<そもそも通貨とは?>
①物々交換が起源である。
山の民は海の幸を、海の民は山の幸を食べられない。
山の民はワカメが食いたい!と思っても、労力も時間も限られているのでなかなか食いに行けなくて悔しい。
そうこうしているある日。
海の民と山の民は中間地点でお互いの取ったものを交換し合うようになり、食卓が豊かになった。
物々交換の始まりである。
②原始貨幣が登場した。
お互いの取ったものの等価交換はなかなか成立しない。
魚5匹を持ってきた海の民は、きのこ10個を持ってきた山の民と交渉した。
しかし、魚を食べたばっかりの山の民は魚など欲しくはなかった。
そして、この物々交換は不成立になった。
そうこうしているある日。
毛皮、稲、貝殻などその村ごとに誰でも欲しくて持ち運びやすいものを常に持ち歩くようになった。
原始通貨の始まりである。
③原始貨幣が統一された。
毛皮が価値あると考え貨幣としていた村に、旅人がやってきた。
その旅人は稲を貨幣として持ち歩いていた。
そして、毛皮が欲しいと思い、交渉してみた。
しかし、稲はこの村ではたくさん取れたからということで交渉は不成立。
結局、旅人はその村で何も自分が欲しい物を手に入れることができなかった。
とても悔しかった。
そうこうしているある日。
旅人は、どこに行っても交渉が成立する物を発見した。
それが金だった。
人々は、金を持ち歩くようになった。
世界で最初の金銭取引は4500年前のメソポタミア。
日本では、7世紀後半の富本銭が記録としては最初。
④金本位制が始まった。
金を持ち歩く旅人たち。
次第に、持ち運ぶのが重いしかさばるし、辛くなってきた。
そうこうしているある日。
金を預かる代わりに、金の引換券を作る人が現れた。
この引換券こそが、紙幣の始まりである。
そして、この金を預かる場所こそが、銀行の始まりである。
この仕組みを現代では、金本位制と呼ぶ。
世界で最初の紙幣は10世紀の中国(北宋時代)に作られた「交子」。
日本では、1661年に福井藩が発行した「藩札」。
⑤管理通貨制度が始まった。
ある国で、金の埋蔵量はもう尽きてしまいそうだった。
しかし、人々の欲望は膨れ上がった。
貧しさから抜け出したい、もっと豊かになりたいと。
そこで銀行は、通貨をタダであげる代わりに、多くして(利子付きで)返してくださいと言って対応するようになった。
借金の始まりである。
国も個人も団体も、銀行に金をおさめることなく紙幣を刷ってもらった。
発行主体は、円であれば日本銀行、ドルであれば連邦準備銀行(FRB)である。
この瞬間、紙幣はただの紙切れとなってしまい、その紙幣の価値は銀行の信用によって保たれることとなった。
そして、銀行もこの人ならお金を返してくれそうだ!という信用のおける人にのみお金を渡すようになった。
これが現代の管理通貨制度の始まりである。
<仮想通貨とは?>
インターネットの発達やグローバル化などの背景により、地域や国単位ではなく、世界という単位で流通を加速していこうという試みである。
本来の通貨は銀行という発行者がいたからこそ、信用が保たれてきた。
しかし、発行者を不特定多数とすることで、よりグローバルな貨幣を作れるという考え方が生まれた。この時の発行者をマイナー、発行方法をマイニングと呼ぶ。
マイニングはコンピュータの計算能力にたより、日夜マイニングをしている人々によって支えられ、発行上限は2140年までに2100万ビットコインとされている。
仮想通貨の種類は、現在600種類以上あるといわれている。
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仮想通貨の用語
トランザクション:取引データ
ブロックチェーン:取引データ(何月何日誰が誰に送金という内容が暗号化)がブロック化され、鎖のように分散的に管理されている状態。
P2P:個々の端末(Peer)がお互いに信頼し合うことで成立するネットワーク
アルトコイン:ビットコイン以外の仮想通貨
ウォレット:ビットコインやアルトコインを保管するお財布
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仮想通貨の歴史
オーストリアの経済学者フリードリッヒ・ハイエクが、1970年代「貨幣発行自由化論」を発表して、「国家に管理されない貨幣」について言及したと言われている。1995年には、アメリカ上院で言及されており、1999年には一部の仮想通貨は存在していた。しかしその発達は電子マネーやソーシャルゲームとともにあり、仮想通貨という表現も2009年ごろにできたものである。
主な仮想通貨の走りとして、1990年代に作られた、イーキャッシュとイーゴールドの2つが挙げられる。イーキャッシュは、プライバシー性が低く暗号解読の危険性があるのと、一部の発行者が無限に貨幣を作れたため独裁を生む恐れがあった。イーゴールドは、プライバシー性は高いものの、「金塊の保管」によって成り立つ通貨であり、金塊が差し押さえられた時に機能しなくなるという危険性を持っていた。
これらの課題を解決するイノベーションを起こしたのが、2010年にサトシナカモトという謎の人物が発行したビットコインだ。「ブロックチェーン」という仕組みによって、暗号解読ではなく特殊計算による過去の取引の検証を導入して貨幣の二重利用を防ぎ、その計算を行うマイナー(採掘者)のみが貨幣発行できるようにしたことで、貨幣発行の膨張を防ぐとともにプライバシー性を確保した。また、個人から個人へ(P2P)の取引により、中央を排除して権力の分散が可能となった。
今後のビットコインの課題としては、まず匿名性がもたらす危険性である。テロなどの闇市場の介入が危ぶまれる。また、乱降下しやすく、国家は都合が良くないと思ったら、企業が実在するためそこを取り押さえることも可能である点である。これらの問題を解決してこそ、真の仮想通貨が出来上がると考えられている。
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これからの仮想通貨
<地域通貨とは?>
目的やある地域に限って使われる通貨で、コミュニティの活発化が目的とされる。
子供のあずかり、買い物代行など誰にでもできるサービスを無償で依頼しにくい場合に、サービスの提供を受けやすくするという狙いがある。
課題としては、通貨の流通や預かり金の精算など管理の複雑性、不正利用や偽装などの事前対策、発行量と流通量の確保などのハードルがある。
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地域通貨の種類
小切手型:使う人が裏側にサインをすることで履歴が残り、誰の元を辿ったかがわかる
通帳型:対価が発生した時、支払う側と受け取る側それぞれの通帳に金額と内容記載。
紙幣型:貨幣と一緒の紙幣だが、利子の仕組みがなく、価値が目びりしていく。
※通帳型が最もよく利用される。
#修行#下積み#起業
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〒191-0055
東京都日野市西平山4丁目18-12
築150年の古民家「ヒラヤマちべっと」
(連絡先:info.kiteminka@gmail.com)
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<稲村行真プロフィール>
1994年生まれ、千葉県出身。
古民家冒険家。
中央大学法学部卒。学生起業経験あり。大学生時代に、100軒以上の日本の伝統的な古民家を訪れ取材して、卒業論文にまとめた。卒論のテーマは「古民家の価値について」。
東京から石川までの約450kmを2週間かけて徒歩で移動し、道中30軒以上の古民家を取材した「古民家冒険project」で、NHKテレビ「おはよう日本」等のメディアに掲載。
2017年4月から、東京都日野市の築150年の古民家を活用して、コミュニティハウスを運営。子どもを核として地域がつながるシェアハウスとイベントスペースを運営している。この活動により、交流ある暮らしの場をデザインしている。
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