【8〜11日目】徳島県祖谷での古民家宿泊施設アルバイト総まとめ

こんにちは、納豆はタレをかける前に混ぜる派のイナムラです。

今日は徳島県の祖谷でのアルバイトでの学びを総まとめをします。

4/29(日)〜5/5(土)までの7日間、「桃源郷祖谷の山里事務所」にて、アルバイトをさせていただきました。

 

ここでは、主な業務としては、築300年の古民家「篪庵」と、落合集落の古民家群「祖谷の山里」8棟の宿泊施設の管理運営のお手伝いを行った。

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詳細な業務内容としては、

午前に宿泊施設の掃除1棟とチェックイン前の確認1棟。

午後に事務所の掃除や宿泊客のお迎え

を行った。

GWは合計9棟のうち、8割ほどの稼働率のため、様々な宿泊棟を担当させていただき、9棟全てのお手伝いができた。

 

ここでの学びとしては、以下のようなことがあった。

 

①採算の作り方

基本的には、行政からの業務委託で成り立っている。重要伝統的建造物群保存地区に指定されて三好市の全面協力のもとで運営されている宿泊施設である。古民家のデザインや、部材などかなり制約はあるものの、エリアとしてのブランディングに成功している。ど田舎でありながら、安くて8000円から高くて20000円くらいの価格帯で高いクオリティの事業となっている。稼働率も冬場含めて4割以上というのはすごい。近々、行政のもとを離れて、自由度の高い独立採算も目指せる。行政が初期段階でリスクをおって、徐々に独立採算を目指すというのは古民家という維持費や改修の初期費用がかなりかかる物件を扱うには、ある意味理想的なモデルかもしれない。

 

②地域の方が関わるモデル

まず、地域の方が関わり一緒に作り上げる古民家の宿泊施設ということである。すでに自治会とは別組織で、重要伝統的建造物群保存地区の保存会があり、おばあちゃん達の集まりができているので、そこに料理づくり、宿泊施設のお掃除、周辺ガイドツアーのお手伝いをお願いしている。料理づくりのオプションは3パターンに分かれる。

A.「そば道場」というお店の仕出し宅配
B.その場で料理を作る実演
C.おばあちゃんの家に招いて料理体験
※BとCは料理体験なので、とくに飲食の許可は必要ではない。

元になる団体が既にあるという環境は、地域に開く場を作りやすいことにもつながる。

 

③デザインの洗練性

自然に調和したデザインがとにかく美しい。庭レベルではなく、集落そのものが自然と共に暮らし、小鳥がさえずり、風で木の葉がそよぐ。そんな周辺環境のゆったりとした時間そのものがサービスといえる。内部の骨董品、屏風、光の具合など日本を徹底的に追求した人にしかわからない空間が広がっている。これらの古民家をプロデュースしたアメリカ人のアレックスカーさんは、日本学の専攻。書道や、文学、美術などの仕事も総合的にされてきただけあって、周辺の自然から内部環境に至る全てが日本らしさを感じさせる。自然とともに生き、森から出てきた民族である日本人をエリアとして忠実に表現しようとした時に、ど田舎をフィールドとしたのはうなづける。

 

ここで、古民家の宿泊施設の紹介をしておく。

極上の見晴らし「天一方」

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みんなでワイワイ「談山(たんざん)」

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天空のユートピア「浮生(ふしょう)」

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森の中でひっそり「悠居」

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女子受けする気軽なオシャレ「晴耕」「雨読」

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まるで秘密基地「雲外」「蒼天」

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日本美の最高峰「篪庵(ちいおり)」

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さて、自分はどんなところに暮らし生きていきたいのか。考えた時に、山という選択肢もありだなと思った。

ゆっくりした時間の中で、優しい地域の人々に囲まれ、自然の厳しさや穏やかさに身を委ねて暮らしていく。畑を耕し、タケノコを採り、ひまわりを植え生活してみるのも面白い。

唯一感じるのは、人の刺激と出会いの総量が少なく、情報が入りにくいことだ。そこさえ解決できれば、、などと思った。ただ、それにも増して、今後関わり続けたいと思える地域だったし、人の気質も自分と近いことは確認できた。また、遊びに来たい。

 

 

 

 

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徳島県三好市東祖谷」地域コミュニティに関するデータ

人口:1627人(H.22 国勢調査

面積:13.22㎢

<歴史>

昔からこの地域は世の中からの「逃げ場」であった。

アレックス・カー(1993)によれば、 奈良時代の文献が祖谷に関しての最も古い記述だったそうだ。都から落ちのびた巫女の一団が、この近辺の山の中に消えたとある。屋島の戦いで平家の落人が祖谷に入って来て、それ以来平家落人の里と言われるようにもなった。また、南北朝の際は、祖谷は南朝軍の砦となった。江戸時代は蜂須賀公の阿波藩に最後まで抵抗したり、百姓一揆を起こしたりした。

 

<地理>

アレックス・カー(1993)によれば、 基本的に日本の村は、山間部だと山の中ではなく、山の麓や谷に集中していて、その周辺に田畑がある。しかし、祖谷の場合は、谷に近づくほどに険しく暗いため、泉がある山の中腹に民家を構えた。岩だらけの畑は稲作に向いていないため田んぼは少なく、田んぼを管理する村を形成していない。一軒一軒の家は独立して存在する。

 

<地域コミュニティ>

近所の商店や食事処に行くと、ガランとしていて接客に対して慣れている人は少なかった。シャイな人が多いのかもしれない。心の優しい人が多い印象を持った。

「そば道場」という食事処で700円の「かけそば」を食べると、太麺のそばが出てきた。シニアの方が近隣に多いためか、味は薄味でさっぱりとしていて、量は少なめだった。

また、商店に入ってみると、おじいさんが出ててきた。祖谷にしかないものを尋ねると、「特にない」との答えが返って来た。よそから移住して来た人は、豆腐、こんにゃく、ジャガイモ、そばといった特産物をあげる人が多い。しかし、昔から住んでいるシニアの人は特に何もないと考えており、引け目を感じているのか多くを語らない。

豆腐屋さんに行って「豆腐は何時から売りますか?」と聞くと、短く端的に「朝8:00からです。」と言う。地域のおばちゃんでたまに熱っぽい人がいるものの、凛としたストレートな人か、または淡々と静かに話をする人が圧倒的に多い印象を受ける。何れにしても、皆優しい人が多かった。

 

 

 

 

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<徳島でのベストフォト>

自然と人が共生することによって生まれた曲がりくねった道や畑。

村を俯瞰的に見ると、近代美術のような曲線や色の配置がみて取れる。

雲がモクモクとあがり、エネルギーが湧いてくる。

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旅は常に自分との対話。

鏡に映った自分は、何者なのか。

しっかりと見つめ直す良い機会だ。

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