獅子頭制作日記5日目

茨城県石岡市獅子頭作りは早5日目。今年の獅子頭作りは仕事納めだ。本日の1番の収穫は、小刀を使えるようになったことだ。小刀の力の入れ方がずっとわからなくて、今まではガシガシやってしまい危なっかしかったが、ぐっと木の表面を捉えることができてきた。この成長の成果を師匠に報告したところ、「小刀もノミも全部斜めに歯を入れるんだよ」と改めて教えてくれた。「トマトはどうやって切るかわかるか?前向きに斜めに入れるか、手前に引くように斜めに入れるか。どっちにしても歯は斜めに入れるんだよ」とのこと。

 

なるほど、歯というのは真正面から入れてはいけなくて、逸らしていかないとだめ。なんか人間関係と同じだなと思った。言いたいことは正面から言うのではなく、小出しにしていったり、例え話をしたり、何かに例えたり、比喩を使ったり、いずれにしても少し斜め方向から伝えていくような感覚がある。これと同じことなのだ。

 

さて、今日はスイスイと使えるようになった小刀を使いこなしながら、獅子頭の形を整えていくという工程をメインに進めていった。頬の盛り上がりを低くしたり、鼻周りに段差をつけてくっきりと形をとったり、角ばっていた角を丸くしたりという流れだった。最後に歯の補強の角材をボンドでつけて終了。限られた時間で、亀のような進みではあるが、今日も収穫のある1日だった。やはり彫刻の教室は終わった後がよい。どこか仕事終わりの清々しさのようなものを感じながら、帰路についた。

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