僕は旅の中で、
建築に興味を持った。
建築の視点で、
より解像度の高い旅をしたいと思った。
そのため、
ぼくは2018年8月4日に
日本に一時帰国した。
(台湾で建築がおもろいと感じた時のブログ)
現在、
京都府美山というところで
2018年8月9日~30日までの3週間、
アルバイトで滞在中だ。
自然がとても美しく、
自転車で疾走すれば、
うまい空気をたくさん吸える。
昔話に出てくるような古民家。
僕にとっては、
伝統的であることに大きな関心はなく、
自然から湧き出てくるようで
大きく息を飲み、
その美しさにすばらしさに驚きを隠せない。
ぼくがお世話になっているのが
美山FUTON&Breakfast
という古民家の宿泊施設だ。
日経新聞の古民家の宿ランキングでNo.1を獲得したことがあるほど、
伝統建築の世界では有名。
style.nikkei.com
社長さんが茅葺職人さんなので、
宿泊事業に加えて
屋根の葺き替え事業も、
お仕事させてもらえるという、
僕にとってはめちゃくちゃいい環境!!!
今日、8月11日は
伊勢神宮系列の神社の屋根の葺き替え
のお伴をさせていただいたので、
そのことについて書く。
現場はこんな感じ。
7月から9月までの2ヶ月間の工程。
材料・工具・シートなどは
左端の台車で上にあげる。
人は右端の梯子から上に登る。
すすきは束になっているので、
紐を解いてから
丁寧に編みこまれてゆく。
横に支柱が通され支えとなる。
表の支柱と内部の支柱は
頑丈な紐で結ばれる。
結ぶ時すすきが手の甲に当たるので
怪我をしやすい。
いろいろ危険なので基本暑いのに
長袖長ズボン。
その上現場は高く揺れるし
足場も小さいので、
用心深く歩く。
編み込んだすすきは出っ張っている。
工具によって斜めに慣らしていく。
これを繰り返す。
何層も行うことで、
茅葺屋根の形をなしてゆく。
休憩は暑くて疲れるので
1時間に1回くらいはある。
水分は1日3リットル消費するので、
たくさん買い込んでおくことが必要だ。
この作業はまるで
人間がなにか大きなものに
立ち向かうようでかっこいい。
石川で農業のバイトを
やった時との交差点はここ。
大概は運動部出身の男が多い。
仕事のあとはサッカーをする
というので、
超元気でびっくりした。
茅葺きとは、
「建築における揺らぎ」
だとおもった。
他の素材ほど正確で緻密な計算は必要ない。
その分技が光る。
設計と現場の違い肌感を、
丁寧に読み解くことは、
双方の立場にとって必要なことだと、
改めて実感した。
さて。
僕にとって建築とは
人が集まる場に対して可能性を広げるものだ。
目的→場づくり
手段→建築
という考え方に行き着いた。
遡れば、
2017年4月〜2018年3月まで
東京都日野市の古民家「ヒラヤマちべっと」の管理人をやった。
イベントスペース、シェアハウス、宿泊などを行なった。
地域の人々が気軽に来れる場づくりにつながった。
https://www.facebook.com/Hirayama.Tibet/
ぼくにとって理想の場づくりとは、
場のコーディネート+α
の職能によって実現しうると考えた。
αによって、
相互扶助の関係を作るのだ。
場づくりを職能にしようと
もがけばもがくほど、
泥沼にはまる。
資金が回らないので、パブリックのお金を頼ることになる。
でも、究極の場づくりは
独自の財源を回すことで実現する
のではないかと考えている。
なぜなら場づくりは、
場にいる人以外の外部の力によって、
たとえ無意識的にも、
抑圧されるべきでないと考えるからだ。
そこにいる人が今を楽しむ!柔軟に!自由に!
が理想なんだと考えている。
そこで、僕は今回仮説として
+αの部分に建築をはめ込んでみた。
なぜ建築にしたかといえば、
単純に感動したから。
自分に少なからず適性があると感じたから。
の2つに他ならない。
別に建築の大学を出たわけでもないが
大学で学んでいないからといって無理に
選択から外すことはない。
なぜなら、自分自身の考えてきたことの集合体が
仮説的にも建築に一歩踏み出させたわけで、
1日の考えてきたこと(趣味性)の積み重ねの総和こそ
もっとも尊重すべき選択であると考える。
僕の場合、法学部だが、
古民家鑑定士なので建築の勉強はしたし、
卒論は古民家で書いたなどなどいろんな背景がある。
建築のニーズというのは、
形変われど永久になくならない。
ゆくゆくは、village (拠点)を持ちながらも、
自然的な建築によって集合的な様々なモノや概念を創出し、
人の心に残るものをつくりたい。
と考えながらも、
足元を見ればやることが多すぎるので、
まずは把握したい気持ちから現場を体験した
というブログでした。
おしまい。