獅子頭制作9日目

茨城県石岡市での獅子頭づくり。今回で9回目だ。まだまだ半分くらいいったかどうかというところ。ゆっくりと着実に進めていきたい。

本日の作業は前回取り付けた頭頂部をひたすら丸く削るというもの。かつてないほどに木屑が大量に出た。また、頭頂部の木が薄かったので内側に木を継ぎ足した。木工品が釘無しでピッタリ合うみたいなことはこういうことか!と思った。

今日はノミをハンマーで打つ、ノミだけで削る、小刀で削るという3種類の使い分けをした。特に教わるわけではないが、その都度自分にとって掘りやすいやり方を選択していく。ガッとたくさん削りたい時は、ノミをハンマーで打つ。それから少し手づる程度ならノミのみ、小刀は最終調整で美しい表面に仕上げる。なかなか気に沿ってスムーズに刃物が入れられないこともあったが、やっていくうちに「音がいいね!」と褒められた。ノミをハンマーで打つ時は特に音やリズムで良し悪しがわかるというのは面白い視点だと思った。

最近は師匠②に教わることが多い。師匠は汗かきなので、すぐ汗が垂れてくる。こんなに寒い冬なのによくこんな暑そうにしてるなと思うが、それだけ懸命に彫っておられるということだろう。帰り道、車で送ってくれた。「私は伝統工芸士を持ってなくて、プロではないような感覚です。だから、自由に美術展に出たり仕事を受けたりもしやすいんです」とのこと。普段は壁掛けの平面的な獅子を彫ることもあれば、小さいサイズの5万円の獅子頭を彫ることもある。彫刻の技術はさまざまな仕事に生かされるようだ。

自分も頑張ろうという良き刺激を受けた1日だった。


内側に板を足す


師匠②の彫りは滑らかだ