五穀豊穣をもたらす古の呪術!?岐阜県関市「どうじゃこう」農業の獅子舞の系譜を考える

箕獅子から見る農耕の獅子舞の原点は、里山に暮らし身近なところに潜む魔物と格闘する人間の暮らしだったのかもしれない。2024年4月21日、岐阜県関市の「どうじゃこう」と呼ばれる謎深い民俗行事を訪れた。獅子舞というべきか、獅子概念を呪術に消化した芸能…

獅子頭制作11日目

本日は茨城県石岡市の獅子頭づくり11日目。僕の進みが遅すぎて、職人さんが持って帰って進めてくださった獅子頭を受け取った。めちゃくちゃ素晴らしい造形!そして、たくさんの隙間を埋め、かさ増ししたオガコの跡が。本日のミッションは鼻と口との間の造形…

知られざる獅子舞文化の再発見!獅子舞講演会・獅子頭展示、第2回 加賀獅子舞春祭り(4月)

4月14日(日)、僕が所属する加賀市獅子舞を応援する会は石川県加賀市にて「第2回加賀市獅子舞春祭り」を開催。獅子舞講演会&獅子頭展示を行った。獅子舞講演会は石川県加賀市の大聖寺地区会館にて、14時から15時半の日程で開催。現在、石川県唯一の獅子頭専…

北飛騨地域の「金蔵獅子」の系譜を辿る、自然界との獣との対峙する里人の暮らしとは

4月13日(土)、北陸圏での獅子舞を探していた。そこでたまたま獅子魂というサイトで1週間前に更新された情報を確認していると、神通川流域の富山県と岐阜県の県境付近3箇所(町長、楡原、岩稲)で獅子舞が開催されることがわかった。このうち、時間の関係で…

農業らしい腰の動き「干し物獅子」、埼玉県川越市「石田の獅子舞」から考える環境適合型の獅子舞

環境の影響を受けて所作を形成する獅子舞がある。そういう獅子舞に強く惹かれる自分がいる。そこの土地で継承されるべくして継承されている存在。だからこそ大きな価値を感じるのだ。2024年4月7日、埼玉県川越市の市指定無形民俗文化財・石田の獅子舞を取材…

獅子頭制作10日目

茨城県石岡市での獅子頭づくりは、今日で10日目。10日目にして分かったことがある。師匠である獅子頭職人は全体的な形をイメージしながら、そのバランスで部分的なパーツを彫っているという感覚がすごすぎる。自分は今までなんとなくでやっていたのだけど、…

千葉県・東葛に潜む祭囃子の系譜

千葉県の松戸市には3匹獅子舞が、和名ヶ谷、上本郷、大橋の3箇所で継承されている。これは緻密な報告書が作成されており、比較的広く知られている。しかし、お囃子の獅子舞がいくつか存在することを知る人は多くない。今回訪問したのは、松戸市の六実お囃子…

【クラファン応援】染め物の魅力を広めたい!獅子蚊帳職人がバックを制作、富山県高岡市 山本染業の挑戦

富山県高岡市で、染め工場「山本染業」の新しい挑戦が始まった。 創業115年の伝統的な染めの技術を生かしてカジュアルなトートバックを制作し、それをクラウドファンディングで販売しておられる。2024年3月22日から一ヶ月、クラウドファンディングに挑戦され…

新たなる獅子舞伝説!富山県魚津市「金山谷の獅子舞」、鉱山そして海外から舞いを導入

2024年3月17日(日)、富山県魚津市金山谷の獅子舞を訪れた。石川県に用事があり、その流れで訪れられる獅子舞を探していたところ、奇跡的に富山の東端、魚津市にて獅子舞を行う情報を得た。魚津市役所に問い合わせ、現地の人に確認してもらい、獅子舞がしっか…

【2024年12月】石川県加賀市 獅子舞取材 中代町(追加)

石川県加賀市中代町の獅子舞を取材した。以前、獅子頭の撮影と取材をさせていただいたが、それから日にちが経ってちょうど祭りの日にかぶる形で加賀市に滞在する予定ができたので、今回取材する流れとなった。中代町の獅子舞を観るのは、これが初めてである…

加賀未来市開催!石川県加賀市で9団体が演舞、獅子舞が集い新幹線延伸を祝う

2024年3月16日、北陸新幹線延伸を記念して、「加賀未来市」を開催!石川県加賀温泉駅前の芸能ステージでは「獅子舞演舞」が行われ、加賀市の獅子舞が過去最高の9団体が出演しました!今回出演したのは、塩屋町、山代温泉、大聖寺下屋敷町、山中温泉、動橋町…

大獅子展示から獅子舞演舞まで!地域の繋がりを感じる祭りとは?石川県加賀市 山中温泉獅子祭り

2024年3月10日、石川県加賀市にて山中温泉獅子祭りを開催。僕が所属する加賀市獅子舞を応援する会は、「獅子舞演舞3団体」「獅子頭展示9体」「獅子頭作りワークショップ」「グッズ販売」の担当をした。10時から16時の時間帯、昨日までの雪がからっと晴れ、と…

コミュニティ獅子舞の実践

獅子舞をとある特定のコミュニティに生息させる試み。獅子の歯ブラシは地域を対象とするのに対して、この獅子舞の作り方はもっぱらコミュニティを対象とする。 3/3 しょくやぼ農園(神奈川県横須賀市) ひな祭りの日に神奈川県横須賀市のしょくやぼ農園にて「…

獅子頭制作9日目

茨城県石岡市での獅子頭づくり。今回で9回目だ。まだまだ半分くらいいったかどうかというところ。ゆっくりと着実に進めていきたい。本日の作業は前回取り付けた頭頂部をひたすら丸く削るというもの。かつてないほどに木屑が大量に出た。また、頭頂部の木が薄…

獅子頭制作8日目

本日は眉毛の彫りと獅子頭の頭頂部への木の貼り付けを行った。寄木づくりの獅子頭は全体的に角張った木の塊を丸くしていくことが必要になる。その丸い角度や刃物を入れる深さなどをしっかりと見極めていかねばならない。その塩梅が難しいのでまず右で師匠の…

和歌山県民俗芸能祭、ここにもあったか!素晴らしい獅子舞たち

和歌山の獅子舞ってどんな特徴があるの?という疑問とともに、2024年2月18日、第17回和歌山県民俗芸能祭を訪れた。もともと三面獅子という全国にも珍しい形態があることから、その取材をメインに、現地を訪れた。 野中の獅子舞(和歌山県田辺市) 始まりはなん…

東京都板橋区 諏訪神社の田遊び。千年続く素朴な神事で、獅子舞を発見!

田遊び神事の獅子舞は非常に素朴で東京の中にあってはどこか貴重で珍しい獅子舞と思った。 2024年2月13日、国指定重要無形民俗文化財、赤塚諏訪神社の田遊び神事を訪問した。この民俗芸能のことをつい最近までずっと知らなかった。都市祭礼というよりは農村…

鈴鹿・獅子神御祈祷神事から、日本の獅子舞のルーツを探す

始発の電車に乗って伊勢市駅から鈴鹿市を目指した。真っ暗の中、電車は出発する。徐々に辺りが白み始めたとき、眩しくて微細な光が窓から差し込み、そして田園地帯を地平線からまばゆい太陽の光が照らしていた。獅子神御祈祷神事。日本で最も古い獅子舞を今…

伊勢・高向の御頭神事、日本全国に通じるヤマタノオロチの系譜を考える

三重県伊勢市、宮町駅に降り立った。19時16分、辺りはもう暗い。これから祭りが行われるわけだが、あたりは静まり返っている。本当にここで合っているのだろうか、20分の徒歩ののち、高向大社につく。途中、若い人が数人歩いており、携帯を見ながら何やら話…

富山県の獅子舞研究旅、職人、獅子舞、研究者との出会い

富山県は獅子舞が盛んな地。獅子舞に関するまだまだ調べきれていないことがたくさんある。そこで、2024年1月28〜29日で、現地を訪れる機会を得た。ここで、獅子舞職人、研究者にお会いしたり、獅子舞演舞を拝見したりと大充実だった。日記的に振り返る。 英…

獅子頭制作 7日目

本日、茨城県石岡市での獅子頭制作修行7日目。今回の工程はこんな感じ。・眉毛を彫って取り付ける ・頭に木を組んで取り付ける ・眉毛に木を足す今回は久しぶりに彫るよりも切る動作が多かった。自分はまだまだ1ミリ単位の正確性が足りず、一度切り直しにな…

獅子頭制作 6日目

本日、茨城県石岡市での獅子頭制作修行6日目。今回の工程はこんな感じ。・鼻を大胆に切り出し、形を整えた。いままで作り上げたものを大胆にもガシガシ変えていく。全体のバランスから考えていく。ここに迷いがなくなれば、それこそがプロの技だと思う。 ・…

日本全国の獅子舞の源流を探る旅・三重県伊勢市、箕獅子や御頭神事を取材

日本の獅子舞の源流のひとつとも言える三重県伊勢市。伊勢神宮をはじめとした信仰拠点があり、御頭神事と全国へ獅子舞を伝播した伊勢大神楽へと続く系譜、そして箕獅子といった原始的な舞、どれをとっても一地域の獅子舞とは思えない、どこか日本全国の獅子…

手作り大獅子の物語!静岡県島田市抜里にて、遠方の獅子舞との意外な共通性

楽しさを追求する精神と助け合いがある、暖かい街。そのような印象が強い、静岡県島田市抜里という地域。三人組のアーティストユニット獅子の歯ブラシの活動で、この街に滞在した。ここではもともと獅子舞はないものと思っていたが、庭木の剪定をしている地…

岩手県の宝「黒森神楽」を取材!奥深い歴史を繋ぐ舞いに迫る<2024年お正月公演>

黒森神楽は宮古市山口に鎮座する黒森神社を拠点として行われる山伏神楽である。廻り神楽とも呼ばれ、岩手県沿岸部を中心に広範囲を舞って歩く。この巡業スタイルは三重県の伊勢大神楽を連想するような獅子舞だ。国指定の重要無形民俗文化財であり、この巡業…

秋田県「本海獅子舞番楽」を取材!洗練された所作の先に、八幡信仰など全国の獅子舞のルーツを見た

本当にあの山奥の憧れの獅子舞を見られるのだろうか。2023年1月2日早朝。僕は山形県の酒田駅に立ち尽くした。昨日の能登半島地震の影響で、電車もバスも動いていない。パソコンに「羽後本荘」の文字をでかでかと書き記し、ヒッチハイクをしていたが、なかな…

何十兆もの細胞が震える猪肉!宮崎県「銀鏡神楽」が受け継ぐ縄文の精神

宮崎の猪生ける山奥で、非常に貴重な神楽が伝承されているという。宮崎県で最も早く国指定の重要無形民俗文化財に指定された「銀鏡(しろみ)神楽」である。この神楽に登場する獅子舞の写真をネットで見かけて、ハッとした。これは縄文につながるほどの歴史…

獅子頭制作日記5日目

茨城県石岡市の獅子頭作りは早5日目。今年の獅子頭作りは仕事納めだ。本日の1番の収穫は、小刀を使えるようになったことだ。小刀の力の入れ方がずっとわからなくて、今まではガシガシやってしまい危なっかしかったが、ぐっと木の表面を捉えることができてき…

30年以上大事に保管されてきた獅子頭のお話

静岡県島田市川根町抜里。大井川中流域に位置しており、抜里駅周辺に広がる密集地だ。国道473号線がこの地域を縫うように貫き、東に大井川、西に山並みが広がる。その土地の大部分は田畑から茶畑へと転換しており、お茶に霜がかかることを防ぐための「防霜(…

獅子頭制作日記4日目

茨城県石岡市での獅子頭制作4日目、11月25日。今日は全体的にパーツを切り貼りしたり形を整えたりと、部分的な作業よりは客観的視点での制作が多かった。基本的にはノコギリでひたすら木材と格闘するような感じである。 本日の制作内容を振り返ってみると、 …