【12〜13日目】四国の古民家・空き家活用をたくさん知ることができた!

こんにちは、朝はおこめ派のイナムラです。

四国のまちづくりについて、ここ3日で知れたことを共有します。

 

<5/5(土)~ 香川県高松市

高松は、優しい雰囲気の人が多い。

カップルの会話を聞いていると、高松弁が聞こえてきてほっこりした。

高松の地域コミュニティを考える上で、「帰省」の存在は、ものすごく重要な意味を持つ気がする。

とくにGWの夜の高松は、路上にたくさんの人だかりができ、同級生や友人とのしばしの再会を楽しむ。

その盛り上がりといえば半端ない。

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 思わず、動画を撮ったら、2人のBOYが乗ってきた。笑


【世界一周8日目】高松の帰省による盛り上がりっぷりはすごい。

こういうコミュニティを作ってみたいと純粋に思った。

 

<5/7(月)  高知県高知市

高知は、空き家率が全国上位レベルで高い県だ。

それもあってか、高知県庁はとても空き家対策に関して力を入れているということで、ヒアリングしてきた。

高知市以外の33市町村では、空き家のマッチング制度がある。

中心の高知市は、不動産仲介の会社が仲介できているので、行政は手を入れない。

しかし、それ以外の市町村は10年間借り上げで、改修もして、使い手を募集するというからびっくりした。

そこまで思い切りの良いことができるのか、、と。

基本移住関連の人に空き家提供をしているようだ。

企業関連は不動産屋を通じて活用物件を決めてほしいとのこと。

住居だと家は支出にしかならないが、企業活動であれば努力することで売上が上がる。

だから、移住者の人にしか行政経由の安い空き家提供はしないようである。

とても割り切っていて、潔い感じがした。

 

<5/9(水) 香川県宇多津町>

宇多津では、古い寺社や古民家によるまちづくりがさかんだ。

とりわけ関心のあった「古街の家」について、アポなしの突撃見学をさせてもらった。

 

www.co-machi-no-ie.jp

 

 

 

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ここは、地域の方を巻き込みながら、2棟の宿泊施設を運営している。

基本掃除はスタッフがやらずに、シルバー人材センターに頼んでいるようだ。

アルバイトでも、地域の方が関わる仕組みができるのは良い。

 

こちらが純日本建築の「臨水(りんすい)」である。

その奥に、少し見えるのが洋館の「背山(せざん)」である。

とても周辺環境は落ち着いており、寺社の街なので古い建築が多いが、こういう新しい建物もひっそりと溶け込んでいる感じは良かった。

事務所から2棟とも1分以内で、コンパクトなのは動きやすい。

 

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 建物の中は、一棟貸しとはいえ、とても広い。

複数人で借りるのが、良いだろう。

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ここは、徳島の祖谷で見てきた古民家と違って、景色で勝負するよりも、庭で世界観を作りに行っている印象を受ける。

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風呂からも、庭を眺められる。

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宇多津の古民家は、総じて人工的な要素も強いが、庭を含めて建物の魅力によって人を呼ぶ作り込みをしていると感じた。何もしなくても人が来る観光地とも違うところに人を呼ぶには、やはりきちんと初期投資して、しっかりした世界観を作る必要があると感じた。


 

 

<5/9(水) 香川県丸亀市

丸亀は、リノベーションによるまちづくりについて学んできた。

行政と現場で見方が異なるようだ。

行政的には、丸亀は地方再生モデル都市32都市の1つとして選定されている。

その中でも、中心の商店街活性化の意味で、空き店舗・空きオフィス改修補助金の存在は大きい。家守のような仲介会社が行政からの依頼で、改装に対するケア含めて不動産オーナーと活用事業者を繋ぐ。リノベーションスクール以来、3年経ち様々な空き店舗が活用されてきた実績がある。

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※地方再生モデル都市の取り組み

http://www.mlit.go.jp/common/001228961.pdf

※空き家改修補助金は75万円または1/2相当額の低い方

https://www.city.marugame.lg.jp/itwinfo/i26430/file/28hp.pdf

※リノベーションスクール@丸亀

re-re-re-renovation.jp

 

 

実際の現場では、カバーしきれていない様々な問題もあることに気づく。

今回は、補助金を使ってリノベーションを行い開店したお店1軒、補助金をもらえなかったお店1軒にヒアリングに行ってきた。

①賃料と需要の問題

丸亀の不動産オーナーは、過去の賑わいあった頃の商店街の雰囲気を覚えている。

だから、家賃を20万とかなり高く設定する物件も多いが、店を開いても人が来ないのが現状だ。物件を借りた人は赤字になるケースも多いので、そこだけで食べていけるところはほとんどない。商店街はしっかりしているし、リノベーションも綺麗な物件もあるし、道路の道幅が広くて歩きやすいが、人がいないのだ。ハードがあっても、ソフトが付いて来ていないのが、丸亀の中心部の実態だろう。

 

②移住者への参入障壁の問題

地元の不動産屋との繋がりがある事業者が、空き家改修補助金と物件をがっちり掴んでいる傾向がある。逆に、補助金をもらえなかったお店にヒアリングをしたが、移住者だったのでパイプがなくて補助金は断られたという。これは、広く地方に見られる傾向だと思うが、よそ者は受け入れてもらいづらい。そして、補助金をゲットした事業者はとくに補助金についての事実を知らず、地域の不動産オーナーだけが詳しい情報と行政とのパイプを持っているのが現状だ。実際に補助金を使ってリノベーションを行い、開業した事業者にヒアリングに行ったが、詳細な情報は聞くことはできなかった。

 

丸亀は場所と回遊しやすい道は揃っているし、リノベーションスクールなど様々な動きがあるので、これから再生して行くかもしれない。人の動きがどうできるのか。これからも、情報をとり続けたい。

 

 

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四国のうまいもん

 

鶴丸カレーうどん

(高松のうどんといったらここ)

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ちきり庵の家庭料理

(知る人ぞ知る高松の名店)

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世界一周の概要はこちら。

camp-fire.jp

【8〜11日目】徳島県祖谷での古民家宿泊施設アルバイト総まとめ

こんにちは、納豆はタレをかける前に混ぜる派のイナムラです。

今日は徳島県の祖谷でのアルバイトでの学びを総まとめをします。

4/29(日)〜5/5(土)までの7日間、「桃源郷祖谷の山里事務所」にて、アルバイトをさせていただきました。

 

ここでは、主な業務としては、築300年の古民家「篪庵」と、落合集落の古民家群「祖谷の山里」8棟の宿泊施設の管理運営のお手伝いを行った。

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詳細な業務内容としては、

午前に宿泊施設の掃除1棟とチェックイン前の確認1棟。

午後に事務所の掃除や宿泊客のお迎え

を行った。

GWは合計9棟のうち、8割ほどの稼働率のため、様々な宿泊棟を担当させていただき、9棟全てのお手伝いができた。

 

ここでの学びとしては、以下のようなことがあった。

 

①採算の作り方

基本的には、行政からの業務委託で成り立っている。重要伝統的建造物群保存地区に指定されて三好市の全面協力のもとで運営されている宿泊施設である。古民家のデザインや、部材などかなり制約はあるものの、エリアとしてのブランディングに成功している。ど田舎でありながら、安くて8000円から高くて20000円くらいの価格帯で高いクオリティの事業となっている。稼働率も冬場含めて4割以上というのはすごい。近々、行政のもとを離れて、自由度の高い独立採算も目指せる。行政が初期段階でリスクをおって、徐々に独立採算を目指すというのは古民家という維持費や改修の初期費用がかなりかかる物件を扱うには、ある意味理想的なモデルかもしれない。

 

②地域の方が関わるモデル

まず、地域の方が関わり一緒に作り上げる古民家の宿泊施設ということである。すでに自治会とは別組織で、重要伝統的建造物群保存地区の保存会があり、おばあちゃん達の集まりができているので、そこに料理づくり、宿泊施設のお掃除、周辺ガイドツアーのお手伝いをお願いしている。料理づくりのオプションは3パターンに分かれる。

A.「そば道場」というお店の仕出し宅配
B.その場で料理を作る実演
C.おばあちゃんの家に招いて料理体験
※BとCは料理体験なので、とくに飲食の許可は必要ではない。

元になる団体が既にあるという環境は、地域に開く場を作りやすいことにもつながる。

 

③デザインの洗練性

自然に調和したデザインがとにかく美しい。庭レベルではなく、集落そのものが自然と共に暮らし、小鳥がさえずり、風で木の葉がそよぐ。そんな周辺環境のゆったりとした時間そのものがサービスといえる。内部の骨董品、屏風、光の具合など日本を徹底的に追求した人にしかわからない空間が広がっている。これらの古民家をプロデュースしたアメリカ人のアレックスカーさんは、日本学の専攻。書道や、文学、美術などの仕事も総合的にされてきただけあって、周辺の自然から内部環境に至る全てが日本らしさを感じさせる。自然とともに生き、森から出てきた民族である日本人をエリアとして忠実に表現しようとした時に、ど田舎をフィールドとしたのはうなづける。

 

ここで、古民家の宿泊施設の紹介をしておく。

極上の見晴らし「天一方」

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みんなでワイワイ「談山(たんざん)」

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天空のユートピア「浮生(ふしょう)」

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森の中でひっそり「悠居」

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女子受けする気軽なオシャレ「晴耕」「雨読」

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まるで秘密基地「雲外」「蒼天」

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日本美の最高峰「篪庵(ちいおり)」

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さて、自分はどんなところに暮らし生きていきたいのか。考えた時に、山という選択肢もありだなと思った。

ゆっくりした時間の中で、優しい地域の人々に囲まれ、自然の厳しさや穏やかさに身を委ねて暮らしていく。畑を耕し、タケノコを採り、ひまわりを植え生活してみるのも面白い。

唯一感じるのは、人の刺激と出会いの総量が少なく、情報が入りにくいことだ。そこさえ解決できれば、、などと思った。ただ、それにも増して、今後関わり続けたいと思える地域だったし、人の気質も自分と近いことは確認できた。また、遊びに来たい。

 

 

 

 

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徳島県三好市東祖谷」地域コミュニティに関するデータ

人口:1627人(H.22 国勢調査

面積:13.22㎢

<歴史>

昔からこの地域は世の中からの「逃げ場」であった。

アレックス・カー(1993)によれば、 奈良時代の文献が祖谷に関しての最も古い記述だったそうだ。都から落ちのびた巫女の一団が、この近辺の山の中に消えたとある。屋島の戦いで平家の落人が祖谷に入って来て、それ以来平家落人の里と言われるようにもなった。また、南北朝の際は、祖谷は南朝軍の砦となった。江戸時代は蜂須賀公の阿波藩に最後まで抵抗したり、百姓一揆を起こしたりした。

 

<地理>

アレックス・カー(1993)によれば、 基本的に日本の村は、山間部だと山の中ではなく、山の麓や谷に集中していて、その周辺に田畑がある。しかし、祖谷の場合は、谷に近づくほどに険しく暗いため、泉がある山の中腹に民家を構えた。岩だらけの畑は稲作に向いていないため田んぼは少なく、田んぼを管理する村を形成していない。一軒一軒の家は独立して存在する。

 

<地域コミュニティ>

近所の商店や食事処に行くと、ガランとしていて接客に対して慣れている人は少なかった。シャイな人が多いのかもしれない。心の優しい人が多い印象を持った。

「そば道場」という食事処で700円の「かけそば」を食べると、太麺のそばが出てきた。シニアの方が近隣に多いためか、味は薄味でさっぱりとしていて、量は少なめだった。

また、商店に入ってみると、おじいさんが出ててきた。祖谷にしかないものを尋ねると、「特にない」との答えが返って来た。よそから移住して来た人は、豆腐、こんにゃく、ジャガイモ、そばといった特産物をあげる人が多い。しかし、昔から住んでいるシニアの人は特に何もないと考えており、引け目を感じているのか多くを語らない。

豆腐屋さんに行って「豆腐は何時から売りますか?」と聞くと、短く端的に「朝8:00からです。」と言う。地域のおばちゃんでたまに熱っぽい人がいるものの、凛としたストレートな人か、または淡々と静かに話をする人が圧倒的に多い印象を受ける。何れにしても、皆優しい人が多かった。

 

 

 

 

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<徳島でのベストフォト>

自然と人が共生することによって生まれた曲がりくねった道や畑。

村を俯瞰的に見ると、近代美術のような曲線や色の配置がみて取れる。

雲がモクモクとあがり、エネルギーが湧いてくる。

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旅は常に自分との対話。

鏡に映った自分は、何者なのか。

しっかりと見つめ直す良い機会だ。

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【4〜7日目】徳島県の祖谷で12時間45kmの徒歩の旅・謎のカカシ村&不思議なお話&山登りなど!!!

5月3日木曜日。

バイトのお休みを1日いただいた。

この日は思う存分遊びまくろうと思って、壮絶な徒歩の旅をした!!!

結果的に45km&12時間をぶっ通しで歩くことになり、休む暇すらなかったが、とてもおもろい旅になったので、ブログに残しておく。

 

バイト先の事務所を出たのが、朝8:00。

とにかく徒歩で、地元の人におすすめされた奥祖谷かずら橋を目指す。

これは、一般的なかずら橋ではなく、知る人ぞ知る橋なのだ。

 

祖谷の谷は美しい。

水はエメラルドグリーンに輝き、人の心を洗う。

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苔にまみれた道を進む。

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道端にはちょくちょく滝が出現する。

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道を歩いていると、ばあちゃんに声をかけられた(笑)

このばあちゃん、毎日この道を歩いているという。元気だな!

鹿のワナを作って1頭獲ると、2万円くらいになるらしい。

こんな風によそ者といろいろ話をすることが、地域のシニアにとっての生きがいになる。なかなか人が来ない地域ならではの感覚だ。

帰り道にここを通るなら晩飯食べに来な!とおっしゃってくれた。

やさしい。

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道端に突如カカシが出現した。

ここは、カカシ村と呼ばれている村で、名頃というところにある。

ある一人のおばあさんが、カカシを日々一生懸命作りまくっているらしい。

この村に昔住んでいた人、亡くなってしまった人のことを思い出しながら、それぞれの顔に似せてカカシの人形を作っているようだ。

村人は30人なのに、カカシは200体。

この奇妙な光景に、村の発展と衰退の虚しさを重ねる。

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ここは昔お店屋さんだったのだろうか。

さぞかし賑わっていたに違いない。

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バス停はこの街のコミュニティスペースの役割を果たしていたのかもしれない。

なぜ、この村は衰退してしまったのか、虚しさが残る。

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さて、どれが本物の人でしょうか(笑)

*答えがわかった方は僕に連絡ください。豪華景品当たるかも。

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集会所にあるカカシの大群。

youtu.be

虚しさの先に、これが観光名所となり、再び人を呼び寄せる。

そんな日がもしかしたら徐々に近づいているのかもしれない。

 

それから、しばらく歩くと、トラックに乗ったおじちゃんが声をかけてくれた。

「うちのトラック乗ってくか?」

とてもありがたい。本当に1kmくらいだけど、奥祖谷かずら橋まで乗せてもらうことにした。ヒッチハイクでトラックの荷台に乗せてもらうのは初めてだ。

奥祖谷かずら橋の目の前の食事処で、親子丼をおごってもらった。

これは、うますぎた。

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このおじさん、とても不思議な体験を語ってくださった。

若い頃に四国八十八ケ所巡りの旅をしていたという。

ある時、日も暮れかけ次の目的地までたどり着けるかどうかわからなかった。

一本道をただひたすら進んだ。

目の前から車がやって来た。

そして、その車が通り過ぎた瞬間、、、。

なんと、目の前の道が竹でふさがれてしまったという。

そこには竹も何も生えていない道だったのに、突如竹が現れ道を塞いだのだ。

この出来事から、これ以上前に進んでは危険だという暗示だと悟ったそうだ。

その日は、来た道を引き返したとのこと。

四国の秘境には、こんな民俗学のような話が今なお残っているのだ。

 

さて、奥祖谷かずら橋を観光。

本当に美しい。

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男橋は渡るときは、予想以上にスリル満点だ。

最初の1回はめちゃくちゃ怖いけど、2回目からは慣れた。

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そのほかにも、女橋という橋や、野猿というロープを手繰り寄せながら進む橋があるので、ぜひ訪れてみていただきたい。

 

次に向かうのは山嶺という山だ。

奥祖谷かずら橋からは、約3kmで登山口につく。

先ほどのカカシ村の近くだ。

さて、登り始めよう。

四国で最も美しいと言われる山、山嶺へ!

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日が徐々にくれる夕方。

誰もいない山道をひたすら歩いた。

天狗塚から下山する道がわからず、一時彷徨う。

結局、下山して、道路に出れたのは、18:00すぎ。

夜の暗い森に囲まれた道路をひたすら事務所まで歩く。

ガマガエルの声が深く唸るように響き渡る。

獣がガサゴソと音を立てる。

お墓が目の前に出現するたびにビクッとする。

この一帯は昔民家があったのだろう。

しかし、今はもう廃墟ばかりでお墓だけ残る。

平家の落人が住んで以来、切り開かれたここら一帯の村には様々な伝承があり、

そういう話を思い出すたびに身震いがする。

ふと、知らぬ間に走りだしていた。

とにかく後ろには目をくれず、前に前に。

自分は1日をどう生きようか考えた時に、徹底的に予定を詰め込む。

欲にまみれているのか、好奇心が強いのか。

計画性など何もない。

ただ、実行することでこそ、何か道が開ける。

そう信じて、カンガルーのように前に前に。

僕は、衝動によってビジョンを実行しようとするアーティストであるとすれば、

仕事ではリアリストのパートナーがいた方が良い。

とにかく何をするにも、詳細に事細かに丁寧に描ける人間を必要としていた。

自分は一人で生きられる器用な人間ではない。

一緒にとてつもなく面白いことを実現できる人をただただ欲していた。

 

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桃源郷祖谷の山里事務所ー奥祖谷二重カズラ橋15km

②奥祖谷二重カズラ橋ー山嶺登山口(名頃)2.9km

③山嶺登山口(名頃)ー山嶺ー西熊山ーお亀岩ー天狗塚一(1時間さまよう)ー西山林道登山口 約18km

西山林道登山口ー桃源郷祖谷の山里事務所 9.1km

合計約45km

の旅でした!

バイトは、明日が最終日。

バイトでの学びも、また総合的にまとめてみます。

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空き家活用に関係するシェアサービスまとめ

東京都日野市の古民家「ヒラヤマちべっと」では、さまざまな空き家活用シェアサービスを試したので、リンクとともに共有する。

 

①個室を貸し出す・シェアハウス編

colish(コリッシュ)

無料のシェアハウス物件掲載サイトの中では、最も問い合わせ数が多かった。成約数は、2件だった。シェアハウス事業者がテーマを掲げて、興味がある人が閲覧する仕組みになっているため、そのマッチングがうまくいきやすい仕掛けになっている。

 

ルームシェアジャパン

無料のシェアハウス物件掲載サイトの中では、2番目に問い合わせ数が多かった。成約数は1件だった。シェアハウスを気軽に投稿できる。

 

ジモティ

無料のシェアハウス物件掲載サイトの中では、3番目に問い合わせ数が多かった。成約数は0件だった。雑多なものが売り買い賃貸されているため、間口は広いが、実際にコアなターゲットにはリーチしにくい。

※その他のサイトにも5つほど掲載していたが、他は問い合わせがなかったので省略。基本は、知り合いの紹介経由だったが、サイト経由でも問い合わせが来たので、載せておく。

 

②個室を貸し出す・民泊編

Airbnb

かなり宿泊者は泊まった。立地上数は少なく、単価は抑えざるを得なかった。1人1泊3000円で1週間に1人泊まればいい方だった。しかし、Airbnb経由で2人ほど、シェアハウスの住人になった人がいたという事実も見逃せない。知り合いやイベント参加者を泊めるというスタンスで宿泊は行った。

 

③リビングやキッチンを貸し出す

スペースマーケット

写真撮影、イベント利用、映像制作の3つの案件が入った。一件あたりの単価は高く、地域の人の受け入れと違って、ゴリゴリのビジネスマインドで割り切って受け入れられるのが特徴。お金にはしやすい。ただし、成約率が低め。お問い合わせはたくさんいただくが、制約がしにくかったのは活用物件の性質上や記述内容の問題が大きいのかもしれない。詳細な記述が必要だろう。

 

③畑を貸し出す

シェア畑

畑面積が一定以上でないと、なかなか受け入れてもらえない可能性は高い。

きちんと電話で敷地面積の確認をする必要がある。きちんと基準をクリアすれば、かなり事業がうまく進みそうなイメージ。 

 

④駐車場を貸し出す

アキッパ

貸し出し料金の単価は低め。立地にもよるが、うちの物件の場合は小銭稼ぎという側面が強い。

 

民パーク

キャンピングカーに駐車場を貸し出しをすることで、部屋を貸し出ししなくても民泊に近いサービスが始められる手軽さはある。契約は結構しっかりしているので、始めるときはAirbnbのように気軽に掲載というわけにはいかない。地域コミュニティの文脈においては、防災の場合の避難所としてキャンピングカーの活用という視点もある。

 

⑤複合的に貸し出す

DMMサロン

オンラインとオフラインでコミュニティを作ることができる。会員から月額で費用をもらうことで、コミュニティに参加。参加者はリアルな場とオンラインの場における交流を楽しむことができる。

(シナプスなどのオンラインサロンもあり)

 

色々シェアサービスを試してみたものの、結局中間マージンが引かれるので、地域コミュニティの文脈だと、直接システム構築した方が良さそうなものもある。始める際は、きちんと吟味しておきたい。

 

 

 

 

 

【1〜3日目】徳島県の古民家「桃源郷祖谷の山里」で住み込みアルバイトをはじめました!

鼻がかゆくて、風邪気味の稲村です。

今日は、東京都日野市から約21時間かけて、たどり着いたバイト先である秘境「桃源郷祖谷の山里」「篪庵」の話をします。

どちらも高単価の古民家宿泊施設で、とても雰囲気の良いところです。

桃源郷祖谷の山里 | Tougenkyo-Iya

NPO Chiiori Trust | Top

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さて、なんで今回徳島の古民家に行くことにしたかという話です。

理由としては3つあります。

 

①秘境ビジネスに興味がある。

ヒラヤマちべっとでやってきたことは、交通インフラや商業施設が近隣に存在しない、いわゆる秘境(チベット)と呼ばれるところでの事業でした。採算を取るのが難しい中で、超めちゃくちゃ秘境の古民家はお金的にはどういう仕組みで成り立っているのか知りたかったからです。迷って引き返したとかはあるものの、東京都日野市からは約21時間の長旅でした。秘境にも関わらず、日経の古民家ランキングで「祖谷の山里」「篪庵」はそれぞれ第3,4位となっているくらい、全国的にも成功事例の1つと言えます。

style.nikkei.com

コミュニティビジネスに興味がある。

ヒラヤマちべっとでもキーワードになっていたのは「異分野&多世代交流」です。この「桃源郷祖谷の山里」「篪庵」では、社員は数名しかいなくて、あとは10名くらいの近所のシニアの方々のアルバイトによって成り立っています。一見高単価で敷居の高い宿泊施設ですが、地域の方が仕事で集い、宿泊者とも気軽に交流します。しかも、宿泊者は学生からシニア、日本人から外国人まで様々なので、交流はとても刺激的です。

 

③デザインに興味がある。

ヒラヤマちべっとの特徴としてもう一つあげられるのが、周辺が自然豊かでそれと調和する開放的なデザインということです。桃源郷とも言われるこの祖谷という地域は、とても自然が豊かです。その景色の良さも加わり、自然資源で造られている古民家が、本当にかっこよくて美しく見えます。日本人は自然とともに生きてきたため、コミュニティは自然との共存をどうはかるかという視点がありました。川に入って遊んだり、庭に草木を植えたり、木で家を建てたり、農作物を植えたり、身近なところに自然がありました。自然がこの地に関わる人々にとってどういう存在であるのかにも着目します。

 

これらのポイントに着目しながら、5/5まで楽しみたいと思います。

では、徳島のバイト先に行くまでの道中を少し振り返ります。

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高松から徳島までの道中は徐々に秘境に突入していく感覚だ。

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高松から、徳島の大歩危駅への鉄道ルートは面白い。

改札口では駅員さんが一人一人の乗客に「ありがとう」を言う姿は印象的だ。

イカが使えないのは残念だが、人の繋がりを色濃く感じる。

 

三条駅から琴平駅への道中。

高松のマスコットキャラクターが乗客に混じって乗っている。

隣の人はイルカ使い?のようであった。

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琴平から阿波池田への道中。

車掌さんと運転手さん、切符の確認は同じ人。

とても気さくで話しかけやすいアイドルのようだった。

時間調整で停車中の時は、鉄オタとの会話も丁寧に対処!笑

さすがだとおもった。

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阿波池田駅での出来事。

電車の待ち合わせをしている時に、近所のおばあちゃんと30分くらい話をした。

普段は遊ぶもんもないし、近所に家がないから、ずっとテレビを見ていると言う。

だから、こうやって駅まで出てきた時に隣の人としゃべりたくなるみたいだ。

今日は、息子が帰ってくるそうだ。

30分も前から、電車の到着を待っている姿にほっこりとする。

 

大歩危駅についた。

地域の人が、電車を送り出す。

駅長さんも、電車を送り出す。

それを見守る観光客。

おれも、丁寧に目の前の人に向き合いたいと感じた。

こういうサービスは、秘境ならではで学びがある。

【世界一周1日目】徳島県の大歩危駅での地域の方のお見送り

 

大歩危駅には、「らぶらぶベンチ」がある。

これ考えた人の思考はシンプルで面白い。

こう言う形のイスだと、気になる人との距離が一気に縮まるに違いない。

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さて、大歩危まで来たはいいが、

忘れ物をしたので、阿波池田まで戻り、そっからバスに乗ることにする。

まあ面白いものが観れたからいいか。

バスはずっと谷を進む。

緑の色が本当に美しい。

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バスで走ること1時間半。

桃源郷祖谷の山里の事務所に到着。

篪庵もここの事務所が管理している。

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さて、今日はバイトの説明を受けて、就寝。

 

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バイトの流れは、こんな感じだった。

宿泊施設のお掃除

宿泊施設の宿泊前最終チェック

宿泊客対応

クリーニング

ゴミ捨てなど

 

宿泊施設は「祖谷の山里」8棟で、それプラス「篪庵」1棟となっている。

今日は、「祖谷の山里」8棟のうち、「天一方」「談山」「浮生」という3つの宿泊施設に関わることとなった。

また、上記の事務所が、宿泊の受付でもあり、僕が泊まってる所でもあり、宿泊客対応を行う所でもある。

 

天一方(てんいっぽう)

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 名前の由来は、景色の良さが関係しているようだ。「祖谷の山里」8棟のうち最も人気と言われる宿である。宿泊価格は、人数や時期によって変動するが、2万円弱が相場である。この宿の特徴は、他の棟と比べて、モダンなところである。古民家の良さを生かしながらも、床や、家具、風呂場などできる限りモダンに近づけている。

ここで、掃除を行なった。食器洗いや窓拭きに対して丁寧に向き合う感覚を身につけた。このブログには書かないが、布団やタオルのクリーニング・たたみ方・しまい方には決まりがあり、コツがあった。徹底されていて勉強になった。

 

②談山(たんざん)

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名前の由来は、開放的な空間設計と、人がワイワイ集える場であることが関係しているようだ。これは、コンセプトがヒラヤマちべっとに似ていると思った。友達をたくさん誘って訪れたい雰囲気だった。中に入ると、仕切りのない広い空間があり、屋根裏まで集える座布団が用意されている。庭はとても広く、多くの机とイスが並べられている。

ここでも、掃除を行なった。ここでは、地域のおばさんと一緒に掃除をした。韓国ドラマが始まるから、さっさと掃除を終わらせようとはりきっていた。僕が東京から来たことを知って、喜んでくれた。運営者側の交流、宿泊者側の交流の2軸が上手く作り上げられた場であると感じた。トイレ掃除や、屋根裏の掃除など、色々なところをやった。

 

③浮生(ふしょう)

f:id:ina-tabi:20180430214738j:plain名前の由来は、祖谷の山里がある落合という集落の一番てっぺんにあるということだろう。夢の中に迷い込んだかのごとく、別世界の風景と古民家に圧倒された。これはとっておきの時に、大事な人と訪れたい雰囲気だった。中は談山と対照的で、こじんまりとした狭い空間で、バスやリビングのでかい窓からは絶景が見られるようになっている。また、浮生は最も古民家の原型に近いデザインをしている。すすで床が黒く染まっていたり、座布団が紺色をしたり、と質素なデザインだ。質素さが外の景色を映えさせ、贅沢な空間を作り上げている。この宿泊棟の面白いところは、なんと近所のおじいちゃんおばあちゃんの家の敷地の中を通らないと、たどりつけないことだ(笑)。地域の人と外から来た宿泊者の交流を大事にするためにも、この導線は面白いと思った。

ここでは、宿泊のお客さんの迎え入れのために、環境チェックを行った。地域のプロではないシニアの方をバイトスタッフとして迎え入れることができるのは、このスタッフの2重チェック制度があるからこそであると言える。この仕組みはすごい。

 

このように、祖谷の山里の古民家の多様性は半端ない。まだまだ残り5棟に訪れていないが、どんな古民家かとても楽しみだ。美しい古民家が保たれているのも、重要伝統的建造物群保存地区に指定されていて、補助金が出ているからというのはとても大きいだろう。また、行政からの業務委託ということもあるだろう。きっとそれによる制約はあるだろう。古民家に使う部材にも制限があるはずだ。しかし、それを乗り越えて人を魅きつける環境整備に徹底的にこだわりぬいた先に、地域の人も宿泊客も惹きつける宿が出来上がったのだろう。稼働率ゴールデンウィークは、8割くらい。今年中の独立採算を検討しているようだ。これからも、いろいろ学んでいきたい。ここには、5/5までお世話になる。ぜひ、皆さんも泊まりに来ていただきたい。

 

 

世界一周の概要はこちら。

日本を西に進み、徳島、沖縄を抜けて、台湾に行く計画です。

クラウドファンディングも実施中。

camp-fire.jp


  

 

 

 

 

 

 

 

 

【世界一周】 新しい地域コミュニティを探る旅! 次の活動に向け世界中を飛び回りたい!という企画を始めます。

<世界一周企画の要約>

カフェ、ゲストハウス、シェアハウス、公園、広場、世界各地の地域コミュニティを飛び回ります!!! 価値観が崩壊するような刺激や、これはすごい!という新しい発見を発信していきます。 そして、現地の生活を体感し、皆さんとシェアして、今後のまちづくり活動に生かしていきます。

 

 現在、クラウドファンディングで支援者を募集しております!

よろしくお願いいたします!!

https://camp-fire.jp/projects/view/74129

 

 

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世界の地域コミュニティを皆さんとシェア!

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今回の旅では、世界の地域コミュニティを巡り歩きます!

まず、ここで言う地域コミュニティとは何かという話です。

地域の人々が気軽にふらっと立ち寄れる、カフェや、シェアハウス、ゲストハウス、公民館、集会所、公園、広場などの場のことを指します。

こういう場があることによって、地域の人々の居場所ができ、人と人との繋がりが生まれ、毎日の暮らしがにぎやかで楽しく充実したものとなります。

 

こういう地域コミュニティは世界中に存在します。

今までの価値観がガラガラと崩されたり、これはすごい!という新しい価値観と出会ったり、様々な気づきがあるはずです!

そういうものを現地で味わって、ブログ、動画、SNSなどでみなさんとシェアして、これからのまちづくりについて考えていきたい!という想いで企画させていただきました!

それではまず、どうしてこのような旅をすることになったのかをお話しさせてください。

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きっかけはバイト経験、地域コミュニティづくりを始める。

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大学時代は、アルバイトを約30個経験しました!

しかし、僕は雇われることができない人なので、肌感が合わず全部やめてしまいました(笑)

それと同時に、自分の居場所を選び取る難しさについてずっと考えてきました。

昨年4月に大学卒業を機に、東京都日野市の古民家「ヒラヤマちべっと」の管理人を始めました。居場所に困った自分でも気軽に入れるような地域コミュニティを、暮らしに近い形で作りたいという想いから、シェアハウスやイベントスペースを開始しました。

 

イベントスペースでは、塾の先生が勉強を教えてくれる寺子屋、子供を始め地域の方々が集う食堂、ボードゲームの会など、地域の方々が様々なイベントを開催してくださいました!

シェアハウスの住人も、イベントの主催者になったり、参加者になったりして、毎日が充実した日々となりました。まさに、飲み会やるならヒラヤマちべっとでしょ!という感じで、地域の方が気軽に立ち寄ってくれる場所となりました。

 

どんどん盛り上がり、毎月100人以上の人々が出入りする場となったのは大きな成果でした。

イベント参加者の繋がりが新しい市民活動の団体誕生のきっかけになったり、日野市の広報に掲載してもらったり、NHKテレビの取材がきたりと徐々に成果として形になっていきました。

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貯金は1万円をきり、自分を見つめ直すことに。

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東京都日野市の古民家「ヒラヤマちべっと」は今年に入っても、いつも通り賑わっていました。しかし、地域コミュニティづくりを仕事にするというのは本当に難しいことです。

なかなか黒字化せず、ついに今年の3月に僕の貯金は1万円をきりました。

 

それと同時に、自分の思考がとても凝り固まってしまっていることに気づきました。

駐車場の貸し出し、畑の貸し出し、お土産の販売、宿泊、とにかく思いつくできる限りのことはなんでも試しましたが、そこに自分が探している答えはありませんでした。

 

僕は居場所に困った経験から、独立採算で自由でのびのびとした場づくりを理想の形だと考えてきました。だからこそ、他から資金調達するという選択肢はありえませんでした。もう一度自分を見つめ直し、もっと広い世界を見るためにも、2018年4月末をもって古民家の管理人を卒業する運びとなりました。そして、世界各地の様々な地域コミュニティを見て回る世界一周の旅に出ることを決意しました!

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ヒラヤマちべっとを残すとともに、旅立つことを決意

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僕がヒラヤマちべっとの管理人を卒業することを、facebookで投稿すると、「ヒラヤマちべっとが無くなるのはさびしい。」とたくさんの方々から、次々にコメントやメッセージをいただきました。わざわざ大事な用事をキャンセルしてまで、会いに来てくださった方もいました。

それと同時に、自分を今まで支えてくださった地域の方々の存在の大きさを改めて実感しました。自分が旅に出ても、ヒラヤマちべっとという地域コミュニティは残すべきだと考えるようになりました。

 

2018年4月15日のイベントでは、地域の方々や関わりの深い方がたくさん集まりました。

3時間以上にわたり、ヒラヤマちべっとのこれからについて作戦会議をひらきました。

そこで決まったことは、古民家という場はなくなっても、人の繋がりは残そうというものでした。僕の旅の進捗を共有するとともに、地域の方が主体となって地域の地区センターの活用や、山登りなど場所にとらわれない企画が生まれるコミュニティへと大きく転換することになりました。

 

僕はいつ旅から帰るかわかりません。少なくとも約1年間は旅を続けることになるでしょう。

しかし帰国後は、東京都日野市のヒラヤマちべっとをはじめとして、日本中の今までお世話になってきた皆さんと楽しい活動をたくさん仕掛けていきたいです!!!

今までの自分を変え、成長して、もっともっと面白い人間になって帰って来ます!!!

みなさんどうか応援よろしくお願いいたします!

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訪れる場所はこんなところです。

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基本は、直感でその都度柔軟に訪問先を決めていくつもりなので、ほぼほぼこの通りにはならないでしょう(笑)。ただ、面白そうだなと思ったところを上げていきます。 

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①台湾

台北から台南までリノベーションでアップデートされたまちづくりの現場を体感します。若者がはじめたシェアハウス、廃墟を再生したカフェ、アートによって活気づいた街、再生された官舎、世界一きれいな眼科など、様々な地域コミュニティを巡ります。

【訪問を考えている場所】

玖樓(ジォウロウ)・Ruins Coffee Roasters台北国際芸術村-宝蔵巌・大稻埕・都市再生前進基地「URS」・Cooking Together URS155・三芝頂山寺貝殻廟・厚食聚落・范特喜(ファントォーシー)Fantasy Story・審計新村(Shen Ji New Village)・中區再生基地 DRF Goodot Village図書館 Artqupie Library・宮原眼科・彩虹眷村・PARIPARI パリパリ APARTMENT 

 

中国

少数民族をはじめとする多種多様な文化をもった村の暮らしに溶け込みます。要塞のような円形シェアハウス、風水によって徹底的に作り込まれた村、女性の権力が強すぎる村、小人しかいない村、洞窟の中で人々が暮らす村など、個性豊かな所を回ります。

【訪問を考えている場所】

福建土楼福建省)・諸葛八卦村(浙江省)・モソ族(雲南省)・ハニ族(雲南省)・イ族(雲南省)・小矮人王国(雲南省)・中洞村(貴州省)等

 

③インド

人が繋がることに対して価値観の崩壊や解脱の感覚はどんなものでしょう。言葉を発しないで2週間耐える修行体験や、とにかく騒げる映画館、朝から晩まで人々が集うガンジス川など、圧倒的体験ができる所を巡ります。

【訪問を考えている場所】

ブッタガヤで修行、グルガーオンの映画、バラナシでの沐浴等

 

④ドイツ

芸術、リノベーション、クアオルト、クラブ、集合住宅、地域コミュニティは様々です。ドイツでは、あえて訪問場所のテーマを設けずに広く様々な地域コミュニティを巡ります。

【訪問を考えている場所】

元病院「ベタニエン」・スクウォッチングハウス・トレゾア・ベルグハイン・デッサウ・日本の家・ライプツィヒ子ども食堂・シュピネライ・フライブルク市・バート・クロツィンゲン・プロヒンゲン等

 

⑤スペイン

食とアートによって表現が解放された街づくりを見てきます。衰退した地域に建てられた大型美術館、漢方薬的まちづくり、世界一の美食の街におけるバルの文化などをじっくりと巡ります。

【訪問を考えている場所】

ビルバオ・サンセバスチャン・バルセロナ・ブニョール・要塞都市クエンカ等

 

⑥アメリカ

とにかく今話題のポートランドに行きます。アンチ市場原理主義、クリエイティブクラス、環境都市、コンパクトシティ、交通インフラなどの多くのキーワードで話題が上がるポートランドの今を探ってきます。

【訪問を考えている場所】

ポートランド(パール地区The Belmont Goats・パシフィック・ノースウエスト・カレッジ・オブ・アートPNCA等)

 

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企画者プロフィール

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稲村行真
1994年生まれ、千葉県出身。大学3年次に合同会社wip-tyをつくり、途上国の商品を日本のイベントやネットショップで販売した経験がある。大学4年次に、日本の伝統的な古民家を訪れ取材した。卒論のテーマは「古民家の価値について」。古民家の良さは開放的な空間にあると考え、うまく地域のコミュニティ作りに生かす方法を模索し始める。2017年4月から東京都日野市の築150年の古民家「ヒラヤマちべっと」を活用して、コミュニティハウスを運営。地域がつながるシェアハウスやイベントスペースを運営している。この活動により、交流ある暮らしの場をつくっている。(ブログ:http://ina-tabi.hatenablog.com/

 

 

【過去の主な旅経験】

2016年8月4日~9月14日 日本全国古民家巡り旅

発端は、古民家が好きだけど、魅力の正体が掴みきれないことでした。そこで、新潟県上越市富山県南砺市徳島県那賀町、石川県津幡町愛媛県松山市を巡り、個々の古民家の造りと活用事例、街づくりの特性を調べることにしました。その後、この研究成果を中央大学法学部の卒業論文にまとめました。論文のテーマは「古民家の価値について」です。古民家の価値を、街並みの特性と絡めながら数値化していこうという視点で論文を完成させました。旅の様子は一部NHKテレビ、南海テレビ等で放送していただきました。

 

2017年6月4日~6月18日 古民家冒険Project

東京から石川までの約450kmを2週間で歩き、道中約30件もの活用されている古民家を取材しました。自身が管理人を務める東京都日野市の築150年の古民家「ヒラヤマちべっと」で出発式を行い、石川県加賀市の古民家FUZONで完歩式、タビト學舎で報告会を行いました。この旅を通じて、改めて古民家の魅力は開放的な空間設計にあると感じました。これをうまく生かしてコミュニティや人の繋がりを地域に作り出したいと考え、今に至ります。旅の様子は一部NHKテレビ、新聞等の取材をしていただいた。

 

「一品一灯の会」を振り返る!空き家をどう地域に開き、場づくりを行うかについて考えてみた。

僕が管理人をやっている東京都日野市の築150年の古民家「ヒラヤマちべっと」では、毎月「一品一灯の会」というイベントを開いてきた。しかし、僕が4月末で管理人を卒業する関係で、このイベントはいったん終了。この節目の時に、一品一灯の会が果たした大きな役割についてここで述べておきたい。

今回は、

①「一品一灯の会」の内容

②地域コミュニティにおいて果たして来た役割

③これから検討すべき課題と可能性

について時系列で書いてみることにした。

 

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まず、この「一品一灯の会」はそもそもどんなイベントだったかというところから、書いていきたい。

 

<誕生期>

最初の目的は、「空き家を地域に開く」ということだった。

空き家を地域に開いて、地域の課題やこれやりたいという声に応えて行く方向性で動いていた。地域の方々から地域の現状を聞いたり、今後の活動内容を考えたりしていこうというものだった。

 

2016年12月16日に第1回は開催され、主催者は「すみつなぎ」という空き家活用団体だった。電気ガス水道がろくに使えない中で、1つの品と1つの灯を持ち寄って、みんなで食事会をしましょうという流れで始まった。それが一品一灯の会の由来となっている。

 

初期段階の特徴としては、まず気軽に参加できる内容で、地域の方々が集まるというところに重点を置いた。3月・4月のように、街を歩いて、地域の資源や魅力を再確認するというのも意識的に行った。管理人の稲村は、2017年1月からすみつなぎのお手伝いとして参加し、正式に管理人となった4月には一品一灯の主催者となっていた。

 

2016年12月 豚汁を食べる会

2017年1月 焼き餅を食べる会

2017年2月 バレンタインのチョコ作り

2017年3月 街歩き&タイカレー

2017年4月 お花見&街歩き

 

(写真は第1回の一品一灯の会の様子)

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<発展期>

一品一灯の会は、2017年5月からが転換期だった。4月まで主催者がグイグイ企画を作って来たが、ネタも少なくなって来たし、刺激が少なくなって来た。それならば、ゲストを呼ぼうということで、楽器を弾ける人を徹底的に集めた。それが一品一灯ならぬ、一品一芸だ。4組8名の人がゲストをお招きした。リュートの奥澤さん、フルートの金子さん、ギターのひのヒートルズ、パントマイム・ビートボックス・パーカッションのパンパカマイムボックスの4組である。「外からの動きと内からの動き」が生まれたことで、より良い方向に進んだ。これは、5月以降のキーワードとなった。主催者は管理人でありつつも、脇役のような立ち位置でゲストをサポートする役に徹した。

 

7月の留学生発表会では、帰国前の留学生が日本を見て来た中で、印象に残った場所について発表してもらった。これは外からの動き。8月の夏祭りは、地域の方の企画に乗っかった形だ。これは内からの動き。

 

また、6月はかなり特殊な企画だった。管理人稲村の、東京から石川までの450kmを2週間で歩き、道中約30軒もの古民家を取材して歩く徒歩の旅の門出式だった。門を地域の方と一緒に作り上げ、その門から旅が出発するまさに「門出式」だった。NHKテレビの取材が来たので、どうやって映える出発式にしようかと考え1つのエンターテイメントをみんなで作り上げる一体感が面白かった。この企画はやはり「歩く」というシンプルでわかりやすい企画だったのが良かった。応援してもらえたのは本当に力になった。

ina-tabi.hatenablog.com

 

2017年5月 一品一芸の会

2017年6月 古民家冒険家門出式

2017年7月 留学生発表会

2017年8月 夏祭り

 

(5月の一品一芸の会の様子)

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(6月の古民家冒険家門出式の様子)

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<安定期>

2017年9月のサンマ&登山報告会からは、集客も安定していて、いつもどおりゲストの方々の魅力的な企画どんどん飛び出した。9月は嶋津くんのキリマンジャロ報告会、10月は永井さんの星空観察会、11月は涌井さんの大道芸と芹沢さんのマジック、12月は加納さんのパン作りという企画内容だった。facebookの興味ありの人数が100人は超えて、参加者は毎月30人を越えた。ヒラヤマちべっとの認知度も上がったのがこの時期だった。

 

また、この時期の課題は、一品一灯とはそもそもなんなのかという議論があった。当初は場を地域に開くという目的でやっていた。しかし、十分開かれて来たので、特に必要ないのではという意見もあった。ただ、この時期から、定期イベントは寺子屋子ども食堂、子どもの遊び場といった子ども関連のイベントが多かったので、子どもを核とした場づくりがキーワードになっていた。そんな中で、子ども関連で定期イベントに繋がる企画が生まれればという想いから、一品一灯を続けることにした経緯がある。多摩地域は子育て世帯が多い一方で、自由でのびのび遊べる場がないという課題感もあり、地域的にもこういう場は求められていると感じていた。

 

2017年9月 サンマ&登山報告会

2017年10月 星空観察会

2017年11月 一芸発表会

2017年12月 一周年記念ピザ作り

 

(9月のサンマ&登山報告会の様子)

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<成熟期> 

 2018年に入ってからは、集客は少しずつ落ち着いて来た。1月は書き初め、2月の加納さんのパン作り、3月の 西村さんの街歩きという感じである。昨年末までの盛り上がりとは違った落ち着きのなかで濃い交流を楽しむ感覚だ。

 

あとは、かなりゲストありき、テーマありきでそれに集まってくる人が多くなった。ひとまずヒラヤマちべっとに行ったことがないので、行ってみたい!という人はひと山越えた。雑多な中に刺激的な交流や出会いを求める物珍しさもひと山越えた。もうこれは昨年が盛り上がった分、必然的でしょうがない部分もある。あとは、ひとつひとつのイベントの魅力的なテーマが参加者の満足度に直結していた感覚だ。

 

雑多な人がいる中で、共通言語が見いだせるのかというのは大きなポイントだった。イベントを開催すると話しやすい人たち同士がかたまるのが普通だ。空間内での共通言語がないので、どこかぎこちない人も出てくる。間口が広く、寛容的な場において、交流を無理に作り出そうとするのは、最初は良くても継続性が出ずらい。結局コミュニティの発展性をどう作るのかが大事で、来て楽しかった!にもうひと押しが必要なはずだ。一品一灯を今後復活させるとしたら、キーワードはモチベーション発展性だと思う。その場で出会った人が次にこれやろうとか、その会自体が少し進化するとか、まだ答えはわかっていないが、何かが絶対に必要だ。コミュニティという括りで考えれば、家庭、仕事の次の第3の場という位置付けで、参加者がどれほど主体的に参画したくなるか。もしくは、仕事や家庭のコミュニティの一部となりうるかが超重要であると感じた。

 

2017年1月 書き初め

2017年2月 パン作り

2017年3月 街歩き

2017年4月 けん玉100周年

→今年4月は、一品一灯という名前でなく、けん玉イベントとして告知を行った。

(4月のけん玉100周年の様子)

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これからのヒラヤマちべっとについてはこちら

ina-tabi.hatenablog.com

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〒191-0055
東京都日野市西平山4丁目18-12
築150年の古民家「ヒラヤマちべっと」
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