【72日目】台湾の台中で建築やデザインの魅力とたっぷり向き合ってきた!

 

建築とデザインの様々な可能性を探ってきた。

舞台は台湾第3の都市、台中。

 

レインボービレッジ 。

ある1人のおじいちゃんがひたすら絵を描きまくった結果、虹色の村ができたという。

僕はこれを見て、一種の夢の国的な幻想を垣間見た。

つまり、ディズニーランド的な世界観と近くて、現実世界との乖離がポイントである。

フォトジェニックであることがこの村の特筆点である。

しかし、僕はこの村にたどり着いた瞬間、少しこじんまりしすぎていると思った。

こういうものを作る時はいろんな人と組んででっかいものを作った方が、夢の国のような作り込まれたエンターテイメントは表現しやすいと思った。

でも、その論理では語りつくせないものもあった。

それは、目には見えない1人のおじいちゃんが描いたというその月日とストーリーだと思った。

僕にはそれはできないし、やりたいとは思わないけども、そのストーリーこそが人を惹きつけるのだ。

エンターテイメントは人間にとって必要かと言われると必要でもないけど、それだと寂しいのが人間のサガであろう。

人生にまるで彩りを加えるように、その村は存在していた。

彩虹眷村-臺中觀光旅遊網 Taichung Tourism

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台湾のとあるカンパニーを訪ねた。

台中の市街にある好心地文創だ。

コミュニティビジネスの新しい形がここにはあった。

元々はデザイン会社で、特異な点はローカルな職人コミュニティに着目した点だ。

台湾全土の約50ほどの職人コミュニティをヘルプしていき、伝統工芸品等のデザイン性あふれる製品の販路を作っていく。

最近はツーリズムにも着目しているようだ。

旅行のツアーでコミュニティを訪問する導線を作ることによって、

その土地を感じてもらい製品まで楽しんでもらう仕組みが出来上がった。

デザイナーというベースがあってこそだ。

コミュニティというのはデザインの力によって成立しうると感じた。

そして、デザインに対して大きな可能性を感じた。

7/15から数日間仕事体験をさせてもらうことになり、非常に楽しみだ。

ファウンダーのくまさん(愛称)ありがとう謝謝!!!

https://howdy.tw/

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緑光計画。

好心地文創からほど近いところに、水道局の職員住宅をリノベした素敵な空間がある。

范特喜(Fantasystory)という会社が運営している。

1階は主にデザイナーに貸して、自分のプロダクトを販売する空間となっていて、2階は主に学生のイベントが開かれるスペースとなっている。

僕が訪問した時は約50人ほどの学生が将来について考えるイベント?のようなものを開催していて、規模感と盛り上がりに鳥肌がたった。

また、内装のデザイン性が非常に高くて見応えがあった。

日本人の建築家も関わっているようで、日本人とも話をすることができた。

https://fantasystory.com.tw/

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無為草堂。

かなり立派で緻密な木造建築。

高価な食事処となっているが、特別に中を見学して撮影する許可をもらった。

池を中心に様々な個性的な部屋が周辺を囲む。

山小屋のベンチのような席もあれば、完全なお座敷のような個室もある。

くねくねした回廊のような廊下は冒険心を掻き立てる。

薄暗くて暖かな明かりは食欲をそそるばかりか、

自分を奮い立たせエネルギーをくれる。

木材と暖かな光の関係はいつも密接であると改めて感じた。

http://www.wuwei.com.tw/about/about01.htm

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台中国家歌劇院。

日本の建築家、伊藤豊雄の設計。

この建築は外側からは魅力がわからない。

もちろん外装の迫力も半端ないが、1階から6階まで順々に見学してみると、じわじわくる感動に鳥肌が立ってウルっときた。

 

まず、1階を入ると、伊東豊雄らしい曲線の柱天井や柱に目線が行く。

それはオペラハウス独特の世界観で、不安やワクワクやいろんな感情を凝縮している。

ぼくは、自然とこの建築を「砂漠」と「洞窟」に置き換えていた。

自然界のシンプルな曲線は端的に言うとこういうことだろうと思った。

 

順番に上がるうちに、1フロアの中でも緩やかに床の高さが異なる空間が出現。

これに妙に感動した。

ああ、ぼくは1+1=2とか、y=2xみたいな建築には全く興味ないんだと思った。

言うなれば、1+100=101とか、y=X2

のような何か規制の枠組みを壊したくてしょうがないくらいに、何かに振れているけどもきちんと機能している建築に魅力を感じていた。

自然はもっと複雑で曖昧で個性的で彩り豊かで、そう言うものが作れないと人はつまらない生き物になってしまう。

 

6階は空中庭園だった。

写真では、表現しきれない曲線的な魅力があった。

どことなく、最果ての地であるチベットを連想させ、ウルっときた。

無駄なものはなくどこか澄み切ったシンプルな空間に、自然の息遣いを感じた。

http://jp.npac-ntt.org/

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このほかにも、紹介しきれないくらい台中には面白い場所がたくさんある。

面白いことに、台中という場所は一括りにこういう町であると著述しづらい。

だから、面白かったものをポンポンポンとのっけてみた。

同時に、自分の視点そのものを括ることも現時点では非常に難しい。

ひとまず自分は木に代表される自然的なデザインとか空間が好きで、それが人間の多様性とか個性の開花に寄与すると同時に、集合するエネルギーをも満たすようなものに対して、より知見を深めていきたいと考えている。

【69日目】なんかすごい。

どん!

なんかすごい。

台北市立図書館北投分館。

 

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中入ってみる。

 

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本棚が踊り出す♫♫♫

 

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君の椅子はぼくの机。

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新聞立ての手作り感♫

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本棚の隙間に椅子、男の隠れ家。

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机の隙間、涼しいね♫

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夏の日に 図書館に飛ぶ 蛍かな

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2階へはこちら。

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社長?

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地下へはこちら。

階段に座る→汚い→階段の一部をイスにする。

これ盲点。

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出る杭は打たれず。→出る。

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盲点。本散らかせる図書館って意外とない。

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こたつ、つくれそう。

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トイレを風呂と見間違える。

これほんとにトイレかよ!!!

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ボタン押すと水が出る。鴨っぽい。

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Let,s enjoy トイレ。

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人の足を見つめる?と見せかけて本が読める。

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そろそろ殻を抜けて羽ばたきたいと思うイナムラであった。

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台北市立図書館北投分館>

海外のウェブサイト、「Tech Insider」が世界で最も美しい図書館の1つと認定。

世界各地から、視察団が来る有名木造図書館。

最も特筆すべき特徴は、「太陽光発電」や「雨水リサイクルシステム」などによる自然との共生を目指したエコな建築であるということだ。

周辺には噴水や緑が溢れ、外のテラスで休むこともできる。

また、全面が薄い緑色のガラスで、自然光を取り入れている。

自然を目一杯感じられることのできる建築と言えるだろう。

こういう自然と共生する木造建築は、本当に人が元気になるのがわかる。

人が集まる場所というのは絶対に建築や空間のデザインの力が必要だ。

僕もなんか走り出したくなった(ちょっと走った)。

※今回は図書館側に予め申請を行い、建築撮影の許可をいただいています。

 

 

・アクセス

MRT新北投駅から徒歩5分。台北駅からは、MRTで淡水駅行きにのり、北投駅で1回乗り換え。約1時間程度。45TWD。

臺北市立圖書館

 

 

 

 

○台湾で木造建築の面白さに気づいた記事はこちら。 

【67日目】MY TAIWAN〜屋台文化が自分をつくり、つき動かそうとしている〜

僕は毎日夜市の屋台に行く。

なんで行くんだろう。

理由がわからなかった。

でも、ある時ふと思った。

これは、自分が創りたかったものに近い。

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屋台は、とにかく賑やかだ。

ひとひとひとひとひとひとひとひとひと。

かんばんかんばんかんばんかんばんかんばん。

めしめしめしめしめしめしめしめしめしめし。

 

 

 

屋台っていうのは常に盛り上がっている。

しかも、これが一時的なイベントやお祭りなのではなく、

日常化

していることがポイントだろう。

一過性なものではなく、文化として息づいているのである。

まさに、「交流ある暮らしの場」である。

 

 

 

その上で、台湾の夜市の特徴は、

点在」と「独自性」である。

この台北市の地図をよく見て欲しい。

毎日のようにこれだけの夜市が開かれ、毎日がお祭りなのだ。

日本の人には想像し難いかもしれないが、毎日がお祭りなのだ!!!

さまざまに点在した夜市は、それぞれが独自性を持つ。

夜市は、3つに分類できる。

①観光夜市→観光目的に、たくさんの人を呼ぼうと計画された夜市

②学生夜市→学生の街で学生が楽しめるように発展した夜市

③屋台夜市→屋台が自然とできる暮らしの場

さらに、それぞれの夜市に、「蛇ばっかうってる」「食べ物メイン」「衣服ばっかり」などさまざまな特徴が垣間見られる。

(各夜市の特徴は後ほど)

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夜市の由来

そもそも、なんで夜市ができたのか調べてみた。

もともとは、所得向上のために戦後拡大した商売をする場であった。

(暑さを避けて夜に集う場ができたという事情もある。)

夜市が拡大するにつれて、環境や衛生、交通面で支障をきたすようになった。

ただ、政府は所得が向上すれば夜市は自然消滅するだろうと黙認していた。

しかし、所得が向上しても拡大を続けるばかり。

規制をかけても一向に消滅しない。

政府もしだいに計画的に夜市を整備していかざるをえず。

ついに夜市は文化となった。

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夜市の何が面白いか

では改めて夜市の何が面白いのだろうか。

「とりわけ深いコミュニケーションには発展しないけど、賑やかな雰囲気が楽しくて、来てよかった」というのがポイントだろう。

日本の銭湯文化とも似て非なるものだ。

要はコミュニケーションを無理にしなくてもいいけど、どことなく自分がその場にいることで満足感が得られるような場所なのである。

個人的にも、あんまり人とコミュニケーション取りすぎるのも疲れるし、程よく話ができて賑やかな場が好きなんだと気付いた。

 

あと最近気付いたのだが、場づくりは以下の2パターンの図式で表すことができる。

A 排他性×濃密的な場

これは自分の興味関心とかコアな趣味などが会う人が集まって盛り上がるパターン。極論言えば、アニメおたくがオタク話で盛り上がっているのがわかりやすい。

B 寛容性×希薄的な場

これは、誰でも来ていいですよという間口が広い代わりに、コミュニケーションが強制されないパターン。日本の銭湯文化とか、台湾の夜市文化が近い。

 

AかBに当てはまらない場づくりは基本淘汰されるかも。

自治会を例に考えてみる。

最近日本では自治会の衰退が問題となっているが、こういう地縁的なコミュニティはこれからどうなっていくのか。

Aを目指す自治会は、そもそも「地域の集まり」である必要がなくなる。

Bを目指す自治会は、個人的に理想だと思う。長老縛りはなんとかならないものか。

排他×希薄の自治会は、会費高いのに余っちゃうから何に使おうか議論勃発。

寛容×親密の自治会は、会内でグループ化が進みまとまりがない。バチバチする。

自治会は個人的には寛容×希薄で地域に開いて、コミュニケーションを強制しないのがベストだと考える。

 

夜市を巡りながら考えた。

親密な関係を作るのは、もう個人に委ねればいいと思う。

だから、そもそも寛容的な場づくりは、「コミュニティ」というくくりで考えるのはおかしいのかもしれない。

寛容的な場を作りたいなら、

もう「コミュニティ」ではなく、「集う場」として、

これからの場づくりは考えて行くべきだ。

 

 

 

 

MY TAIWAN

さて、僕が夜市で食べてきたものの数々。

やっぱり個人的には、餅系(小麦粉系のやつ)が一番好きだな。

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夜市の紹介

今の所訪れた夜市をここでご紹介する。

夜市の屋台数は、軽く100店舗超えるところも多いだろう。

しかし、1人のお客が回れる屋台はせいぜい3店舗くらい。

それでもんな腹一杯だ。

100分の3になれるように、各屋台はしのぎを削る。

倍率約33倍の勝負を毎日くぐりに抜けるために皆必死だ。

頭使っている。

屋台の前に動くもの置いてみたり、

音かき鳴らして見たり、

試食作ってみたり、

看板の書き方を賑やかにしてみたり、

さくら置いてみたり、

商品の種類増やす減らすとかの調整してみたり、

見栄え大きくするために油つけて膨らませたり、

食べる時と来店時に煙が出るとか面白い体験を提供してみたり、

これ色々考えてるんだろうなという屋台はすぐにわかる。

屋台では、安くてうまい、安くて多いは王道でわりと当たり前。

それプラスアルファで個性ガンガン出しに行ってる。

 

 

寧夏路夜市(6/24.27.28)

屋台夜市の典型。

生活の中から自然発生的に生まれた感があって良い。

作り込まれた感じがしなくて、一本道なのでとてもコンパクトに展開されている。

僕がこの夜市で好きなのは、ネギ餅である。

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・饒河街観光夜市(6/24)

派手な建物多し!観光向けに作られた感は否めない。

しかし、Tシャツが安かったのと、胡椒餅が超うまかったのを覚えている。

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・華西街夜市&廣州街夜市(6/30)

個人的には、一番好きな夜市だ。

何が面白いかというと、まず物価が安すぎる。

イカジュースが10元(36円くらい)、車輪餅10元、胡椒餅35元をはじめとして、台北最安価格ではないだろうか。

安くて量が多い粉物が好きな僕にとっては最高の夜市だ。

そして、意味わかんない奇妙なものまで売っている。

蛇とか、ネズミとか、鳩とかいろんなものが食える。

まじでクレイジー

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・雙城街夜市(7/1)

個人的には、いまいち。

盛り上がりは少なく、食の屋台が少ない。

写真撮り忘れたので、食べた陽春麺の写真貼っとく。

脂がよくないのか腹壊したけど、味は普通にうまかった。

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士林夜市(7/2)

この夜市は、どデカすぎる。

こんなに活気があって、人が多くて、でかい夜市は今まで見たことがない。

行けども行けども何かあって、商売の争いが半端ない。

野外だけでなく、屋内、地下までもがもはや台北の胃袋。

盛り上がりっぷりやばい。

日本人が多すぎて、観光地感は否めない。

とにかく、台湾の食べ物の縮図感は否めない。

ここに来れば大体のものは食えると思っていい。

刃物入れてない一匹丸々の豚が焼かれてあった。

鼻から煙が噴射するアイス食った。

臭い豆腐、臭豆腐も食った。

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夜市でだけで論文書けそう。

多様性、迷宮性はんぱない。

なんでもありって感じ。

ここ最近、台湾=食みたいになるくらい、

自分が台湾の食文化と一体になってる感がある。

台湾に来たら、食の概念が壊れるから絶対夜市行くべし。

また行った夜市の情報はこの記事に付け足して行く。

 

 

【65日目】台湾で見た!偶発性ってのはやっぱり面白い。

台北、台中、九份もう様々に回って気づいたこと。

自分がエモいと感じたものだけパート2。

 

木に引き続き、やっぱり偶発性はおもしろい。

全体像が把握できない。

だから、とりあえず前に進む。

そこでばったり出くわしたもんが、なかなかにおもしろい。

これは1つ1つがものすんごい奇跡。

なおかつ、次がわからないから楽しい。

しかも、出会ったものの1つ1つの濃密さよ。。

 

九份

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九份という街の面白さは「どこを取っても絵になる」である。

海からそそり立つ街は山へと抜ける。

急峻なロケーションが、景色の良さを創出する。

日本の尾道にも似ている感じ。

屋台が延々と続く、きらびやかな風景。

路地を外れると、なんか趣深い路地がある。

猫がいて癒される。

人がどう動いても、何かしらある。

外れないから面白い。

ここまで、要素が揃いすぎていると完璧すぎ。

 

しかも、例えば城みたいに中心になるものがない。

いろいろ回ってみたけど、結局なんだったのって感じの街。

でも、色々あってすごく楽しかったよねって感じの街。

人間所詮欲張りなんだし、一つじゃ満足しないんだろう。

 

今日はカツオのたたきがメインメニューです!

じゃなくて

なんでもうまいもんあるからてきとーに取って食べてね!(笑)

って感じの街。

 

台北国際芸術村

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台北国際芸術村の面白さは「意味わかんない驚き」である。

九份同様に迷路っぽい。

全体像が把握できず、突如アートスペースが出現。

いろんな家がアトリエになっている。

 

一つ一つのアートは基本意味わかんない。

ガムテープだらけの空間。

のっぺらい人間ばっかりの空間。

おっさんの顔ばっか書かれた壁。

 

景観こそ、高速道路が周りにあった関係でいまいちだった。

しかし、ただ歩いているだけで、アートが元気にさせてくれた。

アートと出会った時に、心が動いた。

へー!これ意味わかんな!

へー!これなんか絵になる!

みたいな感動が人を元気にさせる。

なんか、頑張ってアートを見つけに行く感じもサバイバル的で良い。

台北國際藝術村

 

◎とある屋台

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屋台の面白さは「百花繚乱」である。

 

賑わっている店には理由がある。

僕は、毎日屋台飯を食っている。

そして、毎日どの屋台にどれくらいの人が並んでいるか数えている。

 

その街で一番並んでいる屋台の飯を食う。

必ず理由がある。

だいたい、安くてうまいか、安くて量が多いかの2択だ。

あとは、気のせいかもしれないが、店員がマジで頑張ってる。

お客が2人だったら、切り分けましょうか?とか。

ただでさえ客捌くのに忙しいのに、細部まで配慮している。

手さばきが早くて、目に止まらぬ速さだ。

 

それはそうと、

人を惹きつける店など数知れず。

だから、メニューもいろいろで、自分たち独自の味や種類で勝負する。

揉まれまくってのし上がった店が客を引き寄せる。

これなんだろ?

うまいのかな?

これ意外とうまいんだね!

 

様々な味との出会い。

僕はそれに加えて、適当に人気店の秘訣探りゲーム。

 何でもそうだが、揉まれるくらいカオスな競合環境って、おもしろくなる。

 

台北の夜市

https://www.google.com.tw/maps/search/%E5%A4%9C%E5%B8%82/@25.056581,121.5025435,13z/data=!3m1!4b1

 

 

さて、この偶発性。

何が起こるかわからないワクワク感。

 

僕の場づくりは、人の多様性による偶発性作りをしてきた。

あそこに行ったら面白い人に会えるし刺激が受けられるという感じ。

これは、単発的な個人間の出会いには向いているけど、場やコミュニティとしてみたときに発展しうるか?をもう一度問う必要がある。

ああ、なんかよかったねの先に何を作るかってわりと大事な気がする。

 

そんなら、偶然のワクワク感を生むような仕掛けがいくつかあるような場を作っておいて、それに対する担い手もどんどん増えて行って、あとは集まってきた人たちでお好きにどうぞの方が理にかなってる?

 

 

【64日目】台湾で見た!木というのはやっぱり面白い。

台北、台中、九份もう様々に回って気づいたこと。

自分がエモいと感じたものだけ。

  

やっぱり、木の建築というのはおもしろい。 

木の建築というのは、気の建築だ。

生命が生命として生きられるのは、生命からエネルギーをもらうからだ。

体の中にエネルギーが沸き起こり、温かみを感じる建築。

場の空気が和み、リラックスできる建築の数々。

 

◎松山文創園区の閲楽書店

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閲楽書店の面白さは「自然から湧き出る建築」である。

松山文創園区は元タバコ工場で、その敷地が緑地に変身。

歩いていたら汗だくだくで、暑すぎる台北において緑地は紅一点。

その緑地に囲まれているのがこの閲楽書店。

天井の木組みと、温かみのある光が目を引く。

木組みには、やはりこの吊るす形の薄暗いライトが合う。

このおしゃれ空間は、

まさにネイチャーと言うにふさわしかった。

 

www.google.com.tw

 

 

◎青田七六

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青田七六の面白さは「空気のうまさ」である。

日本の教授がリノベしたシェレオツ古民家カフェだ。

空気がうまいところってのは、

飯を食うでもなく

飲み物を飲むでもなく

空気を食っている。

僕は120元の小さいアイスクリームを食べた。

台湾でこれ食べたら、普通は30元しないくらいだ。

僕は残りの90元で古民家の風情ある空気を食った。

同じことは都市でも言える。

空気のうまい都市のエコノミーは付加価値が加わっている。

空気が汚くて汚い街は逆に単価が上がらなくて貧しい。

そんなもんだと思う。

空気がうまいところには必ず木がある。

qingtian76.tw

 

◎白石画廊

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白石画廊の面白さは「木組みの旋回」である。

 かの有名な日本の建築家・隈研吾設計の建築。

いくつもの木を互い違いに組んでいる。

自然的な複雑性の高い動きのあるワクワクする空間が生まれている。

一部の木が本棚、植物置き場、茶室と様々な用途にも使われる。

まさに、自然と生活の境目を担うかのような木の建築である。

人と自然ってもっと近くていいと思う。

ここの人と友達になったので、個展とかあそびにいく。

kkaa.co.jp

 

木は自分が大事にしたい要素の1つ。

山登って、木に囲まれたところで過ごすの好きだし、欠かせない。

同様に植物も。

日本って森林率68%だから、木なんて余りまくっているはず。

でも、日本は山がちすぎで斜面の木を切り出す技術がいるし、人手不足。

自給率は35%ぐらい。

日本はリソース全然活かせてない。

オーストリアやドイツでは今や高給取りの林業関係者。

それに対し建材需要が減ってしまった上、安月給な日本。

もともと、手入れを始めた人工林は常に面倒見ないと荒れるだけ。

天然林を人工林にさせてしまったなら、責任は付いて回る。

 

所得の再分配的な感じで、日本国民に木材の再分配とかできないのかな。

再分配でいうとモチベーションの再分配が日本で最もやるべきと思うけどそれはおいといて。

木材って、人類に対する恩恵めちゃくちゃあると思う。

その恩恵をもっと再分配して流通させねば。

 

岡山県の真庭で一度、面白いもんを見たことがある。

木材中継基地だ。

林業者が中継基地まで持ってけば、それが加工される。

一枚板として流通されないものは全部バーグとかチップになる。

公共施設のボイラーになってエネルギー転換されて、人々の生活を支えている。

建材も木材の流通量が半端なく多かった。

 

個人的には木造の建築物ってのは魅力的だし僕も作ってみたい。

とにかくもったいないのは、木材というリソースが余っている。

これをどう人の幸せに還元するのかということ。

 

僕の作りたい場にはいつも木と気の存在がある。

 

 

 

 

【55~57日目】中国の福建土楼へ!かつてないほどの試練と刺激を味わう旅となった!

福建土楼最奥の地で見たライトアップ。

人間は、笑顔の裏に何を考えているかなんてわからない。

信じるしかない。

ひたすら信じていれば、応えてくれるのか。

そこにセンスが必要なのか。

そんな簡単なもんじゃない。

中国は、僕に試練と刺激を与えた。

 

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 6/20(水)

台北から金門島まで飛行機で、そこからフェリーで、合計半日あれば中国の廈門にたどり着く。福建土楼に行くには、廈門がバスの拠点となる。今晩はここで泊まり、次の日の福建土楼行きに備える。

 

夜の廈門はとても印象的な街だった。

バスがよくわからないので、市街地まで歩く。

雨に降られ、なかなか思うように歩けない。

弾丸中国旅は、本当に正しい選択だったのだろうか。

こんなに欲張る必要なんてなかったんじゃないか。

心の声に耳を傾けて、道端に座る。

足元を見つめれば、宝石はたくさんあれど、

福建土楼という場所の底知れぬ魅力に想いを巡らせ、重い腰をあげる。

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フェリーターミナルから1時間ほど歩くと、キラキラ光る市街地が見えてくる。

これが、廈門の街か!!!

中国人は「光」が好きなのだろうか。

巨大なビルとまばゆい光に、中国という国の規模の大きさと個々の主張を垣間見た。

このネオンは、人々に遊び心を掻き立てるように誘惑をしてくる。

広大な大地に眠れる夜はない。

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市街地の一角にあった商店街で、晩御飯。

食事するところが多くて助かる。

逆にどれを選んだらいいかよくわからないので、こういう時は地元の人がたくさん入っている店に入る。

中国エコノミーは、もはや拡大とアップデートを繰り返し、中国という大きな胃袋を延々と満たし続ける。

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うどんみたいなやつを頼んだ。

安くてうまい!!!

地元の人の舌に間違いはない。

少々辛かったが、ほとんどここ最近パンばかりでろくなものを食べてなかったので、刺激が体を満たしてくれた。

それにしても、中国では辛いものを食べる時、水を飲まないのだろうか。

お冷を出す文化というのがないらしい。

優しいお兄さんだったので、出してくれたがこういうところはおそらく珍しいだろう。

個人的に日本のお冷や文化は好きだ。

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近くにショッピングセンターがあったので入ってみた。

KFC、マクドナルド、スターバックスなど、様々なところを巡り歩いたが、

wifiが使えない!!!

全て接続できないのだ。

なぜだろうか、携帯もパソコンも中国では使えないのだろうか。

SIM買えばいいんだろうけど、今回はこの情報機器を使わない環境を楽しんでみようと思って、諦めた。

 

後から調べてわかったことには、グレートファイヤーウォールという機能で、政府の都合の悪い情報漏洩を避けるためらしい。

<中国で使えるもの>

EvernoteSkype、Yahoo検索、Yahooメール、Naverまとめ、ウィキペディア、Pocket、Feedly

<中国で使えないもの>

LINE、FacebookYoutubeTwitterSoundcloudGoogle検索、Googleのサービス(Gmail.GoogleMAP.カレンダー.Google+.アナリティクスなどなど)、Google playストア、DropBox、インスタグラム、ニコニコ動画

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そして、トイレに行きたくなったのでスーパーに駆け込むと、

和式しかなくて、紙がない!!!

トイレの場所を聞いても

日本語も英語も通じない!!!

当たり前だと思っていたことが、ここでは当たり前ではない。

頼りになるのは自分の身1つだと改めて知る。

面白いところに来たものだ。

この地では、webサイトを使わず、行きたいところに行く。

身振り手振りや筆談で場所を特定する。

スーパーから出てくるカップルを見ると、あそこまで会話が弾めば不自由など微々たるものだと考えさせられる。

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人づてに聞きまくって、福建土楼行きのバスターミナルを確認できたのは、

なんと深夜の1:00ごろ。

バスターミナル近くの芝生でカッパを着て寝た。

 

 

 

6/21(木)

廈門の中心の枋湖バスターミナルからは、福建土楼の入り口「永定」に向かうバスが出ている。あとは、個人のガイドを雇って点在している土楼群を見て回るしかない。最終的には、土楼の最奥地の宿で泊まることにした。

 

廈門の中心にある枋湖バスターミナルにて。

念には念を入れ、朝5:00には起きた。

というより自然に起きた。

地元の人が周りで喧嘩していた。

声が大きいし、こんなに自分のことを主張できる日本人は少ないだろう。

中国という巨大な国家から見れば、個人とはアリのようなもので、アリが遠吠えをするように自分の体の限りを尽くして主張する。

中国人は必死だ。

人間の激しい生き様と強さを目の当たりにして、

自分がいる環境が実はぬるま湯だったと知る。

 

ここから、74元でバスに乗ることができ、福建土楼の入り口の永定に向かう。

市内循環バスと長距離バスで発着場所が違うので、その点は注意。

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途中サービスエリア的なところに1回立ち寄る。

豆乳と甘酒の中間くらいの味の、この飲み物がすごく美味しかった。(4元)

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野菜を挟んだ肉まんみたいなのも美味しかった。(5元)

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徐々に田舎の風景になって行く。

田畑の区切りに旗を立てるのが中国流なのか。

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福建土楼

ドドン!!!

最初に出現したのが、この土楼。

ここでバスから降ろされたので、まずこの土楼に入ってみようと思う。

英語ができるガイドが1人しかいなかったので、任せることにした。

周辺の土楼を180元で全部連れて言ってくれるという。

少々高いが、せっかくなのでお任せすることにした。

 

福建土楼とコミュニティを語る上で外せない要素は、この要塞のような建築様式による排他性だろう。

盗賊団からの防御のための砦が進化して現在の形になったという。

この造りが内部コミュニティの親密性も生んでいる。

そしてこの円形の造りは平等を示す。

全ての部屋が全て同じようにデザインされ、祖先の廟を中心に向かうように設計されている。コミュニティの中の人間は対等だ。 

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周りは自然豊かで、生き物と人間が共生している。

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いざ中に入ってみると、かなり圧倒される。

日本の集合住宅と変わりのないような大きさの建物が、まるで闘技場のように中心だけぽっかり開けて建っている。

1階は訪問客のお土産販売か、一家の台所。2階は、穀物などの保管庫。3階以上は一族の居室で最大5階まである土楼もある。

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 周りの草木を取ってきたものは家の軒先に保管され、入れ物に入れて干されている。

ドアには、縁起の良い言葉が書かれ、赤色が必ずといっていいほど使われている。

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「福」の文字はなぜ逆さまなのか。

ガイドに聞いてみたが、よくわからないという反応だった。

階段からは上の階に上がれる。

ガイドによれば、通常はお金を取るが、俺の家だから無料で見せてやる!という感じで気前よく見せてくれた。

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上から見るとこんな感じだった。

右下にガイドが少し写っている。

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 壁は、土でできている。

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水の確保は、基本土楼内に数カ所掘られた井戸から行う。

ただし、一部洗濯はこのように外の川で行なっている。

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このあと、お茶屋さんに連れていかれる。

知り合いのお茶屋さんだから、無料でお茶が飲めるよというので、ついていった。

ものすごくフレンドリーな人だった。

福建土楼で、中島みゆきの曲が流れている?という話でもりあがった。

(自分は、中島みゆきの曲が流れているのをきいたが、その地域の人は中島みゆきのことを知らなかった。)

途中からセールストークが始まった。

お茶を買ってほしいというような感じの雰囲気になってきた。

自分が買いたいと思っていたお茶はなぜか売ってくれなかった。

葉っぱの一つ一つが大きいからまとめられないという。

それなら、このくらいのお茶が買いたいと違うお茶を交渉してみた。

そしたら、わかったと言って、量を多めにオーダーメイドで袋詰めを始めた。

お金がやっぱり必要なのだろうか。

やはりこの辺の人たちは、生きるのに必死なのかもしれない。

 

 

 

承啓楼。

こちらは、超巨大で、300人規模の土楼。

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有名人なども多数輩出して居るようで、中の造りも少し豪華。

このように、土楼によって少しずつ特色も異なる。

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裕昌楼。

こちらはなんと築700年。

この建物の歴史は非常に長い。

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徳遠堂。

地域に信仰されている有名なお寺らしい。

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最後は、田螺坑土楼群。

福建土楼最奥にして、最も生活感が残っている場所。

ここの土楼でさえも観光地化している感じは否めなかったが、周辺に広がる田畑や森の中にぽっかり集合住宅がある感じが、とても良い雰囲気だ。

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土楼には泊まれなかったが、土楼脇の旅館に泊まることにした。

 

宿では、泊まる日の昼ごはんだけ作ってくれた。

昼ごはんはチャーハンでとても美味しかった。

飲み物はないか?と聞くと、いつのまにかわざわざ豪華なスープを作ってくれていて、これを食べろという。

昼ごはん代が高くなったが、まあ美味しかった(笑)

 

土楼近くに泊まることによって、生活風景をじっくり観察できた。

夕方からは、カードゲームを始める地元の人々が散見された。

こうやって、居場所ができているんだと感じた。

夕食もこういう土楼の外にあるベンチで食べていた。

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夜になった。

宿では、地域の人がカラオケ大会みたいなものを始めた。

なんとなく夜ご飯を頼みづらくて、近くに飲食店などないので、

結局食べずに終わった。

仕方ないので、夜は1人で散歩に出た。

山の中腹の展望台から見た景色がこれだった。

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やはり、中国人は光るものが好きなのだろうか。

福建土楼は、地元の人も観光客も、中国人しか見なかった。

そこに1人乗り込んで来たよくわからない日本人にしてみたら、見るもの全てが混じり気のない新鮮さを放っていた。

とにかく、大胆で目立つものが多かった。

家の中でかける音楽が爆音だったり、家がライトアップでピカピカ光っていたり、しゃべる声が大声だったり。

僕がみた中国は、都会も田舎も何も変わりなかった。

そこには、大きな経済に翻弄され、必死で生き抜こうとする人々の姿があった。

 

福建土楼最奥の地で見たものは、中国経済の残照だった。

自然の中に、ポツリと立つ5つの土楼群は、決して静かなのんびりした牧歌的な場所ではなかった。

中国経済というギラギラした太陽の光は、日が沈んだ土楼をも残照として照らし続けていた。

正直、肌感は合わなかった。

こういうコミュニティは作りたくないと思った。

でも、その光こそが僕のドーパミンを刺激し、旅に面白さを加えていることは確かだった。

 

 

 

6/22(金)

福建土楼最奥の地を後にした僕は、よくわからない町にたどり着く。バスを乗り継ぎ、やっとこさ廈門の街に帰ることができた。金門島までは行きと同じ経路。金門島で、次の日のフライトに備え、就寝。

 

次の日の朝。

地域の人が小学生の息子を学校に送るついでに、近くの町まで送ってくれるという。

行きに来た道を戻ると、廈門まで遠回りらしいので、廈門までアクセスしやすい街まで送迎してくれるようだ。

あとあと送迎代を請求されることになるのだが(笑)

それはいいとして、一番困ったのが銀行に行ってもなぜか

お金が引き出せない!!!

ということだった。

この街には銀行が2つある。

ATMにはmasterカードが使えるという表記がある。

しかし、何度やってもお金が引き出せない。

 

山奥なので、ルートが限られて居る上に、通行料や観覧料、交通費などでいちいち予想外にお金を落とさないといけなかったので、所持金は25元を切っていた。

これは、江戸時代の旅人が関所を通る感覚と似ているのかもしれない。

 

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さて、どうしたものか。

色々考えた末に、近くの南靖という街まで行って、ATMを探した。

ATMこそなかったが、銀行に優しいかんじの若い女性がいて、台湾ドルと中国元を交換してくれて助かった。

やっとこさ南靖からバスに乗って廈門にたどり着き、行きと同じフェリーで金門島にたどり着いた。

 

今回の旅でわかったこと。

僕にとって中国とは、試練と刺激を与えてくれる国。

場づくりや文化づくりの点では、自分と全く肌感が違う。

伝統というバックグラウンドの重みが非常に強く、自然の豊かさも相まって、建築は魅力的。

もっともっと感覚を磨いて、社会にどうやって価値を提供できる人間になるか、創りたいもののイメージをはっきりさせていきたい。

7月中旬まで台湾。

これからも引き続きどんな旅が待ち受けているのか楽しみだ。

 

 

 

 

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<台湾」から福建土楼への道のり総括>

台北松山空港–金門空港(金門島):1288TWD

金門空港(金門島)−水頭碼頭(金門島):300TWD

水頭碼頭(金門島)−五通客運碼頭(廈門):740TWD

五通客運碼頭(廈門)–枋湖バスターミナル(廈門):walk

枋湖バスターミナル(廈門)−永定(福建土楼):74人民元

永定(福建土楼)−田螺坑土楼群(福建土楼群):180人民元

田螺坑土楼群(福建土楼群)–謎の村:10元

謎の村–南靖バスターミナル:10元

南靖バスターミナル–枋湖バスターミナル(廈門):35元

枋湖バスターミナル(廈門)–五通客運碼頭(廈門):2元

五通客運碼頭(廈門)–水頭碼頭(金門島):155元

水頭碼頭(金門島)−金門空港(金門島):walk

金門空港(金門島)→台中:1134TWD

 

交通費合計:21,770円

*台湾ドルは4倍、中国元は17倍で計算。

*片道約1万円・24時間ほどの道のりで行ける。

 

【51~54日目】台湾に入国!おしゃれ空間に出会う!&いきなり中国に飛ぶことになる!

2018年6月17日、僕は石川県加賀市を出発した。

さあ、いよいよ海外入りだ。

石川県加賀市山代温泉からは大阪の岸和田まで3500円のバスが出ている。

関西空港に行く場合は、これを利用するのが安いし早くておすすめだ。

しかもバスは貸切!!!

乗る人は僕しかいなかったので、出発の1分前まで談笑。

見送りに来ていただいた加賀のみなさん本当にありがとうございました。

また、面白い人間になって帰って来ます!

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大阪の岸和田でたこ焼きを食べながら考えた。

今の自分は場づくりをして来たが、職業と言えるものはない。

職業視点が身についていない僕にできることは何か。

それは、自分が激しく感情を揺さぶられたものに対して的を絞る。

そして、その対象物に対して、骨に染み渡るくらい体感をする。

噛んで噛んで噛みしめる。

お金をこれだと思ったものに対して徹底的に投下する。

それがどんな山奥にあるところだったとしても、必ずたどり着く。

他のものに対して、お金は徹底的に節約する。

僕の旅は、いわば「ゲリラ」のようなものである。

持っているお金は少ない。

それをどこに対して使うかは、自分次第。

自分が好きでたまらないものに対してのみ、徹底的に使うことにした。

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関西空港についた。

空港で一晩をこしてチェックイン。

関西空港から台湾へのLCCジェットスター)利用の注意点は2つある。

1つめが、帰りの便を予約すること。

ぼくの場合は、台湾の後に中国に行くので、7月23日の飛行機をチェックインの直前で予約した。

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2つめは手荷物の7キロ制限。

7キロを超過すると、15キロまでは5000円払わなくてはならない。

そのことをすっかり忘れていたので、夏なのに徹底的に着がさねする。

汗びっしょりで、やばい(笑)

あとは、ポケットに突っ込めるものは突っ込む。

6.7キロまで重量を落とせてセーフ!

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チェックインを終え、搭乗ゲートに駆け込む。

飛行機の出発の1分前になんと地震が!!!

震度5以上らしく、飛行機がめっちゃ揺れた。

しかし、地震をものともせず、定刻通り離陸。

次の便だったら、絶対定刻通り出発できてなかったし、出発日さえももしかしたら変わっていたかもしれない。

日本の皆さんは、大丈夫か、、と思いながらあっという間に台北桃園空港に到着。

3時間の短いフライトだった。

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6/18は空港でひたすら情報収集。

結果、中国はビザなし滞在が、15日しか許可されていないこと。

そして、行きたいメインのところが福建省雲南省と離れていることから、台湾をハブにして2回に分けて中国に入国することにした。

そして、後々の旅程的に、今しかないええい!と思って6/20から6/23まで福建省福建土楼に的を絞って、一時滞在することを決定!

 

 

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6/19(昨日)は、台北郊外にどうしても行きたいカフェがあるので、行くことにした。

それは、台北の動物園の1つ手前の捷運木柵站(Muzha Station)が最寄り駅だった。

 

 

台湾の街に一歩出ると、そこは異世界だ。

モワッとした空気が自分を包み、水の中に首を突っ込んだような息苦しさを感じる。

しかし、これは最初の1日だけだ。

自分の体は台湾という街に解き放たれ、何か柔らかいものに包み込まれるように次第に街に飲み込まれて行く。

汗は絶え間なく流れる。

拭っても拭っても、出てくる。

しかし、室内は極度に涼しく、自然を拒むように人間の世界ができている。

僕にとって台湾は、自由と責任、自然との乖離と共生を彷彿とさせる街だ。

 

歩いているとよく見かけるのが、まずこの檳榔屋だ。

かつて、工事現場の人々は、苦しい労働のつかの間の安らぎのため、タバコ感覚でこの檳榔を噛み続けた。

基本はお客さんは男性なので、売り子はセクシーな格好の女性が多い。

しかし、今では規制が厳しくなり、セクシーな人がいる店は1軒くらいしか見なかった。檳榔ビジネスが専業になるくらいだから、相当需要があるのだろう。

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需要があるといえば、このバイクもそうだ。

バイクの数が桁違いに多い。

バイクの販売店と、バイクのヘルメットを販売するビジネスをしているお店が多い。

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さて、僕が行きたいカフェはここにある。

一見、何もない。

しかし、良く見て欲しい。

縦信号の真下に扉があるカフェこそが、僕が台北で最も行きたかった場所の1つ、

「Ruins Coffee Roasters」だ。

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大きな時計は15:30を指している。

アジアンテイストのDIYがなされたレトロでおしゃれな空間が僕を出迎えてくれた。

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このカフェの面白いところは、まず建物の活用アイデアだ。

かつて水力発電所の部品を作っていた工場があったが、もうどうしようもないくらい廃墟になってしまった。

近所の人から見ても、まるでお化け屋敷。

困っていたところ、カフェ経営経験のあるオーナーの璽開さんがリノベーションを引き受け、おしゃれ空間に変身したそうだ。

日替わり店長制も関係あるのか、様々なお客さんがくるようだ。

 

今回は新聞の取材が来ていた関係で、運良く洪さんとも直接お話しすることができた。

やはり、廃墟の時のボロさをうまく空間に残しているのが、空間としての愛おしさを生んで、人を惹きつけていると感じた。

僕が写真を見せながら東京都日野市で取り組んでいた場づくりのお話もすると、真剣に聞いてくださった。

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リノベーションで使用する工具は壁に展示。

雑味があって、空間の賑やかさも生み出している。

椅子や机の手作り感も良い感じ。

若者の勉強スペースにもなっている。

ここは作業したい人向け。

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上の写真のコンクリートの上には、秘密基地のような隠れ家スペースが存在する。

登ってみたくなって、ワクワクする。

ここは、何人かでワイワイ話す人向け。

ところどころに配置されている観葉植物が空間を生き生きとさせ、廃墟に息を吹き込んだような生命力を放っている。

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この上と下のスペースの間にあるコンクリートは完全に直していない。

穴ぼこだらけで、鉄がむき出しになっているところがまた面白い。

女性がスカート履いてきたら絶対大変だろうと思ったが、おしゃれで面白い。

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外にも、スペースがある。

植物にかこまれていて、居心地が良い。

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ランプの明かりがかっこいい。

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せっかくなので130TWDのコーヒーと、150TWDのコーヒーを注文した。

これがまた美味しすぎた。

280TWDは日本円でいうと、700円くらい。台湾では、300円くらいで普通にランチができるので、単価は高めだと思うが、それでも払って良かったと思える雰囲気の場所だった。

コーヒーの中には、アイスが入っていて、カキ氷のようなザラザラした粒も入っている。ケーキには、ホイップとドライフルーツなどがまぶしてある。

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やはり、アジアンテイストの空間のデザインの力をまざまざと感じた。

バラックのように、瑣末な資源を必死こいてかき集めて作ったものは美しいし、人に感動を与える。

同じように、廃墟というハンデを抱えながらも、DIYという手間のかかる手法で、コストをかけず今ある資源を最大限生かした空間は本当に美しい。

僕が好きなのは、空間から地域や人の純粋な心を連想できるような、素朴で人間臭い雑味のあるデザインの建築だ。

こういうものに、「人が集まる空間」のヒントが隠されていると思う。

 

いま、デザインと建築が学びたくなってきた。

僕は元々古民家鑑定士を取ったのもあり、空間を分解する視点で場を捉えてきた。

最近は、京都の木造建築に浸りながら、建築やデザインを少しずつ学んでみたいとふと思うことがある。

さて、これからどうしようか。

まずは、旅の中でもっともっと創り上げたい場のイメージを膨らませ、ビジョンを精緻化していきたい。

 

さて、今日からは中国に急遽飛び立つ。

どんな空間との出会いが待っているのだろうか。

本当に楽しみだ。

 

 

info.

Ruins Coffee Roasters

台北市木柵路三段242號

https://www.facebook.com/RuinsCoffeeRoasters/