稲村行真 Yukimasa Inamura ブログ「旅してみんか」

「伝統文化の魅力」を広めています。日本の伝統的な木造建築の古民家とその街並み、山奥の少数民族の村、過疎地どこでもフットワーク軽く旅をしております。

【石川県加賀市】1期生いなむーから見たPLUS KAGA 4日目・小塩辻、片山津、動橋を訪れました!

こんにちは、最近はやせたと言われる、いなむーです。PLUS KAGA 4日目 (8月8日)は小塩辻、片山津、動橋に行ってきました。その時の様子をご報告します。

 

ヤギを飼い、ふるさとを再生する宇谷さん

まずは小塩辻へ。除草のためにヤギを飼い始めたという宇谷さんにお話を伺う。里親の決まっていない4頭の子ヤギを引き取ることからこの活動は始まった。

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ヤギの牧場を見ながら、活動の実態を伺う4期生。現在は頭数も10匹以上に増えた一方で、エサ代などの経費がどんどんかさんでいくという課題がある。

 

そんな中で、宇谷さんはヤギを町おこしに活かせないかと考えている。「ふるさと再生ヤギプロジェクト」と名付けて、これから何をしようか考え中とのこと。梨もぎ体験など、他の地域の資源も活用しながらセットで提供できるかもしれないとアイデアを模索しているようだ。

 

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ヤギはのんびりとくつろいでいて、追いかけっこをやったり、草を食べたりと過ごしている。

 

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小塩辻の公民館で、宇谷さんと4期生で、ヤギを活用して何ができそうかディスカッション。ザキヤマダ(4期生)はヤギミルクの石鹸を提案。オシャレな総湯グッズなどに活かせるのではというアイデアを提案していた。また、観光の一貫として、農園とセットでヤギと触れ合う体験なども提供できる可能性がある。宇谷さんにとってヤギはとにかく癒される存在で、もっとヤギを生かして地域に活気をもたらしたいと考えている。

 

台湾からPLUS KAGAの見学で来てくださっているマットさんとチンさんも熱心に聞いていた。お2人は台湾の大学の先生をされていて、地域と大学を繋げる研究と実践をしているという。

 

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 最後にヤギポーズで記念写真を撮った。

 

柴山潟周辺の農業と漁業について考える

次に向かったのは、湖北小学校。とても自然豊かで気持ちの良い小学校だ。この小学校の敷地内には授業で使う体験農園があり、小学生自ら田んぼを管理して、お米を育てている。この取り組みについて、加賀有機農法研究会のメンバーである田中さんと村田さんにお話を伺った。

 

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加賀市は柴山潟周辺の田んぼ(湿地)の※ラムサール条約指定を目指している。それに向けて、この田んぼも整備しているとのこと。周辺環境を良くしようということで無農薬の農業を推進している。農林21号という品種のお米を育てているそうで、花粉が飛んでこないような場所で種取りをするための田んぼだという。

 

ラムサール条約は、水鳥を始めとした生態系の保全を目的に整備されている、湿地を保全する国際条約

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この無農薬の田んぼを整備することで、カモが飛来する場所ができる。冬は普段、あぜ道を作りやすくするために田んぼを乾かすのが普通だが、「冬水田んぼ」と言って冬季に水をあえて張ってカモを飛来しやすくするそうだ。

 

 

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それから、小学校から移動して、広い無農薬の田んぼを実際に見学した。今日はとても晴れていたからか、とても気持ちいい場所だ。遠くの山々を眺めながら自然を相手に仕事をするってなんかいいなと思った。

 

お米の販路の話になった。買ってくれる人は、知り合い経由がやはり多いようだ。それゆえに加賀市のお客さんは新規開拓が難しいとのこと。ネット販売や海外への販路拡大をしてみてはという意見も挙がった。台湾からPLUS KAGAに参加してくれているアビー(4期生)は、富裕層が日本の良いお米を買っていくと言っていた。ザキヤマダ(4期生)も富裕層向けに売る企画に興味を示していた。

 

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最後に集合写真をパシャり。ナイキのマークっぽくなったが、良い感じに撮れてよかった。

 

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 お昼は池端というお店でお魚などの美味しい料理をいただいた。ここの家の作りは木造でとてもカッコよく、壁の内装が赤いのは格式の高い家である印のようだ。

 

 それから、坂本さんに柴山潟という湖の漁業について教えていただいた。実際にライフジャケットを着て、船に乗せてもらいとても貴重な経験をさせていただいた。

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船に乗って、記念写真をパシャり。

 

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坂本さんは本業が農家。毎朝早起きして5時半から8時の時間帯に柴山潟へ出て漁をしてから、帰って農業をするという生活をしている。80箇所の仕掛けを毎日確認し、全てに獲物がかかっていないこともあるという。しかし、伝統的な漁業が衰退していくなかでもっと盛り上げていこうと活動している。

 

現在、坂本さんのように柴山潟で漁業をしている方は5人いるそうで、3人は小松市、2人は加賀市の人だという。湖に立てた棒を目印に自分の漁場を示してお互いの領域に介入しないようにしている。コーディネーターの三島さんが「自分の場所、わからなくならないんですか?」と素朴な疑問を投げかけていたが、そういう心配はないらしい。個人的には、この棒にそれぞれの人の顔のイラストを描いたラミネートでも貼り付けてみたら良いのではと思った。

 

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それから、町民会館でみんなでディスカッションを行なった。農業も漁業もどう外の人に魅力を伝えていくのかが大事だ。

 

ないき(4期生)は、「漁業している水が農業の水にもつながっている。漁業体験や農業体験をセットにすることで、美味しいご飯のありがたみがわかるのではないか。」という提案をしていた。和歌山でも収穫の手伝い募集などの事例もあり、そういうものを事例として参考に考えてみたいとのこと。やはり、大学生達も実際に体験してみると、色々アイデアが湧いてくるようだ。

 

動橋でまちづくりの合意形成について知る

今日は最後に、動橋地区のまちづくりについてフィールドワークを行なった。最初は動橋駅を見学するところから始まった。

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動橋駅は無人駅で、とても情緒あふれる駅だ。電車の出発の時に流れる音楽、夕方に見える夕日、建築的なかっこよさ、寂れ感、いろんな要素が合わさって心に訴えかけるものがあった。

 

市役所上出さんが、「雪の日に階段で暖まりながら電車を待つ列ができる」というエピソードをおっしゃっていて、とても印象に残っている。こういうストーリーによって駅の良さが多くの人に伝わったら良い。

 

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 駅のホームから見た夕日はこんな感じ。

 

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それから、地区会館で動橋のまちづくりについて地域の方々と夕食をご一緒しながら考えた。

 

アビー(4期生)からは「駅舎の中に八百屋さんや高校生向けの塾などを作っても面白い」という意見が出た。これに対して、地域の意見としては町民会館を作る候補として駅舎が挙がったことがあるけれども、JRの管轄でなかなか良い返事がもらえなかった経験もあるようだ。やはり、関わる人がどう合意形成を図るかがとても大事だと感じた。

 

また、PLUS KAGAコーディネーターの三島さんからは「地域の人のなんでもない日常生活が外の人を惹きつける。」という意見が挙がった。だから、観光地化をあえてせずに、自分たちのものにとどめておく。予算がついたもので何をするのか、まずは自分たちを豊かにして長い目で見て魅力的な街にしていくという発想だ。

 

やはり、地域の方は若い人に動いて欲しいという想いがある。グズ焼きという祭りの青年団も少なくなってきて新しい人が入らない。特に女性を巻き込んでいきたい。そのために、外の人が地域に入りやすいような環境整備も大事だ。

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最後にこの時考案したグズ焼きポーズで記念写真。新幹線開通を見据えて、人口減少が進む地域をどうするのか、これからも動橋の取り組みに目が離せない。

 

フィールドワークは今日で終了

さて、今日はここまで。小塩辻のヤギがいるのんびりとした雰囲気に浸り、片山津の熱意溢れる農業・漁業の現場に触れ、動橋でまちづくりにどっぷり浸かるという、今日も盛りだくさんの1日だった。明日は4期生全員が個別に、加賀市各地の日常生活に触れるローカルステイを行う。引き続き、コラムでその様子をお送りする。

 

 

【本コラム「1期生いなむーから見たPLUS KAGA」について】

こちらは、PLUS KAGAのサポートチームに新しく加わった1期生の稲村行真(いなむらゆきまさ)が、個人的な視点からPLUS KAGAを語るコラムです。ここでは、普段は伝えられないPLUS KAGAの運営の裏話をこそっと皆さんに教えちゃいます。

 

 

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執筆:稲村行真(ぼく・いなむー・イナムラ)

PLUS KAGAには2016年に1期生として参加。それ以来、個人プロジェクトの実施で石川県加賀市に関わり続けている。今までの実施企画は、東京から石川まで2週間で歩いて古民家を取材する「古民家冒険project」(2017年)や、加賀市各地区の獅子舞を取材して写真のアート作品を残す「KAGA SHISHIMAI project」(2019年実施中)などがある。今年はPLUS KAGAサポートチームとしても、石川県加賀市を盛り上げていく。