こんにちは、イナムラです。本日は徒歩の旅5日目。 長野県軽井沢町から上田市まで歩いた。途中、冷や汗タラタラのハプニングもあったがやっとこさ乗り切り、44km歩くことになった。
高原地帯の花彩る道を進む
軽井沢の駅近くにある矢ケ崎公園という場所で朝を迎えた。
テントを張って寝ていると、最近は午前2時くらいに寒くて目がさめる。熟睡できない寒さが最近の悩みの種である。
あとは、さわさわさわという足音。ただ単に風が雑草をなびかせているだけだと思うが、その音がまるで不審者がテントを触っているかのように聞こえて来て、いつも不安だ。
あと、とにかくテントは人の邪魔にならないところに張るというのが基本だ。張る時と片付けるときは、基本素早く行動し、忘れ物などがないかをチェックしなければならない。基本は人間が寝る23:00以降に張り、活動を始める朝5時台には片付けるものだ。
さて、軽井沢を後にして、小諸に向けて歩いていく。これは、外壁がおしゃれなお店。この石の形、ぞわぞわする。
こういう木がたくさん張り付いているやつもある。木がロッククライミングをするかのように上に上に伸びていく。軽井沢のお店は個性が強くて素敵だ。
軽井沢の道は基本的に綺麗で、景観が保全されている。花は行儀よく、こじんまりと正座しているようである。
一方でこちらの花々は、歩行者におーい!と迫ってくるように首を斜めに伸ばしてくる。
小諸への道のりは、浅間山の裾野を歩いていくことになる。あまりにも山が大きすぎて、自分が歩いているところが、山のどの部分にあたるのかがわからない。しかし、裾野を歩いていると、異世界に来たような気分になって、高揚感が湧いてくるのである。
小諸までの道のりは、スーパーやコンビニ、飲食店が少ない高原道。自分で楽しみを作り出さねばならない。犬村くんを持って花々と一緒にぬいどりをしてみる。
途中、稲村という看板があった。お!とふとした感動を抑えきれず、犬村くんと写真を撮る。稲村という名前を見かけるのは基本的に、「稲村ジェーン」か「稲村ヶ崎」くらいなので、うれしい。
途中、トイレに行きたかったが、場所がないので、運送会社のトイレを使わせてもらった。ヒゲボーボーのよくわからない若者が来たと思ったであろうが、金髪のにいちゃんは笑顔で、「ここの人間じゃないのでよくわからないけど、どうぞ使ってください。」と言ってくれた。こういうゆるさが良い。
流石に、運送会社の自販機は安かった。長野って「ハッピードリンクショップ」という自販機がたくさんある。やっぱり、疲れた時の炭酸は最高である。頭の頂点にグワーンと疲れが抜けていく感じがする。
小諸の駅まで行きたかったが、時間が押していたので、国道沿いを寄り道をせずに突き進む。上田につきたい!という一心で、道を進む。国道に出ると、見慣れたチェーン店ばかりで昼飯をどうしようか悩む。たくさん食べられるチェーン店か、どこか探して、量が少なくても地域の食を堪能すべきか。
結局、スーパーでいつも空腹感を満たすために買う、スイートブールというでかいパンと、信州らしいくるみ餅を食べる。節約しようとすると、炭水化物ばかりで、野菜などが全然とれない。
くるみ餅、やっぱりおいしい。餅のフワフワ感と、くるみのカリカリ感が合わさると美味しい。いつも思うのだが、柔らかいものと硬いもの、塩っぽいものと甘いものとか、両極端なものを組み合わせると美味しいものだ。
それから、道端にりんご園がたくさんある地域についた。長野県の東御という所らしい。こういう直売所はいつも出会いがあるので、何も考えずに入ってみた。
リンゴを一個80円でいただいた。小さいが甘くてみずみずしくて美味しいリンゴだった。店のおばちゃんに旅の話をすると、フライヤーをもらってくれて、応援するよ!と言ってくれた。
それから、歩を進めていくと、ナノブロックの工場があった。建物自体が、ブロックっぽくて、流石だなと思った。
庭には、ブロックで作られた虎やうさぎや、コアラなど、たくさんの動物が生息しており、ぎっしりと詰められている感じがなんか感動した。こんなにたくさんのブロックを使って、1つの動物を作っているのだなと。そう考えると、人間もいつもは無意識だけど本当にたくさんの細胞から作られていて、尊い存在なのだと思い返した。
それから、歩いていて、突然やらかしたことに気がついた。なんと犬村くんのぬいぐるみが無いのである!いつもぬいどりなどで大活躍だったし、みんなの想いが詰まっている犬村くんなだけに、かなり焦った。そして、りんご園だな!と検討をつけた。
2kmを走って戻ってみると、すでに店はしまっていた。
「すみませーん」と大声で叫んでも反応はない。
「すみませーん」
「すみませーん」
と悲痛の叫びに変わっていく。
外から見ると、お店の名前の看板があったので、HPを検索しそこに電話してみたが、シャッターの中から着信音が聞こえるだけで、反応はない。そこで、代表の人の携帯電話番号をネットサーフィンしまくって探し当て、無事に電話が繋がった。
15分後にトラックで戻って来てくださり、大変お手数をおかけしましたと言って犬村くんのぬいぐるみを受け取った。本当にありがたい。戻って来てよかった。旅先って本当に忘れ物とかなくし物が多いので、気をつけねば。
それから、往復4kmの遅れを取り戻すべく、ひたすら歩いた。雨がたくさん降って来た。防水の靴がビシャビシャになるくらい酷かった。そして、やっとこさ上田駅に着いたのが21:30ごろ。本当に本当に目的地までたどり着けてよかった。
真田幸村の銅像と写真を撮っておいた。行こうと思っていた温泉が日帰り入浴をやめてしまったみたいで、ご飯を食べて寝ることにした。
本家が上田にあって、2日目に一緒に歩いた清水さんにお勧めいただいた、六文銭真田幸村というお店に行った。とても昔懐かしい味のある雰囲気のお店である。
そこで食べたのが、このとろっとろのカレーライス。ラーメン屋さんなので、ラーメンのつゆをカレーに入れているんだとか。体があたたまり、ホッとした。それから、上田城に移動して、テントを張って寝た。
今日はハプニングもあり長い距離を歩いた上に、後半雨だったので辛かった。しかし、それなりに道中も楽しむことができたし、なんと言っても高原の清々しい空気感が心地よいルートだった。明日は、長野県長野市を目指す。
【本日のルート】
東京ー石川 徒歩の旅
5日目
44km (犬村くんのぬいぐるみを取りに2km戻る)
65363歩
【お知らせ】
石川県加賀市へのゴールについて
9月14日(土) 11:00
場所:FUZON KAGA Cafe and Studio(石川県加賀市大聖寺魚町21)
内容:ゴールテープを貼っていただき、地域の方や運営メンバーなどが見守る中でゴールして、徒歩の旅を完了。稲村が感謝の言葉を述べる。
石川県加賀市での徒歩の旅報告会について
9月14日(土) 12:00~13:00
人数:30名程度を想定
内容:ゴール後にタビト學舎の教室に移動して会場準備。稲村が道中での出来事や出会いを報告し、旅の振り返りを行う。時間は1時間で、この模様はライブ配信も行う。
【東京ー石川500km徒歩の旅(第2弾)について】
2017年6月に行なった東京から石川までの徒歩の旅、第2弾を行います。今回はコースを変えて、北陸新幹線沿いのルート約500kmを、8月31日〜9月14日までの2週間で歩きます。前回の旅はこちら。
今回のテーマは、加賀人探し旅。東京23区(東大赤門加賀藩邸跡)から石川県加賀市までの道中、石川県加賀市出身者の人を探して話を聞き、その出会いと気づきを到着先の加賀市で報告するという企画です。この旅を通して、地域の魅力を再発見しようと考えています。
また、この旅には石川県加賀市には全く関係のない約30名のクリエイターがデザイン制作に関わったり、一緒に歩いてくれたりする予定です。旅がより面白くなりそうで、ワクワクしています。