茨城県石岡市での獅子頭づくりは32日目。本日は持ち手の横棒をきって長さ調節をした後に、ひたすらヤスリで獅子頭のありとあらゆる箇所を削った。
ヤスリはまず60号のものを買ってきてほしいと師匠に言われていたので、ダイソーに行ってみると、60号2枚、120号2枚、240号2枚のセットになっているものが売られていた。60号が1番粗く、そして240号が1番きめ細かいということになる。いずれも木工用のヤスリではあるが、獅子頭に関しては60号が適するらしい。「ちなみにヤスリは何でできてるか知ってるか?」と聞かれ、答えに窮していると「これは小さな石でできてるんだよ」と教えていただいた。
それで四角形や丸型の端材をヤスリで包むようにして、それで獅子頭を彫っていく。耳の内側などの丸みの湾曲が強い場所は、丸型の端材の方を使うと良いことを教えていただいた。

このヤスリがけの作業は本当に途方もない時間がかかる。「触ってごらん、すべすべのところとまだヤスリが入っていないところを」。なるほど、全然違う。ヤスリが入っていると白っぽくなっているか、もしくは赤みがかっていることもある。「これは血じゃないよ」と冗談混じりに師匠が突っ込んだ。
師匠いわく「ヤスリがけは1番大事なんだ!お家でも基礎がしっかりしないと成り立たないでしょ?だからこれが一番大事!これちょっと段差あるなとか、手で確認していくんだ。」とのことである。もしやすりがけがうまくいってない時は、雪だるま方式で、塗り重ねないといけなくなっちゃうのだ。それを表す絵を描いていただいた。

たしかに、考えてもみれば獅子頭の基礎となる木材と塗る工程とを繋げる最も重要な工程がこのやすりがけという作業に現れているかも知れない。そう、彫りと塗りの技術が合わさって獅子頭は作られてているんだという当たり前のことを気付かされた。

ps. 本日は師匠の間でも指導の方向性がいろいろあることを知った。それはしっかり伝習するという型を大事にする考え方と、各がある程度は好きな方向性で懸命に頑張ってくれたらいいよという考え方の2つだ。確かに、師匠によって理想とする型が少しずつ違うし、複数の師匠に相談したら帰ってくる答えが違う時もある。これがたくさんの指導者がいるコミュニティの特徴でもあり、さまざまな考え方を持つ先生がいることを知る良い機会となった。
僕は耳の形を直したら?と言われたものの、他の師匠にそのままで良いと言われ、結局、今回は直さずに行こうと思う。