自分がエモいと感じたものだけ。
やっぱり、木の建築というのはおもしろい。
木の建築というのは、気の建築だ。
生命が生命として生きられるのは、生命からエネルギーをもらうからだ。
体の中にエネルギーが沸き起こり、温かみを感じる建築。
場の空気が和み、リラックスできる建築の数々。
◎松山文創園区の閲楽書店
閲楽書店の面白さは「自然から湧き出る建築」である。
松山文創園区は元タバコ工場で、その敷地が緑地に変身。
歩いていたら汗だくだくで、暑すぎる台北において緑地は紅一点。
その緑地に囲まれているのがこの閲楽書店。
天井の木組みと、温かみのある光が目を引く。
木組みには、やはりこの吊るす形の薄暗いライトが合う。
このおしゃれ空間は、
まさにネイチャーと言うにふさわしかった。
◎青田七六
青田七六の面白さは「空気のうまさ」である。
日本の教授がリノベしたシェレオツ古民家カフェだ。
空気がうまいところってのは、
飯を食うでもなく
飲み物を飲むでもなく
空気を食っている。
僕は120元の小さいアイスクリームを食べた。
台湾でこれ食べたら、普通は30元しないくらいだ。
僕は残りの90元で古民家の風情ある空気を食った。
同じことは都市でも言える。
空気のうまい都市のエコノミーは付加価値が加わっている。
空気が汚くて汚い街は逆に単価が上がらなくて貧しい。
そんなもんだと思う。
空気がうまいところには必ず木がある。
◎白石画廊
白石画廊の面白さは「木組みの旋回」である。
かの有名な日本の建築家・隈研吾設計の建築。
いくつもの木を互い違いに組んでいる。
自然的な複雑性の高い動きのあるワクワクする空間が生まれている。
一部の木が本棚、植物置き場、茶室と様々な用途にも使われる。
まさに、自然と生活の境目を担うかのような木の建築である。
人と自然ってもっと近くていいと思う。
ここの人と友達になったので、個展とかあそびにいく。
木は自分が大事にしたい要素の1つ。
山登って、木に囲まれたところで過ごすの好きだし、欠かせない。
同様に植物も。
日本って森林率68%だから、木なんて余りまくっているはず。
でも、日本は山がちすぎで斜面の木を切り出す技術がいるし、人手不足。
自給率は35%ぐらい。
日本はリソース全然活かせてない。
それに対し建材需要が減ってしまった上、安月給な日本。
もともと、手入れを始めた人工林は常に面倒見ないと荒れるだけ。
天然林を人工林にさせてしまったなら、責任は付いて回る。
所得の再分配的な感じで、日本国民に木材の再分配とかできないのかな。
再分配でいうとモチベーションの再分配が日本で最もやるべきと思うけどそれはおいといて。
木材って、人類に対する恩恵めちゃくちゃあると思う。
その恩恵をもっと再分配して流通させねば。
岡山県の真庭で一度、面白いもんを見たことがある。
木材中継基地だ。
林業者が中継基地まで持ってけば、それが加工される。
一枚板として流通されないものは全部バーグとかチップになる。
公共施設のボイラーになってエネルギー転換されて、人々の生活を支えている。
建材も木材の流通量が半端なく多かった。
個人的には木造の建築物ってのは魅力的だし僕も作ってみたい。
とにかくもったいないのは、木材というリソースが余っている。
これをどう人の幸せに還元するのかということ。
僕の作りたい場にはいつも木と気の存在がある。