅子展示から獅子舞演舞まで!地域の繋がりを感じる祭りとは?石川県加賀市 山中温泉獅子祭り

2024年3月10日、石川県加賀市にて山中温泉獅子祭りを開催。僕が所属する加賀市獅子舞を応援する会は、「獅子舞演舞3団体」「獅子頭展示9体」「獅子頭作りワークショップ」「グッズ販売」の担当をした。10時から16時の時間帯、昨日までの雪がからっと晴れ、とても賑わった。山中温泉の獅子好きな想いとか、団結する力、結びつきの強い地域性を感じた。今回の祭典は山中温泉が主導となって大獅子展示常設施設「ししがしらんど」の完成を記念したもので、普段倉庫に眠りっぱなしの大獅子を山中温泉のど真ん中で常設展示を開始したのは大きな一歩だった。ハレだけでなく、ケの場でも大獅子は生き続けているのだ。

獅子舞演舞は山中温泉中島町、小塩町の3団体に舞っていただいた。どれも棒振りが登場する勇壮な獅子で、中島町山中温泉菅谷町に獅子舞を伝えた。また、小塩町は山中温泉北側に位置した桂木団に獅子舞を伝えたとされる。 昭和以前の話なので、地元が普段意識しないような地域同士の「繋がり」を感じ再編集する機会になった。

 

▼ししがしらんどに入る大獅子

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ps. 山中温泉獅子祭り演舞文章(司会:稲村)

「みなさんこんにちは!ここからは加賀市の獅子舞を盛り上げる活動をしている「加賀市獅子舞を応援する会」が担当させていただきます。みなさん獅子頭がいくつ残っているかご存知ですか?加賀市内には127町で日本全国でも有数の獅子舞の数と種類が豊富な地域となっています。今回演舞いただくのは、山中温泉中島町、小塩町の皆さまです。

山中温泉

激しい棒振りと獅子との掛け合いに見所があり、温泉地らしく初めて見る人でも親しみやすい獅子舞です。また、獅子舞のみならず、獅子神輿が祭りで練り歩いたり、飾り獅子の文化があったり、町に獅子舞が溢れています。漆塗りの技術があるという背景もあり、地域としてこれだけ盛んなエリアは珍しいです。

中島町

棒振り同士のキビキビとした激しい打ち合いが見どころです。棒振りが薙刀などを使って獅子を退治するという「獅子殺し」の形態です。獅子は棒振りを映えさせるような役割もあり、あまり動きません。白色の蚊帳に赤い獅子頭です。このような獅子舞は加賀市の中でも非常に珍しい形態です。この獅子舞は大人気となり、昭和の頃に山中温泉菅谷町の人々は中島町に何度も通い、獅子舞を習ったと言われています。

小塩町

全国的にも珍しい白色の獅子頭です。笛、太鼓、棒振りは小中学生が担い、総勢35名での演舞です。獅子舞は明治時代に流行したコレラウイルスの影響で石川県内灘町から移住した漁師たちによって伝えられました。棒振りが獅子を退治する獅子殺しの演舞があり、とても勇壮な獅子舞です。また昔、山中温泉北側で活動していた獅子舞団体「桂木団」に獅子舞を伝えた町のひとつです。
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