獅子頭制作22日目

茨城県石岡市での獅子頭制作も22日目。本日の工程も先月に引き続き、ひたすら耳を彫るというものだった。比較的のっぺりしてしまうので、もう少し緩急をつけようとすると、左右差が生まれてしまったりする。それで結局平な感じで最終仕上げまでしてしまった。最後の仕上げは小刀でとにかく少しずつ削って、丁寧に進めていく。これでもかというくらい丁寧斜めにスライドさせて削っていくことで、耳の表面はツルツルになる。師匠の仕上げの美しさにはとても驚いた。

それにしても、なかなか耳が彫り終わらない。見かねたいつもとは違う手慣れた方がたくさん彫ってくれたが、彫りすぎてしまったようで、結局いつもの師匠にわたったときにその部分は作り直しに...。薄くなってしまった先端をノコギリで切り落として、そこに端材をボンドでつけて、乾くのを待ってからまた作り直しになってしまった。

慣れてる人同士でもそこらへんの彫りの浅さや深さに対する感覚は異なるんだなと改めて実感した。それから木片も取っておいた方が良いという人とそうでない人もいた。木片の大きさによってその判断が違うようである。

そこらへんに戸惑うこともあったが、作業後の清々しい感じはいつもと変わらず、充実感があった。木彫りの作業後に、夕日を背に駅について、それから待合室でおにぎりを食べてお茶を飲んで、それから電車に乗り込み、ゴトンゴトンと揺られながらも帰路についた。