日本全国の獅子舞

獅子芝居とは何か?岐阜県岐南町にて、女性になりきる歌舞伎の獅子の成立背景に迫る

岐阜県岐南町で行われた「岐南地芝居公演」に伺ってきた。岐阜県といえば、地芝居や獅子芝居といったいわゆる魅せる演劇的な芝居ものが発達した地域である。その歴史や背景、現状の伝統継承の姿など多角的に迫っていきたい。 2022年9月「岐南地芝居公演」に…

獅子殺しの起源はいつか?

北陸地方の加賀獅子や岐阜県の金蔵獅子などに見られる獅子殺しの起源はいつであろうか?加賀獅子の起源は前田利家公が江戸時代に金沢城に入城した時に始まるという。これが軍事費を莫大にかけると反乱と勘違いされがちな外様大名ならではの文化面での武芸鍛…

なぜ獅子頭を被らないのに獅子舞なのか?扇子の動きに注目! 長野県奈川獅子舞に行ってきた

獅子頭も胴体もない獅子舞が存在するという。そんなことを聞きつけて、長野県松本市から車で1時間、上高地にも程近い秘境・奈川寄合渡に行ってきた。この地域には「奈川獅子舞」と言って、通常の獅子頭と胴体を身にまとう獅子がある一方で、それらを持たず扇…

巨大な魚を燃やす!?ぐず焼きまつりの秘密に迫る

8月27日、石川県加賀市動橋町のぐず焼きまつりを訪れた。巨大な怪物のような姿をした「化けグズ」を焼き払うお祭りであり、その迫力は圧巻だった。このモチーフはワニなのか?蛇なのか?様々に想像を掻き立てるこのユニークなまつりの実態に迫る。 ぐず焼き…

まさに魅せる獅子舞!今治市にて、アクロバティックな「継ぎ獅子」を見てきた

愛媛県今治市には「継ぎ獅子」という珍しい獅子舞がある。肩の上に人が上り、上へ上へと伸びていき、ものすごく背の高い獅子が生まれるのだ。 てっぺんにいる子どもは獅子であるにも関わらず、獅子頭を被っていない。新潟県の角兵衛獅子のような子供の曲芸と…

つく舞とは何か?カエルが柱をよじ登る意味とは?その秘密に迫る

2022年7月24日18時から茨城県龍ケ崎市でつく舞を見てきた。つく舞とは何か?を参考文献を参照して述べたのち、当日の様子を振り返る。 つく舞の由来 柳田國男によれば、つく舞の「ツク」とは柱のことで、澪標(みおつくし)の「ツク」と同義であるとする。澪…

【2022年7月】石川県加賀市 獅子舞取材 中代町・新保町(追加)

2022年7月15日~17日の日程で石川県加賀市に滞在し、獅子舞のヒアリングを実施した。 7月15日 16:15~17:00 中代町 区長の東出ひであきさんに主にお話を伺った。以前、区長の西出さんにお話を伺った時のことを絡めながら記録を残しておく。 由来 獅子舞がどこ…

天候をコントロールしたという欲望、その先に「水止舞」は生まれた

2022年7月10日13時に訪れたのが、厳正寺(ごんしょうじ)の水止舞だ。水止と書いてシシと読む。とても珍しい獅子舞だ。形態としては明らかに三匹獅子舞なのだが、これが龍と一対なのがまた面白い。なぜ龍と獅子舞が対になるかというと、多摩川デルタ沿いの水…

東京に鹿踊がやってきた

2022年7月10日、11時より上野駅の岩手産直市で鹿踊を見てきた。なかなか東京で鹿踊を見ることはないので、この新鮮な感覚を書き残しておくことにする。今回、上野駅でお披露目された鹿踊は、「春日流八幡鹿踊」という名前らしい。岩手県花巻市から来たそうだ…

水害リスクを減らした獅子とは!?埼玉県三郷市・戸ヶ崎香取神社の獅子舞を見てきた

2022年7月3日、埼玉県三郷市戸ヶ崎の香取神社(例大祭)で三匹獅子舞を見てきた。戸ヶ崎といえば獅子舞が盛んな地域で、一日中ぶっ通しで朝から晩まで3日間、獅子舞をする。なぜこんなに盛んなの?という疑問とともに、最終日の様子を振り返っていきたい。 …

角兵衛獅子はなぜ全国に流行したの?新潟県月潟という小さな村から始まった!涙と苦労の物語

新潟県月潟の「角兵衛獅子」の歴史は非常に興味深い。貧困や恨みといった辛さをバネにして、最強の芸能集団を作り上げ天下を取った。しかし、時代の趨勢により芸能の技術指導が体罰と認識されるようになり完全に衰退してしまった。今では「保存会」によって…

佐渡島はなぜ「日本の芸能の縮図」なのか?獅子舞と鬼が融合した鬼太鼓を見てきた

2022年6月25日、新潟県の佐渡島に行ってきた。なぜ日本海の孤島に民俗芸能は次々と集積され、芸能における日本の縮図とまでに言われるようになったのか?その理由について調べるとともに、鬼と獅子舞が融合した佐渡の民俗芸能の顔・鬼太鼓の真相に迫る。 佐…

酒田市はなぜ獅子の町になったのか?疫病が発生しやすかった構造とは

酒田市は獅子舞の街だ。酒田まつりでは大獅子が練り歩き、神輿には行道の獅子がつき、ステージパフォーマンスでも獅子舞が登場する。何かと獅子舞が出現しがちなこの街において、獅子舞は街の特質とどのように結びついているのだろうか?そのようなことをふ…

大事な飼いキツネを神の国に送る「イオマンテ」の真意とは? 35年前の貴重映像とともに考えた

東京・東中野ポレポレで、2022年4月30日より、「チロンヌプカムイ イオマンテ」という映画の放映が始まり拝見してきた。北海道の大地で受け継がれてきた、イオマンテという幻の儀礼の映像が35年の時を経て公開されたのだ。これよりネタバレを含むので、興味…

獅子舞が大集合!ながの獅子舞フェスティバルが持つ機能とは?

5月3日に長野駅前から善光寺参道にかけて開催された、ながの獅子舞フェスティバル。長野市を中心に34の獅子舞団体が一堂に会した。スタッフの方にこのイベントの狙いについてお話を伺うことができた。今年で第6回目。 ー開催の目的はなんでしょうか? 伝統芸…

職人から見た祭りの姿とは?工芸品が盛んな石川県金沢市に行ってきた

獅子舞の蚊帳を作る職人は祭りをどのように捉えているのだろうか?石川県は能登キリコ、金沢の百万石祭りなど、祭り文化が盛んな土地である。これを下支えしてきたのは、江戸時代に加賀前田藩が奨励してきた工芸品文化と経済的な豊かさだ。 今回は工芸品の文…

日本全国でも珍しい?お湯を撒く!箱根・湯立獅子舞を見てきた

箱根仙石原に伝わる湯立獅子舞は、日本全国でも珍しい湯立の形式を持つ獅子舞だ。先日、国選択無形民俗文化財にも指定された。この神事の珍しさに着目しながら、先日取材させていただいたときの様子を振り返りたい。 湯立獅子舞の由来 箱根仙石原諏訪神社境…

7年に1度の大祭!獅子舞が大集結!飯田お練りまつりの盛り上がりの秘訣とは?

7年に1度というのは諏訪大社の例大祭との関わりがある。その希少性から祭りの盛り上がりは半端なく、コロナ禍であるにも関わらず、大勢の来客が見られた。基本的には目玉となるのが、獅子舞の練り歩きと門付けである。 実際に現地で獅子舞を見てきた。その様…

飯田はシシの霊地か!?獅子塚を巡りその信仰について考えた

飯田周辺にはなぜか「獅子塚」と名のつく古墳が多い。今回は伊那八幡駅から下車して、水佐代獅子塚古墳、羽場獅子塚古墳、御射山獅子塚古墳の3箇所を巡ってみた。これらは典型的な豪族のお墓のような気もするのだが、なぜ、「獅子塚」なのだろうか。日本全国…

縦横無尽に駆け回る!会津の彼岸獅子を追ってきた

福島県会津若松市で行われる春を祝う獅子舞である「彼岸獅子」なるものを拝見してきた。 春のお彼岸と言えば先祖供養の意味があり、雪解けと生命の息吹、喜びを感じる季節であることは確かだ。 ただ、なぜこのお彼岸の七日間を中心として、この地域に獅子舞…

氷見市の獅子舞はなぜ盛ん?神社の数が影響?氷見獅子舞ミュージアムに行ってきた

氷見市はカンブリに代表される漁業、美味しいお米が食べられる場所などとして発展してきた。なぜこの地が日本全国でも有数の獅子舞の数を誇るようになったのか?その地域的な背景に迫って行きたい。そのような思いもあって、ひみ獅子舞ミュージアムに行って…

獅子舞講座を開催!2段構えでファンづくり、富山県・三ヶ錦町の獅子舞

富山県射水市の三ヶ獅子舞では、獅子舞の講座を開催されているという。なぜ獅子舞の練習に加えて獅子舞講座なるものが必要だったのか?開催することで地域にとってどのような良い事があるのか?三ヶ獅子舞保存会の宮川さんと宮司の宮城さんにお話を伺った。 …

富山県でとくに古い行道獅子!?小川寺の獅子舞を取材、その歴史的系譜を振り返る

◎日本における行道獅子の始まり 612年に百済の味摩之が伝えた伎楽が、無言で滑稽味を帯びた仮面劇として持ち込まれ、その一部に師子児が先導する形で、行道の獅子というものが存在していた。東大寺大仏殿の開眼式などで披露され、地方の大寺院にも伝えられた…

北海道十勝で開拓とアイヌについて考えた

2022年2月25~26日の日程で北海道の浦幌町と帯広市に滞在した。開拓民がどのような新しい文化をこれらの土地にもたらし、その土地に古くから根付いていたアイヌ文化とはどのような摩擦がおこったのかについて知りたくなった。これらについて考えることは、北…

花祭と獅子舞の共通点とは?愛知県奥三河にて考えた

花祭は太陽神の信仰に基づく死と再生の祭りだ。やはり、山伏の香りがする。実際にこの地には白山修験、熊野修験、伊勢の御師などが訪れ、その芸能を伝えてきたというルーツがある。このことを知ってふと思ったのが、白山修験は謎が深いものの、少なくとも熊…

富山県はやはり獅子舞が盛んだった!射水市で獅子舞工房を訪れ、100周年の例大祭を取材

富山県射水市の久宗獅子舞工房の久宗さんに誘われ、富山県射水市に行ってきた。11月2日は工房に訪問してから3日は戸破加茂社の例大祭を取材させていただき、そこで披露された高穂町の獅子舞も拝見してきた。 11月2日 久宗獅子舞工房で最も驚いたことは、獅子…

文化伝播に必要な要素とは?山代大田楽を見て、獅子舞の始まりを思い浮かべた

石川県加賀市山代温泉で行われた山代大田楽を見てきた。2021年10月30~31日のそれぞれ20時から21時の日程で実施され、久しぶりに人が集まるお祭りの活気を感じられた。また、10月31日には14時から山代大田楽のトップ・わざおぎ塾長の上出さんにもお話を伺うこ…

寝獅子の源流とは?石川県小松市串町で獅子の舞い方を調査

10月25日 10:00~13:00 よこえ酒店の横江博昭さんにお話を伺った。先日、片山津温泉で獅子舞の取材をしたときに、能登半島の田鶴浜から来た建具職人である山口半次郎が明治時代に獅子舞を伝えたことを知った。そして、その獅子舞が周辺の柴山町、新保町、高塚…

石川県小松市の祭りの特徴は?曳山や演劇の文化に触れる

10月20日 16:00~ こまつ曳山交流館みよっさ 予定がぽっかり空いたので、思いつきで石川県小松市の曳山交流館みよっさに訪れ、曳山の展示を見た。とにかく大きいと思った。絹織物を中心とした町民文化の繁栄がうかがえる。中心となるお旅まつりの始まりは江戸…

人形に感情を託す!?人形浄瑠璃の獅子舞の奥深さ~ 石川県白山市「尾口のでくまわしと徳米座」

10月17日 10:00~ 石川県白山市「尾口のでくまわしと徳米座」 石川県白山市松任ふるさと館にて、人形浄瑠璃のイベントが開催された。人形浄瑠璃の研究家・マーティン・ホルマンさんのトークショーののち、3団体の人形浄瑠璃の演舞を実施。白山市内の伝統的な…