茨城県石岡市での獅子頭作り修行は本日、31日目。ひたすらやすりがけの日だった。徐々につるつるになっていく獅子頭はどこか生き物らしさを感じながら進めていった。模様を削りすぎないことを意識して実施した。
もともと60号のヤスリを買っておくことを伝えられていたが、すっかり忘れていた。それで自前の金属のヤスリで獅子頭の表面と内側それぞれを削っていくことになってしまった。紙やすりではないので、少し粗くなってしまう。細かいところのやすりがけができなかったのは反省点である。
師匠がもうほとんど使い終わってしまった60号のヤスリを渡してくれて、紙のヤスリの使い方を教えてくださった。端材の少し太いものと細いものを用意して、それを包むようにヤスリを巻き付ける。大雑把に削りたい時と、細かく削りたい時で、包む端材の太さを買えるのだそうだ。なるほど、紙ヤスリにはできて、鉄のヤスリにはできないことを理解できた。紙ヤスリで細かいところを削るのは宿題になった。家でやってこよう。
それからもう1人の師匠が竹ひごを削って、舌と下顎の取り付けのストッパーを作ってくださった。実際の木に開ける穴と竹ひごの太さの関係性でゆるすぎても硬すぎなくてもないようなちょうどよいところを目指す感じがとても素晴らしい技術だと感じた。塗料を塗ればある程度固定されるので少しゆるすぎるくらいがちょうど良いらしい。
そろそろ次回は和紙張りに移りたい。和紙は貼った後に木と同系色になるため、もうすでに古い文字が書かれているものを使用するらしい。次回以降の作業のために、本日に事前にいただくことができた。こういう文書は漢文で書かれており、到底読むことができないようなものだが、読解したい欲に駆られた。
こちらの和紙をくださった師匠は、「よく骨董市で獅子に貼る和紙として使いたいんですと言うと、わりびきしてくれるんですよ」とおっしゃっていた。なるほど、面白い和紙張りの世界である。





