東京都青梅市で空き家見学に行って、面白い話が聞けた。

 

現在、空き家が増えている。

各地の不動産屋や、行政も空き家対策に本腰をいれ初めているようだ。

もっと空き家を活用して、場づくりを進めたいのでこれに参加した。

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さあ、青梅駅

青梅にくると感じるのが、田舎なのに都会的なオーラを醸し出すこと。

イケイケなベンチャー企業の社長のような格好をする社会人、制服をずらしてきたりおしゃれをしている女子高生がそこらへんを歩いていると感じる。

でも、喋ってみるとなんか田舎的なほっこりする会話になる。

こんな人がきただの、閉鎖的だの、観光で人呼びたいだの。

それが意外と楽しいし安心する。

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青梅の街並みは、基本的にレトロな雰囲気でおしゃれ感がある。

昭和っぽい看板なんだけど内装が凝っていたり、売ってるっものは昭和なんだけど今でも全然おしゃれに使えるものだったり、という感じ。

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①空き物件見学ツアー

日程は午前(10:20〜12:20)と午後(13:30〜15:30)で7軒の空き家を回った。

超最新式な設備が揃った新築の物件から、築何年かもはやわからないほどの古い空き家まで多様な空き家をみて回った。

 

1番心動いたのはこのお家。

元は、1階が学習塾で、2.3階が不動産会社のモデルルームだったようだ。

まるで、秘密基地のようなワクワク感、手作り感、存在感がなんとも言えない具合に僕の心を動かした。

場づくりをする上で、空間は切り離せないもの。

まずこの空間は居心地が良い!という基本があって人の動きができてくる。

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階段を上がると、そこに広がるのは木の世界。

大小さまざまな形の木が、さまざまな形で配置されていて、とても複雑性が高く、多様性に富んでいる。

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このカウンターの椅子なんかいい味出している。

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こういうところにも、小物を飾ってみたい。

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ストーブもでっかくて本格的。

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②市役所で空き家活用の補助金助成金について伺う

空き家見学ツアーの合間にお昼休みがあった。

その合間を縫って、10分程度行政の立場からどのようなバックアップの仕組みがあるのかを住宅課にお邪魔して、お話を伺ってきた。

基本的に、僕は独立採算で事業は運営されていくのが健全と考えている。

ただ、収益性(継続性)かつ地域性があるものに対して、スタートアップ的な環境整備で改修など補助金助成金は必要だ。

基本的に青梅市は要件が厳しいと言われるが、「青梅市空家等活用支援事業補助金」というものがある。

改修工事費用の2分の1、50万円を限度としている。

また、地域の交流拠点としての活用が大原則のようだ。

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子育て世帯に優しい市役所ってなんかいいな。

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フェアトレード商品に力入れているらしい。ふむふむ。

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③カフェころんに行く。

いつもお世話になっている方に、カフェころんとオーナーの久保田さんを紹介してもらう。ここは、空き家活用で約5年ほど前に開業されたようだ。

基本的にはお試し起業カフェとなっており、青梅で起業したい人がカフェを出店したり、商品を試しに販売できたりする。出店料は、久保田さんの本業であるシフォンケーキを13個買うことのようで、それもカフェで売っているようだ。

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店内はとてもおしゃれだった。

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シフォンケーキ。

オーナーの久保田さんは自分が弱っていた時に作ってもらったシフォンケーキの味が忘れられず、リヤカーを引いてシフォンケーキを売るようになったようだ。

最もシフォンケーキを気に入ってくれたのが青梅のこのエリアの人々だったようで、この土地でクラウドファンディングによって開業された。

とてもふんわりとしてパサパサ感がなく美味しかった。

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今後は、商店街で使われる地域通貨の拠点にもなって行くようで、試しにボタンを使って1個10円で交換できる通貨を整備しようと進めているらしい。

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カフェに併設して映画会場があるが、マネタイズはしていないとのこと。

シフォンケーキを売ることに収益事業を集中させるこだわりは、久保田さんらしく感銘を受けたし、勉強になった。

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こちらが、カフェころんのHPだ。

www.chanchikido.jp

 

さて、青梅で、空き家活用の場づくり。

何ができるだろうか。

少しずつ詰めていきたい。

 

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〒191-0055
東京都日野市西平山4丁目18-12
築150年の古民家「ヒラヤマちべっと」
(連絡先:info.kiteminka@gmail.com)


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<稲村行真プロフィール>
1994年生まれ。大学生時代に、100軒以上の日本の伝統的な古民家を訪れ取材して、卒業論文にまとめた。卒論のテーマは「古民家の価値について」。
東京から石川までの約450kmを2週間かけて徒歩で移動し、道中30軒以上の古民家を取材した「古民家冒険project」で、NHKテレビ「おはよう日本」等のメディアに掲載。
2017年4月から、東京都日野市の築150年の古民家を活用して、コミュニティハウスを運営。子どもを核として地域がつながるシェアハウスとイベントスペースを運営している。この活動により、交流ある暮らしの場をデザインしている。