稲村行真 Yukimasa Inamura ブログ「旅してみんか」

「伝統文化の魅力」を広めています。日本の伝統的な木造建築の古民家とその街並み、山奥の少数民族の村、過疎地どこでもフットワーク軽く旅をしております。

コミュ二ティデザインとお金の話

コミュニティのデザインをする上でお金についてどう考えるか。

すごく大事だと最近感じるので書き残しておく。

 

まず、大きく分けて場づくりには2パターンのお金の回し方がある。

1つ目が独立採算、2つ目が公の補助金助成金に頼るという方法だ。

 

独立採算のメリット(補助金助成金のデメリット)は自由度だ。

ぶっ飛んだことやっても、がっつり儲けても、形上は問題ない。あとは、行政からの補助金助成金が途絶えても、上手く回る仕組みがあれば継続してコミュニティ運営が可能になる。人口減少社会で、自治体の税収が減る中で、独立採算のコミュニティが増えて行くことはある意味では望ましいだろう。

 

独立採算のデメリット(補助金助成金のメリット)はハードルの高さだ。

結局ソーシャルな感じのことをやろうとするとお金が回りにくいので、公の補助金助成金に頼りがちになる。世の中のコミュニティデザイナーと呼ばれる人々は、収入の8割が公からのお金だと聞いたことがある。公の仕事に対して、効率的に予算配分して、ソフトの部分をマネジメントしますというのが今のコミュニティデザインの現状である。公が担えないところを担うという意味合いを考えれば、あえて独立採算にしないというのも当然だと捉えることもできる。

 

コミュニティをどういうスタンスで作るのかが大事だと思ったので、コミュニティについて分類してみることにした。コミュニティを作るとしたら、5パターンあるなと思って、名前をつけてみた。他にも分類があればぜひ教えて欲しい。

 

 

①パブリック型(補助金助成金

完全にお金は行政に頼りきって、行政ができない予算の効率配分やソフトのマネジメントなどを担い、コミュニティづくりを行う。いわゆるコミュニティデザイナーとしてやっていく。仕事に対するエッジは効かせにくいが、コミュニティに対して十分に向き合える。または、NPOのような形で、プレイヤーとして公からお金をもらうかたち。補助金助成金、業務委託などを引き受ける。

 

②職能+α型(独立採算)

内装屋、建築士、不動産屋、インテリアデザイナーランドスケープデザイナー、などの場に関わる仕事を収入源とする。または、料理人、塾講師、看護師などの場を持ったほうが上手くいくであろう仕事を収入源とする。その仕事の窓口や拠点などの意味合いでコミュニティを運営する。相談室型のオンラインサロンもこの分類に入る。

不動産屋を例にとってみる。シェアハウスのコミュニティは一人抜けた時のリスクが大きく赤字の危険性がある。不動産売買のノウハウを生かして、大家を募集して不動産投資物件として売却益を狙ってからのサブリースというのが一般的だ。新築またはリフォームしたものを売って、利益を上げるパターンだ。

 

③有名人型(独立採算)

ホリエモンダルビッシュがやっているような有名人型オンラインサロンがここに当たる。有名人のやっていることに共感する人々が、何かを学び取ったり、つながったりする場としてのコミュニティである。

 

④支援型(独立採算)

大企業の社長などの資産家が社会問題の支援として、財団のようなコミュニティをつくる。ソフトバンクの孫さんが作った「孫正義育英財団」、コロプラの馬場さんがつくった「クマ財団」などが筆頭である。

 

⑤趣味創出型(独立採算)

本業があって、オフ会的な集まり。そこに、月額の会費制度がついてくることで、参加したい!企画したい!という能動的な動きが出てくる。趣味型のオンラインサロンや趣味のサークルなどがこれに当たる。とても手間がかかるのと、顧客のパイの勝負になってくるので、もともとの基盤がないとかなりきつい戦いになりそう。作り手が増えればパイは増えるが、1人当たりの収益は減るものだ。水平展開にも、労力がかかりそうなモデルだ。イベントスペースもこのモデルに近い。ただ、利益を上げるとなると、コミュニティとしての文脈ではなく、単なるスペースという文脈になるだろう。つまり、「地域の人がわいわい参加できるような気軽なイベントのために場所を貸します。」というよりかは、「個人や団体に対して場所を貸します。」というドライな感じになる。コミュニティのデザインとはまた違った感じになるのでそこの線引きが必要だ。

 

 

さて、顧客セグメントとお金についてのグラフを作ったので、見ていただきたい。

縦軸は顧客のお金を持っている度合いで、横軸はコミュニティ運営者が行政にランニングの収益をどれだけ頼るかの度合いを示している。

このグラフを使って、①〜⑤のコミュニティ運営者の心理をシミュレーションしてみたい。

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まず、Dコミュニティの独立採算を目指すが、お金を持っていないターゲット層をねらって作り込みをしたところ、結局Cコミュニティに流れるパターン。

⑤の趣味創出型は心が折れて、パブリック思考になり②のコミュニティデザイナー型に流れてしまうということもあるかもしれない。そもそも貧困層や社会的弱者をターゲットとしているのに、独立採算の方向性で間違った作り込みしていたということも稀にあるだろう。

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次に、Dコミュニティが稼げなくて、Aコミュニティを目指すこともある。無理やりカフェとか、学習塾とか、学童とか、BtoB事業とか稼げそうなものを組み合わせようとして失敗するパターンだ。本来やりたくもないことをやろうとするのもよくない(もちろんやりたいことならやるべきだと思う)。ポジションを取ったら貫くか、事業をたたむ選択肢になる。Dコミュニティは、とりわけ⑤趣味創出型は相当な覚悟が必要で、後戻りできなくなる。④支援型の場合は、比較的容易にポジションを安定させられるだろう。

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また、こんな場合もあるかもしれない。助成金とか補助金もらっていて稼ぎすぎだ!と非難されて、BからAに移動するということだ。

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色々なコミュニティの分類と、さまざまな方針転換パターンについてみてきた。これらはコミュニティについて完全に網羅しているわけではないだろう。ただ、言えることとしては、これらの考え方の根底にはお金が回るか回らないかという発想がある。寄付とか、クラウドファンディングとか、不安定で一過性な側面があるものに頼ればまた結果は違うであろう。それはそれで、かなり厳しい側面がある。

 

ひとまず、僕が考えたのは、コミュニティのデザインとは、独立採算を貫くには20代、30代でしっかりとした仕事を持ってからのほうが参入しやすいということだ。政治家になりたいとか、作家になりたいとか、講演家になりたいとか言うのと一緒で、後から付いてくるのがコミュニティをデザインするという仕事なのかもしれない。そうでないならば、行政のお金に頼りながらもコミュニティデザイナーとしての道を貫くしかない。そんな風に思えてきたのが、最近の学びである。