2024-01-01から1年間の記事一覧
獅子舞の起源を深く掘っていくと、不思議な事実にぶち当たる。それが、900年代に獅子舞が増加しているという事実である。延喜天暦の時代は「延喜・天暦の治」と呼ばれ、理想的な時代として考えられてきた。延喜年間は901年から923年までであり、醍醐天皇の治…
長い年月を受け継がれてきた獅子舞にはそれなりに理由がある。しかし、ここ数千年を見ても類を見ないほどに、現在、日本の地域コミュニティは変革を遂げている。しがらみからの開放という大きな自由を手に入れようとする若者たちがその最たる例である。その…
茨城県石岡市での獅子頭制作も21日目。本日の工程は、ひたすら耳を彫るというものだった。以前に組んでいた耳の木組みが、継ぎはぎになってしまっていたので、先生が太めの木で新しく組んで作ってくれていた。耳を彫るのはなかなかに技術がいる。表面を彫っ…
日本の外に出ることで、逆に日本の国内について知ることができる。獅子舞文化も無論、そうだろう。東アジアの文化の中にある日本の獅子舞と捉えれば、いままでの謎も解明するかもしれない。そんな中で、一歩踏み出しやすい海外として、香港は大きな選択肢と…
茨城県石岡市での獅子頭づくり。本日の工程は、舌と耳の部材を貼り合わせることと、獅子頭の表裏をヤスリで磨くこと、そして、塗り材料をもとめて酒井塗装店に行くということだった。部材の貼り合わせはF型クランプを6つも使った。ノコギリで切って、ボンド…
2024年11月3日、佐賀県唐津市の唐津くんち、嬉野市塩田町宮ノ元地区 丹生神社の塩田獅子舞、鹿島市琴路神社の獅子舞を訪問した。一日中レンタカーを乗り回して、実際に解き明かされた獅子舞の物語を振り返ろう。 夜行バスはハプニングの宝庫 前日は民俗芸能…
茨城県石岡市での獅子頭づくりは19日目を迎えた。本日の作業は獅子頭の下顎の歯を彫ったり、下顎と上顎の接合部を製作したり、獅子頭のうちぐりを彫ったりといった感じだった。今回の作業では木を彫るというよりかは木を剥ぎ取るというくらいにバキバキと大…
2024年10月16日、新潟県佐渡島の新町(しんまち)まつりで登場する「たかみ獅子」を訪問した。この獅子舞は農機具の箕を3枚かさねてつくる独特なもので昔は日本全国に広がっていたが今では数例しかないとも言われる貴重なものだ。その獅子舞を拝見したいと思い…
全身が毛むくじゃらの獅子舞が本州にも存在する。沖縄以外にもこんな動物的で原始的な獅子舞がいるのか、とYoutubeを見ながら驚いた。兵庫県の毛獅子はここ数年、訪れたいけど訪れられなかった獅子舞のひとつだ。兵庫県一帯で受け継がれるこの舞いの迫力を現…
2024年10月14日、静岡県掛川市で行われた掛川大祭(かけがわおおまつり)を訪れた。この祭りには非常に思い入れがあり、絶対に訪れたいと思っていた。なぜなら、「日本で最も大きな獅子舞」とも言われる獅子舞が演舞されるからである。 ここで中日新聞の2024年…
2024年10月13日、念願の梯子(はしご)獅子を見ることができた。梯子獅子とは、祭礼の際に大型の櫓を組み、そこに向かう梯子をかけて、梯子を登って天に届かんとする獅子舞の形態のひとつであり、愛知県、千葉県、和歌山県など太平洋沿岸部で数多く受け継が…
西日本にいる一人立ちの獅子舞。それだけでも珍しいが、何か獅子舞の真相を抉り出すような原始的な獣のような獅子舞のビジュアルに直感的に惹かれた。そこで2024年10月13日、僕は愛知県東浦町藤江神社のだんつく獅子舞(八ツ頭舞楽)を訪れた。以前拝見したTwi…
2024年9月29日、福岡県飯塚市の大分(だいぶ)八幡宮で毎年行われる仲秋の大祭を訪れた。この地には、非常に歴史ある獅子舞が伝わるという。福岡の獅子舞といえば7月の祓い獅子の印象があったが、福岡市の周辺にも貴重な獅子舞が伝わっているようだ。今回は…
茨城県石岡市での獅子頭制作はもう18日目を迎えた。下顎の造形を重点的に彫り進めるとともに、鼻の穴あけやヤスリかけなどを行った。途中、ボンドの付けが甘かったため、インパクトで穴を開けている際に鼻がもげてしまった。ボンドをつけるやり方だけでもコ…
三匹獅子舞には雌獅子隠しの演目が多くの団体の共通演目として存在する。雌1頭を雄2頭が取り合うという構図で、雌1頭は花笠4つによって囲まれておりそれを探し出すことを競うような演目である。これは関東の三匹獅子舞はもちろん、東北地方のしし踊りにも数…
2024年9月13〜15日、22日〜23日の日程で石川県加賀市の獅子舞を取材した。いつもながらに訪れている石川県加賀市。今回は動画の撮影をメインとして訪れたが、各町の演舞形態や組織など少しずつ変化が見られた。例年に増して数多くの獅子舞を取材することがで…
獅子舞がなぜ全国に広がっていったのか。今では47都道府県に伝えられているわけだが、その最初の起爆剤のひとつが、八幡信仰だった可能性がある。これはどういうことなのか。東大寺大仏殿開眼供養が行われた752年。この年に、日本全国から参列に駆けつけた人…
福島県いわき市。獅子舞の保存や継承に力を入れている自治体のひとつだ。最近まではこの地が獅子舞が盛んな地であることを全然知らなかったものの、2024年9月7日から8日の日程で、東京音楽大学のプログラムに同行させていただき、その実態を知ることになった…
茨城県石岡市での獅子頭作り。本日で17日目。もう開始から1年は経っただろうか。スローペースでまだまだ先は長い。本日は下顎を徹底的に彫った。下顎を上顎と合わせて歯の位置を決め、輪郭をなぞりながらも、いらないところを削っていく作業がメインだった。…
小矢部から471号線をぐんぐん山の中に入っていく。ところどころ台風で崩れている箇所がある。ここで本当に合っているのか。不安になるくらい山深い。一部通り抜けできない道路もある。たどり着いたのは、ひとつの神社。場所間違ってるのでは?なんて思いなが…
2024年8月31日、石川県羽咋市に新設の「LAKUNA羽咋」で開催された羽咋獅子舞フェスティバルに獅子舞グッズを出店。それとともに出演した12団体の獅子舞を撮影した。初見の印象は総じて高い鉦の音と、テンポ感の良い足のリズムだった。これが能登獅子の特徴の…
池袋から西武線に乗り換えて進んでいく。徐々に山を縫うような風景の中。電車は秩父盆地へとたどり着く。ここには独自の文化圏があると思った。西武秩父駅から降りて大雨の中、バスを待つ。売店で買ったお酒の香りのする饅頭を頬張る。餅、饅頭、味噌。どれ…
静岡から移動して、次の朝に石川県加賀市にたどり着いた。旅する延長上で加賀市を訪れて感じるのは、特に獅子舞文化が小さく細かく広く根付いており、それが地域性であり面白さのように思う。この地域では3日間、2024年8月16〜18日の日程で滞在した。加賀市…
静岡の山深きところ、川根本町にて受け継がれる舞いに関心があった。それは一目見てキュートで原始的、ともいうべきか。現代に適合するようなアイドル感がありながら、原始舞踏の本質さえも突きつけてくるような素晴らしい舞いと想像する。このような舞いは…
2024年8月14日、黒石市上十川獅子踊りを見てから速攻で50分歩き続けて、黒石駅前からバスに乗った。そして新青森駅に到着。バスのおじさんが「千円札しか両替できないよ」とのことだったが、小銭があまりなくしかもお札は5千円という旅中あるあるの現象が発…
2024年8月13日、僕は18きっぷを手に、東北の列車を乗り回していた。そして、その途中に台風に出会ってしまった。1日目は盛岡を目指したかったが、東北本線が仙台以降使えないということになり、仙山線から奥羽本線経由で秋田を目指す。結局鶴岡止まりで次の…
本日、茨城県石岡市での獅子頭づくりは16日目。下顎を制作するとともに、頭頂部の模様を丸くやすりがけをしたり、眉間の部分に取り付ける剣を製作してもらったりした。新しい部分に挑戦したこともあり、テンポよく進んだ。まずは下顎を作るためにかまぼこ型…
2024年8月4日、山形県黒獅子取材。 僕は深夜0時半に山形県米沢市にたどり着いた。宿はあえてとらなかったので、ネットカフェに向かう。快活クラブが最近は良いと思っている。ドリンク飲み放題だし、どうせこういう時は4〜5時間くらいしか寝ないのに、宿に泊…
2024年8月3日、夕方に新幹線に乗って、岩手県北上市にたどり着いた。北上・みちのく芸能まつりに出演する外山鹿踊の演舞を拝見するためである。なかなか見られる機会はないから是非きてくださいとのこと。今回はお披露目のための重要なイベントのようだ。 思…
2024年8月3日栃木県宇都宮市の天下一関白神獅子舞を訪問した。栃木県から福島県にかけて広がる関白流の獅子舞の始まりと伝わり、県の無形民俗文化財とあって宇都宮市ホームページ等で広報も力を入れているようだ。写真を見て素晴らしい獅子舞であるという直…