ちょっと払いたくなる、マフィンの似合う空間。

先日、石川県加賀市のおしゃれな古民家カフェに行ってきた。

外見は、かなりしっかりした町家。

ここは、京都にでも来たのか、と錯覚するような感覚だ。

中に入ってみると、おしゃれなカッコイイ雰囲気に圧倒される。

 

今日は、ここで一杯コーヒーでも飲むか、と入ったところ、これまたおいしそうなマフィンがあるではないか。f:id:ina-tabi:20170301211745j:plain

 

このデザインは、レトロな空間にこそ映える、と思った。

このマフィンにチョコがかかっていなくて、皿もプラスチックだったら、どうであろうか。

そこらへんのコンビニでも売ってそうなマフィンと、さほど見た目は変わらない。

食べ物は、味だけでなく、五感で味わうもの。

最高のマフィンを味わう環境をつくりだしているのが、この古民家なのだ、とふと感じた。

 

さて、マフィンや古民家の話ばかりしてきたが、見た目はなかなか重要だなとつい最近感じる。

髪ぼっさぼさで買い物に行けば、偶然知り合いにあっちゃって、

「お、今日は爆発してるね」

と言われかねない。

隙なく、好きに生きていきたいものですね。

 

 

古民家カフェ

(工芸空間フゾン https://tabelog.com/ishikawa/A1702/A170201/17007423/

 

 

 

 

資産として考えたときはどうなるのか?@古民家

こんにちは、古民家鑑定士の稲村行真です。

今回のテーマは「資産」ということです。

あなたの家の資産価値はどのくらいでしょうか?

 

日本では、建物と土地を分けて、資産価値の評価を行います。

それに応じて、固定資産税の額が決まってきます。

減価償却によって、建物の資産価値は新築当初から徐々に下がってしまいます。

20年ちょっとすると基本的に、建物の価値はゼロになります。

だから、不動産投資をする方は、中古に目をつけるのもよくわかります。

 

では、古民家はどうなのか?

もとから、建ってから20年以上建っているので、建物自体にほとんど値がつかず、資産を保有してから、価値が減らないというのはある意味いいことかもしれません。

しかし、古民家が残っている所というのは、基本的に人口が減少していて、建物がほしいというニーズ自体が減ってきているということでもあります。

つまり、賃貸売買などの需要が現状として、あまり高くないと言えます。

 

逆に古民家が残っていないところというのは、基本的に建物に対するニーズが大きいので、古民家を壊して、より経済効率がいい形で、土地面積が小さいところに高い建物を立て直します。その方が、例えばマンションであれば、入居できる人数が古民家の時と比べるとかなり多くなり、稼ぎも大きくなるのです。

 

そんななかで、古民家が残って、価値のある意味のある存在として、住みつがれていく方法、それは、伝統・歴史・文化・自然との共生・心のよりどころといったような、古民家独特の価値観を最大限引き出した活用が進んでいくことだと考えられます。

今一番注目すべきは、観光的価値だと考えています。

福島県の大内宿、岐阜県富山県の合掌造り、飛騨高山、数々の街が、古民家の風情を観光的価値として景観整備を行い、外国人観光客の誘致などに成功し、市場を創りだしています。

 

みなさんも、観光で古民家のカフェ、レストラン、宿泊施設にいってみませんか?

株式会社ENISiが運営する、古民家や宿坊の宿泊予約サイト「ENYSi」も紹介しておきます。

https://www.enysi.com/news/press20161012

 

 

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トーゴ共和国の古民家

こんにちは、古民家鑑定士の稲村です!

本日は、世界の古民家ということで、第一弾をお届けします。

 

古民家って地域性があるものですよね。

だから、世界各地にも地域的な特徴がバンバン感じられる古民家がたーーーくさんあります。

そんな生活の知恵がつまった素晴らしい古民家の数々をご紹介していきます。

 

今日は、トーゴ共和国

バショは、アフリカの真ん中にある国です。

Google マップ

 

トーゴの北東部クタマクには、少数民族バタマリバ人が住んでいます。

バタマリバは建築家である人々という意味です。

この民族は、「タキエンタ」と呼ばれる泥の住居!!!で暮らしているのです。

1階は住む空間、2階は主に穀物倉庫となっています。

成人になるとき、成人は2階に隠れ、外で大人が壮絶な鞭の打ち合いをするのを聞いている風習があるのだとか。

 

ドアが口、窓が目という感じで、家自体が人間のような形をしていて、先祖の霊が宿るとされています。

 

URL:

worldheritagesite.xyz

 

 

 

日本で一番有名な古民家?合掌造り集落のすごさに迫る@古民家

こんにちは、古民家鑑定士の稲村です。

 

今日は、日本で唯一世界遺産に登録されている民家の集落「白川郷・五箇山の合掌造り集落」についてお話します。

 

みなさんは、突然、都会から山奥に引越しせざるを得なくなったら、どう感じるでしょうか?

 

今からさかのぼること、約1000年。

1180年に合掌造り集落の歴史は始まった。

源平合戦で、倶利伽羅峠にて木曽義仲に敗れた平家の人々は、落人として合掌造り集落にたどり着いた。

都とは全く環境の違う、雪・風・寒さといったあまりにもつらい生活環境の中で、知恵を振り絞って、独自の文化を創りあげ、「強く生き抜いた跡」が合掌造りの古民家を見ていると感じられる。

 

まずは、屋根。

日本の中でも有数の豪雪地帯であるため、雨量が月平均180mmに達する。

雪を下す負担の軽減や、水はけを良くするために、屋根の角度は45~60度となっている。茅葺きであるため、水分をはじかずに浸透させ、軒に排水する仕組みとなっていて、家の中には水が入らない材質上の工夫がある。そして、農地が確保しづらい土地柄であるために、内部に養蚕スペースを作るため、屋根も大きくなっている。

 

次に、広い床面積。

この地域は、塩硝生産が盛んに行われていて、かなり養蚕の生産とも密接な関係があった。蚕のフンと雑草、土を混ぜて3~4年土壌分解させると、不思議なことに塩硝が出来上がったという。秘密の実験室のようなイメージを掻き立てる。また、この土地は耕作地が限られているために、細分化されるのを防ぐために大家族制度が一般的となり、大家族が暮らすには広い床面積が必要になった。

 

最後に、3~5階建ての内部構造。

小屋組みと軸組を分離する「ウスバリ構造」という構造になっている。小屋組みが屋根を支える構造、軸組が屋根や2階部分を支える基礎構造のことだ。そして、小屋組み部分は、さらに下部の「アマ」と上部の「ソラアマ」に分かれる。アマは2階部分で、蚕・茅・食料の保管や、住人の寝室となり、ソラアマは3階部分でアマと同じ役割を果たした。養蚕作業に不可欠な通風と採光のために、妻側には窓などの開口部が設けられている。

 

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参考文献:世界遺産検定事務局(2013)『すべてがわかる世界遺産大事典<上>世界遺産公式テキスト』

 

日本の木が世界的に認められた@古民家

みなさん、木の建物ってどんなイメージですかね?

火事が起きやすいとか、耐震性大丈夫?とか、建て替えを頻繁にするといったイメージを持たれる方も少なくないと思います。

 

江戸時代には、人口爆発して、密集していた木造の民家が、地震や火災で頻繁に倒壊しておりました。

そんな中で、新築の建物を建てないといけなくなると、それなりの木が必要になってきます。木が頻繁に伐採されるようになり、洪水や、森林破壊が勃発した時、初めて人は気づくんだと思います。

「森林保全、しないとな。」と。

江戸時代に森林保全の概念が誕生したんだと自分は考えています。

 

そんなこんなで木を保全する文化のある日本では、木がとても身近な存在です。

この木の文化、日本が海外と比べると突出していることがわかる数字をご紹介します。

主要な先進国の森林率(国土に占める森林の割合)

アメリカ 33.90%

イギリス 13.00%

中国   22.19%

ドイツ  32.76%

フランス 31.03%

そして、日本 68.46%!!!

(出典:2015、THE WORLD BANK)

data.worldbank.org

 

日本すごいですね。ちなみに、世界で最も森林率の高い国は中南米スリナムで98.28%とかなり突出しているようです。

 

そんな中で、日本の木の文化、世界的に認められるようになったのは、つい最近のことです。1994年までは、木の文化に関する世界遺産登録はかなり厳しいハードルがありました。そのハードルの正体は、「真正性」です。

 

真正性とは、文化的背景の独自性や伝統を継承していることです。

つまり、時代を経ても変化しない石の文化の西欧に対して、日本やアフリカの土や木の文化は変化してしまうということで、建造当時のままの姿を残しにくい性質があったのです。

しかし、その解釈はある文書によって、転換することとなります。

それが、世に言う「奈良文書」です。

この文書は1994年に開かれた「真正性に関する奈良会議」で採択されたもので、各国の文化や歴史の中で確立された保存技術や修復方法でのみ真正性を担保していくという考え方が生まれたのです。

 

このような経緯で、1995年には、日本の代表的な古民家集落である「白川郷・五箇山の合掌造り集落」のような木の文化に関連する世界遺産が登録されることとなったのです。つまり、素晴らしい生活の知恵が詰まった、日本の木の文化が世界的に認められるようになったのです。

 

ここで、合掌造りの写真を載せておきます。

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世界遺産検定でインタビューしていただいた時の記事はこちら

認定者インタビュー:稲村 行真さん|世界遺産検定

 

 

 

 

 

 

 

 

東日本と西日本 @古民家

みなさん、こんばんは!古民家鑑定士の稲村行真です。

今日は東日本と西日本の違いについて。

 

あなたが食べるおもちは丸型ですか?角型ですか?

あなたが食べるうどんのつゆは薄い味ですか?濃い味ですか?

 

東と西で日本を分けるとすると、フォッサマグナのような大断層を基準にするんですかね。とにもかくにも、何かと文化の違いを感じる東と西です。

 

そんな中で、古民家にも東と西の違いがあったんです!

東日本は囲炉裏、西日本はかまど、がそれぞれ主流といわれています。

囲炉裏=コンロ+ストーブ

かまど=コンロ

みたいなかんじで考えられるので、西日本のあたたかい地方はストーブ機能がなくてもなんとかやっていけるということの証かもしれませんね。

 

囲炉裏は、これ。

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かまどは、これ。

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気になる木のお話@古民家

みなさん、木の香りって素晴らしいですよね?

木の話って気になりませんか?笑

 

日本の3分の2は森です。

盛りの話で盛り上がっちゃおうということで、盛りだくさんの話をもりもり盛り込んでみました。笑

 

さあ、舞台は熱帯雨林

植物があるから微生物が生きる。

微生物が土に還るから、植物の栄養となる。

高温の熱帯林では、表土が薄く、その栄養を早く吸収する。

過伐採をすると、栄養がなくなり、森が回復しない。

日本は熱帯林の木材に頼っている部分も多いが、もっと日本の木を気にしていくべ木だと考えている。笑

 

本の森保全の起源は江戸時代。

火事が起こりまくって、過伐採しまくって、人口が増えまくって、環境破壊というのを意識したんだと思われます。

もともと、木は筏で気をつけて運ぶ技術が日本人にはあったのです。コストをかけずに木を運び家を作る技術があったんですね!

 

職人技も生まれ、伝統工法が発達し、今に至る。古民家にはそれが残っていて、日本の木と、それと共に暮らしてきた外国には真似できない暮らしがあります。

これをこれからも伝えていこうと改めて感じた今日でした。

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