【東京-石川500km徒歩】13日目 富山県砺波市~石川県金沢市袋板屋町(39km)

9月12日は出会いに恵まれた一日だった。富山県砺波市をスタートして、石川県金沢市袋板屋町ゴールという道のりを歩いた。ついに石川県に入り、知り合いにも会いながら、充実した一日を過ごせたし、加賀市出身者にお話を伺うこともできた。

 

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砺波市のチューリップ公園を出ると、曇り空ながら晴れ間がのぞいていた。昨日の大雨は嘘のようで、夢でも見ていたのだろうか。

 

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周辺の田んぼは土作りが行われている。これは、肥料の類だろうか。田んぼがふかふかで暖かい布団を身にまとっているようだ。

 

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石のブロックを持ち上げるための鉄の取手がくくりつけられていた。この方が運びやすいということだろう。

 

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ここら辺はクマが出るらしい。この看板はいくつも見かけた。さて、いよいよ山登りが始まるのだ。

 

 

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そういえば、自販機もコンビニも商店もなくて、朝からずっと何も食べてないし、何も飲んでいないことに気がついた。

 

僕はいま飲み物がほしい。

 

食べ物がほしい。

 

でも、飲むものも食べるものも存在すると思うからほしくなるだけなのだ。

 

もとからそんなものなんてないと思えば、期待をすることもないし、いまより気楽に歩ける気がする。

 

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そもそも歩くことなんて、ただ右足と左足を前に出すだけなのであって、そんな単純な機械のようなことをただ1日10時間繰り返すだけなんだ。

 

それはそれは簡単なことだろう。

 

世の中、難しいことをしている人なんて、たくさんいるのだ。

 

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機械みたいに動かなきゃダメなのだ。

500kmを2週間で旅して歩くということは自由のようで、自由ではない。

 

ポンピドゥーセンターと叫びたくなった。

実際に叫んでみたら、やまびこが聞こえて来た。

濁音とか破裂音を発音することで目が覚める。

 

そうしてから、猫じゃらしを持っていると癒されるのだ。

 

マメの中にマメができる。

合計5個以上はできた。

左も右も。

 

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 そうこうしていると、お昼ごろにちょうど直売所の看板を見つけた。これはありがたいと思って、早足で矢印の方向に向かって進んだ。

 

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「との様直売所」という名前の直売所があった。直売所の前の道が昔、加賀藩主の通った道だったことに由来するらしい。殿様のキャラクターと犬村くんのコラボで写真を撮っておいた。

 

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りんごがたくさん売られていた。大きく丸々として輝いていて、美味そうなりんごだった。

 

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直売所のおばちゃんと話をしてみることにした。

 

僕「ここら辺の名産品って何ですかね?」

おばちゃん「おかきとかかね」

僕「おかきはどこでもあるよ...。このシソが付いた煎餅はどう?」

おばちゃん「それこそどこでもあるでしょうに。」

僕「初めて見ましたよ!」

おばちゃん「それは知らなかった。びっくりだよ...。」

 

当たり前だと思っていたことが当たり前ではなかった。地域の魅力というのは、地域住民とよそ者とで、全く異なる。そういうところにチャンスが眠ってるんだと思った。徒歩の旅のことについて話をしたら、びっくりして熱心に質問してくれた。

 

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直売所で買った巨大なパイナップルのパンが、今まで食べたパンの中でベスト3に入るくらい美味かった。柔らかくて、ふわふわで、ジャムのこんがり焼けたところが少しカリッとしていて、そのままのパイナップルとジャムの部分がうまく分けられていて、パンと一体化している感じが空腹の自分には最高の食料だった。

 

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道中、最近は毎日蛇をみる。小さいやつが多いけれども、手も足もなくて動いているなんて不思議だなといつも感じる。生き物に対する好奇心や探究心はいつも絶やさない。

 

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山は登り切って、あとは下るだけだ。気持ち良い空の下で、足取りも軽い。とりあえず、食料を手に入れて、水を手に入れれば生きてはいける。いつの間にか、石川県に入っていたようだが、気がつかなかった。旅もいよいよクライマックスが近づいている。

 

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14:00ごろ。福祉施設のシェア金沢にあるデザインや企画をされている会社「グルーヴィ」に伺う。以前、世界一周する!などと言って、その時の企画書を見てもらうなど様々なところでお世話になっている。徒歩の旅に関して、企画コンセプト面でのアドバイスを伺った。

 

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加賀の味噌汁や煎餅など、様々なお土産までいただき、本当にありがとうございました!

 

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17:00ごろ、金沢学院大学に伺う。門のところで、不審者と思われたのか止められた。しかし、徒歩の旅のことを話すると、「こりゃたまげた!」とばかりにびっくりしていた。名簿に名前を書いたら、通してくれた。

 

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金沢学院大学では、馬場先さんという都市計画をご専門にされている教授にお会いした。石川県加賀市大聖寺のご出身ということで、今回、4人目の加賀出身者にお会いすることができたのだ。

 

加賀の魅力として、コンパクトシティにならないことを挙げておられた。大聖寺、山代、片山津というような地域力豊かで個性的な街並みが点在しており、加賀市は1つに括ることができないのが魅力とのこと。確かに僕も獅子舞のプロジェクトなどで、いろんなところに訪れれば訪れるほど様々な出会いと発見があり確かにそうだなと感じる。

 

他にも、大聖寺を治めていた山口玄蛮という武将を手厚く祀っているという話だったり、古くて低めの町家が昔のまま残っているという話だったり、様々な内容で盛り上がった。教授をされているので、とても細かくて専門的なところまで、溢れるほどの知識をお持ちで、もっともっと話を聞いてみたい!と感じたが、それはまた次の機会にとっておくことにしよう。

 

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それから、石川県金沢市袋板屋町に移動。地域の方と一緒に飲んで、地域の未来を語り合った。袋板屋町は大学生の時から、袋板屋プロジェクトでお世話になっている場所で、田畑が多く蛍が見られたり、温泉が近かったりと、とても贅沢な田舎体験ができる場所である。金沢にも、こんな場所があるのだ。

 

この町では、少子高齢化で若者が少ないという課題を抱えている。音楽フェスや食事イベントなど様々な企画を立ち上げてきたが、今後について考え中である。市街化調整区域の関係で土地利用が制限されているなどハードルをどう乗り越えるかという話などをされていた。

 

僕は、前回の徒歩の旅でもお世話になったし、地域の方と話をしているととても楽しいので、この地域にどう関わっていくかをこれからも模索していく。

 

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袋板屋町の集会所をお借りして、今晩の寝床にした。本当にありがたい。布団で寝られるのが5日ぶりだったので、布団で寝るということの心地よさをいつも以上にかみしめることができた。今日は、本当に人との出会いに感謝の1日だった。


【本日のルート】

東京ー石川 徒歩の旅

13日目

富山県砺波市~石川県金沢市袋板屋町

39km

62212歩

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【お知らせ】

今後の出店情報

石川県加賀市や東京都などで、徒歩の旅グッズを販売します。直近では、「徒歩マニア」という出店者名で、秋葉原アーツ千代田3331でのイベント出店が決定。徒歩の旅や石川県加賀市のことを知ってもらう機会を作ります。オンラインでの販売も開始予定です。

 

<イベント概要>

マニアフェスタvol.3

場所:アーツ千代田3331(東京都千代田区外神田6丁目11-14)

日時:2019年9月29日(日)

イベントurl:https://maniafesta.jp/vol-3-summary/

 

【東京ー石川500km徒歩の旅(第2弾)について】

2017年6月に行なった東京から石川までの徒歩の旅、第2弾を行います。今回はコースを変えて、北陸新幹線沿いのルート約500kmを、8月31日〜9月14日までの2週間で歩きます。前回の旅はこちら

今回のテーマは、加賀人探し旅。東京23区(東大赤門加賀藩邸跡)から石川県加賀市までの道中、石川県加賀市出身者の人を探して話を聞き、その出会いと気づきを到着先の加賀市で報告するという企画です。この旅を通して、地域の魅力を再発見しようと考えています。

また、この旅には石川県加賀市には全く関係のない約30名のクリエイターがデザイン制作に関わったり、一緒に歩いてくれたりする予定です。旅がより面白くなりそうで、ワクワクしています。