稲村行真 Yukimasa Inamura ブログ「旅してみんか」

「伝統文化の魅力」を広めています。日本の伝統的な木造建築の古民家とその街並み、山奥の少数民族の村、過疎地どこでもフットワーク軽く旅をしております。

【東京-石川500km徒歩】12日目 富山県魚津市~富山県砺波市(52km)

楽あれば苦あり。9月11日は徒歩の旅中でもっとも辛い日だった。朝の4:30から歩き始め、歩き終わったのは深夜の24:30。前日が最長距離と考えていたものの、この日が実は最長距離になってしまった。僕が今まで生きて来た中で、一番長い距離を歩いた日でもあった。加賀出身者に話を聞くことができたのは唯一の救いであったが、それ以外は苦しさしかなかった。

 

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朝は早い。安全な場所にテントを張っているのだが、テントを張っていることを誰かにちょくちょく見られているという妄想が頭から離れないくて、なかなか落ち着かない。車のライトが迫ってくると、怒鳴られるんじゃないかと思って、テントを畳もうとするも、間に合わなくて結局何も起こらないというのが続いた。朝4:30には完全に目覚めてしまったので、歩き始めることにした。

 

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雲は厚く山を覆い、どんよりした空気の中を進んでいく。あの山の向こうには、もっと高い山がある。深く深く広がる山は自分の想像力や好奇心を掻き立ててくれる。

 

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突如、天から何かが舞い降りてくるかのような日差しが降り注いだ。光は斜めに直線的に数分間地上を照らし、自然の気まぐれと神秘を垣間見たような気がした。自然現象は人間にとって、制御できるものでは決してなく、かと行って過度に畏怖するほどに科学が未発達なわけでもない僕らの社会において、突如あらわれる予想しなかった自然の美しい瞬間的な煌めきをせめて大事に生きていきたいと思った。

 

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富山駅に近づくにつれて、賑やかな街並みが広がっていった。まだまだ開発され尽くしていない街並みに喜びを覚えたし、大衆感ある食堂や飲み屋もなかなかに多かった。

 

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温泉に入って、コインランドリーに行って、銀行に行って、久しぶりに街に出たのでテンションが上がり、あちこち寄り道した。やっぱり、富山駅周辺は僕が今回旅して来た道中では、久々に大きな街に来たという感じがした。

 

 

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富山駅についた。とても綺麗な街並みだ。ここで、富山大学でPLUS KAGAの3期生の桃ちゃんと会うことになっている。桃ちゃんは石川県加賀市大聖寺の出身で、徒歩の旅の道中3人目の加賀市出身者と会えることになる。どんな話が聞けるのか、とても楽しみだ。

 

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集合して、開口一番、「日焼けしましたね〜!」と言われて、ああいつの間にか僕も日焼けしていたんだと気がついた。ご当地グルメのお店を紹介してくれて、あまり並ばなくて済むブラックラーメンのお店に決めた。黒く焼けた僕がブラックラーメンを食べるというなかなかシュールな光景が生み出された。

 

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桃ちゃんに、加賀の好きな風景について聞いてみたところ、江沼神社が静かで落ち着くと言っていた。ゴール地点の大聖寺は昔沼だったらしい...知らなかった。

 

他に、自分になかった視点としては、友達関係が長く続くということだった。都会に比べると大聖寺のような地域は保育園から大学まで一緒の人がいるという場合もある。ずっと会いたい人と会える環境があるのは素晴らしい。

 

あとは、やはり、若い視点で見たときに、まだまだ活動している若い世代のことが地域の人に伝わっていないのが勿体無いとのことだった。PLUS KAGAのような大学生のプロジェクトやのほか、活躍している高校生のことを地域の人が認知していけたらもっとよくなるし連携が進んでいく。これからもPLUS KAGAの延長で、地域に関わり続けていきたいという話もしていた。

 

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桃ちゃんとの食事を終え少し歩くと、再び田舎道に戻った。景色はよいのだが、徐々に天気が崩れて小雨が降ってきた。

 

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空が暗くなってきた。雨は小雨から大雨に変わり、ザアザア降りになってきたので、カッパを着て、リュックにカバー取り付けて、重い足取りを歩いていく。普段であれば、すぐに止むことが多い雨も、この日はなかなか止まなかった。 

 

防水の靴も水溜まりに浸かって、びしょびしょになり、カッパの中まで水が入り込んでくる。昨日は全くなかった足の痛みがよみがえってきて、新しくマメができたような指が張った感覚がある。終いには水を頭から被ったように全身がびしょびしょになり、カバンの中の物がすべて濡れてしまった。

 

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休んで歩いてを繰り返していると、日が暮れてしまった。一人で過ごす寂しい雨の夜。回りには街灯がなくて、やがて山を越える道に差し掛かった。たまに通る車のライトだけが命綱だ。

 

突然月明かりに照らされた草木が大きな馬の形をして現れた。トロイの木馬のように見えて、いまにも襲いかかって来そうで、身震いがした。横の森から熊でも現れたらまずいなと思って、足取りを早めた。


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夜21:00頃、奇跡的に山の中にLAWSONを発見した。建物の明かりに心が躍り、食パン6枚切りのものと、サラダとチーズを買って、サンドイッチみたいにして食べ尽くした。空腹は疲れに影響するので、それは防ぎたかった。店員は不思議そうに自分を見つめていた。

 

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それから、足がふらふらになりながらも、歩き続けた。ここでテントを張ったら熊が出るという妄想が頭から離れない。途中、Googleマップ通りに道がなく、通行止めなどあり焦った。

 

 眠気と共にめまいが出てきて体が左右にゆれはじめ、田んぼの溝に落ちるから眠気を催さないように走って歩いて、休むという激しい動作を繰り返す。 こんなに辛い旅などこの世にあるものか。 座ればすぐに眠ってしまうので、顔を叩きながら休むしかない。

 

果たして、砺波のチューリップ公園についたのが、24:30頃。朝を出発したのが4:30だったので、歩いていた時間を考えると呆然とする。さっさと休んで寝ようと思ったが、テントの隙間から雨が入ってくるのでなかなか寝れず、それを眺めながら防ぐすべを色々考えた後、カッパを被せて寝た。テントの隙間の部分を眺めながらいつの間にか寝ていた。

 

 

【本日のルート】

東京ー石川 徒歩の旅

12日目

富山県魚津市~富山県砺波市

52km

81597歩

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【お知らせ】

今後の出店情報

石川県加賀市や東京都などで、徒歩の旅グッズを販売します。直近では、「徒歩マニア」という出店者名で、秋葉原アーツ千代田3331でのイベント出店が決定。徒歩の旅や石川県加賀市のことを知ってもらう機会を作ります。オンラインでの販売も開始予定です。

 

<イベント概要>

マニアフェスタvol.3

場所:アーツ千代田3331(東京都千代田区外神田6丁目11-14)

日時:2019年9月29日(日)

イベントurl:https://maniafesta.jp/vol-3-summary/

 

【東京ー石川500km徒歩の旅(第2弾)について】

2017年6月に行なった東京から石川までの徒歩の旅、第2弾を行います。今回はコースを変えて、北陸新幹線沿いのルート約500kmを、8月31日〜9月14日までの2週間で歩きます。前回の旅はこちら

今回のテーマは、加賀人探し旅。東京23区(東大赤門加賀藩邸跡)から石川県加賀市までの道中、石川県加賀市出身者の人を探して話を聞き、その出会いと気づきを到着先の加賀市で報告するという企画です。この旅を通して、地域の魅力を再発見しようと考えています。

また、この旅には石川県加賀市には全く関係のない約30名のクリエイターがデザイン制作に関わったり、一緒に歩いてくれたりする予定です。旅がより面白くなりそうで、ワクワクしています。