日本全国の獅子舞

イオンモール土浦で展示された獅子頭の話

2021年9月10~15日の日程で、茨城県土浦市のイオンモール土浦にて、祭りの小道具の展示が行われた。この展示はおそらく獅子舞の未来を考える上でとても重要な取り組みになるように思うのでここに書き記しておく。 家電店前に獅子頭?圧巻の獅子たち イオンモ…

【岩手県北上市】鬼剣舞・鹿踊、民俗芸能を巡る旅

鬼剣舞と鹿踊、この2つの民俗芸能が行われることを知り、8月14~16日の日程で岩手県北上市と奥州市を訪れた。鬼剣舞も鹿踊も全国的にみて盛んなのは岩手県だ。この県には、本当に民俗芸能が豊富にあると改めて実感する。以下、訪れた場所ごとに学びを振り返る…

コロナ禍で考えたい、疫病を他村に送る風流の民俗史 〜柳田國男全集18より

古来、日本人は疫病に対してどのように対処してきたのか。そのような疑問を抱えながら獅子舞研究をしていて、掛け踊り由来の獅子舞についても学びたくなった。そこで、柳田國男『柳田國男全集18』(1990年、ちくま文庫)の中の「掛け踊」の内容をまとめてみ…

鳥取県の麒麟獅子舞の正体を探る

鳥取の獅子舞はなぜ麒麟の頭なのか?以前から疑問に思っていた。ちょうどコロナ禍でありながら、いくつか公演が予定されているという情報を得たので、良い機会と思い、2021年7月18日に現地を訪れてきた。鳥取県はどこか穏やかでゆったりした空気感があり、そ…

山形県酒田市·遊佐町吹浦の獅子舞を見てきた

庄内平野と言えば、日本有数の米所。昔からどこか理由もなく惹かれる場所であったが、この地で鳥海山信仰と関わりのある獅子舞が開催されることを知った。また、酒田市は獅子頭が街中に点在することでも知られている場所だ。それらへの関心が高まり、2021年7…

未来の獅子舞とは?祝祭論から読みとく

2021年6月11日、NHKテレビ「ズームバック×オチアイ」で放送されたテーマが祝祭論だった。考えてみれば、2020年以降で祭りに参加したり見たりする機会は急激に減った。これからの祭りはどうなっていくのだろうか。日本で最も数の多い民俗芸能である獅子舞の今…

埼玉県秩父市・浦山における獅子舞の役割、人口が半減しても地域の結びつきは強い!?

昨日、秩父の浦山歴史民俗資料館を訪れた。google mapなどで獅子舞の展示をしている資料館を探していたところ、見つけたのがこの施設。獅子舞の展示についてなど、その時の様子を振り返る。 浦山歴史民俗資料館とは? 浦山地域は毛附、川俣、金倉、細久保、…

耳塚の正体とは?獅子舞との関連性を紐解く

奥羽地方などに広く伝わる、獅子舞の獅子が喧嘩をして耳を取られたという話は何を意味するのだろうか? 確かに、遠野物語のゴンゲサマなどに見られるように、獅子舞は耳を取るという発想が起こりがちであると思う。柳田國男『定本柳田國男12巻』(筑摩書房 1…

渤海使は石川県に獅子舞という芸能をもたらしたのだろうか?

渤海という国は面白い。渤海国は中国史において唐の属国と見なされ、渤海使も遣唐使の一部だと考えられてきた歴史がある。さらに大きな歴史的事件が起こることなく、開国から消滅までの200年の歴史の中で比較的平和的な国家が保たれてきた。これらの理由から…

獅子頭は本物の動物の頭だった話

昨日は埋めてある豚の頭を土から掘り返して、それをモデル(半々さん)が持って、写真の先生(うつゆみこさん)が撮影をしているのを見学するワークショップに参加した。 とても刺激的だった。毎週続けていて、もう6回目とかで、まだまだやるらしい。 豚の…

置賜地方の獅子舞、百足獅子の系譜を探る

山形県の置賜地域は、明治初期の旅行家·イザベラバードが「東洋のアルカディア」や「エデンの園」と称えたほど豊かな暮らしと農村が広がっている地域だ。東北で唯一この地を称賛したのはなぜだったのか。おそらく中央政権の力が及びきらず民衆の力が強い土地…

日本最古級の獅子舞は田楽との結びつきが強かった?浅草三社祭の「びんざさら舞」を考察

柳田國男の『獅子舞考』を読んで以来、獅子舞と田楽の関わりについて気になっている。喜多村信節の『筠庭雑考(いんていざっこう)』では、田楽で舞う獅子舞について、西域亀茲国を経由して輸入したものだと述べているが、日本の獅子舞はこの田楽法師の漂白…

飛騨高山獅子舞考

飛騨高山エリアの獅子舞文化に興味を持った。発端は毎年5月10日に行われる飛騨側の北アルプス開山祭である播隆祭で鶏芸(とりげい)と呼ばれる芸能と獅子舞がセットで披露されるということを聞いたからだ。鶏芸とは鳥の羽を頭にくっ付けて踊る芸能らしいが、こ…

木造獅子頭の研究史について

日本の木造獅子頭の研究史においてまず挙げるべき人物は、田邊三郎助(田邊 1981・1986・1997)、臼杵華臣(臼杵 1984)、門屋光昭(門屋 1981年)の3人である。それぞれ、どのような研究成果があったのかを、蔭山誠一『愛知県日置八幡宮所蔵木造獅子頭考』…

和歌山県の獅子舞の多様さを知るー春季企画展「紀州の獅子と獅子頭」等ー

2021年4月25日、和歌山県和歌山市の風土記の丘で開催されていた春季企画展「紀州の獅子と獅子頭」を見に行った。和歌山の獅子頭といえば、奈良や伊勢の獅子舞の影響を受ける古い形態があるかもしれないという期待感と、獅子頭に関する企画展はそう多くないの…

茨城県石岡市で獅子舞ヒアリング調査~文化の民主化を考える~

茨城県石岡市の獅子舞に非常に興味を持っている。獅子舞を町で支え受け継いで行くことを考えた時に、この街には何か大きなヒントがあるように思える。なぜそう思ったのかについて、2021年4月17日に現地を訪れた感覚をもとに、3つのポイントを述べていきたい…

柳田國男 『獅子舞考』を読んだ

柳田國男の『獅子舞考』(『柳田國男全集18』,筑摩書房,1990年)は獅子舞の起源について考える上で、非常に重要な手がかりを示唆している。この論考は大正10年代(1920年代)に発表されたもので、言葉遣いが今とやや異なる。色々な意味で現在では語られざる…

獅子頭を封じるという行為について考察~千葉と石川の事例~

千葉県千葉市の寒川神社という場所に、興味深い獅子頭がある。 (以下寒川神社のホームページ参照) ここに保管されている獅子頭は桐で作られた漆塗りで、法隆寺の獅子頭に似た造りをしていて、製作年代は鎌倉時代であるとのこと。2体で1組とみなす考え方が…

福島県田村市にてお人形様をはじめ悪魔払いの習俗について考察

新型コロナウイルスの流行が続くなか、悪疫退散の本質について問い直したいと思い、2021年3月福島県田村市のお人形様を見て回り資料の収集を行った。 福島県田村市にあるお人形様 お人形様は地域の守り神であり、悪魔払いのため村境に作られる人形道祖神の一…

愛知県愛西市にて、日本最古の年記銘の獅子頭について取材

愛知県愛西市の年記銘付きの獅子頭で最古のものを取材させていただいた。なぜ最古のものが、愛知県にあるのかという謎を解き明かそうという試みだった。以下、オマツリジャパンで執筆させていただいた記事を一部転載させていただく。 ーーーーー (以下、202…

獅子頭を埋める習俗を埼玉県吉見町や東松山市にて研究

日本各地に、獅子頭を土の中に埋める風習がある。この風習はどうして広まったのかということが以前から気になっていた。厄払いの一種ではあろうが、なぜ、舞ではなく埋めることによって厄を払ったのかがとても気にかかるのだ。 Google Mapで獅子頭と検索した…