日本全国の獅子舞

日本最古級の獅子舞は田楽との結びつきが強かった?浅草三社祭の「びんざさら舞」を考察

柳田國男の『獅子舞考』を読んで以来、獅子舞と田楽の関わりについて気になっている。喜多村信節の『筠庭雑考(いんていざっこう)』では、田楽で舞う獅子舞について、西域亀茲国を経由して輸入したものだと述べているが、日本の獅子舞はこの田楽法師の漂白…

飛騨高山獅子舞考

飛騨高山エリアの獅子舞文化に興味を持った。発端は毎年5月10日に行われる飛騨側の北アルプス開山祭である播隆祭で鶏芸(とりげい)と呼ばれる芸能と獅子舞がセットで披露されるということを聞いたからだ。鶏芸とは鳥の羽を頭にくっ付けて踊る芸能らしいが、こ…

木造獅子頭の研究史について

日本の木造獅子頭の研究史においてまず挙げるべき人物は、田邊三郎助(田邊 1981・1986・1997)、臼杵華臣(臼杵 1984)、門屋光昭(門屋 1981年)の3人である。それぞれ、どのような研究成果があったのかを、蔭山誠一『愛知県日置八幡宮所蔵木造獅子頭考』…

和歌山県の獅子舞の多様さを知るー春季企画展「紀州の獅子と獅子頭」等ー

2021年4月25日、和歌山県和歌山市の風土記の丘で開催されていた春季企画展「紀州の獅子と獅子頭」を見に行った。和歌山の獅子頭といえば、奈良や伊勢の獅子舞の影響を受ける古い形態があるかもしれないという期待感と、獅子頭に関する企画展はそう多くないの…

茨城県石岡市は獅子舞の民主化が進んでいる

茨城県石岡市の獅子舞に非常に興味を持っている。獅子舞が町で根付くということを考えた時に、この街には何か大きなヒントがあるように思える。なぜそう思ったのかについて、2021年4月17日に現地を訪れた感覚をもとに、3つのポイントを述べていきたい。 ①聰…

柳田國男 『獅子舞考』を読んだ

柳田國男の『獅子舞考』(『柳田國男全集18』,筑摩書房,1990年)は獅子舞の起源について考える上で、非常に重要な手がかりを示唆している。この論考は大正10年代(1920年代)に発表されたもので、言葉遣いが今とやや異なる。色々な意味で現在では語られざる…

獅子頭を封じるという行為について考察~千葉と石川の事例~

千葉県千葉市の寒川神社という場所に、興味深い獅子頭がある。 (以下寒川神社のホームページ参照) ここに保管されている獅子頭は桐で作られた漆塗りで、法隆寺の獅子頭に似た造りをしていて、製作年代は鎌倉時代であるとのこと。2体で1組とみなす考え方が…

福島県田村市にてお人形様をはじめ悪魔払いの習俗について考察

新型コロナウイルスの流行が続くなか、悪疫退散の本質について問い直したいと思い、2021年3月福島県田村市のお人形様を見て回り資料の収集を行った。 福島県田村市にあるお人形様 お人形様は地域の守り神であり、悪魔払いのため村境に作られる人形道祖神の一…

愛知県愛西市にて、日本最古の年記銘の獅子頭について取材

愛知県愛西市の年記銘付きの獅子頭で最古のものを取材させていただいた。なぜ最古のものが、愛知県にあるのかという謎を解き明かそうという試みだった。以下、オマツリジャパンで執筆させていただいた記事を一部転載させていただく。 ーーーーー (以下、202…

獅子頭を埋める習俗を埼玉県吉見町や東松山市にて研究

日本各地に、獅子頭を土の中に埋める風習がある。この風習はどうして広まったのかということが以前から気になっていた。厄払いの一種ではあろうが、なぜ、舞ではなく埋めることによって厄を払ったのかがとても気にかかるのだ。 Google Mapで獅子頭と検索した…