自分は何者なのか?
石川県加賀市では、ブロッコリーをとりながらひたすら考えていた。
でもそんなことはわからなかった。
地域に「人が集まる場」を作りたいのは確かだった。
遊び場に近いかもしれない。
その場にくると、人は素を出すことができ、自分の夢や希望を語り出す。
それいいね!やろう!とゆるゆると新しい企画が生まれる。
どこまでも自由で楽しい空間だ。
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僕は千葉県の松戸市出身だ。
小さい頃は団地で育ち、その中心には公園があった。
そこに行けばいつも誰かがいた。
一緒に遊ぶのは本当に楽しかった。
これが原点かもしれないと思った。
中学校、高校は勉強と部活の毎日。
人間関係は学校の中だけで閉鎖的になってしまったが、まあそれはそれで打ち込むことがあったということだろう。
それが、レールのように大学という進路を決め、大学に入った。
サークルは、飲み会ばかりだった。
就活の話ばかりで、どう自分を見せるかとか割とありきたりな話題が増えていった。
レールは常に機械的に敷かれていた。
人間がまるでロボットになったように思えた。
自分は何者なのか?
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ある時、ふと田舎に行きたいと思った。
岐阜県の村人が2人しかいない集落・越波を訪れた。
その時、初めて古民家に泊まった。
その場に居合わせた人たちで囲炉裏を囲み、自分の夢や悩みなどを語り合った。
開放的でくつろげる古民家という存在が、「場」をつくったと思った。
自分が求めていた場に対して大きな可能性を感じた。
それから、古民家鑑定士をとって、日本全国の古民家を巡った。
地域独自の素材を集め、繊細で高尚な技術が古民家の空間を体現していた。
古民家に住みたいと思った。
卒業論文は法学部なのに古民家のことについて書いた。
テーマは「古民家の価値について」。
大学卒業間近、友人から東京都日野市の古民家を紹介してもらった。
見た瞬間、ここだと思って即決した。
それが築150年の古民家「ヒラヤマちべっと」だ。
シェアハウスとイベントスペースが一体となった場づくりを進めた。
一品一灯、寺子屋、遊び場、食堂、映画上映会など様々なイベントが生まれた。
まさに暮らしの中に遊べる交流の場が生まれた。
できたのは、200人の居場所。
できなかったのは、仕事化。
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場づくりで飯を食うのは違うと思った。
何らかの職能+アルファでつくっていくべきだと思った。
1つに場の仕掛け役となる、コミュニティデザイナー、建築家、ランドスケープデザイナー、空間デザイナー、インテリアデザイナー、不動産屋。
1つに場のプレイヤー(コンテンツ)になる、塾講師、料理人など。
コミュニティに対して、お金を出してヘルプするのか、労働を提供してボランティアでヘルプするのか、頭を使って仕組みづくりとかでヘルプするのか。
切り口なんて多種多様だった。
場づくりとは、雲のように掴めない性質を持つ。
なかなか捕まらない蚊が耳元でブンブンうるさい。
もう考えきれないと思った。
場づくりは何かに夢中になって取り組んだ先に後から自然とできていくものなのかもしれない。
自分は何者なのか。
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自分はこういう流れで、こういう人間になってとか、
もはや考えても無駄だと思った。
今自分は何をやりたいかといえば、世界を旅したいと思った。
それは純粋な好奇心だ。
旅すべきだと思って旅しているわけでもない。
旅は何かを探すものでもなく、それこそ純粋なライフとして楽しむべきだと思った。
つまり、行き着く先は旅=日常生活であった。
今の自分は日常生活としての旅を欲していた。
予定調和こそ敵だと思う。
絵を描きたいと思えば描けばいい。
写真を撮りたいなら撮ればいい。
文章を書きたいなら書けばいい。
寝たいなら寝ればいい。
お金が足りないなら、もっとヘルプ(人助け)すればいい。
乞食のように恵んでもらうことは健康ではない。
そう、考え方だけしっかり持っておくべきだ。
反省は生かすべきだし、無自覚こそ本当に自分を惑わす。
毎日文章化してアウトプットすることだけ決めておいて、
自問自答を繰り返し、何に行き着くかだ。
物事に対する解像度と、今の自分に正直に生きること。
旅から帰ってきたときに、次に何をすべきか見えている状態に持っていく。
今ご縁がある地域で何ができるか。
自分を探すでもなく、変えるでもなく、
現在のありのままの自分を生きることが今最も大事なことかもしれない。
ps.
一昨日は、石川県加賀市での旅出発前の最後の会でした。
タビト學舎の飯貝さん、会場をお貸しいただきありがとうございました。
お越しいただいた皆さんも本当にありがとうございました!
加賀市でも帰国後に面白いprojectができるよう精一杯旅をしてきます。
今後ともよろしくお願いします!