【81日目】台湾の台中にて!デザインワークショップのカメラマンをやる!

台中では好心地文創(Howdy Creative)で仕事体験をさせていただいている。

好心地文創は、デザイン会社だ。

職人が集まるローカルコミュニティの支援を行なっている。

特に、アートや工芸品に関する開発やプロモーションがメインだ。

最近では、プロモーションの一環としてツーリズムに力を入れていて、旅行者に作品を作る現場を見てもらい、体感してもらうことにも力を入れている。

Howdy Taiwan 好,的 臺灣工藝店 Howdy.tw - 臺灣土生工藝店 Howdy.tw

f:id:ina-tabi:20180717120700p:plain

 

 

このデザイン会社を作ったクマさん(黃奕杰さん)とは、石川県加賀市で出会った。

日本のデザイン系のコミュニティ、美術館、ギャラリーなどを視察されていたところであった。

デザインが人と人とをつなぎ、コミュニティを形成することに取り組んでおられることに感銘を受け、台湾でお会したい旨を伝えた。

ぼくが中国語や英語を流暢に話せないため、言葉があまり通じない中で、快諾していただき、本当にありがたい。

f:id:ina-tabi:20180717115858j:plain

 

 

 

 2018年7月17日(火)

CC DESIGN WORKSHOP

台湾全国の15個の職人コミュニティを集めたデザインワークショップが開かれた。

いいカメラを持っているね!ということで、

僕はこのワークショップのカメラマンをやることになった(笑)

好心地文創は昨年は38、今年は44の職人コミュニティの視察を行なったという。

そこで、どのような工芸品が作られ、どのような過程で、誰がどのような想いを込めて作っているのかを調べた。

それを映像にまとめるとともに、情報としてまとめる作業を行なった。

それをこれから商品開発を磨いていこうという人々に対して伝え、議論し、実際に作成していくというのが今回のワークショップに至る経緯である。

 

<基本情報>

老若男女30人、15の職人コミュニティもの人々がこのプログラムに今回参加をした。

所属コミュニティとしては、圧倒的にNPOの人が多く、地域ごとにNPOを組織することによって、職人コミュニティを形成しているということがわかった。

日程は、7/17~19,8/6~7,8/20の全6日間行われる。

このプログラムは参加者が参加費を払う必要がなく、運営者はパブリックセクターからのお金で運営を行なっている。

こういうことに対して、政府の理解が得られるというのはとても素晴らしい。

作品を発想し、作成し、プロモーションしていくまで学べる。

これは、その地域をより良くするという文脈で語られるもので、個人の創作活動のみに留まらない点が特徴である。

f:id:ina-tabi:20180717234428j:plain

 

 

<僕の視点>

実は大学生のころ、アジアの途上国の 伝統工芸品などを、大学の生協や文化祭で販売するサークルに所属していたことがある。

大学内に留まらず、より大きな活動にしていきたいと考え、

大学3年生の6月に合同会社をつくった。

そして、ネットショップの立ち上げと、大学外のイベント出店をメインとして、これらの製品を販売する販路を拡大することができた。

このとき、葛藤があったものの、

商品を「フェアトレード製品」として販売していた。

フェアトレード」という言葉に反応して、商品を購入する人は2パターンの人が少なからずいる。

1つ目は本気で商品に魅力を感じて買ってくれる人、もう1つは支援したいからという理由で商品を買ってくれる人。

後者はとてもありがたいが、なるべく前者の理由で購入してもらった方が生産に関して持続性が担保されると思う。

生産者は商品を気に入ってくれた人に買って欲しいだろうし、コミュニティにおける商品の開発スキルも高まっていくとおもう。

本当の三方良しのプロモーションとは何か今一度考えたいし、買い手に喜んでもらえる商品が一番だと思う。

僕にとってこの「ストーリーの適切さ」と「商品力」というのは、着目すべきポイントとして、今回のワークショップに臨んだ。

 

※1フェアトレード

発展途上国で作られた作物や製品を適正な価格で継続的に取引することによって、生産者の持続的な生活向上を支える仕組み

http://www.wakachiai.com/fairtrade/about_fairtrade/

 

実際に売っていた商品の数々。

f:id:ina-tabi:20180717123109j:plain

 

 

<今日のワークショップの内容>

9:00~9:30 開会の言葉

9:30~12:00 イントロダクション

自己紹介や、伝統工芸品に関する着想・自分には何作れる?みたいなのを議論してから、一人一人自分の視点について発表を行なっていく。一人一人が誇りを持って自分たちの商品を語る姿はとても印象的だった。かばん、人形、明かり、カゴ、食べ物など本当に様々だ。

13:00~17:00 ゲストが登場

商品を作る目的やコンセプトなどからどうやって売っていけば良いかなど全体的な視点について、デザイナーをお呼びしてレクチャー。

※こちらがレクチャーのスケジュール。

ところどころに「課程討論」の文字があるが、これはディスカッションという意味。

全ての講義が基本的には、インプットと組み合わせてアウトプットの機会を作っているのは参加型で面白い。

f:id:ina-tabi:20180717122337j:plain

f:id:ina-tabi:20180717163952j:plain

 

このデザインワークショップにおける好心地文創の立ち位置はプロデューサーやディレクターに近い感じだった。

つまり、全体的なワークショップの企画と運営を行うというものだ。

そして、全て自分たちが担うのではなく、各セクションのプロフェッショナルを呼んで作り手を増やし、ワークショップを構成していた。

 

このようなワークショップは日本にはまだまだ少ないだろう。なぜなら、台湾は日本と比べるとかなり地理的にコンパクトで協力関係を作りやすい。

伝統工芸品の分野は様々、所属コミュニティも様々でも、協力しあって共に学んでいこうという機運がある。

これはかなり面白いと思った。

日本でやるとしたら、九谷焼なら九谷焼!みたいな感じで勉強会は開くかもしれないけど、

地域のコミュニティと工芸品の結びつきの強さや、横断型の学びの場があるというのは台湾ならではの特色だろう。

 

全ての工芸品において何か本質的な部分が繋がっていて、今まで作ってきた商品のクオリティやプロモーション力がどんどんアップされていくような学びの多様性と質がとても高いと感じた。

 

まだまだ、デザインワークショップは始まったばかり。

日本の職人コミュニティと比較しながら様々な気づきが生まれそうで楽しみだ。

明日、明後日と引き続き楽しみたい。

 

 

 

 

【80日目】台湾の台中にて!僕が今考えている「旅」との向き合い方!

 

僕はクリエイター的な思考を意識して旅している。

 

クリエイターは常に2面的に生活していると思う。

ひとつは技術の向上によって「現場力」を高めること。

もうひとつは、「イデアの源泉」に触れること。

旅は後者。

イデアの源泉。

とあるクリエイターは、

1年の半分を仕事、半分を遊びに使うという。

かなり最適化された生き方と思う。

僕もそういう生き方がしてみたい。

 

今回の着目ポイントは「日本と台湾のギャップ」。

ポジティブはネガティブを内包する。

だからあえて分けずに自由に書いてみる。

 

①生活コストが安い

現代において、生きるのにはお金を払わねばならない。

何に対して払うか。

特に、交通と食。

交通はA地点からB地点に対する移動。

毎日3食のご飯。

これは欠かせない。

これらが、圧倒的に安いのが台湾。

台中はバスが無料。

肉の丼ぶりは100円あれば食える。

これは「安くて量が多い」が好きな人には楽しめる環境。

 

②汗をたくさんかく

これは機会損失につながっている?

汗かいている→臭くなる→人に会うときに物怖じする

汗かいている→洗濯が頻繁→時間を喪失する

汗かいている→Tシャツかえる→予備を持ち歩く手間がかかる

けど、こういう感情も持った。

汗かいている→人肌が触れると汗が交換される→仲が深まるかも

台湾を語る上では「汗」の存在は欠かせないだろうな。

 

 

③バイクが多い

交通は、スムーズでない。

バスは15分遅れとか当たり前。

単純に交通渋滞とかが頻繁で時間が読みにくい。

だから、人が怠惰というよりは、

交通システムに翻弄されていると考えたほうが早いだろう。

これらの理由から、柔軟性が高い文化性がある。

仕事中に多少のミスとかもギクシャクしにくいとか、そういう文化性はある。

これは面白い。

 

④お冷やが出ない

これは、最初きつかった。

汗ダラダラで、乾いた麺とか食べると、

お冷やがめちゃくちゃ欲しくなる。

でも、お金払わないと、飲み物が飲めない。

うーん。

ただ、お冷や出さない店って、プライドあるよな。

飲み物うまいのあるしせめて一杯買ってほしいみたいな。

日本でお冷や出さないのはこの手の店かも。

台湾で出さないのは単純に習慣の問題か。

 

⑤何かと早い。

 

車の運転、喋るスペードは単純に早いと思った。

あと、横断歩道渡るときに、

歩行者が、車を通り過ぎるのを待たない。

車の運転手も同じで、歩行者を通り過ぎるのを待たない。

結果、車と歩行者は接近するわけで。

せかせかしていて。

それでも、クラクションが鳴る総数は少ないというおもろさ。

空間に対する解像度高いのかな。

見えないものが見えているというか。

まあ危険という言葉で片付ければ簡潔すぎる。

あえていうならば、

「日本人の1秒と台湾人の1秒は違う」

とでもいうべきであろう。

 

総じて、台湾の旅のスタンスは、、、。

親日ゆえに、人対人が繋がり、コミュニケーションに対する質が高い。

インプットに対する効率高い。

ビジネス展開に対するチャンスが高い。

そういう意味で、可能性を感じるのが台湾。

 

逆に、言語・情報機器の使いやすさなどの側面から、コミュニケーションの質高められない国って、訪問理由をフィーリング(感じること)に対して特化して行く必要があると常々感じる。

中国の訪問理由はまさにこれ。

単純に、これすげーーーーーっていうものに出会いに行く(笑) 

そこから発想をスタートして行く。

絶対に心に残るものに出会うってのは大事。

7月23日からは、中国楽しみ。

台湾とは違う頭の使い方で楽しみたい。

そんで、中国の後は8月中旬に島根県に一時帰国する予定。

「技術の向上」のフェーズも徐々に高めて行くときだな。

 

 

ps.

台湾の旅は前半戦終了。

昨日から、宿泊拠点を変更。

台北Starbox hostelから、台中HowdyCreativeに!

これからディープなローカルコミュニティに密着していきます。

これはStarboxhostelのロビー。

f:id:ina-tabi:20180716204941j:plain

 

Starbox hostel

http://www.bigbox.com.tw/

 

Howdy creative

https://howdy.tw/

 

 

 

 

 

 

 

 

【74日目】台湾でネコだらけの村「猫村」に突入!30分ネコと対話して考えた『まちづくり』

台北は、蒸し暑い快晴。

セミはミンミン。

電車はガタゴト。

ゆっくりとある村へと向かった。

台北から2時間。

僕が目を覚まし窓を覗くと、青々とした緑。

サワサワと川が音を立てる。

森を被ったゴツゴツとした山々が僕を出迎えた。

まもなく駅に降り立つ。

その駅の名は猴硐(ホウトン)駅。

人々はこの土地を「猫村」と呼ぶ。

 

人間がネコと暮らし始めたのは、約9500年前と言われる。

狩猟において、ネコは常に人間の敵だった。

獲物に対して競合するからである。

ところが、人間が農耕を始めると関係性は急変する。

ネコはネズミは食べる。

人間にとって、穀物を食い荒らすネズミを退治してくれることは

この上ない喜びだった。

そこで、人間はネコを飼い始めた。

人間は穀物は欲しいけど、ネズミはいらない。

ネコは穀物はいらないけど、ネズミはほしい。

人間とネコの利害は見事に一致したのである。

 

この村でも、同じだった。

ネコは非常に合理的な理由で、人間と共生していた。

猫村は日本統治時代、炭鉱の村だった。

炭鉱の設備で使われる木の柱などをネズミが食うのを防ぐために、

村人はネコを飼いはじめた。

後に、世界的に名だたる猫の村になるとは誰も思わなかっただろう。

f:id:ina-tabi:20180710035612j:plain

 

この村の構造は、面白い。 

 駅から伸びる一本のトンネルが、ネコの村へと人々を誘う。

異世界の入り口に見えてきて、どことなくワクワクするのである。

f:id:ina-tabi:20180710040915j:plain

f:id:ina-tabi:20180710040953j:plain

 

しかし、トンネルを出ると、そこは異世界ではなかった。

僕が思っていたほど、ネコはそこらへんにいなかったのである。

ただの田舎の村だった。

村を一周して見たネコはざっと10匹程度。

こんなん、近所の公園見渡せばいるだろと思った。

しかし、猫村の本質は「ネコが多い」ことではない。

 

まず、ネコがたくさんいる場所なんていくらでもある。

個人的に「猫カフェ」なるものを立ち上げる人もいる。

でも、それは個人レベルの話である。

『ネコの村』として、文化を根付かせようとしたことについて僕らは着目するべきではなかろうか。

 

例えば、これ。

町の様々なところに、餌が売っている。

猫に餌をあげようという村民の意識が根付いているということだ。

しかも、一種類じゃなくて、いろいろと種類があるらしい。

f:id:ina-tabi:20180710042504p:plain

 

お店のレジ。

さもネコを触ってくださいと言わんばかりに、ネコを置いている。

ストレスはないのか。

でも、気持ちよさそうに寝ている。

人とネコとの距離が近いのだ。

f:id:ina-tabi:20180710043325p:plain

 

招き猫のグッズがずらりと並ぶ。

験担ぎで観光客を呼ぼうとしている感じは中国系らしい考え方。

この発想は、台湾のどの観光地に行っても感じることだ。

f:id:ina-tabi:20180710043100j:plain

 

そこらへんの家々には、ネコが描かれている。

そしてだいたい中が猫カフェみたいになっていて、ケーキとか、パフェにまでネコがデザインされている。

f:id:ina-tabi:20180710043828j:plain

 

とにかくネコが愛されている!!!

雰囲気として賑やかになっているのも、どこか楽しげである!!!

 

ただ、僕は少し猫村の中心から離れた飲食店でお昼を食べた。

地元の人が通うごく普通の飲食店だ。

もっと暮らしに近いところに面白さがあるのではないか。

あとから作られた、おしゃれでかわいいケーキやパフェにも魅力はもちろんある。

ただ、一方で炭鉱で働いていた人が食べていた飯に近いものを求めていた。

炭鉱夫は毎日長時間汗水流して働いていただろう。

もう倒れそうになった時にやっと口にできたものはなんだったのか。

それを観光客に見せようとしたものではなくて、ごく自然な形で食べてみたかった。

パクッと一口、感じてみたかった。

炭鉱の味というものを。

f:id:ina-tabi:20180710132317j:plain

 

猫村として文化作りをして、可愛いデザイン、おしゃれなデザインであふれる村にした方が人は来るだろう。

ある意味、過疎の村を包括的によりよくする優れたブランディングかもしれない。

猫好きの人に来てくださいね!っていうメッセージがシンプルでわかりやすい。

でもコテコテな感じの印象を持ってしまった部分もあった。

ぼくは考えすぎなのだろうか。

なあネコ!君にとって、猫村は楽園なの?

ゴリゴリマッチョなネコという存在に対して、

僕は多視的にクエスチョンマークを投げかけてみた。

f:id:ina-tabi:20180710140832j:plain

 

まあいろいろ問いをネコにぶつけてみたが、

答えが出るわけでもない。

総じて猫村は面白かった。

辺境の地とか、未開の地とか、過疎の地域とか。

そういうところはどうやって経済回していこうかひたすら考えている。

交通アクセスが不便だったり、資源が乏しかったり、様々な要因で人が集まりにくい。

だから、今あるリソースに大きなレバレッジをかける。

割り箸で車を持ち上げるかのごとく、神業が炸裂する。

それがたまらなく刺激的である。

これからの日本、これからの世界。

大きなヒントはこういう最小単位の村に潜んでいるのかも。

だから、過疎&秘境巡りはやめられない。

 

そこまで大きくもなかった猫という地域の資源が、

文化づくりの過程でどんどん再考されていった。

いつの間にか、世界的に有名なネコの村になっていた。

 

そのストーリーを噛みしめることだけでも十分面白い。

建築もデザインも、全ては文化を内包して、村や街へと続くもの。

まちづくり視点で、色眼鏡をかけてみるのもたまには面白いものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【72日目】台湾の台中で建築やデザインの魅力とたっぷり向き合ってきた!

 

建築とデザインの様々な可能性を探ってきた。

舞台は台湾第3の都市、台中。

 

レインボービレッジ 。

ある1人のおじいちゃんがひたすら絵を描きまくった結果、虹色の村ができたという。

僕はこれを見て、一種の夢の国的な幻想を垣間見た。

つまり、ディズニーランド的な世界観と近くて、現実世界との乖離がポイントである。

フォトジェニックであることがこの村の特筆点である。

しかし、僕はこの村にたどり着いた瞬間、少しこじんまりしすぎていると思った。

こういうものを作る時はいろんな人と組んででっかいものを作った方が、夢の国のような作り込まれたエンターテイメントは表現しやすいと思った。

でも、その論理では語りつくせないものもあった。

それは、目には見えない1人のおじいちゃんが描いたというその月日とストーリーだと思った。

僕にはそれはできないし、やりたいとは思わないけども、そのストーリーこそが人を惹きつけるのだ。

エンターテイメントは人間にとって必要かと言われると必要でもないけど、それだと寂しいのが人間のサガであろう。

人生にまるで彩りを加えるように、その村は存在していた。

彩虹眷村-臺中觀光旅遊網 Taichung Tourism

f:id:ina-tabi:20180707151020j:plain

 

台湾のとあるカンパニーを訪ねた。

台中の市街にある好心地文創だ。

コミュニティビジネスの新しい形がここにはあった。

元々はデザイン会社で、特異な点はローカルな職人コミュニティに着目した点だ。

台湾全土の約50ほどの職人コミュニティをヘルプしていき、伝統工芸品等のデザイン性あふれる製品の販路を作っていく。

最近はツーリズムにも着目しているようだ。

旅行のツアーでコミュニティを訪問する導線を作ることによって、

その土地を感じてもらい製品まで楽しんでもらう仕組みが出来上がった。

デザイナーというベースがあってこそだ。

コミュニティというのはデザインの力によって成立しうると感じた。

そして、デザインに対して大きな可能性を感じた。

7/15から数日間仕事体験をさせてもらうことになり、非常に楽しみだ。

ファウンダーのくまさん(愛称)ありがとう謝謝!!!

https://howdy.tw/

f:id:ina-tabi:20180707151128j:plain

 

緑光計画。

好心地文創からほど近いところに、水道局の職員住宅をリノベした素敵な空間がある。

范特喜(Fantasystory)という会社が運営している。

1階は主にデザイナーに貸して、自分のプロダクトを販売する空間となっていて、2階は主に学生のイベントが開かれるスペースとなっている。

僕が訪問した時は約50人ほどの学生が将来について考えるイベント?のようなものを開催していて、規模感と盛り上がりに鳥肌がたった。

また、内装のデザイン性が非常に高くて見応えがあった。

日本人の建築家も関わっているようで、日本人とも話をすることができた。

https://fantasystory.com.tw/

f:id:ina-tabi:20180707150153p:plain

 

無為草堂。

かなり立派で緻密な木造建築。

高価な食事処となっているが、特別に中を見学して撮影する許可をもらった。

池を中心に様々な個性的な部屋が周辺を囲む。

山小屋のベンチのような席もあれば、完全なお座敷のような個室もある。

くねくねした回廊のような廊下は冒険心を掻き立てる。

薄暗くて暖かな明かりは食欲をそそるばかりか、

自分を奮い立たせエネルギーをくれる。

木材と暖かな光の関係はいつも密接であると改めて感じた。

http://www.wuwei.com.tw/about/about01.htm

f:id:ina-tabi:20180707150313j:plain

 

 

 

台中国家歌劇院。

日本の建築家、伊藤豊雄の設計。

この建築は外側からは魅力がわからない。

もちろん外装の迫力も半端ないが、1階から6階まで順々に見学してみると、じわじわくる感動に鳥肌が立ってウルっときた。

 

まず、1階を入ると、伊東豊雄らしい曲線の柱天井や柱に目線が行く。

それはオペラハウス独特の世界観で、不安やワクワクやいろんな感情を凝縮している。

ぼくは、自然とこの建築を「砂漠」と「洞窟」に置き換えていた。

自然界のシンプルな曲線は端的に言うとこういうことだろうと思った。

 

順番に上がるうちに、1フロアの中でも緩やかに床の高さが異なる空間が出現。

これに妙に感動した。

ああ、ぼくは1+1=2とか、y=2xみたいな建築には全く興味ないんだと思った。

言うなれば、1+100=101とか、y=X2

のような何か規制の枠組みを壊したくてしょうがないくらいに、何かに振れているけどもきちんと機能している建築に魅力を感じていた。

自然はもっと複雑で曖昧で個性的で彩り豊かで、そう言うものが作れないと人はつまらない生き物になってしまう。

 

6階は空中庭園だった。

写真では、表現しきれない曲線的な魅力があった。

どことなく、最果ての地であるチベットを連想させ、ウルっときた。

無駄なものはなくどこか澄み切ったシンプルな空間に、自然の息遣いを感じた。

http://jp.npac-ntt.org/

f:id:ina-tabi:20180707150352j:plain

 

このほかにも、紹介しきれないくらい台中には面白い場所がたくさんある。

面白いことに、台中という場所は一括りにこういう町であると著述しづらい。

だから、面白かったものをポンポンポンとのっけてみた。

同時に、自分の視点そのものを括ることも現時点では非常に難しい。

ひとまず自分は木に代表される自然的なデザインとか空間が好きで、それが人間の多様性とか個性の開花に寄与すると同時に、集合するエネルギーをも満たすようなものに対して、より知見を深めていきたいと考えている。

【69日目】なんかすごい。

どん!

なんかすごい。

台北市立図書館北投分館。

 

f:id:ina-tabi:20180704231109j:plain

 

中入ってみる。

 

f:id:ina-tabi:20180704231709j:plain

 

本棚が踊り出す♫♫♫

 

f:id:ina-tabi:20180704215523j:plain

 

君の椅子はぼくの机。

f:id:ina-tabi:20180704215301j:image

 

新聞立ての手作り感♫

f:id:ina-tabi:20180704215322j:image

 

本棚の隙間に椅子、男の隠れ家。

f:id:ina-tabi:20180704215336j:image

 

机の隙間、涼しいね♫

f:id:ina-tabi:20180704215411j:image

 

夏の日に 図書館に飛ぶ 蛍かな

f:id:ina-tabi:20180704215503j:plain

 

2階へはこちら。

f:id:ina-tabi:20180704233419j:plain
 

社長?

f:id:ina-tabi:20180704215439j:image

 

 

地下へはこちら。

階段に座る→汚い→階段の一部をイスにする。

これ盲点。

f:id:ina-tabi:20180704233423j:plain

 

出る杭は打たれず。→出る。

f:id:ina-tabi:20180704215542j:plain

 

盲点。本散らかせる図書館って意外とない。

f:id:ina-tabi:20180704215600j:image

 

こたつ、つくれそう。

f:id:ina-tabi:20180704232236p:plain

 

トイレを風呂と見間違える。

これほんとにトイレかよ!!!

f:id:ina-tabi:20180704232345j:plain

 

ボタン押すと水が出る。鴨っぽい。

f:id:ina-tabi:20180704232648j:plain

 

Let,s enjoy トイレ。

f:id:ina-tabi:20180704233015j:plain

 

人の足を見つめる?と見せかけて本が読める。

f:id:ina-tabi:20180704215616j:image

 

 

そろそろ殻を抜けて羽ばたきたいと思うイナムラであった。

f:id:ina-tabi:20180704215629j:image

 

 

 

 

台北市立図書館北投分館>

海外のウェブサイト、「Tech Insider」が世界で最も美しい図書館の1つと認定。

世界各地から、視察団が来る有名木造図書館。

最も特筆すべき特徴は、「太陽光発電」や「雨水リサイクルシステム」などによる自然との共生を目指したエコな建築であるということだ。

周辺には噴水や緑が溢れ、外のテラスで休むこともできる。

また、全面が薄い緑色のガラスで、自然光を取り入れている。

自然を目一杯感じられることのできる建築と言えるだろう。

こういう自然と共生する木造建築は、本当に人が元気になるのがわかる。

人が集まる場所というのは絶対に建築や空間のデザインの力が必要だ。

僕もなんか走り出したくなった(ちょっと走った)。

※今回は図書館側に予め申請を行い、建築撮影の許可をいただいています。

 

 

・アクセス

MRT新北投駅から徒歩5分。台北駅からは、MRTで淡水駅行きにのり、北投駅で1回乗り換え。約1時間程度。45TWD。

臺北市立圖書館

 

 

 

 

○台湾で木造建築の面白さに気づいた記事はこちら。 

【67日目】MY TAIWAN〜屋台文化が自分をつくり、つき動かそうとしている〜

僕は毎日夜市の屋台に行く。

なんで行くんだろう。

理由がわからなかった。

でも、ある時ふと思った。

これは、自分が創りたかったものに近い。

f:id:ina-tabi:20180630013933j:plain

 

 

屋台は、とにかく賑やかだ。

ひとひとひとひとひとひとひとひとひと。

かんばんかんばんかんばんかんばんかんばん。

めしめしめしめしめしめしめしめしめしめし。

 

 

 

屋台っていうのは常に盛り上がっている。

しかも、これが一時的なイベントやお祭りなのではなく、

日常化

していることがポイントだろう。

一過性なものではなく、文化として息づいているのである。

まさに、「交流ある暮らしの場」である。

 

 

 

その上で、台湾の夜市の特徴は、

点在」と「独自性」である。

この台北市の地図をよく見て欲しい。

毎日のようにこれだけの夜市が開かれ、毎日がお祭りなのだ。

日本の人には想像し難いかもしれないが、毎日がお祭りなのだ!!!

さまざまに点在した夜市は、それぞれが独自性を持つ。

夜市は、3つに分類できる。

①観光夜市→観光目的に、たくさんの人を呼ぼうと計画された夜市

②学生夜市→学生の街で学生が楽しめるように発展した夜市

③屋台夜市→屋台が自然とできる暮らしの場

さらに、それぞれの夜市に、「蛇ばっかうってる」「食べ物メイン」「衣服ばっかり」などさまざまな特徴が垣間見られる。

(各夜市の特徴は後ほど)

f:id:ina-tabi:20180702120519p:plain

 

 

夜市の由来

そもそも、なんで夜市ができたのか調べてみた。

もともとは、所得向上のために戦後拡大した商売をする場であった。

(暑さを避けて夜に集う場ができたという事情もある。)

夜市が拡大するにつれて、環境や衛生、交通面で支障をきたすようになった。

ただ、政府は所得が向上すれば夜市は自然消滅するだろうと黙認していた。

しかし、所得が向上しても拡大を続けるばかり。

規制をかけても一向に消滅しない。

政府もしだいに計画的に夜市を整備していかざるをえず。

ついに夜市は文化となった。

f:id:ina-tabi:20180702215326j:plain

 



 

 

夜市の何が面白いか

では改めて夜市の何が面白いのだろうか。

「とりわけ深いコミュニケーションには発展しないけど、賑やかな雰囲気が楽しくて、来てよかった」というのがポイントだろう。

日本の銭湯文化とも似て非なるものだ。

要はコミュニケーションを無理にしなくてもいいけど、どことなく自分がその場にいることで満足感が得られるような場所なのである。

個人的にも、あんまり人とコミュニケーション取りすぎるのも疲れるし、程よく話ができて賑やかな場が好きなんだと気付いた。

 

あと最近気付いたのだが、場づくりは以下の2パターンの図式で表すことができる。

A 排他性×濃密的な場

これは自分の興味関心とかコアな趣味などが会う人が集まって盛り上がるパターン。極論言えば、アニメおたくがオタク話で盛り上がっているのがわかりやすい。

B 寛容性×希薄的な場

これは、誰でも来ていいですよという間口が広い代わりに、コミュニケーションが強制されないパターン。日本の銭湯文化とか、台湾の夜市文化が近い。

 

AかBに当てはまらない場づくりは基本淘汰されるかも。

自治会を例に考えてみる。

最近日本では自治会の衰退が問題となっているが、こういう地縁的なコミュニティはこれからどうなっていくのか。

Aを目指す自治会は、そもそも「地域の集まり」である必要がなくなる。

Bを目指す自治会は、個人的に理想だと思う。長老縛りはなんとかならないものか。

排他×希薄の自治会は、会費高いのに余っちゃうから何に使おうか議論勃発。

寛容×親密の自治会は、会内でグループ化が進みまとまりがない。バチバチする。

自治会は個人的には寛容×希薄で地域に開いて、コミュニケーションを強制しないのがベストだと考える。

 

夜市を巡りながら考えた。

親密な関係を作るのは、もう個人に委ねればいいと思う。

だから、そもそも寛容的な場づくりは、「コミュニティ」というくくりで考えるのはおかしいのかもしれない。

寛容的な場を作りたいなら、

もう「コミュニティ」ではなく、「集う場」として、

これからの場づくりは考えて行くべきだ。

 

 

 

 

MY TAIWAN

さて、僕が夜市で食べてきたものの数々。

やっぱり個人的には、餅系(小麦粉系のやつ)が一番好きだな。

f:id:ina-tabi:20180702222856p:plain

 

f:id:ina-tabi:20180702222932p:plain

f:id:ina-tabi:20180702222912p:plain

 

 

 

 

 

 

夜市の紹介

今の所訪れた夜市をここでご紹介する。

夜市の屋台数は、軽く100店舗超えるところも多いだろう。

しかし、1人のお客が回れる屋台はせいぜい3店舗くらい。

それでもんな腹一杯だ。

100分の3になれるように、各屋台はしのぎを削る。

倍率約33倍の勝負を毎日くぐりに抜けるために皆必死だ。

頭使っている。

屋台の前に動くもの置いてみたり、

音かき鳴らして見たり、

試食作ってみたり、

看板の書き方を賑やかにしてみたり、

さくら置いてみたり、

商品の種類増やす減らすとかの調整してみたり、

見栄え大きくするために油つけて膨らませたり、

食べる時と来店時に煙が出るとか面白い体験を提供してみたり、

これ色々考えてるんだろうなという屋台はすぐにわかる。

屋台では、安くてうまい、安くて多いは王道でわりと当たり前。

それプラスアルファで個性ガンガン出しに行ってる。

 

 

寧夏路夜市(6/24.27.28)

屋台夜市の典型。

生活の中から自然発生的に生まれた感があって良い。

作り込まれた感じがしなくて、一本道なのでとてもコンパクトに展開されている。

僕がこの夜市で好きなのは、ネギ餅である。

f:id:ina-tabi:20180702220017j:plain

 

・饒河街観光夜市(6/24)

派手な建物多し!観光向けに作られた感は否めない。

しかし、Tシャツが安かったのと、胡椒餅が超うまかったのを覚えている。

f:id:ina-tabi:20180702220352j:plain

 

・華西街夜市&廣州街夜市(6/30)

個人的には、一番好きな夜市だ。

何が面白いかというと、まず物価が安すぎる。

イカジュースが10元(36円くらい)、車輪餅10元、胡椒餅35元をはじめとして、台北最安価格ではないだろうか。

安くて量が多い粉物が好きな僕にとっては最高の夜市だ。

そして、意味わかんない奇妙なものまで売っている。

蛇とか、ネズミとか、鳩とかいろんなものが食える。

まじでクレイジー

f:id:ina-tabi:20180702220456j:plain

 

・雙城街夜市(7/1)

個人的には、いまいち。

盛り上がりは少なく、食の屋台が少ない。

写真撮り忘れたので、食べた陽春麺の写真貼っとく。

脂がよくないのか腹壊したけど、味は普通にうまかった。

f:id:ina-tabi:20180702221029j:plain

 

士林夜市(7/2)

この夜市は、どデカすぎる。

こんなに活気があって、人が多くて、でかい夜市は今まで見たことがない。

行けども行けども何かあって、商売の争いが半端ない。

野外だけでなく、屋内、地下までもがもはや台北の胃袋。

盛り上がりっぷりやばい。

日本人が多すぎて、観光地感は否めない。

とにかく、台湾の食べ物の縮図感は否めない。

ここに来れば大体のものは食えると思っていい。

刃物入れてない一匹丸々の豚が焼かれてあった。

鼻から煙が噴射するアイス食った。

臭い豆腐、臭豆腐も食った。

f:id:ina-tabi:20180702221313j:plain

 

夜市でだけで論文書けそう。

多様性、迷宮性はんぱない。

なんでもありって感じ。

ここ最近、台湾=食みたいになるくらい、

自分が台湾の食文化と一体になってる感がある。

台湾に来たら、食の概念が壊れるから絶対夜市行くべし。

また行った夜市の情報はこの記事に付け足して行く。

 

 

【65日目】台湾で見た!偶発性ってのはやっぱり面白い。

台北、台中、九份もう様々に回って気づいたこと。

自分がエモいと感じたものだけパート2。

 

木に引き続き、やっぱり偶発性はおもしろい。

全体像が把握できない。

だから、とりあえず前に進む。

そこでばったり出くわしたもんが、なかなかにおもしろい。

これは1つ1つがものすんごい奇跡。

なおかつ、次がわからないから楽しい。

しかも、出会ったものの1つ1つの濃密さよ。。

 

九份

f:id:ina-tabi:20180630010311j:plain

九份という街の面白さは「どこを取っても絵になる」である。

海からそそり立つ街は山へと抜ける。

急峻なロケーションが、景色の良さを創出する。

日本の尾道にも似ている感じ。

屋台が延々と続く、きらびやかな風景。

路地を外れると、なんか趣深い路地がある。

猫がいて癒される。

人がどう動いても、何かしらある。

外れないから面白い。

ここまで、要素が揃いすぎていると完璧すぎ。

 

しかも、例えば城みたいに中心になるものがない。

いろいろ回ってみたけど、結局なんだったのって感じの街。

でも、色々あってすごく楽しかったよねって感じの街。

人間所詮欲張りなんだし、一つじゃ満足しないんだろう。

 

今日はカツオのたたきがメインメニューです!

じゃなくて

なんでもうまいもんあるからてきとーに取って食べてね!(笑)

って感じの街。

 

台北国際芸術村

f:id:ina-tabi:20180630012551j:plain

台北国際芸術村の面白さは「意味わかんない驚き」である。

九份同様に迷路っぽい。

全体像が把握できず、突如アートスペースが出現。

いろんな家がアトリエになっている。

 

一つ一つのアートは基本意味わかんない。

ガムテープだらけの空間。

のっぺらい人間ばっかりの空間。

おっさんの顔ばっか書かれた壁。

 

景観こそ、高速道路が周りにあった関係でいまいちだった。

しかし、ただ歩いているだけで、アートが元気にさせてくれた。

アートと出会った時に、心が動いた。

へー!これ意味わかんな!

へー!これなんか絵になる!

みたいな感動が人を元気にさせる。

なんか、頑張ってアートを見つけに行く感じもサバイバル的で良い。

台北國際藝術村

 

◎とある屋台

f:id:ina-tabi:20180630013933j:plain

屋台の面白さは「百花繚乱」である。

 

賑わっている店には理由がある。

僕は、毎日屋台飯を食っている。

そして、毎日どの屋台にどれくらいの人が並んでいるか数えている。

 

その街で一番並んでいる屋台の飯を食う。

必ず理由がある。

だいたい、安くてうまいか、安くて量が多いかの2択だ。

あとは、気のせいかもしれないが、店員がマジで頑張ってる。

お客が2人だったら、切り分けましょうか?とか。

ただでさえ客捌くのに忙しいのに、細部まで配慮している。

手さばきが早くて、目に止まらぬ速さだ。

 

それはそうと、

人を惹きつける店など数知れず。

だから、メニューもいろいろで、自分たち独自の味や種類で勝負する。

揉まれまくってのし上がった店が客を引き寄せる。

これなんだろ?

うまいのかな?

これ意外とうまいんだね!

 

様々な味との出会い。

僕はそれに加えて、適当に人気店の秘訣探りゲーム。

 何でもそうだが、揉まれるくらいカオスな競合環境って、おもしろくなる。

 

台北の夜市

https://www.google.com.tw/maps/search/%E5%A4%9C%E5%B8%82/@25.056581,121.5025435,13z/data=!3m1!4b1

 

 

さて、この偶発性。

何が起こるかわからないワクワク感。

 

僕の場づくりは、人の多様性による偶発性作りをしてきた。

あそこに行ったら面白い人に会えるし刺激が受けられるという感じ。

これは、単発的な個人間の出会いには向いているけど、場やコミュニティとしてみたときに発展しうるか?をもう一度問う必要がある。

ああ、なんかよかったねの先に何を作るかってわりと大事な気がする。

 

そんなら、偶然のワクワク感を生むような仕掛けがいくつかあるような場を作っておいて、それに対する担い手もどんどん増えて行って、あとは集まってきた人たちでお好きにどうぞの方が理にかなってる?