本日、茨城県石岡市での獅子頭制作12日目。今日は獅子頭の構造というよりは、表面的な装飾がメインとなった。今日のミッションはこちら。
・歯をVの字の形で溝のように彫る
・眉をVの字の形で溝のように彫る
・額の皺や頭頂部のラインを彫る
実際にやってみて、割れないように一本のラインを引くことが難しかった。ノミや切り出しを使い、前後のどこの面を使ってもよく、自由なやり方で彫っていく。そして徐々に丸い丘のように表面を整えていく。「これたくさんあるからあげるよ」ということでいただいた金属のやすりを使って、形を丸く柔らかく整えていく過程が面白かった。Vの字に沿わせるよりも45度くらいの角度で整えていくのだ。
眉の線の本数は機械的に決められているものではなく、左右で本数が違う場合も多い。また師匠によっても、眉の大きさの感覚が異なることがわかった。こういうところは大まかでもしっかり石岡らしい獅子頭のデザインだと思えるのは、構造部分の設計がしっかりしているからだろう。構造と意匠に分けて考える大事さを知ることとなった。
まだまだ中盤といったところだろう。獅子頭作りは先は長い。毎月どこかの土曜日に石岡市まで電車で通って帰ってくる。このリズムに慣れてきた。いつも石岡駅まで車で送ってくれる人は足を懸命に動かしている。今度将棋大会があるらしくお元気だ。車の助手席には新聞紙などが置いてあり、それを後ろの席に置き直してもらって車に乗せてもらう。いつも石岡の国道6号線は16時過ぎに混んでいる。石岡市は観光する土地だったはずが、日常の風景へと自分の意識の中で変容していくことがまた面白い。