2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

和歌山県の獅子舞の多様さを知るー春季企画展「紀州の獅子と獅子頭」等ー

2021年4月25日、和歌山県和歌山市の風土記の丘で開催されていた春季企画展「紀州の獅子と獅子頭」を見に行った。和歌山の獅子頭といえば、奈良や伊勢の獅子舞の影響を受ける古い形態があるかもしれないという期待感と、獅子頭に関する企画展はそう多くないの…

柳田國男・民俗学のその後、赤坂憲雄『東北学/もう一つの東北』を読んだ

東北学という考え方について最近興味を持っており、赤坂憲雄著『東北学/もう一つの東北』(講談社学術文庫, 2014年)という本を読んだ。 民俗学の始まりは柳田國男の「学問によっていかに民を救い、世を立て直すか」という志だった。それは経世済民(世の中…

茨城県石岡市は獅子舞の民主化が進んでいる

茨城県石岡市の獅子舞に非常に興味を持っている。獅子舞が町で根付くということを考えた時に、この街には何か大きなヒントがあるように思える。なぜそう思ったのかについて、2021年4月17日に現地を訪れた感覚をもとに、3つのポイントを述べていきたい。 ①聰…

【2021年4月】石川県加賀市 獅子舞取材 山中温泉

2021年4月9日〜10日に、写真集『我らが守り神 石川県加賀市の獅子頭たち』の配布や今年度以降の獅子舞取材の計画を練るため、石川県加賀市に滞在した。その中で、10日に山中温泉の獅子舞に関して、追加取材をさせていただいたのでご報告する。 送迎は山口美…

柳田國男 『獅子舞考』を読んだ

柳田國男の『獅子舞考』(『柳田國男全集18』,筑摩書房,1990年)は獅子舞の起源について考える上で、非常に重要な手がかりを示唆している。この論考は大正10年代(1920年代)に発表されたもので、言葉遣いが今とやや異なる。色々な意味で現在では語られざる…

獅子頭を封じるという行為について考察~千葉と石川の事例~

千葉県千葉市の寒川神社という場所に、興味深い獅子頭がある。 (以下寒川神社のホームページ参照) ここに保管されている獅子頭は桐で作られた漆塗りで、法隆寺の獅子頭に似た造りをしていて、製作年代は鎌倉時代であるとのこと。2体で1組とみなす考え方が…