稲村行真 Yukimasa Inamura ブログ「旅してみんか」

「伝統文化の魅力」を広めています。日本の伝統的な木造建築の古民家とその街並み、山奥の少数民族の村、過疎地どこでもフットワーク軽く旅をしております。

「一品一灯の会」を振り返る!空き家をどう地域に開き、場づくりを行うかについて考えてみた。

僕が管理人をやっている東京都日野市の築150年の古民家「ヒラヤマちべっと」では、毎月「一品一灯の会」というイベントを開いてきた。しかし、僕が4月末で管理人を卒業する関係で、このイベントはいったん終了。この節目の時に、一品一灯の会が果たした大きな役割についてここで述べておきたい。

今回は、

①「一品一灯の会」の内容

②地域コミュニティにおいて果たして来た役割

③これから検討すべき課題と可能性

について時系列で書いてみることにした。

 

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まず、この「一品一灯の会」はそもそもどんなイベントだったかというところから、書いていきたい。

 

<誕生期>

最初の目的は、「空き家を地域に開く」ということだった。

空き家を地域に開いて、地域の課題やこれやりたいという声に応えて行く方向性で動いていた。地域の方々から地域の現状を聞いたり、今後の活動内容を考えたりしていこうというものだった。

 

2016年12月16日に第1回は開催され、主催者は「すみつなぎ」という空き家活用団体だった。電気ガス水道がろくに使えない中で、1つの品と1つの灯を持ち寄って、みんなで食事会をしましょうという流れで始まった。それが一品一灯の会の由来となっている。

 

初期段階の特徴としては、まず気軽に参加できる内容で、地域の方々が集まるというところに重点を置いた。3月・4月のように、街を歩いて、地域の資源や魅力を再確認するというのも意識的に行った。管理人の稲村は、2017年1月からすみつなぎのお手伝いとして参加し、正式に管理人となった4月には一品一灯の主催者となっていた。

 

2016年12月 豚汁を食べる会

2017年1月 焼き餅を食べる会

2017年2月 バレンタインのチョコ作り

2017年3月 街歩き&タイカレー

2017年4月 お花見&街歩き

 

(写真は第1回の一品一灯の会の様子)

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<発展期>

一品一灯の会は、2017年5月からが転換期だった。4月まで主催者がグイグイ企画を作って来たが、ネタも少なくなって来たし、刺激が少なくなって来た。それならば、ゲストを呼ぼうということで、楽器を弾ける人を徹底的に集めた。それが一品一灯ならぬ、一品一芸だ。4組8名の人がゲストをお招きした。リュートの奥澤さん、フルートの金子さん、ギターのひのヒートルズ、パントマイム・ビートボックス・パーカッションのパンパカマイムボックスの4組である。「外からの動きと内からの動き」が生まれたことで、より良い方向に進んだ。これは、5月以降のキーワードとなった。主催者は管理人でありつつも、脇役のような立ち位置でゲストをサポートする役に徹した。

 

7月の留学生発表会では、帰国前の留学生が日本を見て来た中で、印象に残った場所について発表してもらった。これは外からの動き。8月の夏祭りは、地域の方の企画に乗っかった形だ。これは内からの動き。

 

また、6月はかなり特殊な企画だった。管理人稲村の、東京から石川までの450kmを2週間で歩き、道中約30軒もの古民家を取材して歩く徒歩の旅の門出式だった。門を地域の方と一緒に作り上げ、その門から旅が出発するまさに「門出式」だった。NHKテレビの取材が来たので、どうやって映える出発式にしようかと考え1つのエンターテイメントをみんなで作り上げる一体感が面白かった。この企画はやはり「歩く」というシンプルでわかりやすい企画だったのが良かった。応援してもらえたのは本当に力になった。

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2017年5月 一品一芸の会

2017年6月 古民家冒険家門出式

2017年7月 留学生発表会

2017年8月 夏祭り

 

(5月の一品一芸の会の様子)

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(6月の古民家冒険家門出式の様子)

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<安定期>

2017年9月のサンマ&登山報告会からは、集客も安定していて、いつもどおりゲストの方々の魅力的な企画どんどん飛び出した。9月は嶋津くんのキリマンジャロ報告会、10月は永井さんの星空観察会、11月は涌井さんの大道芸と芹沢さんのマジック、12月は加納さんのパン作りという企画内容だった。facebookの興味ありの人数が100人は超えて、参加者は毎月30人を越えた。ヒラヤマちべっとの認知度も上がったのがこの時期だった。

 

また、この時期の課題は、一品一灯とはそもそもなんなのかという議論があった。当初は場を地域に開くという目的でやっていた。しかし、十分開かれて来たので、特に必要ないのではという意見もあった。ただ、この時期から、定期イベントは寺子屋子ども食堂、子どもの遊び場といった子ども関連のイベントが多かったので、子どもを核とした場づくりがキーワードになっていた。そんな中で、子ども関連で定期イベントに繋がる企画が生まれればという想いから、一品一灯を続けることにした経緯がある。多摩地域は子育て世帯が多い一方で、自由でのびのび遊べる場がないという課題感もあり、地域的にもこういう場は求められていると感じていた。

 

2017年9月 サンマ&登山報告会

2017年10月 星空観察会

2017年11月 一芸発表会

2017年12月 一周年記念ピザ作り

 

(9月のサンマ&登山報告会の様子)

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<成熟期> 

 2018年に入ってからは、集客は少しずつ落ち着いて来た。1月は書き初め、2月の加納さんのパン作り、3月の 西村さんの街歩きという感じである。昨年末までの盛り上がりとは違った落ち着きのなかで濃い交流を楽しむ感覚だ。

 

あとは、かなりゲストありき、テーマありきでそれに集まってくる人が多くなった。ひとまずヒラヤマちべっとに行ったことがないので、行ってみたい!という人はひと山越えた。雑多な中に刺激的な交流や出会いを求める物珍しさもひと山越えた。もうこれは昨年が盛り上がった分、必然的でしょうがない部分もある。あとは、ひとつひとつのイベントの魅力的なテーマが参加者の満足度に直結していた感覚だ。

 

雑多な人がいる中で、共通言語が見いだせるのかというのは大きなポイントだった。イベントを開催すると話しやすい人たち同士がかたまるのが普通だ。空間内での共通言語がないので、どこかぎこちない人も出てくる。間口が広く、寛容的な場において、交流を無理に作り出そうとするのは、最初は良くても継続性が出ずらい。結局コミュニティの発展性をどう作るのかが大事で、来て楽しかった!にもうひと押しが必要なはずだ。一品一灯を今後復活させるとしたら、キーワードはモチベーション発展性だと思う。その場で出会った人が次にこれやろうとか、その会自体が少し進化するとか、まだ答えはわかっていないが、何かが絶対に必要だ。コミュニティという括りで考えれば、家庭、仕事の次の第3の場という位置付けで、参加者がどれほど主体的に参画したくなるか。もしくは、仕事や家庭のコミュニティの一部となりうるかが超重要であると感じた。

 

2017年1月 書き初め

2017年2月 パン作り

2017年3月 街歩き

2017年4月 けん玉100周年

→今年4月は、一品一灯という名前でなく、けん玉イベントとして告知を行った。

(4月のけん玉100周年の様子)

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これからのヒラヤマちべっとについてはこちら

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