【石川県加賀市】1期生いなむーから見たPLUS KAGA 6~7日目・いよいよプランのお披露目、公開プレゼンへ!

こんにちは、千葉の実家に帰った、いなむーです。 今年の夏のPLUS KAGAもいよいよクライマックス。6・7日目(8月10・11日)は、4期生それぞれがこれからの活動を模索して発表する日だった。

 

6日目はプロジェクトディスカッションということで、地域の方を呼んで濃いフィードバックをいただいた。7日目はそれを受けて、さらに洗練させたプランを最終的に地域の方々にお披露目する公開プレゼンテーションを行なった。その時の様子を報告する。

 

ローカルステイから戻る4期生

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8月6日の朝に、加賀交流プラザさくらで朝市(元気市)が開かれるというので行ってみた。そこで、朝市の人にインタビューをするアビを発見。4期生にとって、地域の方々のところに泊まらせていただくローカルステイは、地域の日常や生の声を聞くのにとてもよい経験だったようだ。改めて受け入れていただいた皆様、ありがとうございました。

 

プロジェクトディスカッションで個人プランを磨く

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9時頃にローカルステイから帰った4期生は、プレゼンの準備を始める。プロジェクトディスカッションは、15時から大聖寺の町屋で開始。さて、どんなプランをみな考えたのだろうか。

 

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一人一人本番(公開プレゼンテーション)と同じ順番で発表をしていく。持ち時間は質問入れて1人30分だ。その後にOBOGや地域の方が感想やフィードバック、約10名ほどの地域の方にお越しいただいた。

 

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最後にコーディネーターの三島さんから、一人一人に話があり、終了。

 

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その夜はそうめんパーティ。プロジェクトディスカッションに来てくれた地域の方や駆けつけてくれたOBOGも一緒に食事をする。

 

長い長い夜の始まり

それから、プロジェクトディスカッションを踏まえて、4期生はプランを見直す。

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ここから、長い夜が始まる。

 

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なぜ自分はPLUS KAGAに参加したのか。

自分がやりたいことは何か。

地域から求められていることは何か。

自分にとっての軸は何か。

一過性でなく発展性のあるプランか。

大学生らしい斬新さはあるか。

自分がやる理由があるか。

 

全部満たそうとして、頭は混乱する。一回今までのアイデアから離れてみようか、やりたいことをこのまま突き進むべきか。もはや、発表の準備というよりは、生き方のビジョンのような部分にまで考えが及んで来て、ああだこうだと考え続ける。

 

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毎年、公開プレゼンテーションの前日は、徹夜をする人がいる。もちろん今回も。

 

まだ、考えがまとまらなくて、プレゼン資料ができてない!などと焦りが出てくる。

 

そして、朝が来る。

 

いよいよ公開プレゼンテーション

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公開プレゼンテーションは「かが交流プラザさくら」で行われる。

 

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10時頃、みんなで会場準備。その後、プレゼンの準備をしたり、お弁当を食べたりして過ごす。

 

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14時、公開プレゼンテーションは開幕。まずは、コーディネーターの三島さんから、今回のPLUS KAGAのワークショップの趣旨と概要を説明する。

 

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その後、加賀市宮元陸市長のご挨拶。

 

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今回、サポートメンバーの2期生とものが作ったPLUS KAGAグッズの販売を行なっている。こちらは、缶バッジ。3種類ある。

 

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こちらは、トートバッグ。

 

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こちらは、2期生ともののプロジェクト「どうゆ〜カゴ」のタオルと図鑑。山代温泉利用者のカゴの中身(お風呂グッズ)を100人分イラスト化したもので、とてもユニークな取り組みだ。ぼーっと気軽に眺めていたくなる感じが良い。

 

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ぼくもちゃっかり獅子舞の鼻の写真集を販売。こちらは、「KAGA SHISHIMAI project」と題して、石川県加賀市各地の獅子舞を調査して、写真や本にまとめたもの。現在17地区を収録していおり、来年くらいにもっとたくさんの地区の鼻を載せた最新版の写真集を出したい。ぜひ、獅子舞をしている地域の方をご紹介いただけたら幸いである。

 

さて、ここからはいよいよ4期生6人の発表。一人一人プロジェクトをご紹介していく。

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あまね(金沢大学大学院)は、テクノロジーの視点からプロジェクト「バリアフリーテクノロジー」を提案。

 

地域の人と話をする中で、パソコンやSNSを使いこなせていない人が多いことに気づいた。そんな中で、高齢者向けにITを普及することで、住民に役立つテクノロジーを模索していきたいとのこと。市役所や住民の声を集める研究所のようなものをアウトプットのイメージとして持っているようだ。

 

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あおい(東京都市大学)は、地域の何気ない日常を再発見すべく「おさんぽサイコウ」というプロジェクトを提案。

 

小さい頃からの自分の趣味「お散歩」を生かして、新しい地域の魅力を発見していき、まちづくりのプロジェクトとして発展させることができるのではないか、という提案をしていた。パーソナルな視点が光るプロジェクトになりそうだ。

 

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アビ( 輔仁大学)は、人口減少社会において人が死んでいくことに着目してプロジェクトを提案。

 

本当の死とは、「忘れられてしまうこと」と捉えている。伝えきれていない思い出や映像を残しておくことが大事なのではないかと考え、写真撮影やイベントなどの実施を考えている。とても重いテーマではあるが、どうしても向き合わなければいけないテーマであり、斬新な取り組みになりそうだ。

 

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うっちー(多摩美術大学)は地域の小さな祭りに注目して、「あとの、まつりプロジェクト」を提案。

 

高校時代に頑張った体育祭での成功体験があり、消えゆく祭りを再興して地域に一体感と盛り上がりを作っていきたいそうだ。大聖寺高校の学生に話をすると評判も良く、高校生と地域の架け橋になれればと熱く語っていた。

 

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ないき(芝浦工業大学)は、「MELTING KAGA」と題して、人種関係なく集まれる場を作ることを提案。

 

ポートランドに行った経験もあり、海外から来た人と地域の人を結ぶことに関心があるそうだ。イベントから始めて、場所をしっかり持って、最終的には町内会に海外からの移住者が参加する未来を描いているとのこと。加賀市の人口は減っているが、海外からの移住者は増えている点で、地域からも求められているプロジェクトだ。

 

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最後にザキヤマダ(慶應大学)は、「ハロー, ニューワーク」と題して、新しい仕事を創り出すプロジェクトを提案。

 

ヤギミルクの石鹸の開発や、お米の販促などを例に挙げ、加賀の仕事の課題や可能性を見つけ出して、仕事と暮らしを創出していきたいとのこと。仕事の概念を見つめ直す、面白い取り組みになりそうだ。

 

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(photo by まっすん)

OBOGも、1~2分間軽く今後の取り組みを話した。 僕は、8/31~9/14で開催する東京から石川徒歩の旅の話をさせてもらった。こちら、加賀出身者をインタビューして加賀までたどり着き、地域の魅力を再発見する旅になりそうだ。現在、埼玉、群馬、長野、新潟、富山、石川にお住いの加賀出身者を募集しているので、ぜひご連絡を!

 

ほかにも、まっちゃは橋立漁港をPRするプロジェクトの話、おーちゃんは山中でのツッコミ大会開催やイベント出店の話をしていた!OBOGも実際にたくさんの人がプロジェクトの実施で動いている。

 

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公開プレゼンテーションにご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました!

打ち上げは白山とBAR Friendsへ!

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みんな、もはや疲れて寝ていたが、打ち上げもとても盛り上がった!

 

最後に

改めて、8/5~11までの6泊7日、受け入れ見守ってくださった地域の皆様、本当にありがとうございました。今後も4期生やOBOG含め、PLUS KAGAメンバーの一人一人がプロジェクトに向けて動いていくことになりますが、応援いただけたら嬉しいです。

 

そして、この夏突然立ち上がった本コラム「1期生いなむーから見たPLUS KAGA」を読んでくださり、本当にありがとうございました。これからも、より良い写真と文章で、加賀の魅力を伝えていきますので、よろしくお願いいたします。

 

 

【本コラム「1期生いなむーから見たPLUS KAGA」について】

こちらは、PLUS KAGAのサポートチームに新しく加わった1期生の稲村行真(いなむらゆきまさ)が、個人的な視点からPLUS KAGAを語るコラムです。ここでは、普段は伝えられないPLUS KAGAの運営の裏話をこそっと皆さんに教えちゃいます。

 

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執筆:稲村行真(ぼく・いなむー・イナムラ)

PLUS KAGAには2016年に1期生として参加。それ以来、個人プロジェクトの実施で石川県加賀市に関わり続けている。今までの実施企画は、東京から石川まで2週間で歩いて古民家を取材する「古民家冒険project」(2017年)や、加賀市各地区の獅子舞を取材して写真のアート作品を残す「KAGA SHISHIMAI project」(2019年実施中)などがある。今年はPLUS KAGAサポートチームとしても、石川県加賀市を盛り上げていく。

 

【石川県加賀市】1期生いなむーから見たPLUS KAGA 5日目・ローカルステイで加賀各地へ!三木地区を取材

こんにちは、朝起きたら充電が3%でびびった、いなむーです。 PLUS KAGA 5日目(8月9日)は、地域の日常的な生活を知るために加賀市各地へ大学生が一人一人ローカルステイをさせていただきました。とても充実した滞在だったようです。今回は、三木地区でローカルステイをしたあおい(4期生)に絞って取材しました。

 

前日夜にディスカッション

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前日夜に4期生のみんなは話し合っていた。私たちは、この加賀でなにができるんだろう。4期生の6人それぞれが地域の魅力や課題に着目して真剣に考えていた。さて、今回のワークショップ最後の地域視察、ローカルステイで何を得て帰ってくるのか。

 

あおいがステイしたのは梨が有名な三木地区

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今回は全員取材ができないので、東京都市大学から来たあおい(加藤葵)と三木地区に絞って取材することにした。あおいは、地域コミュニティについて大学で勉強していて、人と人との繋がりに興味がある。地元福島で大震災をきっかけに、友人たちが全国各地に移住する中で、地域内外の人の関わり方について考えるようになった。

 

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梨農家の山下登久夫(とくお)さんにお会いして、梨農園に連れていってもらった。三木地区は大聖寺から車で10分ほど。人口2000人弱の町で、農地が広がり、伝統的な赤瓦の家が立ち並ぶ美しい土地だ。

 

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山下さんと話をするあおい。山下さんは16年も梨農家をされているそうで、控えめながらも笑顔弾ける素敵な方だ。

 

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梨は思った以上に大きくてツヤツヤしていてうまそうだ。こちらは愛甘水(あいかんすい)という名前の品種らしい。

 

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梨を育てる秘密を教えてもらった。木を途中で支柱によって枝分かれするように強制させることで枝の本数が増えて、実がたくさんできるそうである。なるほど!と思った。

 

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これは、梨畑で梨に傷をつけないようにするために上部をカットしたトラック。こんなこと簡単にできるんだ!ということと、大胆な発想に驚きである。

 

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梨はたくさんの支柱によって支えられている。夜になると光るようで、それは防蛾灯と呼ばれ、特殊な光?によって虫が寄ってこない工夫をしているらしい。デートスポットになるほどその光が綺麗らしく、今回は取材時間が短くて行けずに残念だが、今度三木地区を訪れる際は見にいきたい。

 

このように、梨農家のなるほど!というアイデアに触れた後は、山下さんのご実家へ連れて行ってもらった。

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 山下さんのご実家には、梨の部屋がある。ここで、250gを測って、梨を袋詰めしていく。汚れているものや、大きすぎるもの、小さすぎるものは弾いておくそうだ。

 

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一通り梨農家の生活を見て回ったのち、家の中で子供たちと卓球を楽しむあおい。卓球の台が家にあるのはとても楽しい。机が丸々卓球台になっている、というあたりにとても遊び心がある。

 

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家に竹馬があるっていうのも良い。やっぱりこの地域の家は基本的に大きくて広いので、家の中で思いっきり遊べて子供たちものびのびできる。

 

いつもお世話になっている北出さんに地域活動のお話も伺った。三木地区では、生活や子育てをより一層楽しむ集いの場「みきのこ」という活動がある。3年前から獅子舞やハロウィンなどのイベントを主催して、子供も大人も楽しめるような人との繋がりの場をつくっているようだ。

 

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醤油のお店をされている井村さんに、醤油のお菓子をいただいた。


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最後に、記念写真をパシャり。北出さん(後列右)や山下さん(後列左)をはじめとした三木地区のみなさん、たくさんお話を聞かせてくださり、梨までお土産でくださり、本当にありがとうございました。

 

<体験してみたあおいの感想>

子供を地域で育てるという意識があり、地域愛を感じた。「みんなの宝」という感覚。プロジェクトのプランは加賀を歩く散歩企画をやりたい。日常を見る観光を提案することで、何気ない土地の魅力にも目を向けられる。「こういう価値観もあるんだよ」を伝えたいと感じた。

 

<その他の4期生の滞在先>

あまね →三谷・水上さん

ないき →黒崎・堂下さん

アビー →山中・道場さん

うっちー →大聖寺・飯貝さん

ザキヤマダ →片山津・山下さん

受け入れていただいた地域の皆様、本当にありがとうございました。

 

【本コラム「1期生いなむーから見たPLUS KAGA」について】

こちらは、PLUS KAGAのサポートチームに新しく加わった1期生の稲村行真(いなむらゆきまさ)が、個人的な視点からPLUS KAGAを語るコラムです。ここでは、普段は伝えられないPLUS KAGAの運営の裏話をこそっと皆さんに教えちゃいます。

 

 

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執筆:稲村行真(ぼく・いなむー・イナムラ)

PLUS KAGAには2016年に1期生として参加。それ以来、個人プロジェクトの実施で石川県加賀市に関わり続けている。今までの実施企画は、東京から石川まで2週間で歩いて古民家を取材する「古民家冒険project」(2017年)や、加賀市各地区の獅子舞を取材して写真のアート作品を残す「KAGA SHISHIMAI project」(2019年実施中)などがある。今年はPLUS KAGAサポートチームとしても、石川県加賀市を盛り上げていく。

 

【石川県加賀市】1期生いなむーから見たPLUS KAGA 4日目・小塩辻、片山津、動橋を訪れました!

こんにちは、最近はやせたと言われる、いなむーです。PLUS KAGA 4日目 (8月8日)は小塩辻、片山津、動橋に行ってきました。その時の様子をご報告します。

 

ヤギを飼い、ふるさとを再生する宇谷さん

まずは小塩辻へ。除草のためにヤギを飼い始めたという宇谷さんにお話を伺う。里親の決まっていない4頭の子ヤギを引き取ることからこの活動は始まった。

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ヤギの牧場を見ながら、活動の実態を伺う4期生。現在は頭数も10匹以上に増えた一方で、エサ代などの経費がどんどんかさんでいくという課題がある。

 

そんな中で、宇谷さんはヤギを町おこしに活かせないかと考えている。「ふるさと再生ヤギプロジェクト」と名付けて、これから何をしようか考え中とのこと。梨もぎ体験など、他の地域の資源も活用しながらセットで提供できるかもしれないとアイデアを模索しているようだ。

 

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ヤギはのんびりとくつろいでいて、追いかけっこをやったり、草を食べたりと過ごしている。

 

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小塩辻の公民館で、宇谷さんと4期生で、ヤギを活用して何ができそうかディスカッション。ザキヤマダ(4期生)はヤギミルクの石鹸を提案。オシャレな総湯グッズなどに活かせるのではというアイデアを提案していた。また、観光の一貫として、農園とセットでヤギと触れ合う体験なども提供できる可能性がある。宇谷さんにとってヤギはとにかく癒される存在で、もっとヤギを生かして地域に活気をもたらしたいと考えている。

 

台湾からPLUS KAGAの見学で来てくださっているマットさんとチンさんも熱心に聞いていた。お2人は台湾の大学の先生をされていて、地域と大学を繋げる研究と実践をしているという。

 

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 最後にヤギポーズで記念写真を撮った。

 

柴山潟周辺の農業と漁業について考える

次に向かったのは、湖北小学校。とても自然豊かで気持ちの良い小学校だ。この小学校の敷地内には授業で使う体験農園があり、小学生自ら田んぼを管理して、お米を育てている。この取り組みについて、加賀有機農法研究会のメンバーである田中さんと村田さんにお話を伺った。

 

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加賀市は柴山潟周辺の田んぼ(湿地)の※ラムサール条約指定を目指している。それに向けて、この田んぼも整備しているとのこと。周辺環境を良くしようということで無農薬の農業を推進している。農林21号という品種のお米を育てているそうで、花粉が飛んでこないような場所で種取りをするための田んぼだという。

 

ラムサール条約は、水鳥を始めとした生態系の保全を目的に整備されている、湿地を保全する国際条約

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この無農薬の田んぼを整備することで、カモが飛来する場所ができる。冬は普段、あぜ道を作りやすくするために田んぼを乾かすのが普通だが、「冬水田んぼ」と言って冬季に水をあえて張ってカモを飛来しやすくするそうだ。

 

 

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それから、小学校から移動して、広い無農薬の田んぼを実際に見学した。今日はとても晴れていたからか、とても気持ちいい場所だ。遠くの山々を眺めながら自然を相手に仕事をするってなんかいいなと思った。

 

お米の販路の話になった。買ってくれる人は、知り合い経由がやはり多いようだ。それゆえに加賀市のお客さんは新規開拓が難しいとのこと。ネット販売や海外への販路拡大をしてみてはという意見も挙がった。台湾からPLUS KAGAに参加してくれているアビー(4期生)は、富裕層が日本の良いお米を買っていくと言っていた。ザキヤマダ(4期生)も富裕層向けに売る企画に興味を示していた。

 

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最後に集合写真をパシャり。ナイキのマークっぽくなったが、良い感じに撮れてよかった。

 

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 お昼は池端というお店でお魚などの美味しい料理をいただいた。ここの家の作りは木造でとてもカッコよく、壁の内装が赤いのは格式の高い家である印のようだ。

 

 それから、坂本さんに柴山潟という湖の漁業について教えていただいた。実際にライフジャケットを着て、船に乗せてもらいとても貴重な経験をさせていただいた。

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船に乗って、記念写真をパシャり。

 

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坂本さんは本業が農家。毎朝早起きして5時半から8時の時間帯に柴山潟へ出て漁をしてから、帰って農業をするという生活をしている。80箇所の仕掛けを毎日確認し、全てに獲物がかかっていないこともあるという。しかし、伝統的な漁業が衰退していくなかでもっと盛り上げていこうと活動している。

 

現在、坂本さんのように柴山潟で漁業をしている方は5人いるそうで、3人は小松市、2人は加賀市の人だという。湖に立てた棒を目印に自分の漁場を示してお互いの領域に介入しないようにしている。コーディネーターの三島さんが「自分の場所、わからなくならないんですか?」と素朴な疑問を投げかけていたが、そういう心配はないらしい。個人的には、この棒にそれぞれの人の顔のイラストを描いたラミネートでも貼り付けてみたら良いのではと思った。

 

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それから、町民会館でみんなでディスカッションを行なった。農業も漁業もどう外の人に魅力を伝えていくのかが大事だ。

 

ないき(4期生)は、「漁業している水が農業の水にもつながっている。漁業体験や農業体験をセットにすることで、美味しいご飯のありがたみがわかるのではないか。」という提案をしていた。和歌山でも収穫の手伝い募集などの事例もあり、そういうものを事例として参考に考えてみたいとのこと。やはり、大学生達も実際に体験してみると、色々アイデアが湧いてくるようだ。

 

動橋でまちづくりの合意形成について知る

今日は最後に、動橋地区のまちづくりについてフィールドワークを行なった。最初は動橋駅を見学するところから始まった。

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動橋駅は無人駅で、とても情緒あふれる駅だ。電車の出発の時に流れる音楽、夕方に見える夕日、建築的なかっこよさ、寂れ感、いろんな要素が合わさって心に訴えかけるものがあった。

 

市役所上出さんが、「雪の日に階段で暖まりながら電車を待つ列ができる」というエピソードをおっしゃっていて、とても印象に残っている。こういうストーリーによって駅の良さが多くの人に伝わったら良い。

 

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 駅のホームから見た夕日はこんな感じ。

 

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それから、地区会館で動橋のまちづくりについて地域の方々と夕食をご一緒しながら考えた。

 

アビー(4期生)からは「駅舎の中に八百屋さんや高校生向けの塾などを作っても面白い」という意見が出た。これに対して、地域の意見としては町民会館を作る候補として駅舎が挙がったことがあるけれども、JRの管轄でなかなか良い返事がもらえなかった経験もあるようだ。やはり、関わる人がどう合意形成を図るかがとても大事だと感じた。

 

また、PLUS KAGAコーディネーターの三島さんからは「地域の人のなんでもない日常生活が外の人を惹きつける。」という意見が挙がった。だから、観光地化をあえてせずに、自分たちのものにとどめておく。予算がついたもので何をするのか、まずは自分たちを豊かにして長い目で見て魅力的な街にしていくという発想だ。

 

やはり、地域の方は若い人に動いて欲しいという想いがある。グズ焼きという祭りの青年団も少なくなってきて新しい人が入らない。特に女性を巻き込んでいきたい。そのために、外の人が地域に入りやすいような環境整備も大事だ。

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最後にこの時考案したグズ焼きポーズで記念写真。新幹線開通を見据えて、人口減少が進む地域をどうするのか、これからも動橋の取り組みに目が離せない。

 

フィールドワークは今日で終了

さて、今日はここまで。小塩辻のヤギがいるのんびりとした雰囲気に浸り、片山津の熱意溢れる農業・漁業の現場に触れ、動橋でまちづくりにどっぷり浸かるという、今日も盛りだくさんの1日だった。明日は4期生全員が個別に、加賀市各地の日常生活に触れるローカルステイを行う。引き続き、コラムでその様子をお送りする。

 

 

【本コラム「1期生いなむーから見たPLUS KAGA」について】

こちらは、PLUS KAGAのサポートチームに新しく加わった1期生の稲村行真(いなむらゆきまさ)が、個人的な視点からPLUS KAGAを語るコラムです。ここでは、普段は伝えられないPLUS KAGAの運営の裏話をこそっと皆さんに教えちゃいます。

 

 

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執筆:稲村行真(ぼく・いなむー・イナムラ)

PLUS KAGAには2016年に1期生として参加。それ以来、個人プロジェクトの実施で石川県加賀市に関わり続けている。今までの実施企画は、東京から石川まで2週間で歩いて古民家を取材する「古民家冒険project」(2017年)や、加賀市各地区の獅子舞を取材して写真のアート作品を残す「KAGA SHISHIMAI project」(2019年実施中)などがある。今年はPLUS KAGAサポートチームとしても、石川県加賀市を盛り上げていく。

 

 

 

【石川県加賀市】1期生いなむーから見たPLUS KAGA 4日目・小塩辻、片山津、動橋を訪れました!

い こんにちは、最近はやせたと言われる、いなむーです。PLUS KAGA 4日目 (8月8日)は小塩辻、片山津、動橋に行ってきました。その時の様子をご報告します。

 

ヤギを飼い、ふるさとを再生する宇谷さん

まずは小塩辻へ。除草のためにヤギを飼い始めたという宇谷さんにお話を伺う。里親の決まっていない4頭の子ヤギを引き取ることからこの活動は始まった。

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ヤギの放牧場を見ながら、活動の実態を伺う4期生。現在は頭数も10匹以上に増えた一方で、エサ代などの経費がどんどんかさんでいくという課題がある。

 

そんな中で、宇谷さんはヤギを町おこしに活かせないかと考えている。「ふるさと再生ヤギプロジェクト」と名付けて、これから何をしようか考え中とのこと。梨もぎ体験など、他の地域の資源も活用しながらセットで提供できるかもしれないとアイデアを模索しているようだ。

 

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ヤギはのんびりとくつろいでいて、追いかけっこをやったり、草を食べたりと過ごしている。

 

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小塩辻の公民館で、宇谷さんと4期生で、ヤギを活用して何ができそうかディスカッション。ザキヤマダ(4期生)はヤギミルクの石鹸を提案。オシャレな風呂用品などに活かせるのではというアイデアを提案していた。また、観光の一貫として、農園とセットでヤギと触れ合う体験なども提供できる可能性がある。宇谷さんにとってヤギはとにかく癒される存在で、もっとヤギを生かして地域に活気をもたらしたいと考えている。

 

台湾からPLUS KAGAの見学で来てくださっているマットさんとチンさんも熱心に聞いていた。お2人は台湾の大学の先生をされていて、地域と大学を繋げる仕事をしているという。

 

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 最後にヤギポーズで記念写真を撮った。

 

柴山潟周辺の農業と漁業について考える

次に向かったのは、湖北小学校。とても自然豊かで気持ちの良い小学校だ。この小学校の敷地内には授業で使う体験農園があり、小学生自ら田んぼを管理して、お米を育てている。この取り組みについて、地域の農家である田中さんと村田さんにお話を伺った。

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加賀市は柴山潟周辺の田んぼ(湿地)の※ラムサール条約指定を目指している。それに向けて、この田んぼも整備しているとのこと。周辺環境を良くしようということで無農薬の農業を推進している。農林21号という品種のお米を育てているそうで、花粉が飛んでこないような場所で種取りをするための田んぼだという。

 

ラムサール条約は、水鳥を始めとした生態系の保全を目的に整備されている、湿地を保全する国際条約

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この無農薬の田んぼを整備することで、カモが飛来する場所ができる。冬は普段、あぜ道を作りやすくするために田んぼを乾かすのが普通だが、水をあえて張ってカモを飛来しやすくするそうだ。

 

つまり、この活動は農家さんにとって、決してメリットばかりではない。しかし、なぜこれを実践するのかというと、カモがかわいそうだからというよりは、ラムサール条約に登録されることで補助金を増やすという狙いが大きいようだ。

 

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それから、小学校から移動して、実際に広い無農薬の田んぼを見学した。今日はとても晴れていたからか、とても気持ちいい場所だ。遠く山々を眺めながら自然を相手に仕事をするってなんかいいなと思った。

 

お米の販路の話になった。買ってくれる人は、知り合い経由がやはり多いようだ。それゆえに加賀市のお客さんは新規開拓が難しいとのこと。ネット販売や海外への販路拡大をしてみてはという意見も挙がった。台湾からPLUS KAGAに参加してくれているアビー(4期生)は、富裕層が日本の良いお米を買っていくと言っていた。ザキヤマダ(4期生)も富裕層向けに売る企画に興味を示していた。

 

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最後に集合写真をパシャり。ナイキのマークっぽくなったが、良い感じに撮れてよかった。

 

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 お昼は池端というお店でお魚などの美味しい料理をいただいた。ここの家の作りは木造でとてもカッコよく、壁の内装が赤いのは格式の高い家である印のようだ。

 

 それから、坂本さんに柴山潟という湖の漁業について教えていただいた。実際にライフジャケットを着て、船に乗せてもらいとても貴重な経験をさせていただいた。

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船に乗って、記念写真をパシャり。

 

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坂本さんは本業が農家。毎朝早起きして5時から5時半の時間帯に柴山潟へ出て漁をしてから、帰って農業をするという生活をしている。80の仕掛けを毎日確認し、全てに獲物がかかっていないこともあるという。しかし、伝統的な漁業が衰退していくなかでもっと盛り上げていこうと活動している。

 

現在、坂本さんのように柴山潟で漁業をしている方は5人いるそうで、3人は小松市、2人は加賀市の人だという。それぞれ棒で自分の漁場を示してお互いがお互いの領域に介入しないようにしている。コーディネーターの三島さんが「自分の場所、わからなくならないんですか?」と素朴な疑問を投げかけていたが、そういう心配はないらしい。個人的には、この棒にそれぞれの人の顔のイラストを描いたラミネートでも貼り付けてみたら良いのではと思った。

 

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 それから、町民会館でみんなでディスカッションを行なった。農業も漁業もどう外の人に魅力を伝えていくのかが大事だ。

 

ないき(4期生)は、「漁業している水が農業の水にもつながっている。漁業体験や農業体験をセットにすることで、美味しいご飯のありがたみがわかるのではないか。」という提案をしていた。和歌山でも収穫の手伝い募集などの事例もあり、そういうものを事例として参考に考えてみたいとのこと。やはり、大学生達も実際に体験してみると、色々アイデアが湧いてくるようだ。

 

動橋でまちづくりの合意形成について知る

今日は最後に、動橋地区のまちづくりについてフィールドワークを行なった。最初は動橋駅を見学するところから始まった。

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動橋駅は無人駅で、とても情緒あふれる駅だ。電車の出発の時に流れる音楽、夕方に見える夕日、建築的なかっこよさ、寂れ感、いろんな要素が合わさって心に訴えかけるものがあった。

 

市役所上出さんが、「雪の日に階段で暖まりながら電車を待つ列ができる」というエピソードをおっしゃっていて、とても印象に残っている。こういうストーリーによって駅の良さが多くの人に伝わったら良い。

 

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 駅のホームから見た夕日はこんな感じ。

 

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それから、地区会館で動橋の町まちづくりについて考えた。

 

アビー(4期生)からは「駅舎の中に八百屋さんや高校生向けの塾などを作っても面白い」という意見が出た。これに対して、地域の意見としては町民会館を作る候補として駅舎が挙がったことがあるけれども、JRの管轄でなかなか良い返事がもらえなかった経験もあるようだ。やはり、関わる人がどう合意形成を図るかがとても大事だと感じた。

 

また、PLUS KAGAコーディネーターの三島さんからは「地域の人のなんでもない日常生活が外の人を惹きつける。」という意見が挙がった。だから、観光地化をあえてせずに、自分たちのものにとどめておく。予算がついたもので何をするのか、まずは自分たちを豊かにして長い目で見て魅力的な街にしていくという発想だ。スウェーデンオーバルツーリズムなどが良い例とのこと。

 

 やはり、地域の方は若い人に動いて欲しいという想いがある。グズ焼きという祭りの青年団も少なくなってきて新しい人が入らない。特に女性を巻き込んでいきたい。そのために、外の人が地域に入りやすいような環境整備も大事だ。

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 最後にグズ焼きポーズで記念写真。新幹線開通を見据えて、人口減少進む地域をどうするのか、これからも動橋の取り組みに目が離せない。

 

フィールドワークは今日で終了

さて、今日はここまで。小塩辻のヤギがいるのんびりとした雰囲気に浸り、片山津の熱意溢れる農業・漁業の現場に触れ、動橋でまちづくりにどっぷり浸かるという、今日も盛りだくさんの1日だった。明日は4期生全員が個別に、加賀市各地の日常生活に触れるホームステイを行う。引き続き、コラムでその様子をお送りする。

 

 

【本コラム「1期生いなむーから見たPLUS KAGA」について】

こちらは、PLUS KAGAのサポートチームに新しく加わった1期生の稲村行真(いなむらゆきまさ)が、個人的な視点からPLUS KAGAを語るコラムです。ここでは、普段は伝えられないPLUS KAGAの運営の裏話をこそっと皆さんに教えちゃいます。

 

 

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執筆:稲村行真(ぼく・いなむー・イナムラ)

PLUS KAGAには2016年に1期生として参加。それ以来、個人プロジェクトの実施で石川県加賀市に関わり続けている。今までの実施企画は、東京から石川まで2週間で歩いて古民家を取材する「古民家冒険project」(2017年)や、加賀市各地区の獅子舞を取材して写真のアート作品を残す「KAGA SHISHIMAI project」(2019年実施中)などがある。今年はPLUS KAGAサポートチームとしても、石川県加賀市を盛り上げていく。

 

 

 

【石川県加賀市】1期生いなむーから見たPLUS KAGA 3日目・山中、山代を訪れました!

 

こんにちは、食べても太らない、いなむーです。PLUS KAGA 3日目(8月7日)は、山中と山代という山側のエリアに行ってきました。その時の様子をご報告します。

 

お花見久兵衛で移住と地域コミュニティについて知る

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旅館「お花見久兵衛」では、ポーランドベトナム、中国など様々なところから、海外スタッフを雇用している。ただ、どうしても仲間同士固まってしまい、地域との繋がりがないという課題を持っている。どうしたら、海外からのスタッフが地域にうまく溶け込むことができるのか、についてを考えた。課題が明確なので、学生たちも議論しやすい印象を受けた。

 

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海外スタッフの自己紹介が行われた。「働きやすい環境を作ってくれています。」などと社長の良いところを照れながら発表していた。

 

海外の学生が日本で働きたくなる理由としては、シフト制というシステムや労働環境の良さがあげられるようだ。また、コミュニケーションの問題で日本人が早口だとなかなか言葉を理解できないとか、食事の問題などが挙げられるとのこと。

 

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4期生と海外からのスタッフが2人1組みになってディスカッション。どんな解決策が考えられるか話し合った。

 

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話し合ったことを4期生が発表。他のホテルの在籍スタッフとの交流を増やしてみる、日本人と海外の人が同じシェアハウスに住んで相談しやすい環境を作る、夕ご飯を海外の人が集まりやすい場所で食べるなどの意見が出た。また、ツアーを作って、加賀を回る機会を作っても良いかもしれないと考える学生もいた。

 

海外からのスタッフの人に、山中のオススメのお店を聞いてみた。流しそうめんのお店が好き!とか、加賀パフェ食べた!と言う意見は多かった。しかし、実質よく利用するお店はファミリーマートという人もいた。地域と関わるという機会は実際かなり少ないというのが話を聞いていてわかる。

 

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お昼ご飯は、社長の吉本さんのお母さんお手製のカレーライスをご馳走になった。シンプルでまろやかで、とてもおいしい味だった。調理スタッフのリーダーは、いつもお昼にご飯の上にベビースターラーメンを乗っけるらしい。社長にいじられていたが、実際にお客さんに出す懐石料理は絶品のようだ。和と洋を折衷したこの旅館でしか食べられない食事とのことである。

 

山代温泉ストリートを歩く

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まずは、 伝統建築の形をしたローソンに集合。景観に配慮されていてすごい。まずはガイドのゆげ太郎さんと、旅館「あらや滔々庵」の社長・永井さんから山代温泉エリアについて説明があった。

 

近くの山中温泉には景観の良さと言うウリがあるが、それに対して山代温泉は自分達でウリを作っていかなくてはいけないという実態がある。コーディネーターの三島さんは4期生に「自分にとってのまちづくりとは何なのか、考えながら山代の町を歩いてください。」と提案した。

 

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そこから、山代の通りを見て歩いた。観光客向けにwifi整備などもしている。 きちんとお金が回るように整備して行くことが大事!とおっしゃっていた。

 

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18代続く旅館「あらや滔々庵」で山代のまちづくりを考える

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あらや滔々庵は前田家の歴代藩主入湯の宿として知られ、すでに380年ほどの歴史があり現在で18代目である。内装が美しく、飾られているものだけでなく、建物自体が芸術作品のようにも思えてくる。

 

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奥の離れに通していただいて、山代温泉の総湯の実態について社長の永井さんに伺った。年間利用者の大半は60代以上で、利用者が少なくなっているという現状がある。温泉入浴料の年間利用パスの値上げも検討しているとのこと。どうしたら、若い人が入ってきたり、温泉地全体の活気を作っていったりすることができるのかについて課題感を持っているようだ。

 

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それに対して、4期生の意見としては、以下のようなものが挙がった。

うっちー「地域の人が楽しさ自慢をするような街になったらいいんじゃないですか!そうしたら、自然と外の人にも魅力が伝わりますよ」

アビー「子供を地域活動に参加してもらう教育をさらに進めていく、ふるさと意識は後からついて来て良さに気づけるようになる。」

ザキヤマダ「ホットスポットに気を配ることで、町全体の熱気が高まっていく。」

などの意見が挙がった。

 

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その後、山中温泉の総湯へ。時間がなさすぎて、一部のメンバーは松浦酒造の美味しい酒粕ソフトクリームを食べて休む。

 

山中温泉のアイスストリートを歩く 

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それから、山中温泉のアイスストリートを歩く。ここでは、薬屋とか、飲食店とか、自転車屋とか、いろんな店が独自に開発したアイスクリームを販売している。そんなアイス屋巡りをしながら街を歩くのはとても楽しい。

 

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薬屋さんが、健康に良さそうなアイスを出してくれた。

 

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 うまそうにアイスを食べるザキヤマダ。

 

f:id:ina-tabi:20190808003820j:plain一通り歩いた後、4期生と地域の方で意見交換をした。本当に営業されているかわからない店が多いという声はあったものの、アイスがいろんなお店で食べられるのは魅力的という人が多かった。空き家も多いので、魅力的な活用案が出てくれたらと感じた。今回、山中を案内していただいた吉本さん、梅田さんをはじめとした地域の皆様ありがとうございました!

 

道場ガレージでディナーとイノシシのお話

最後に訪れたのが道場ガレージ。道場さんは山中漆器関係のお仕事をされているかたわら、お庭を地域に開いてコミュニティスペースにしている。ここで、今晩はディナーをいただく。中に入ると暑いので、外で会食することになった。

 

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道場さんのあいさつと乾杯!

 

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地域の方と4期生の良い交流の場となった。

 

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食事の彩が本当に豊かで、肉や野菜、お味噌汁、ご飯、魚など盛りだくさん。午後の15時から3時間以上かけて準備していただいたようだ。トマトは実がとても大きくてびっくりした。

 

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食事がすすみ、周囲は完全に真っ暗に。加賀で唯一の女性猟師・さくらさんに、食事に使われているイノシシ肉についてお話いただいた。東谷で農業などをされている堺さんが聞き手となり、話は進んでいく。

さくらさん「いのししはとってもかわいい。ナイフを入れると真っ赤に染まった肉が出てきて、食べる対象に変わっていくんです。」

堺さん「かわいいのに殺しちゃうんだね。」

4期生「イノシシのどの辺がかわいいんですか?」

さくらさん「特にウリボーの毛並みが美しすぎて、財布を作ることもするんです。」

堺さん「一度殺してしまったイノシシは全部使い切るって決めているんだって。」

 

自然と人間が共に生きていくのに大事なことがたくさん学べた。

 

とても濃い1日に

さて、今日はここまで。山代のとても気品ある雰囲気や、山中の伝統文化や自然あふれる雰囲気を堪能することができ、とても濃い1日になった。明日は小塩辻や片山津、動橋などに伺う。

 

【本コラム「1期生いなむーから見たPLUS KAGA」について】

こちらは、PLUS KAGAのサポートチームに新しく加わった1期生の稲村行真(いなむらゆきまさ)が、個人的な視点からPLUS KAGAを語るコラムです。ここでは、普段は伝えられないPLUS KAGAの裏話をこそっとお伝えします。

 

執筆:稲村行真(ぼく・いなむー・イナムラ)

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PLUS KAGAには2016年に1期生として参加。それ以来、個人プロジェクトの実施で石川県加賀市に関わり続けている。今までの実施企画は、東京から石川まで2週間で歩いて古民家を取材する「古民家冒険project」(2017年)や、加賀市各地区の獅子舞を取材して写真のアート作品を残す「KAGA SHISHIMAI project」(2019年実施中)などがある。今年はPLUS KAGAサポートチームとしても、石川県加賀市を盛り上げていく。

 

【石川県加賀市】1期生いなむーから見たPLUS KAGA 2日目・瀬越、橋立、黒崎を訪れました!

こんにちは、冒険家なのに基本泳げない、いなむーです。

PLUS KAGAワークショップ2日目(8月6日)は加賀市の中でも海側の地域である瀬越、橋立、黒崎に行って来ました。その時の様子を報告します。

 

まずは、瀬越の竹の浦館へ!

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 (photo by みっちー)

4期生はまず、PLUS KAGAの1~3期生がワークショップ中の拠点として3年間お借りしてきた竹の浦館へ。午前中は残念ながらイナムラは地方紙の取材のため参加できず、サポートメンバーのみんなに様子を聞かせてもらった。

 

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 (photo by ともの)

もともと竹の浦館は旧瀬越小学校で、その時に学校に通っておられた増田さんと杉江さんに当時の地域の様子などを伺い、とても充実したヒアリングができたようだ。

 

伝統的な古い街並み、橋立 。

午後に向かったのは加賀市の中でも海側の地域である橋立だ。僕は、橋立の読み方を「はしだて」だと思っていた。しかし、実は「はしたて」という読み方だったことに4年間気づかなかった。

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 それはそうと、この町は僕にとって加賀でももっとも綺麗な街並みの1つだと思っていて、それなのに空き家などの使われていない建物がものすごく多くてもったいないと常々感じていた。地域の人はこの街並みに関してどういうビジョンを持っているのか、そして学生は何を提案するのか、とても楽しみだ。

 

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 さて、この方の名前は呉藤さんだ。ぼくは、お昼まで地域紙「Favo」の取材を受けていたため、呉藤さんが大学生に街並みのガイドしているところから今日はPLUS KAGAに参加。

 

早口で、ものすごい知識をポンポンと喋っていてびっくり。生き生きとしているから、マニアックすぎることを話していても、ものすごく話に引き込まれる。なにより、地域への愛を感じた。

 

呉藤さん「わかめ運ぶ北前船がなかったら、明治維新はおこらなかったかもしれんのやぞ!こんなこといっても聞いてくれんのだろうけど、興味あるか!!?」

4期生「興味ありまーす!」

呉藤さん「じゃあ話すぞ!..............。」

 

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橋立の街にはいたるところに遊び心が満載だ。例えば、これ。ザキヤマダ(4期生)は戸井さんの家の庭の木から底引き網漁のロープを垂らしたターザンにはまったらしい。

 

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あおい(4期生)はブランコにはまったらしい。2回も乗って子供のようにはしゃいでいた。

 

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ないき(4期生)はいつも地域の方へ熱心に質問している。戸井さんがつくった泉の浜を臨む丘の展望台の眺めはとてもきれいだ。

 

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昔、黒船が来航した頃に、この橋立では外国船を追い払う動きがあった。その時に作られたお台場跡を地域の方々が案内してくださった。森の中を虫除けスプレーをしながら進む。大正の頃までは大きなテニスコートもあったようだが、今ではなにもなくなり森になっている。

 

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橋立地区を一通り回ったら、橋立支院という地域のお寺へ。ここで、地域の方と4期生が橋立のまちづくりについてディスカッションを行う。

 

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まずは、地域の方と4期生が2人1組となり、30分間まちづくりについて意見を言い合って、こんなことしたら面白いんじゃないかなどを話し合う。

 

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それから、それぞれのグループで話し合ったことを4期生がまとめて、最後に発表を行った。それぞれ自分たちの話し合ったことをワンフレーズでタイトル化することになっており、端的にプランを言い表すということをやった。

 

例えば、あおい(4期生)は「ゆったりと味わう滞在」と題して、橋立の使われていない家などを活用した長期滞在、民泊、コワーキングなどを提案していた。あと地域の方からは、橋立は瀬戸内海のアートの島である直島と似ていると言う話があり、空き家などを使ったアートのプロジェクトをやってみてはという議論も行われていた。

 

やはり、勿体無い資産が橋立には盛り沢山にあり、それらをどううまく活用するかがキモになってくる。あとは、自分がそれをやる理由は何か?と言う部分が大事かと思う。

 

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最後に集合写真をパシャり。宮本さん、呉藤さん、小餅屋さん、木村さん、大野さん、戸井さんをはじめとした地域の皆さん、貴重なお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました!

 

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それから、バスに乗り込むといつの間にか、周りはジブリの森のような美しい森が広がっている。道の両側は次第に竹やぶになっていって、その先にいたのがなんと黒崎海岸でお世話になる予定だった堂下しんさん!上半身裸で登場だ。しんさんは、素潜り漁師をする傍らで「浜茶屋」という海の家を妻のあやさんと5年前からやっている。

 

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美味しいご飯にたどり着く前に、小型トラックが珍しいという大学生たち。トラックとしんさんと記念撮影をする。

 

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その後、待ちに待った美味しい夕食と夕日を見に黒崎海岸へ。こちらの海の家「浜茶屋入のや」は、夏頃になると1ヶ月間かけて小屋を建てて、1ヶ月半営業して、また解体してしまうとのこと。かなり手間はかかるが、これも1つの夏の醍醐味だ。

 

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ご飯ができるまで、海岸で海に入るPLUS KAGAメンバーたち。なかなかこういう青春っぽいことはできないので、みんな写真を撮ったり、砂浜に文字を書いたり、海に入ったりして、楽しんだ。本当に素敵な夏の思い出がまた1つできてよかった。

 

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さて、次第に日が暮れてきた。

 

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夕食ができたので、みんなでいただきます!

 

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こちらが、目の前の海で取れたばかりの牡蠣。全ての食材が加賀でとれた天然で新鮮なものばかりだ。

 

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料理を作ってくれているシェフ、拓さんはオーストラリア由来の謎の楽器が吹ける。腹式呼吸で吹く楽器らしく、息継ぎをしないでも吹き続けられるとはすごすぎる。驚異的な肺活量を見せつけられた。

 

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こちらが今回浜茶屋で食事を提供してくれた堂下さん夫妻で左があやさん、右がしんさん。お2人とも自然のエネルギーをたくさん取り込んで、本当に生き生きしているご夫婦だ。毎日、この海岸から見える夕日を見ながら夜を迎えられているなんて、どんなに素敵な毎日だろうと想像してみる。

 

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 最後に、集合写真をパシャり。今日は加賀市の中でも海側のエリアをたっぷり満喫した。明日は、山中と山代という山側のエリアのフィールドワークを行うので、コラムを楽しみにしていてください。

 

【本コラム「1期生いなむーから見たPLUS KAGA」について】

こちらは、PLUS KAGAのサポートチームに新しく加わった1期生の稲村行真(いなむらゆきまさ)が、個人的な視点からPLUS KAGAを語るコラムです。ここでは、普段は伝えられないPLUS KAGAの裏話をこそっとお伝えします。

 

執筆:稲村行真(ぼく・いなむー・イナムラ)

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PLUS KAGAには2016年に1期生として参加。それ以来、個人プロジェクトの実施で石川県加賀市に関わり続けている。今までの実施企画は、東京から石川まで2週間で歩いて古民家を取材する「古民家冒険project」(2017年)や、加賀市各地区の獅子舞を取材して写真のアート作品を残す「KAGA SHISHIMAI project」(2019年実施中)などがある。今年はPLUS KAGAサポートチームとしても、石川県加賀市を盛り上げていく。

 

 

 

 

 

【石川県加賀市】1期生いなむーから見たPLUS KAGA 1日目・ワークショップ始まりました!

こんにちは、最近は髪の量が多すぎて寝癖がひどい、いなむーです。昨日から、待ちに待ったPLUS KAGAの4期生のワークショップが始まりました!それでは、まず今回の4期生について名前(ニックネーム)と所属を紹介していきますね。

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写真左上から、 

上野山 波粋さん(ないき)

芝浦工業大学建築学建築学

 

写真中央上段

井上 周 くん(あまね)

金沢大学大学院 自然科学研究科

 

写真右上

加藤 葵 さん(あおい)

東京都市大学 都市生活学部 都市生活学科 

 

写真左下

大内田 光くん(うっちー)

多摩美術大学 美術学部 環境デザイン学科 

 

写真中央下段

林 宣妗さん(アビー)

輔仁大学 芸術文化学部

 

写真右下

山﨑 隆正くん(ザキヤマダ)

慶應義塾大学 政策・メディア研究科

 

今回も日本全国、海外から多様なメンバーが集まりました!さて、それぞれどんなメンバーでどんな個性を持っているのか、このコラムで少しずつ紹介していきます。

 

イントロダクションから始まる

PLUS KAGAのワークショップはイントロダクションから始まる。市役所に集合した人、直接会場の町屋まで駅から歩いて来た人、ヒッチハイクして来た人など様々。ひとまず、みんな無事に会場に集まれてよかった。

 

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まずは、加賀市の人口減少対策室の方からは、加賀市の現状をデータなどを用いたわかりやすい説明があった。全国的に人口が減少する社会において様々な課題があり、加賀市としてはどういう政策を行なっているのかなどを聞くことができた。

 

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また、三島さんから、今回のワークショップの狙いなどが話された。「加賀市のために何かプロジェクトをやろうとするのではなく、自分の喜びのためにプロジェクトを実施してください。」という言葉が印象的だった。SNSのいいね数とか気にしすぎてしまうところがあるので、自分も周りを気にしすぎずにプロジェクトできているかなと自分に問うてみた。

 

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 それから、学生は昼食後にお互いそれぞれ他己紹介。初日の他己紹介ってかなり緊張するけど、ちょこちょこ面白いエピソードが引き出せていたのがよかった。井上周くん(あまね)が、SPI細胞で有名な山中教授に会いたくて会いに行っちゃったとか、大内田くん(うっちー)が体育祭をガチで盛り上げたとか、印象的なものもいくつかあった。

 

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13:30ごろ、スギヤマ酒店に移動。日差しが強くて、めちゃくちゃ暑い。「5分の徒歩でさえもタクシーにしたい暑さ」と皆口々につぶやいていた。しかし、暑さを吹き飛ばすように、皆楽しそうである。写真は右からカニポーズの4期生・加藤葵さん(あおい)と、その奥がフィルムカメラが好きな同じく4期生・上野山波粋さん(ないき)、左がサポートメンバーのゆりあさんだ。

 

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台湾から4期生として参加してくれている林宣妗さん(アビ)は、今日ヒッチハイクで来たらしい。その時のマネをしてくれた。海外でヒッチハイクやるのはすごい。

 

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それから、大聖寺ではとても有名な酒屋さん「スギヤマ酒店」に到着。こちらのお店は杉山佳津也さんが営まれている個人経営の酒屋さんで、個人や地域活動、飲食店向けにお酒を提供されている。

 

まずは、杉山さんから活動についての紹介。印象的だったのが、加賀市大聖寺にある酒屋は10年前と比べて半減、8軒あったのが4軒に減り、そのうち後継者がいるのがうち(スギヤマ酒店)だけという現状だった。酒屋でお酒を買うというニーズは数字だけ追えば減っているらしい。

 

しかし、それでもお客さんが来てくれる理由は、「知り合いのつながりがあるから」とのこと。コーディネーターの三島さんが「酒屋の醍醐味は?」と聞くと、「頼んでくれるのが嬉しい」とシンプルな一言が帰ってきた。やはり、杉山さんの人の良さがお客さんを惹きつけるのだろうか。お祭りへの出店など積極的に地域活動にも参加しているという。

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杉山さんの活動紹介の後は、大学生からアイデアを発表する時間。スギヤマ酒店の可能性や、個人的にどんなことを一緒にやりたいかなどについて、コーディネーターの三島さんが大学生に聞いていく。

 

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山崎くん(ザキヤマダ)は、杉山さんがDJができることに注目して、お酒×音楽みたいなイベントである「スギヤマの乱」や、加賀お酒の味を発見してプロデュースしていくようなアイデアを出してくれていた。

 

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最後に集合写真をパシャり。

 

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今回のPLUS KAGA期間中は、訪問先の方のポートレートを撮ることにする。今回の杉山さんは、常きげん片手に暖簾を背景にして可愛く撮らせてもらった。

 

地域の方々と大学生の交流の場、ナイトセッション

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それから、拠点の町屋にもどって会場準備。玄関先にリーフレットを貼りまくるなどする。

 

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19:00ごろ、地域の方が50名以上集まり、いよいよナイトセッションの始まり。地域の方が集まったら、今回参加してくれている4期生の紹介を一人ずつ行う。その後、乾杯して後は自由に交流会。

 

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今回は、大聖寺にあるBAR FRIENDSの熊岡義裕さんに出張BARをやってもらった。知らないお酒もたくさんあって、カッコいいバーだ。なんと全種類100円で提供してくれた。本当にありがたい。

 

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先ほど伺った杉山さんは、今度はDJに。帽子をかぶってヘッドホンつけるといきなりDJ感が出て良い感じだ。会場に雰囲気の良い曲をリズミカルに流してくれて最高でした。

 

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今回は、サポートメンバーのとものがおしゃれなPLUS KAGAデザインのトートバックと缶バッチを作ってくれて、ブースにて販売していた。これらのグッズの売り上げはPLUS KAGAの学生の活動を今後サポートするために使われる予定とのことだ。8月11日14時からの公開プレゼンの時などでもお買い求めいただけるようになっている。

 

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加賀市の各地から続々と人が集まる。


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地域の方や学生は1人1品持って来ることになっていて、自分の地元の特産品や、旅行のお土産などを皆でシェアする。これは、PLUS KAGA 4期生のアビが持て来てくれた台湾のお茶の飴だ。素朴な味わいでとても美味しかった。

 

 


1日目からかなりディープな1日


ウェルカムパーティーは大いに盛り上がり、皆が寝たのは1時頃。ワークショップ初日から、地域の人と一気に交流しまくって仲良くなっちゃうというのはPLUS KAGAの良いところだ。さて、明日(8月6日)はフィールドワークで、加賀市の海沿いの地域へ!どんな交流が生まれ、どんな気づきがあるのか、とても楽しみだ。

 

【本コラム「1期生いなむーから見たPLUS KAGA」について】

こちらは、PLUS KAGAのサポートチームに新しく加わった1期生の稲村行真(いなむらゆきまさ)が、個人的な視点からPLUS KAGAを語るコラムです。ここでは、普段は伝えられないPLUS KAGAの裏話をこそっとお伝えします。

 

執筆:稲村行真(ぼく・いなむー・イナムラ)

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PLUS KAGAには2016年に1期生として参加。それ以来、個人プロジェクトの実施で石川県加賀市に関わり続けている。今までの実施企画は、東京から石川まで2週間で歩いて古民家を取材する「古民家冒険project」(2017年)や、加賀市各地区の獅子舞を取材して写真のアート作品を残す「KAGA SHISHIMAI project」(2019年実施中)などがある。今年はPLUS KAGAサポートチームとしても、石川県加賀市を盛り上げていく。