9月13日は、最終日前日。石川県金沢市からいよいよ加賀市へと、クライマックスの高揚感とともに快調に歩くことができた。知り合いにばったり会ったり、人の温かさに触れることができたり、旅をしてよかったと思える一日だった。
今日は長い距離を歩く。石川県袋板屋町の集会所を出たのは4:45ごろ。人と会う予定があるときは、基本的にものすごく早起きをして余裕を持って歩かねばならない。ただし、早起きがもはや普通になっているので、とりわけ辛いという感情はない。
徐々に明るくなり始め、町が姿をあらわす。朝の澄み切った空気の中で、町を眺めるのは気持ち良い。
道端の花壇が階段状になっていて、美しかった。やはり、町に緑は欠かせない。
途中、四十万という駅で、徒歩の旅のサポートメンバーの松田さんと合流した。足取りが軽快でびっくりした。自分がこの徒歩の旅でどれだけ疲労感が溜まっているかがよくわかる。松田さんには道中、犬村くんのぬいどりや僕の写真を撮るなどしてくれるので、とても助かっている。
歩きながら、袋板屋町の皆さんにいただいたおにぎりを食べる。やっぱり、おにぎりはこういう田園風景を眺めながら食べるのがとても美味しい。
そろそろ稲刈りの時期だろうか。遠く遠く続く空と、田んぼと、畑と。砂利道を進んでいく。車道ばかり歩いていると、息苦しくなってしまう。だから、こういう道を歩くと、気分が晴れてくる。
ここら辺の塀に使われている石は、黄色く染まっている。これは、他地域では見られない。どんな石を使っているのだろうと疑問が湧いてくる。一瞬、調べたくなるんだけど、でもそれを調べたところで何になるのだろうと思えてきて、スマホをしまう。最近は、知識や情報をとることにあまり大きな関心がない。
途中、道路側が直線的に切りそろえられた植木を発見して笑った。子犬がリーゼントの髪型をさせられたような妙な妄想をしてみたが、やはりこの木は得体の知れない魅力がある。きっと歩行者が「この植木じゃまだな」とか言って、「すいませーん」ということで土地の所有者が切ったんだろう。
途中、イチジク畑を手入れしている手が大きめのおっちゃんと目が合ったので、話をしてみることにした。おっちゃんは元気満々で「徒歩の旅でもしてるんか?」と聞いてきた。
「ほらこれ!今日の朝刊に載っているんですよ!」って話をして、朝にコンビニで手に入れた北國新聞を見せると、「おお、そうか〜!」と東京から歩いてきたことにびっくりしていた。
「そんなら、ここら辺のイチジク持ってきな!」と気前よく食べごろのイチジクを10個くらいくれた。ありがとう、おっちゃん!イチジクは大好物なのだ。
1個は松田さんにあげて、それから、「うまいうまい!」と10個ぐらいのイチジクを歩きながら、全部食べた。
おっちゃんの息子さんの絵が飾られているらしく、能美市寺井地区公民館に立ち寄った。大きな休憩スペースに、とっても美しい金箔が貼られた絵が飾られていた。こういう公の場で、堂々と絵が発表できるっていいなと思った。
途中、まだ能見市なのに、加賀でいつもお世話になっている久保出さんが近くにいるからと駆けつけてくれた。白えびビーバーと、飲み物4本も差し入れしてくれて、本当にありがたい。
それから、道路の小道をどんどん進んでいく。通学路注意がなぜかヤギの絵になっていて謎だったので、とりあえず犬村くんとコラボしておいた。犬村くんに注意!と書き換えてみたくなった。
途中、赤瓦を修理する職人を見かけた。僕は古民家鑑定士という資格を取ったぐらい古民家好きなので、赤瓦ってこんな風に取り付けるんかと興味津々だった。
犬のジョニーがいた。
接骨院がイルカに囲まれていて、ナゾだった。
屋根が地面にくっついている家があった。この角度と長さはなかなかに興味をそそられる。家が地面にのめり込んだかのような錯覚を覚える。
入れとく必要なくない..............?
この2つのお店は兄弟みたいなものだな。
それから、西圓寺に立ち寄る。障害者でもいきいき働ける福祉施設で、温泉に入ったり、ご飯が食べられたり、イベントに参加できたりする。おしゃれで最先端で面白いお寺なので、ぜひ行ってみてほしい。
西圓寺の庭に生えている木は年輪刻んでる感じで、根っこがうねうねしていて、ぞわぞわして良い。
こんな使い方あったのね。
小松ンティーホール。下ネタにも聞こえなくはない。「シ」の点がとれて「ン」になっただけだろうが、さっさと改名しちゃったらいいと思う。
神業披露してくれるらしい。
途中のコンビニで、料理人の大神さんとばったり出くわした。応援してくれて嬉しい。さあーいよいよ加賀だ。知り合いにもたくさん会うようになってきた。
そして、ついに今日の目的地に到着!地域の盛り上げ役・高橋さんのパーティールーム。今日の宿を提供いただく高橋さんが、家族の皆さんと横断幕を掲げて待ってくれていた。思わぬサプライズにびっくり!提灯までつけてくれて歓迎ムードで迎えてくださった。準備にたくさん時間がかかっただろうに、本当にありがたい...。
夜は、金沢カレーの8種類食べ比べ大会をした。いろんな店のカレーを調達してくださり、少しずつ食べ比べをして、美味しかった順に順位をつけるというものだ。結果はやはり、ゴーゴーカレーとかが人気だったが、こってりしたものからさっぱりしたもの、辛いものから甘いものまで多様なカレーライスがあることにびっくりした。
高橋家以外にも、北出さんやお笑い集団のテツヤシステムのメンバーなど、地域の方々も遊びに来てくださり、前夜祭はどんどん盛り上がっていく。子供たちも遊びに来て、賑やかになって来た。
記者会見が開かれた。記者になりきったテツヤシステムからたくさん質問が飛んでくる。ウインナーをマイクがわりにして、僕が回答をする。
テツヤシステム「道中、印象的だった出来事を教えてください。」
僕「大聖寺ってお寺にバッタリ出くわしたんですよ。」
テツヤシステム「へぇ〜!」
賑やかになったところで、テツヤによるポテチバーがオープンした。僕がお客さんになってポテチを勧められ、ただただそれを食べるというバーで、火に炙ったり、マヨネーズにつけたりして食べる。漫才風でツッコミどころ満載で面白かった。参加型のお笑いは新鮮だったし、こんなに笑って楽しめたのは久しぶりだった。
ラストのポテチを火で炙ったら、なんと文字が浮かんで来た!これには、超びっくりで、とっても嬉しいサプライズだった。
最後の締めはカラオケだった。サザンオールスターズのTSUNAMIなど3曲歌い、パーティの最後が締めくくられた。ここまで、用意して楽しませてくれる高橋家とテツヤシステムの皆さんに本当に感謝!
僕とテツヤシステムズで記念写真。
パーティのあとは、明日の報告会に向けての資料作り。まだ終わっていないことに焦りつつ、でも楽しい夜だったのでよかった。さあ、明日はいよいよゴール。実感は皆無だが、最後までこの徒歩の旅を味わい尽くしたい。
【本日のルート】
東京ー石川 徒歩の旅
14日目
45km
70617歩
【お知らせ】
今後の出店情報
石川県加賀市や東京都などで、徒歩の旅グッズを販売します。直近では、「徒歩マニア」という出店者名で、秋葉原のアーツ千代田3331でのイベント出店が決定。徒歩の旅や石川県加賀市のことを知ってもらう機会を作ります。オンラインでの販売も開始予定です。
<イベント概要>
マニアフェスタvol.3
場所:アーツ千代田3331(東京都千代田区外神田6丁目11-14)
日時:2019年9月29日(日)
イベントurl:https://maniafesta.jp/vol-3-summary/
【東京ー石川500km徒歩の旅(第2弾)について】
2017年6月に行なった東京から石川までの徒歩の旅、第2弾を行います。今回はコースを変えて、北陸新幹線沿いのルート約500kmを、8月31日〜9月14日までの2週間で歩きます。前回の旅はこちら。
今回のテーマは、加賀人探し旅。東京23区(東大赤門加賀藩邸跡)から石川県加賀市までの道中、石川県加賀市出身者の人を探して話を聞き、その出会いと気づきを到着先の加賀市で報告するという企画です。この旅を通して、地域の魅力を再発見しようと考えています。
また、この旅には石川県加賀市には全く関係のない約30名のクリエイターがデザイン制作に関わったり、一緒に歩いてくれたりする予定です。旅がより面白くなりそうで、ワクワクしています。