【2022年1月】石川県加賀市 獅子舞取材 箱宮町(追加)

2022年1月26日

9:00~ 箱宮町

「朝は2時半から舞い始める、早起きの獅子舞」

獅子舞の朝は非常に早い。午前2時半から始める獅子舞があるとは思わなかった。地域の家一軒一軒を回るとき、いくら朝早くても、地域にとっては普通のことなのだ。むしろ、祭りではそれが普通のことだという認識がある。祭りに対する気合の入れようも感じられた。

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由来

『分校地区 ふるさとの歩み』(平成14年12月 分校地区誌編集委員会)349ページの「ふるさと箱宮」の項目の記述によれば、箱宮町の獅子舞の由来は昭和3年昭和天皇の御大典を記念して昭和4年から始まったとのこと。獅子舞に関して、高塚町と箱宮町は同じ由来を持つ。赤獅子という点でデザインにも共通点がある。

 

祭りの様子

獅子舞は9月の第3週ごろに実施している。昔は9月15日に秋祭りの奉賛行事として行われた。本番に向けて夜8時過ぎから毎晩、青年会館で練習を実施する。驚くべきは、祭りの本番が朝2時半から3時くらいから舞い始めるということ。普段寝ているであろう時間だが、地域の方々はそれを当たり前のこととして受け止めている。そして、お花代の額にかかわらず2回以上は演目を舞わない。1日でしっかり回りきるためである。

 

獅子頭

獅子頭は現在、新旧2つが残されている。大正15年9月に北村武平氏(子孫は現在金沢市在住)が獅子頭を寄進したとされているが、これが現在残っている古い方の獅子頭であるかは不明である。現在残っている古い方の獅子頭には「S37.10」の文字が書かれており、昭和37年10月に新調されたか修理されたと思われる日付が書かれている。新しい方の獅子頭には、「平成23年8月吉日 彫刻 北昭造 作」と記されており、小松市本折町で北彫刻をされている北昭三さんが制作されたことがわかっている。獅子頭は新旧ともに角があり、雄獅子である。重さはかなり軽く作られている。耳が非常に小さく、眉毛が太くて大きい特徴がある。