2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

獅子頭は本物の動物の頭だった話

昨日は埋めてある豚の頭を土から掘り返して、それをモデル(半々さん)が持って、写真の先生(うつゆみこさん)が撮影をしているのを見学するワークショップに参加した。 とても刺激的だった。毎週続けていて、もう6回目とかで、まだまだやるらしい。 豚の…

置賜地方の獅子舞、百足獅子の系譜を探る

山形県の置賜地域は、明治初期の旅行家·イザベラバードが「東洋のアルカディア」や「エデンの園」と称えたほど豊かな暮らしと農村が広がっている地域だ。東北で唯一この地を称賛したのはなぜだったのか。おそらく中央政権の力が及びきらず民衆の力が強い土地…

日本最古級の獅子舞は田楽との結びつきが強かった?浅草三社祭の「びんざさら舞」を考察

柳田國男の『獅子舞考』を読んで以来、獅子舞と田楽の関わりについて気になっている。喜多村信節の『筠庭雑考(いんていざっこう)』では、田楽で舞う獅子舞について、西域亀茲国を経由して輸入したものだと述べているが、日本の獅子舞はこの田楽法師の漂白…

飛騨高山獅子舞考

飛騨高山エリアの獅子舞文化に興味を持った。発端は毎年5月10日に行われる飛騨側の北アルプス開山祭である播隆祭で鶏芸(とりげい)と呼ばれる芸能と獅子舞がセットで披露されるということを聞いたからだ。鶏芸とは鳥の羽を頭にくっ付けて踊る芸能らしいが、こ…

民俗写真史を振り返り、記録と表現の狭間を考える

民俗学という学問にとって写真はどのような位置付けで考えるべきなのだろうか。芸術なのかそれとも記録なのか。曖昧な境界を先人たちは様々な立場で論じていた。石川直樹『宮本常一と写真』(平凡社·2014年)の内容にそって振り返る。 宮本常一と写真 『民俗学…

木造獅子頭の研究史について

日本の木造獅子頭の研究史においてまず挙げるべき人物は、田邊三郎助(田邊 1981・1986・1997)、臼杵華臣(臼杵 1984)、門屋光昭(門屋 1981年)の3人である。それぞれ、どのような研究成果があったのかを、蔭山誠一『愛知県日置八幡宮所蔵木造獅子頭考』…

鹿酒とは何か?しし踊りの古層を諏訪にみる

諏訪には御左口神という古代からの神がいる。この神としし踊りとはどこか密接なつながりがあるように思えるので書き記しておく。発端は中山太郎著『タブーに挑む民俗学』に出てくる造酒法の話である。古代日本では、御綱柏と造酒に意外な関係性があった。八…