石川県加賀市 公民館大会にて「獅子舞」をテーマに講演させていただきました!

11月21日

11:45~

石川県加賀市の市民会館で行われた公民館大会で「獅子舞」をテーマとした講演会をさせていただいた。石川県加賀市の獅子舞はバラエティに富んでいることが特徴だ。漁村、城下町、温泉地、宿場町、農村、山村と街並みが多様であるからこそ、大漁祈願や五穀豊穣、商売繁盛など、祈りの形も様々と言える。

都市祭礼などと比べれば規模は小さいが、中心となる祭りがなくお互いの舞い方を知らない分、各地域ごとの個性が際立っている。また、獅子頭も石川・富山・南方系に加えて、宇津型や権九郎型、紙製と木製など非常に多様で、日本の街並みと獅子舞文化の縮図を見ているようだ。これらの要素は各地域のまとまりを促し、多世代の交流や誇りの醸成、観光やUターンの促進など様々な効果がある。このことをぜひ知っていただきたいと感じていた。

ただ、現在獅子頭保有する127町のうち40町は獅子舞が途絶えてしまっている。今回は、加賀市の全ての地区の方々約200人が集う公民館大会という場において、「獅子舞」をテーマに講演会を開催させていただいた。コロナ禍でここ2年間、なかなか祭りが実現できない町内が多かったこともあり、獅子舞をこのタイミングでテーマにできたことは本当に良かった。また、講演会だけでなく、当日は以下のような出し物が行われた。

 

・稲村による20分の獅子舞トーク
大聖寺関栄と千崎町の獅子舞の演舞
・獅子舞の写真のパネル展示
・特徴的な獅子頭8体の展示
加賀市内の獅子頭127町分を掲載したクリアファイルの配布

 

これらを通して、加賀市の獅子舞の魅力をたっぷりとお伝えすることができた。今後は来年に向けて、3つの取り組みを進めていく。まずは各地区会館に展示できるようなポスターの制作、そして今までの獅子舞取材のまとめ本の作成、伝来経路や舞い方の共通性などを踏まえいくつかの町内を集めた獅子舞の展示会の開催という3つだ。

 

地域の皆様の理解があってこその活動だと感じている。いつもお世話になっている獅子舞チームの、橋立公民館館長の吉野裕行さん、片山津の山口美幸さん、ライターの北嶋夏奈さんには本当に感謝である。僕の力は加賀市において微々たるもので、チームのメンバーがいたからこそ、今回の企画を実現することができた。また、(公財)あくるめの助成にはとても助かっている。今後は、デザイナーの方々の協力も得ながらさらにパワーアップした活動を進めていけたらと感じているところだ。

f:id:ina-tabi:20211124191315j:plain