2023-01-01から1年間の記事一覧

何十兆もの細胞が震える猪肉!宮崎県「銀鏡神楽」が受け継ぐ縄文の精神

宮崎の猪生ける山奥で、非常に貴重な神楽が伝承されているという。宮崎県で最も早く国指定の重要無形民俗文化財に指定された「銀鏡(しろみ)神楽」である。この神楽に登場する獅子舞の写真をネットで見かけて、ハッとした。これは縄文につながるほどの歴史…

獅子頭制作日記5日目

茨城県石岡市の獅子頭作りは早5日目。今年の獅子頭作りは仕事納めだ。本日の1番の収穫は、小刀を使えるようになったことだ。小刀の力の入れ方がずっとわからなくて、今まではガシガシやってしまい危なっかしかったが、ぐっと木の表面を捉えることができてき…

30年以上大事に保管されてきた獅子頭のお話

静岡県島田市川根町抜里。大井川中流域に位置しており、抜里駅周辺に広がる密集地だ。国道473号線がこの地域を縫うように貫き、東に大井川、西に山並みが広がる。その土地の大部分は田畑から茶畑へと転換しており、お茶に霜がかかることを防ぐための「防霜(…

獅子頭制作日記4日目

茨城県石岡市での獅子頭制作4日目、11月25日。今日は全体的にパーツを切り貼りしたり形を整えたりと、部分的な作業よりは客観的視点での制作が多かった。基本的にはノコギリでひたすら木材と格闘するような感じである。 本日の制作内容を振り返ってみると、 …

獅子頭制作日記3日目

2023年11月11日、茨城県石岡市にて。3回目の獅子頭作りを伝修館の師匠たちに教えてもらった。今回のメインは鼻を彫ることだ。獅子頭は木を組み合わせて作る寄木造りの方式なので、鼻を後付けでつくる。まずはボンドを付けて組まれた桐材を角を取ってどんどん…

獅子頭制作日記2日目

2023年10月28日、月1回の茨城県石岡市での獅子頭づくりに参加。国府公民館がお祭りで使えないらしく、獅子頭づくりの大師匠の家の横にある伝修舘にて、獅子頭作りを教えてもらった。 本日の作業は以下の通り。 ・目の仕上げ ・目の周りの段差をつける ・鼻を…

スラバヤ ジャカルタ 夜行列車の記録。安いのに、めっちゃ快適!?旅人奮闘記

2023年10月22日、僕はスラバヤから日本へ帰国しようとしたが、飛行機が直前予約になってしまったために、高値になってしまっていることを知った。そこで、価格が半額程度で日本に帰れるジャカルタから日本の成田空港への飛行機をとった。しかし、スラバヤか…

インドネシア スラバヤ、民俗芸能調査の記録。中国獅子舞、猿回し、Reog...路上から舞台まで!

2023年10月9日から21日、インドネシア第二の都市・スラバヤに滞在した。3人組のユニット「獅子の歯ブラシ」が、東ジャワビエンナーレに参加するためである。2週間の滞在だったがそのうち1週間は比較的余裕があり、さまざまな民俗芸能に触れる機会を得た。そ…

インドネシア 夜行バス物語 バリ島-スラバヤ、12時間立ちっぱなし、食べてばっかり、船にまで乗っちゃう!驚きの珍道中の一部始終をお届け

2023年10月8日(日)、僕はインドネシアのバリ島からスラバヤへと夜行バスで向かわねばならなかった。バリ島での民俗芸能調査を終えて、スラバヤでの東ジャワビエンナーレ参加のための2週間の作品制作に向かったのだ。東ジャワビエンナーレでは、3人組の獅子…

ケチャ、バロンダンス...バリ島芸能を堪能!観光化とその先にある芸能のあり方は?

2023年10月6日から8日までインドネシアのバリ島を訪れた。この島はリゾート化が進み、芸能が観光化されているものの、ハードルが低くインドネシアの芸能に触れることができるのが魅力だと以前から思っていた。そういうわけでまずは獅子舞研究をしている身と…

バンコクは欲望が集結した大都市!その根底に潜むささやかな水への祈りとは?

2023年10月3日~10月6日の日程でタイのバンコクに滞在した。 思えば、さまざまな目的があって今回バンコクを訪れたのだが、その大きな目的の一つに、獅子研究というものがあった。タイの獅子といえば、中国系の獅子舞が旧正月に実施されるほか、東北部に白い…

大充実の沖縄県「獅子舞」取材!アメリカ兵獅子頭返還、糸で操る獅子舞...7団体をまわり発見した獅子舞の魅力とは?

2023年9月29日(金)~10月2日(月)まで、沖縄の獅子舞を取材した。沖縄では旧暦8月15日に十五夜祭というお祭りが行われる。本来であれば十五夜は29日なのだが、今年は金曜日なので土日でずらして開催する地域も多く、これは3日連続で滞在するしかないという…

頭の上に頭をかぶるシュールな行列!鎌倉 御霊神社 「面掛行列」を堪能

2023年9月18日、神奈川県鎌倉市の御霊神社にて、鎌倉神楽と面掛行列なるものを拝見してきた。とりわけ、面掛行列の獅子に関心があり訪れた。この獅子は舞うのではなく、ただ持って歩く形態であり、行道獅子の祖型とも考えられる。この知られざるマニアックな…

オスかメスか分からず...謎多き取材となった「青梅の獅子舞」

2023年9月17日、青梅市の友田の獅子舞と、長淵の鹿舞を拝見してきた。ここ最近は特に獅子舞が多い時期で、秋祭りが日本各地で行われている。少しでも回れるだけ獅子舞を回っておこうという思いで、2つの獅子舞が同日に行われる青梅市を訪れた。 ここの地域に…

雌獅子を探して乱闘! 高木の獅子舞 東京都東村山市

関東一帯に広がる、素朴な三匹獅子舞の一端を拝見することができた。2023年9月16日(土)、東京都東村山市の高木の獅子舞を見に行ったのだ。17時半の道行に始まり、鳥居を潜って拝殿前で、約30分の演舞「雌獅子隠しの舞い」。関東全域で見られるこの三匹獅子…

熱中症対策で獅子舞も変化!?石川県 山代温泉 八朔祭

9月1日、石川県加賀市山代温泉の八朔祭で獅子舞が行われた。武芸鍛錬の勇ましい獅子舞で、棒振りが薙刀や刀を持ち、獅子と立ち向かう姿が見どころだ。また、道中では祝儀としてもらった羊羹やお花を観客にプレゼントする場面があったり、薙刀を「ヤアー!」…

獅子頭制作日記1日目

茨城県石岡市にて、獅子頭職人さんに獅子頭づくりを習うことに決めた。定期的に教わりながら、少しずつ極めていきたい。 もともと習おうと思った経緯は、獅子頭職人さんをライターとして取材することは多かったが、もっと解像度高く職人仕事について考えたか…

獅子頭の羽を求めてフィリピンまで...地域に愛され繋がれてきた、神奈川県相模原市「鳥屋の獅子舞」を見てきた

神奈川県相模原市は東京都心から1時間でつける田舎。古い民像や風習が今でも残っている。今回、相模原市の観光関連のお仕事をされている八木さんにご紹介いただき、8月12日に鳥屋の獅子舞を見に伺った。橋本駅からは車の移動。現地で見たこと感じたことを振…

猪の交尾や四つ足を模した舞もあり?山形県の獅子踊りはとにかく素朴!磐司祭 獅子踊りフェスティバルに行ってきた

8月6日、磐司祭 獅子踊りフェスティバルが山形県の立石寺で行われた。松尾芭蕉の「...蝉の声」の一句で有名な土地で、森の緑と深い山が印象的な静けさと、生活感に包まれた土地だ。立石寺の境内では、3つの獅子踊りが披露されたので、それぞれの特徴について…

日本三大祭・祇園祭と天神祭にて、祭りと獅子舞の源流に触れた

最近は日本全国の祭りの全体像を描けるようになりたいと思っている。だから今回、日本三大祭りの一翼を担う、祇園祭と天神祭を訪れたのは必然的だったかもしれない。2023年7月24日にこの2つの祭りをはしごした。行き帰りは夜行バスなので、弾丸の取材だった…

沖縄の獅子舞の特徴とは?獅子舞とシーサーの違い、米兵が持ち帰った獅子頭の話など

2023年5月29日~6月5日まで、沖縄県に滞在して、3人組の獅子舞ユニット獅子の歯ブラシの滞在制作を行っていた。その合間に、沖縄の獅子舞について、概観を知ろうと考え、獅子頭職人にお話を聞いたり、県立図書館で文献を漁ったりした。その時に知ったことをこ…

本当に素晴らしい祭りコンテンツとは?獅子舞マニアが祭りの世界の広さを知る

最近の祭り見聞録。 大規模な祭礼行事に出かけることが多い。獅子舞という括りだけでは盲点になりがちだった、祭りというものの全体感について、考えざるを得ない。 4月14日には岐阜県高山市「春の高山祭」、5月4日には岩手県奥州市「江刺甚句まつり」にいっ…

猿が乱入する獅子舞!?上岩橋の獅子舞 千葉県酒々井町 2023年

2023年4月2日、千葉県酒々井町で行われた上岩橋の獅子舞の様子をお届けする。 コロナ禍に実施することが叶わず、4年ぶりの演舞となった。当日はオボナス様(産土神)のお祭りで、五穀豊穣の獅子舞が演じられた。「水争いはオボナス様が背中合わせだから」など…