稲村行真 Yukimasa Inamura ブログ「旅してみんか」

「伝統文化の魅力」を広めています。日本の伝統的な木造建築の古民家とその街並み、山奥の少数民族の村、過疎地どこでもフットワーク軽く旅をしております。

【55~57日目】中国の福建土楼へ!かつてないほどの試練と刺激を味わう旅となった!

福建土楼最奥の地で見たライトアップ。

人間は、笑顔の裏に何を考えているかなんてわからない。

信じるしかない。

ひたすら信じていれば、応えてくれるのか。

そこにセンスが必要なのか。

そんな簡単なもんじゃない。

中国は、僕に試練と刺激を与えた。

 

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 6/20(水)

台北から金門島まで飛行機で、そこからフェリーで、合計半日あれば中国の廈門にたどり着く。福建土楼に行くには、廈門がバスの拠点となる。今晩はここで泊まり、次の日の福建土楼行きに備える。

 

夜の廈門はとても印象的な街だった。

バスがよくわからないので、市街地まで歩く。

雨に降られ、なかなか思うように歩けない。

弾丸中国旅は、本当に正しい選択だったのだろうか。

こんなに欲張る必要なんてなかったんじゃないか。

心の声に耳を傾けて、道端に座る。

足元を見つめれば、宝石はたくさんあれど、

福建土楼という場所の底知れぬ魅力に想いを巡らせ、重い腰をあげる。

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フェリーターミナルから1時間ほど歩くと、キラキラ光る市街地が見えてくる。

これが、廈門の街か!!!

中国人は「光」が好きなのだろうか。

巨大なビルとまばゆい光に、中国という国の規模の大きさと個々の主張を垣間見た。

このネオンは、人々に遊び心を掻き立てるように誘惑をしてくる。

広大な大地に眠れる夜はない。

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市街地の一角にあった商店街で、晩御飯。

食事するところが多くて助かる。

逆にどれを選んだらいいかよくわからないので、こういう時は地元の人がたくさん入っている店に入る。

中国エコノミーは、もはや拡大とアップデートを繰り返し、中国という大きな胃袋を延々と満たし続ける。

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うどんみたいなやつを頼んだ。

安くてうまい!!!

地元の人の舌に間違いはない。

少々辛かったが、ほとんどここ最近パンばかりでろくなものを食べてなかったので、刺激が体を満たしてくれた。

それにしても、中国では辛いものを食べる時、水を飲まないのだろうか。

お冷を出す文化というのがないらしい。

優しいお兄さんだったので、出してくれたがこういうところはおそらく珍しいだろう。

個人的に日本のお冷や文化は好きだ。

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近くにショッピングセンターがあったので入ってみた。

KFC、マクドナルド、スターバックスなど、様々なところを巡り歩いたが、

wifiが使えない!!!

全て接続できないのだ。

なぜだろうか、携帯もパソコンも中国では使えないのだろうか。

SIM買えばいいんだろうけど、今回はこの情報機器を使わない環境を楽しんでみようと思って、諦めた。

 

後から調べてわかったことには、グレートファイヤーウォールという機能で、政府の都合の悪い情報漏洩を避けるためらしい。

<中国で使えるもの>

EvernoteSkype、Yahoo検索、Yahooメール、Naverまとめ、ウィキペディア、Pocket、Feedly

<中国で使えないもの>

LINE、FacebookYoutubeTwitterSoundcloudGoogle検索、Googleのサービス(Gmail.GoogleMAP.カレンダー.Google+.アナリティクスなどなど)、Google playストア、DropBox、インスタグラム、ニコニコ動画

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そして、トイレに行きたくなったのでスーパーに駆け込むと、

和式しかなくて、紙がない!!!

トイレの場所を聞いても

日本語も英語も通じない!!!

当たり前だと思っていたことが、ここでは当たり前ではない。

頼りになるのは自分の身1つだと改めて知る。

面白いところに来たものだ。

この地では、webサイトを使わず、行きたいところに行く。

身振り手振りや筆談で場所を特定する。

スーパーから出てくるカップルを見ると、あそこまで会話が弾めば不自由など微々たるものだと考えさせられる。

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人づてに聞きまくって、福建土楼行きのバスターミナルを確認できたのは、

なんと深夜の1:00ごろ。

バスターミナル近くの芝生でカッパを着て寝た。

 

 

 

6/21(木)

廈門の中心の枋湖バスターミナルからは、福建土楼の入り口「永定」に向かうバスが出ている。あとは、個人のガイドを雇って点在している土楼群を見て回るしかない。最終的には、土楼の最奥地の宿で泊まることにした。

 

廈門の中心にある枋湖バスターミナルにて。

念には念を入れ、朝5:00には起きた。

というより自然に起きた。

地元の人が周りで喧嘩していた。

声が大きいし、こんなに自分のことを主張できる日本人は少ないだろう。

中国という巨大な国家から見れば、個人とはアリのようなもので、アリが遠吠えをするように自分の体の限りを尽くして主張する。

中国人は必死だ。

人間の激しい生き様と強さを目の当たりにして、

自分がいる環境が実はぬるま湯だったと知る。

 

ここから、74元でバスに乗ることができ、福建土楼の入り口の永定に向かう。

市内循環バスと長距離バスで発着場所が違うので、その点は注意。

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途中サービスエリア的なところに1回立ち寄る。

豆乳と甘酒の中間くらいの味の、この飲み物がすごく美味しかった。(4元)

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野菜を挟んだ肉まんみたいなのも美味しかった。(5元)

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徐々に田舎の風景になって行く。

田畑の区切りに旗を立てるのが中国流なのか。

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福建土楼

ドドン!!!

最初に出現したのが、この土楼。

ここでバスから降ろされたので、まずこの土楼に入ってみようと思う。

英語ができるガイドが1人しかいなかったので、任せることにした。

周辺の土楼を180元で全部連れて言ってくれるという。

少々高いが、せっかくなのでお任せすることにした。

 

福建土楼とコミュニティを語る上で外せない要素は、この要塞のような建築様式による排他性だろう。

盗賊団からの防御のための砦が進化して現在の形になったという。

この造りが内部コミュニティの親密性も生んでいる。

そしてこの円形の造りは平等を示す。

全ての部屋が全て同じようにデザインされ、祖先の廟を中心に向かうように設計されている。コミュニティの中の人間は対等だ。 

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周りは自然豊かで、生き物と人間が共生している。

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いざ中に入ってみると、かなり圧倒される。

日本の集合住宅と変わりのないような大きさの建物が、まるで闘技場のように中心だけぽっかり開けて建っている。

1階は訪問客のお土産販売か、一家の台所。2階は、穀物などの保管庫。3階以上は一族の居室で最大5階まである土楼もある。

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 周りの草木を取ってきたものは家の軒先に保管され、入れ物に入れて干されている。

ドアには、縁起の良い言葉が書かれ、赤色が必ずといっていいほど使われている。

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「福」の文字はなぜ逆さまなのか。

ガイドに聞いてみたが、よくわからないという反応だった。

階段からは上の階に上がれる。

ガイドによれば、通常はお金を取るが、俺の家だから無料で見せてやる!という感じで気前よく見せてくれた。

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上から見るとこんな感じだった。

右下にガイドが少し写っている。

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 壁は、土でできている。

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水の確保は、基本土楼内に数カ所掘られた井戸から行う。

ただし、一部洗濯はこのように外の川で行なっている。

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このあと、お茶屋さんに連れていかれる。

知り合いのお茶屋さんだから、無料でお茶が飲めるよというので、ついていった。

ものすごくフレンドリーな人だった。

福建土楼で、中島みゆきの曲が流れている?という話でもりあがった。

(自分は、中島みゆきの曲が流れているのをきいたが、その地域の人は中島みゆきのことを知らなかった。)

途中からセールストークが始まった。

お茶を買ってほしいというような感じの雰囲気になってきた。

自分が買いたいと思っていたお茶はなぜか売ってくれなかった。

葉っぱの一つ一つが大きいからまとめられないという。

それなら、このくらいのお茶が買いたいと違うお茶を交渉してみた。

そしたら、わかったと言って、量を多めにオーダーメイドで袋詰めを始めた。

お金がやっぱり必要なのだろうか。

やはりこの辺の人たちは、生きるのに必死なのかもしれない。

 

 

 

承啓楼。

こちらは、超巨大で、300人規模の土楼。

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有名人なども多数輩出して居るようで、中の造りも少し豪華。

このように、土楼によって少しずつ特色も異なる。

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裕昌楼。

こちらはなんと築700年。

この建物の歴史は非常に長い。

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徳遠堂。

地域に信仰されている有名なお寺らしい。

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最後は、田螺坑土楼群。

福建土楼最奥にして、最も生活感が残っている場所。

ここの土楼でさえも観光地化している感じは否めなかったが、周辺に広がる田畑や森の中にぽっかり集合住宅がある感じが、とても良い雰囲気だ。

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土楼には泊まれなかったが、土楼脇の旅館に泊まることにした。

 

宿では、泊まる日の昼ごはんだけ作ってくれた。

昼ごはんはチャーハンでとても美味しかった。

飲み物はないか?と聞くと、いつのまにかわざわざ豪華なスープを作ってくれていて、これを食べろという。

昼ごはん代が高くなったが、まあ美味しかった(笑)

 

土楼近くに泊まることによって、生活風景をじっくり観察できた。

夕方からは、カードゲームを始める地元の人々が散見された。

こうやって、居場所ができているんだと感じた。

夕食もこういう土楼の外にあるベンチで食べていた。

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夜になった。

宿では、地域の人がカラオケ大会みたいなものを始めた。

なんとなく夜ご飯を頼みづらくて、近くに飲食店などないので、

結局食べずに終わった。

仕方ないので、夜は1人で散歩に出た。

山の中腹の展望台から見た景色がこれだった。

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やはり、中国人は光るものが好きなのだろうか。

福建土楼は、地元の人も観光客も、中国人しか見なかった。

そこに1人乗り込んで来たよくわからない日本人にしてみたら、見るもの全てが混じり気のない新鮮さを放っていた。

とにかく、大胆で目立つものが多かった。

家の中でかける音楽が爆音だったり、家がライトアップでピカピカ光っていたり、しゃべる声が大声だったり。

僕がみた中国は、都会も田舎も何も変わりなかった。

そこには、大きな経済に翻弄され、必死で生き抜こうとする人々の姿があった。

 

福建土楼最奥の地で見たものは、中国経済の残照だった。

自然の中に、ポツリと立つ5つの土楼群は、決して静かなのんびりした牧歌的な場所ではなかった。

中国経済というギラギラした太陽の光は、日が沈んだ土楼をも残照として照らし続けていた。

正直、肌感は合わなかった。

こういうコミュニティは作りたくないと思った。

でも、その光こそが僕のドーパミンを刺激し、旅に面白さを加えていることは確かだった。

 

 

 

6/22(金)

福建土楼最奥の地を後にした僕は、よくわからない町にたどり着く。バスを乗り継ぎ、やっとこさ廈門の街に帰ることができた。金門島までは行きと同じ経路。金門島で、次の日のフライトに備え、就寝。

 

次の日の朝。

地域の人が小学生の息子を学校に送るついでに、近くの町まで送ってくれるという。

行きに来た道を戻ると、廈門まで遠回りらしいので、廈門までアクセスしやすい街まで送迎してくれるようだ。

あとあと送迎代を請求されることになるのだが(笑)

それはいいとして、一番困ったのが銀行に行ってもなぜか

お金が引き出せない!!!

ということだった。

この街には銀行が2つある。

ATMにはmasterカードが使えるという表記がある。

しかし、何度やってもお金が引き出せない。

 

山奥なので、ルートが限られて居る上に、通行料や観覧料、交通費などでいちいち予想外にお金を落とさないといけなかったので、所持金は25元を切っていた。

これは、江戸時代の旅人が関所を通る感覚と似ているのかもしれない。

 

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さて、どうしたものか。

色々考えた末に、近くの南靖という街まで行って、ATMを探した。

ATMこそなかったが、銀行に優しいかんじの若い女性がいて、台湾ドルと中国元を交換してくれて助かった。

やっとこさ南靖からバスに乗って廈門にたどり着き、行きと同じフェリーで金門島にたどり着いた。

 

今回の旅でわかったこと。

僕にとって中国とは、試練と刺激を与えてくれる国。

場づくりや文化づくりの点では、自分と全く肌感が違う。

伝統というバックグラウンドの重みが非常に強く、自然の豊かさも相まって、建築は魅力的。

もっともっと感覚を磨いて、社会にどうやって価値を提供できる人間になるか、創りたいもののイメージをはっきりさせていきたい。

7月中旬まで台湾。

これからも引き続きどんな旅が待ち受けているのか楽しみだ。

 

 

 

 

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<台湾」から福建土楼への道のり総括>

台北松山空港–金門空港(金門島):1288TWD

金門空港(金門島)−水頭碼頭(金門島):300TWD

水頭碼頭(金門島)−五通客運碼頭(廈門):740TWD

五通客運碼頭(廈門)–枋湖バスターミナル(廈門):walk

枋湖バスターミナル(廈門)−永定(福建土楼):74人民元

永定(福建土楼)−田螺坑土楼群(福建土楼群):180人民元

田螺坑土楼群(福建土楼群)–謎の村:10元

謎の村–南靖バスターミナル:10元

南靖バスターミナル–枋湖バスターミナル(廈門):35元

枋湖バスターミナル(廈門)–五通客運碼頭(廈門):2元

五通客運碼頭(廈門)–水頭碼頭(金門島):155元

水頭碼頭(金門島)−金門空港(金門島):walk

金門空港(金門島)→台中:1134TWD

 

交通費合計:21,770円

*台湾ドルは4倍、中国元は17倍で計算。

*片道約1万円・24時間ほどの道のりで行ける。