鹿児島県の獅子舞はまだ訪れたことがなくて、その中でも一際、原始的で獅子舞の根源に迫れるようなところを探していた。そこで2025年9月23日、鹿児島県の大平獅子舞踊りを訪れた。これはまず舞いなのか、踊りなのかというのが気になったが、あまりどちらかと…
虎が勇壮に舞い、笹竹を咥えて睨む姿は、どこか恐ろしくもあり、愛らしくもある。虎舞にどっぷり浸りたい。最近、虎舞をしっかり見られていないことが気がかりだったので、久しぶりに虎舞を拝見することにした。岩手県上閉伊郡大槌町。この地には虎舞発祥最…
2025年9月14日(日)、新潟県新潟市江南区の桟俵(さんばいし)神楽を訪れた。「さんばいし」は地元の読み方であり、一般的な読みは「さんだわら」である。桟俵とは米俵の上下にあてる、わら製の丸いふたのこと。このふたが獅子頭に使用されていることにちな…
熊の毛を使った獅子舞について、ここで書いておきたい。石川県津幡町の熊獅子が以前から気になっていた。なぜこの地域には熊獅子がポツンと存在するのかということである。津幡町の獅子舞といえば、金沢から北上して行ったかが獅子の影響が強いはずだが、金…
2025年8月31日、岩手県一戸町で開催された一戸まつりを訪れ、根反鹿踊り(ねそりししおどり)を拝見した。根反鹿踊りと出会ったのは2023年の北上・みちのく芸能まつりに遡る。重く深く響く太鼓と声に引き込まれ、そして、鹿のしし頭の素朴さと所作の激しさに圧…
京都において悪疫退散の願いが込められた六斎念仏。その中でも最も盛り上がってきた地域とも言われる吉祥院六斎念仏に、2025年8月25日に伺うことができた。最も拝見したかったのが、猿が登場する岩見重太郎と獅子舞および獅子と土蜘蛛の演目である。 京都に…
獅子幕のない非常に豪華な獅子がいるという。千葉県木更津市小浜水神社祭礼で登場する獅子舞の練習を拝見するため、小浜集会所に伺った。担い手の大森さんにinstagramで連絡をいただき、練習にお越しくださいとのことでご紹介いただいた。木更津駅で合流のの…
本日、茨城県石岡市での獅子頭制作は33日目。獅子頭全体の形を整える作業をおこなった。獅子頭を整える作業は、「角ばったところを丸くする作業」が主だった。下顎の模様の波打つところだったり、巻き毛の模様だったり歯の形ををなめらかに曲線を描くように…
火の輪をくぐる獅子舞がある。本当に熱くないの!?と思うほどに狭い輪っかを獅子舞がくぐる。この勇猛果敢な獅子舞があることを知り、ぜひ拝見したいと強い興味を抱き、2025年8月16日山形県川西町の小松豊年獅子踊を訪れた。山形駅を朝に出発して、米沢をま…
山形県新庄市仁田山。この地に、日本全国でも珍しいカモシカの踊りがある。2025年8月15日、現地へ取材に伺った。今回はふるさと歴史センターのご紹介で、日塔(にっとう)さんと繋がることができ、今回の訪問が叶った。前夜に東京駅からバスに乗り、山形県へ…
裏側にこれほど奥が深い物語が隠されていたのかと驚いた。2025年7月27日、千葉県指定であり、国選択の無形民俗文化財である、千葉県旭市の太田のエンヤーホー昇り獅子を拝見した。動物仮面芸能でありながら、東関東特有のつく舞の要素もある。柱を昇る獅子に…
2025年7月26日、茨城県石岡市での獅子頭制作にいった帰りに、少しだけ土浦市の土浦祇園祭に寄ることができた。最後の競演の時間には、4町の山車と神輿が道を賑わしていた。今回は立田町の獅子舞が気になっていたので、訪問した。立田町といえば、以前イオン…
茨城県石岡市での獅子頭づくりは32日目。本日は持ち手の横棒をきって長さ調節をした後に、ひたすらヤスリで獅子頭のありとあらゆる箇所を削った。ヤスリはまず60号のものを買ってきてほしいと師匠に言われていたので、ダイソーに行ってみると、60号2枚、120…
2025年7月22日、高知県赤野の獅子舞を訪れた。テレビやネットなどで多数見かけて担い手育成にとても力を入れている団体であること、そして高知県指定の無形民俗文化財になっていること、そして、テガイコと呼ばれる役割が登場する特殊な形態を持つことなどに…
関東に分布する数多くの三匹獅子舞(三頭立て獅子舞)の中でもとりわけ歴史が古く、そして広範囲の地域に獅子舞を伝播させたものがある。その典型が埼玉県越谷市の下間久里の獅子舞である。獅子舞研究をしているならやはりここは訪れなくてはなるまいという…
鶴、龍、蟷螂...。さまざまな動物仮装芸能の多様性には驚くものがある。2025年7月19日、静岡県森町山名神社天王祭舞楽を訪れた。唯一無二のこれらの芸能はどのように生まれ、そして、発展して今日まで継承されてきたのか。そして、獅子と優填獅子という2演目…
唯一無二の獅子舞がある。口が扇子(末広)で赤髪の1人立ちの獅子舞がいるらしいのだ。この獅子舞が登場する徳島県海部郡海陽町「宍喰祇園祭」は、国が選択する「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」となっている。四国の獅子舞の取材が進んでいな…
2025年7月10日、北海道で受け継がれる羽幌の加賀獅子を拝見した。この獅子舞を訪れようと思ったきっかけは、獅子舞の伝来経路への着目から始まった。石川県内灘町の獅子舞、そしてそこから伝来した加賀市橋立地区の獅子舞はよく取材している。一方で、内灘町…
2025年7月6日(日)、埼玉県八潮市の大瀬の獅子舞を訪れた。この獅子舞は富士登山の様子を模した獅子舞であり、朝10時から夜20時を2日間という非常に長い時間にわたって、富士登山の物語を舞うという獅子舞である。2時間の取材で、ペットボトル2本を消費する…
茨城県石岡市での獅子頭作り修行は本日、31日目。ひたすらやすりがけの日だった。徐々につるつるになっていく獅子頭はどこか生き物らしさを感じながら進めていった。模様を削りすぎないことを意識して実施した。もともと60号のヤスリを買っておくことを伝え…
茨城県石岡市での獅子頭作りは本日で30日目となる。彫りの最終調整段階となってきた。まず幌(胴幕)をつけるための穴を開けた。獅子頭の設計的に隙間なく巻き毛を配置してしまっているので、幌をつけることは困難に思われた。しかし、師匠のアイデアで巻き毛…
本日茨城件石岡市での獅子頭づくりは29日目。概ね形はできてきたので、木彫りの最終調整に入ってきた。獅子頭の裏側の凸凹を掘ったり、下顎の歯の角張っているところを丸くしたり、顎の棒を通す接合部をスリム化したりと、細かい作業をしていった。目立った…
長野県上松町。木曽の山々に囲まれたこの地で、20年に1度のお祭り「御神木祭」を拝見した。2025年6月4日、ついに訪れることができた。長い年月に想いを馳せた。どうしようもないくらいに深い檜の森、ここから御神木が運ばれる。森から市街地へ、そして伊勢神…
2025年6月1日、神奈川県横浜市鶴見区生麦の「蛇も蚊も祭り」を訪れた。そこに妙な名前と、藁蛇が練り歩くというから、どこか東京都大田区の水止祭や埼玉県鶴ヶ島の脚折雨乞などと似たような発想を感じる。何となくそのビジュアルと名前に惹かれて現地を訪れ…
2025年5月31日、秋田県にかほ市象潟町小滝の金峰神社土舞台で行われたチョウクライロ舞を訪れた。「長久生容」と書いてと書いてチョウクライロ舞だそうである。ぼくはこの舞いをインターネットで調べた時、どうしようもなく訪れたい気持ちでいっぱいになった…
本日、茨城県石岡市での獅子頭作りは28日目。本日はひたすら穴を開ける作業を行った。というよりも、師匠がしてくださっているのを見ていたという方が正しいかもしれない。というのも、あまりにも精密すぎる工程なので、僕ができるところはほぼない。「穴を…
松明の炎が夜空を照らし、幻想的な景色が作り出されたかと思うと、激しくやり合う天狗と獅子。炎に魅入る人々は大きな一体感に包まれていた。2025年5月14日、富山県射水市で受け継がれる六渡寺の獅子舞を1日中追いかけた。富山県の獅子舞でまだ見られてない…
福井駅からバスに乗ると、どんどん車窓は田園風景へと変わっていく。鉄道の一乗谷駅を越え、朝倉氏の城跡などの遺構を抜けるとバスに乗っている人は僕1人になる。観光ガイド気分で「ここは朝倉氏の遺構ですよ、博物館がありますよ」などと陽気にお話ししなが…
古代へと遡る奥深い信仰に誘われた気がした。僕は美しい浜のまち、福井県美浜に降り立った。もともと、氷見獅子の起源、もっと言えば北陸一帯に広がる天狗と棒振りが登場する獅子舞の起源を解き明かすことになるかもしれないという思いでこの地を訪れた。王…
2025年5月3日、富山県井波から高岡行きのバスに乗って駅前に到着したのは12時前。ブラックラーメンを食べてから、久宗獅子舞工房さんのつてもあり、高岡獅子舞共演会に出店した。高岡の獅子舞はなぜこれほどまでに賑わいを見せるのか。駅前のウィングウィン…