稲村行真 Yukimasa Inamura ブログ「旅してみんか」

「伝統文化の魅力」を広めています。日本の伝統的な木造建築の古民家とその街並み、山奥の少数民族の村、過疎地どこでもフットワーク軽く旅をしております。

【東京-石川500km徒歩】11日目 新潟県糸魚川市~富山県魚津市(48km)

9月10日は新潟県糸魚川市のラベンダービーチからスタート!富山県糸魚川市を目指す。徒歩の旅の道中もっとも距離の長いコース(約50km)になったものの、意外と全く疲れないという不思議な日で、海岸線沿いの風景に酔いしれるという一日だった。

 

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朝4時30頃に目覚めた。ラベンダービーチの海岸を歩いていると、桃色に染まった遠く続く空と海と大地が一日の始まりを教えてくれた。このように美しい海はなかなか見られるものではない。

 

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海岸線は長い。誰もいない早朝の海岸を歩く。澄み切った空気がなんでもない一日を特別なものにしてくれる。地球からもらったプレゼントをしっかりと味わっておきたい。

 

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空と海と大地はやがて、桃色から青色に姿を変えていく。世界の色をこんなにガラッと変えてしまうなんて。太陽というのは なんて尊い存在なのだろう。

 

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ただただ、海を眺めながら歩いていく。海を眺めるしかやることがない。前日まで、海を見続けると飽きてしまうのではないかという仮説を考えていたのだが、そんなことは全くなく、むしろ没頭して時間が経つのが早い。徒歩の旅をしていると、普段と時間の使い方が全く違うのだ。

 

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 海をひたすら眺めていると、釣り人を発見した。なだらかな海岸線に突如現れる2つの点。我々人間がいかに小さい存在かを実感する。

 

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 海岸線沿いはこういう道を歩いている。誰も歩いている様子はなく、虫や蜘蛛の巣がくっついてくる。たまに歩道が途切れると車道を歩く。

 

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海岸に降りる階段があったが、ぶっ壊れていた。 

 

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 今日は、トンネルが多い。対向車が来たら壁に張り付くなどして、頑張ってその場をやり過ごす。

 

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いよいよ、天下の険、親不知(おやしらず)が近づいて来た。険しい岩と海。この難所を乗り切るには、相当な覚悟と技術が必要だったと言われている。

 

かつては、聖徳太子木曾義仲がこの親不知越えを目指したが、結局叶わずに都に引き返したというエピソードさえも残っている。そのため、この地を「駒返し」というらしい。

 

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親不知を眺めていると、悲しくなって来た。現代に生きる僕たちは、道路ができたために、この地を簡単に通り抜けることができる。昔の人の苦労もありがたみもわからず、便利な社会を享受しているという事実を知るすべがない。便利になることが果たして本当に幸せなのだろうか。

 

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母子像が建てられていた。母親は子供を構う暇もなく、この地を必死で通り抜けようとしたということらしい。打ち寄せる波に怯え、多くの人が命を落としたに違いない。

 

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ウェストン候の碑も建てられていた。日本の登山を活性化させたウエストン。この親不知を北アルプスの始点と定めたらしい。登山好きの自分としては、重要な場所に立ち寄れて良かった。

 

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昼近くになり、海は明るく、透き通っていた。

 

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親不知をすぎると、突如暗くて不気味なトンネルが現れた。「浄土」と看板に書かれていた。この世ではない雰囲気が漂い、気を引き締める。

 

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トンネルの中には、水や鉄やら泥やらいろんなものが混ざり合って、排出されたような跡が付いていた。穴の中から何者かが出て来そうな雰囲気だ。

 

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遠くから見るとこんな感じだ。幽霊がゆらゆらと飛び交い、壁に貼り付けられたような想像をしてしまって、なかなかに恐ろしい場所だと思った。

 

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トンネルを抜けると、楽園が広がっていた。市振という場所で、道の駅に入り休むことにした。

 

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朝定食が550円で食べられた。イカがとても柔らかくて美味しくて、港町の食事だなと感じた。食堂のおばちゃんに徒歩の旅のことについて話をすると、熱心に聞いてくださったので、フライヤーを渡しておいた。

 

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ついに富山県に入った!いきなり「たら汁」のお店がたくさん現れて焦った。たくさん先ほどご飯を食べてしまったので、ここでは何も食べずに次に行くことにした。「たら汁」はその名の通り鱈の汁で、冬に食べると美味しいだろうと思った。

 

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途中、コインランドリーにパチンコが併設されているお店があった。洗濯している間に楽しめるようにという配慮だろうか。きちんと儲けを出す工夫でもある。

 

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富山に入ると、海岸線の様子が変わった。「ヒスイ海岸」という場所に行ってみたが、「砂浜」よりは「石浜」という方が正しいような感じで、小石がゴロゴロとある海岸線が長く続いていた。ここでは、「翡翠(ひすい)」という宝石が採れるらしい。探してみたが、見つからなかった。

 

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おじさんたちは釣りをしていた。遠くを見つめながら、淡々としていて余裕があり、とてもかっこよかった。

 

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富山に来たのだから、北陸の味「8番ラーメン」は食べておきたいと思い、お店に入った。

 

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8のマークが目印の8番ラーメン。比較的あっさりとしていて、細麺でさらっと食べられるようなラーメンだった。

 

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午後は、海から田んぼの風景に変わった。そろそろ稲刈りの時期だろうか。汗水流して働いている農家の人を見ると尊敬する。

 

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さて、いよいよ目的地の富山県魚津市だ。今日は朝からもうすぐで50kmを歩いていることになる。しかし、不思議なことに全く疲れていない。足もよく動くし、痛みもない。

徒歩の旅11日目にしてやっと来たこの感覚!ようやくだ!本当に長かった...。足がハイになって、もうどこまでも行けるような感覚を得た。砂漠をずっとずっと歩いていけるようで、24時間歩くマグロにでもなれそうな気持ちになってテンションが上がった。

 

おそらく要因としては、足のマメが落ち着いて来たのと、マメに圧力をかけて歩いていたので痛みを封じ込めてしまったのかもしれない。身体中が元気になってエネルギーがふつふつと湧いてくる。

 

結局、夜23:00くらいまで歩いた後、魚津の南の端で温泉のある付近にテントを張って寝た。今日は、海を堪能して歩くことに没頭するという1日だった。明日からは、加賀出身者にも連続で会えそうなので楽しみだ。

 

【本日のルート】

東京ー石川 徒歩の旅

11日目

新潟県上越市から新潟県糸魚川市

48km

68122歩

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【お知らせ】

今後の出店情報

石川県加賀市や東京都などで、徒歩の旅グッズを販売します。直近では、「徒歩マニア」という出店者名で、秋葉原アーツ千代田3331でのイベント出店が決定。徒歩の旅や石川県加賀市のことを知ってもらう機会を作ります。オンラインでの販売も開始予定です。

 

<イベント概要>

マニアフェスタvol.3

場所:アーツ千代田3331(東京都千代田区外神田6丁目11-14)

日時:2019年9月29日(日)

イベントurl:https://maniafesta.jp/vol-3-summary/

 

【東京ー石川500km徒歩の旅(第2弾)について】

2017年6月に行なった東京から石川までの徒歩の旅、第2弾を行います。今回はコースを変えて、北陸新幹線沿いのルート約500kmを、8月31日〜9月14日までの2週間で歩きます。前回の旅はこちら

今回のテーマは、加賀人探し旅。東京23区(東大赤門加賀藩邸跡)から石川県加賀市までの道中、石川県加賀市出身者の人を探して話を聞き、その出会いと気づきを到着先の加賀市で報告するという企画です。この旅を通して、地域の魅力を再発見しようと考えています。

また、この旅には石川県加賀市には全く関係のない約30名のクリエイターがデザイン制作に関わったり、一緒に歩いてくれたりする予定です。旅がより面白くなりそうで、ワクワクしています。