【80日目】台湾の台中にて!僕が今考えている「旅」との向き合い方!

 

僕はクリエイター的な思考を意識して旅している。

 

クリエイターは常に2面的に生活していると思う。

ひとつは技術の向上によって「現場力」を高めること。

もうひとつは、「イデアの源泉」に触れること。

旅は後者。

イデアの源泉。

とあるクリエイターは、

1年の半分を仕事、半分を遊びに使うという。

かなり最適化された生き方と思う。

僕もそういう生き方がしてみたい。

 

今回の着目ポイントは「日本と台湾のギャップ」。

ポジティブはネガティブを内包する。

だからあえて分けずに自由に書いてみる。

 

①生活コストが安い

現代において、生きるのにはお金を払わねばならない。

何に対して払うか。

特に、交通と食。

交通はA地点からB地点に対する移動。

毎日3食のご飯。

これは欠かせない。

これらが、圧倒的に安いのが台湾。

台中はバスが無料。

肉の丼ぶりは100円あれば食える。

これは「安くて量が多い」が好きな人には楽しめる環境。

 

②汗をたくさんかく

これは機会損失につながっている?

汗かいている→臭くなる→人に会うときに物怖じする

汗かいている→洗濯が頻繁→時間を喪失する

汗かいている→Tシャツかえる→予備を持ち歩く手間がかかる

けど、こういう感情も持った。

汗かいている→人肌が触れると汗が交換される→仲が深まるかも

台湾を語る上では「汗」の存在は欠かせないだろうな。

 

 

③バイクが多い

交通は、スムーズでない。

バスは15分遅れとか当たり前。

単純に交通渋滞とかが頻繁で時間が読みにくい。

だから、人が怠惰というよりは、

交通システムに翻弄されていると考えたほうが早いだろう。

これらの理由から、柔軟性が高い文化性がある。

仕事中に多少のミスとかもギクシャクしにくいとか、そういう文化性はある。

これは面白い。

 

④お冷やが出ない

これは、最初きつかった。

汗ダラダラで、乾いた麺とか食べると、

お冷やがめちゃくちゃ欲しくなる。

でも、お金払わないと、飲み物が飲めない。

うーん。

ただ、お冷や出さない店って、プライドあるよな。

飲み物うまいのあるしせめて一杯買ってほしいみたいな。

日本でお冷や出さないのはこの手の店かも。

台湾で出さないのは単純に習慣の問題か。

 

⑤何かと早い。

 

車の運転、喋るスペードは単純に早いと思った。

あと、横断歩道渡るときに、

歩行者が、車を通り過ぎるのを待たない。

車の運転手も同じで、歩行者を通り過ぎるのを待たない。

結果、車と歩行者は接近するわけで。

せかせかしていて。

それでも、クラクションが鳴る総数は少ないというおもろさ。

空間に対する解像度高いのかな。

見えないものが見えているというか。

まあ危険という言葉で片付ければ簡潔すぎる。

あえていうならば、

「日本人の1秒と台湾人の1秒は違う」

とでもいうべきであろう。

 

総じて、台湾の旅のスタンスは、、、。

親日ゆえに、人対人が繋がり、コミュニケーションに対する質が高い。

インプットに対する効率高い。

ビジネス展開に対するチャンスが高い。

そういう意味で、可能性を感じるのが台湾。

 

逆に、言語・情報機器の使いやすさなどの側面から、コミュニケーションの質高められない国って、訪問理由をフィーリング(感じること)に対して特化して行く必要があると常々感じる。

中国の訪問理由はまさにこれ。

単純に、これすげーーーーーっていうものに出会いに行く(笑) 

そこから発想をスタートして行く。

絶対に心に残るものに出会うってのは大事。

7月23日からは、中国楽しみ。

台湾とは違う頭の使い方で楽しみたい。

そんで、中国の後は8月中旬に島根県に一時帰国する予定。

「技術の向上」のフェーズも徐々に高めて行くときだな。

 

 

ps.

台湾の旅は前半戦終了。

昨日から、宿泊拠点を変更。

台北Starbox hostelから、台中HowdyCreativeに!

これからディープなローカルコミュニティに密着していきます。

これはStarboxhostelのロビー。

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Starbox hostel

http://www.bigbox.com.tw/

 

Howdy creative

https://howdy.tw/

 

 

 

 

 

 

 

 

【74日目】台湾でネコだらけの村「猫村」に突入!30分ネコと対話して考えた『まちづくり』

台北は、蒸し暑い快晴。

セミはミンミン。

電車はガタゴト。

ゆっくりとある村へと向かった。

台北から2時間。

僕が目を覚まし窓を覗くと、青々とした緑。

サワサワと川が音を立てる。

森を被ったゴツゴツとした山々が僕を出迎えた。

まもなく駅に降り立つ。

その駅の名は猴硐(ホウトン)駅。

人々はこの土地を「猫村」と呼ぶ。

 

人間がネコと暮らし始めたのは、約9500年前と言われる。

狩猟において、ネコは常に人間の敵だった。

獲物に対して競合するからである。

ところが、人間が農耕を始めると関係性は急変する。

ネコはネズミは食べる。

人間にとって、穀物を食い荒らすネズミを退治してくれることは

この上ない喜びだった。

そこで、人間はネコを飼い始めた。

人間は穀物は欲しいけど、ネズミはいらない。

ネコは穀物はいらないけど、ネズミはほしい。

人間とネコの利害は見事に一致したのである。

 

この村でも、同じだった。

ネコは非常に合理的な理由で、人間と共生していた。

猫村は日本統治時代、炭鉱の村だった。

炭鉱の設備で使われる木の柱などをネズミが食うのを防ぐために、

村人はネコを飼いはじめた。

後に、世界的に名だたる猫の村になるとは誰も思わなかっただろう。

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この村の構造は、面白い。 

 駅から伸びる一本のトンネルが、ネコの村へと人々を誘う。

異世界の入り口に見えてきて、どことなくワクワクするのである。

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しかし、トンネルを出ると、そこは異世界ではなかった。

僕が思っていたほど、ネコはそこらへんにいなかったのである。

ただの田舎の村だった。

村を一周して見たネコはざっと10匹程度。

こんなん、近所の公園見渡せばいるだろと思った。

しかし、猫村の本質は「ネコが多い」ことではない。

 

まず、ネコがたくさんいる場所なんていくらでもある。

個人的に「猫カフェ」なるものを立ち上げる人もいる。

でも、それは個人レベルの話である。

『ネコの村』として、文化を根付かせようとしたことについて僕らは着目するべきではなかろうか。

 

例えば、これ。

町の様々なところに、餌が売っている。

猫に餌をあげようという村民の意識が根付いているということだ。

しかも、一種類じゃなくて、いろいろと種類があるらしい。

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お店のレジ。

さもネコを触ってくださいと言わんばかりに、ネコを置いている。

ストレスはないのか。

でも、気持ちよさそうに寝ている。

人とネコとの距離が近いのだ。

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招き猫のグッズがずらりと並ぶ。

験担ぎで観光客を呼ぼうとしている感じは中国系らしい考え方。

この発想は、台湾のどの観光地に行っても感じることだ。

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そこらへんの家々には、ネコが描かれている。

そしてだいたい中が猫カフェみたいになっていて、ケーキとか、パフェにまでネコがデザインされている。

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とにかくネコが愛されている!!!

雰囲気として賑やかになっているのも、どこか楽しげである!!!

 

ただ、僕は少し猫村の中心から離れた飲食店でお昼を食べた。

地元の人が通うごく普通の飲食店だ。

もっと暮らしに近いところに面白さがあるのではないか。

あとから作られた、おしゃれでかわいいケーキやパフェにも魅力はもちろんある。

ただ、一方で炭鉱で働いていた人が食べていた飯に近いものを求めていた。

炭鉱夫は毎日長時間汗水流して働いていただろう。

もう倒れそうになった時にやっと口にできたものはなんだったのか。

それを観光客に見せようとしたものではなくて、ごく自然な形で食べてみたかった。

パクッと一口、感じてみたかった。

炭鉱の味というものを。

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猫村として文化作りをして、可愛いデザイン、おしゃれなデザインであふれる村にした方が人は来るだろう。

ある意味、過疎の村を包括的によりよくする優れたブランディングかもしれない。

猫好きの人に来てくださいね!っていうメッセージがシンプルでわかりやすい。

でもコテコテな感じの印象を持ってしまった部分もあった。

ぼくは考えすぎなのだろうか。

なあネコ!君にとって、猫村は楽園なの?

ゴリゴリマッチョなネコという存在に対して、

僕は多視的にクエスチョンマークを投げかけてみた。

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まあいろいろ問いをネコにぶつけてみたが、

答えが出るわけでもない。

総じて猫村は面白かった。

辺境の地とか、未開の地とか、過疎の地域とか。

そういうところはどうやって経済回していこうかひたすら考えている。

交通アクセスが不便だったり、資源が乏しかったり、様々な要因で人が集まりにくい。

だから、今あるリソースに大きなレバレッジをかける。

割り箸で車を持ち上げるかのごとく、神業が炸裂する。

それがたまらなく刺激的である。

これからの日本、これからの世界。

大きなヒントはこういう最小単位の村に潜んでいるのかも。

だから、過疎&秘境巡りはやめられない。

 

そこまで大きくもなかった猫という地域の資源が、

文化づくりの過程でどんどん再考されていった。

いつの間にか、世界的に有名なネコの村になっていた。

 

そのストーリーを噛みしめることだけでも十分面白い。

建築もデザインも、全ては文化を内包して、村や街へと続くもの。

まちづくり視点で、色眼鏡をかけてみるのもたまには面白いものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【72日目】台湾の台中で建築やデザインの魅力とたっぷり向き合ってきた!

 

建築とデザインの様々な可能性を探ってきた。

舞台は台湾第3の都市、台中。

 

レインボービレッジ 。

ある1人のおじいちゃんがひたすら絵を描きまくった結果、虹色の村ができたという。

僕はこれを見て、一種の夢の国的な幻想を垣間見た。

つまり、ディズニーランド的な世界観と近くて、現実世界との乖離がポイントである。

フォトジェニックであることがこの村の特筆点である。

しかし、僕はこの村にたどり着いた瞬間、少しこじんまりしすぎていると思った。

こういうものを作る時はいろんな人と組んででっかいものを作った方が、夢の国のような作り込まれたエンターテイメントは表現しやすいと思った。

でも、その論理では語りつくせないものもあった。

それは、目には見えない1人のおじいちゃんが描いたというその月日とストーリーだと思った。

僕にはそれはできないし、やりたいとは思わないけども、そのストーリーこそが人を惹きつけるのだ。

エンターテイメントは人間にとって必要かと言われると必要でもないけど、それだと寂しいのが人間のサガであろう。

人生にまるで彩りを加えるように、その村は存在していた。

彩虹眷村-臺中觀光旅遊網 Taichung Tourism

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台湾のとあるカンパニーを訪ねた。

台中の市街にある好心地文創だ。

コミュニティビジネスの新しい形がここにはあった。

元々はデザイン会社で、特異な点はローカルな職人コミュニティに着目した点だ。

台湾全土の約50ほどの職人コミュニティをヘルプしていき、伝統工芸品等のデザイン性あふれる製品の販路を作っていく。

最近はツーリズムにも着目しているようだ。

旅行のツアーでコミュニティを訪問する導線を作ることによって、

その土地を感じてもらい製品まで楽しんでもらう仕組みが出来上がった。

デザイナーというベースがあってこそだ。

コミュニティというのはデザインの力によって成立しうると感じた。

そして、デザインに対して大きな可能性を感じた。

7/15から数日間仕事体験をさせてもらうことになり、非常に楽しみだ。

ファウンダーのくまさん(愛称)ありがとう謝謝!!!

https://howdy.tw/

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緑光計画。

好心地文創からほど近いところに、水道局の職員住宅をリノベした素敵な空間がある。

范特喜(Fantasystory)という会社が運営している。

1階は主にデザイナーに貸して、自分のプロダクトを販売する空間となっていて、2階は主に学生のイベントが開かれるスペースとなっている。

僕が訪問した時は約50人ほどの学生が将来について考えるイベント?のようなものを開催していて、規模感と盛り上がりに鳥肌がたった。

また、内装のデザイン性が非常に高くて見応えがあった。

日本人の建築家も関わっているようで、日本人とも話をすることができた。

https://fantasystory.com.tw/

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無為草堂。

かなり立派で緻密な木造建築。

高価な食事処となっているが、特別に中を見学して撮影する許可をもらった。

池を中心に様々な個性的な部屋が周辺を囲む。

山小屋のベンチのような席もあれば、完全なお座敷のような個室もある。

くねくねした回廊のような廊下は冒険心を掻き立てる。

薄暗くて暖かな明かりは食欲をそそるばかりか、

自分を奮い立たせエネルギーをくれる。

木材と暖かな光の関係はいつも密接であると改めて感じた。

http://www.wuwei.com.tw/about/about01.htm

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台中国家歌劇院。

日本の建築家、伊藤豊雄の設計。

この建築は外側からは魅力がわからない。

もちろん外装の迫力も半端ないが、1階から6階まで順々に見学してみると、じわじわくる感動に鳥肌が立ってウルっときた。

 

まず、1階を入ると、伊東豊雄らしい曲線の柱天井や柱に目線が行く。

それはオペラハウス独特の世界観で、不安やワクワクやいろんな感情を凝縮している。

ぼくは、自然とこの建築を「砂漠」と「洞窟」に置き換えていた。

自然界のシンプルな曲線は端的に言うとこういうことだろうと思った。

 

順番に上がるうちに、1フロアの中でも緩やかに床の高さが異なる空間が出現。

これに妙に感動した。

ああ、ぼくは1+1=2とか、y=2xみたいな建築には全く興味ないんだと思った。

言うなれば、1+100=101とか、y=X2

のような何か規制の枠組みを壊したくてしょうがないくらいに、何かに振れているけどもきちんと機能している建築に魅力を感じていた。

自然はもっと複雑で曖昧で個性的で彩り豊かで、そう言うものが作れないと人はつまらない生き物になってしまう。

 

6階は空中庭園だった。

写真では、表現しきれない曲線的な魅力があった。

どことなく、最果ての地であるチベットを連想させ、ウルっときた。

無駄なものはなくどこか澄み切ったシンプルな空間に、自然の息遣いを感じた。

http://jp.npac-ntt.org/

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このほかにも、紹介しきれないくらい台中には面白い場所がたくさんある。

面白いことに、台中という場所は一括りにこういう町であると著述しづらい。

だから、面白かったものをポンポンポンとのっけてみた。

同時に、自分の視点そのものを括ることも現時点では非常に難しい。

ひとまず自分は木に代表される自然的なデザインとか空間が好きで、それが人間の多様性とか個性の開花に寄与すると同時に、集合するエネルギーをも満たすようなものに対して、より知見を深めていきたいと考えている。

【69日目】なんかすごい。

どん!

なんかすごい。

台北市立図書館北投分館。

 

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中入ってみる。

 

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本棚が踊り出す♫♫♫

 

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君の椅子はぼくの机。

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新聞立ての手作り感♫

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本棚の隙間に椅子、男の隠れ家。

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机の隙間、涼しいね♫

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夏の日に 図書館に飛ぶ 蛍かな

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2階へはこちら。

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社長?

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地下へはこちら。

階段に座る→汚い→階段の一部をイスにする。

これ盲点。

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出る杭は打たれず。→出る。

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盲点。本散らかせる図書館って意外とない。

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こたつ、つくれそう。

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トイレを風呂と見間違える。

これほんとにトイレかよ!!!

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ボタン押すと水が出る。鴨っぽい。

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Let,s enjoy トイレ。

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人の足を見つめる?と見せかけて本が読める。

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そろそろ殻を抜けて羽ばたきたいと思うイナムラであった。

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台北市立図書館北投分館>

海外のウェブサイト、「Tech Insider」が世界で最も美しい図書館の1つと認定。

世界各地から、視察団が来る有名木造図書館。

最も特筆すべき特徴は、「太陽光発電」や「雨水リサイクルシステム」などによる自然との共生を目指したエコな建築であるということだ。

周辺には噴水や緑が溢れ、外のテラスで休むこともできる。

また、全面が薄い緑色のガラスで、自然光を取り入れている。

自然を目一杯感じられることのできる建築と言えるだろう。

こういう自然と共生する木造建築は、本当に人が元気になるのがわかる。

人が集まる場所というのは絶対に建築や空間のデザインの力が必要だ。

僕もなんか走り出したくなった(ちょっと走った)。

※今回は図書館側に予め申請を行い、建築撮影の許可をいただいています。

 

 

・アクセス

MRT新北投駅から徒歩5分。台北駅からは、MRTで淡水駅行きにのり、北投駅で1回乗り換え。約1時間程度。45TWD。

臺北市立圖書館

 

 

 

 

○台湾で木造建築の面白さに気づいた記事はこちら。 

【67日目】MY TAIWAN〜屋台文化が自分をつくり、つき動かそうとしている〜

僕は毎日夜市の屋台に行く。

なんで行くんだろう。

理由がわからなかった。

でも、ある時ふと思った。

これは、自分が創りたかったものに近い。

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屋台は、とにかく賑やかだ。

ひとひとひとひとひとひとひとひとひと。

かんばんかんばんかんばんかんばんかんばん。

めしめしめしめしめしめしめしめしめしめし。

 

 

 

屋台っていうのは常に盛り上がっている。

しかも、これが一時的なイベントやお祭りなのではなく、

日常化

していることがポイントだろう。

一過性なものではなく、文化として息づいているのである。

まさに、「交流ある暮らしの場」である。

 

 

 

その上で、台湾の夜市の特徴は、

点在」と「独自性」である。

この台北市の地図をよく見て欲しい。

毎日のようにこれだけの夜市が開かれ、毎日がお祭りなのだ。

日本の人には想像し難いかもしれないが、毎日がお祭りなのだ!!!

さまざまに点在した夜市は、それぞれが独自性を持つ。

夜市は、3つに分類できる。

①観光夜市→観光目的に、たくさんの人を呼ぼうと計画された夜市

②学生夜市→学生の街で学生が楽しめるように発展した夜市

③屋台夜市→屋台が自然とできる暮らしの場

さらに、それぞれの夜市に、「蛇ばっかうってる」「食べ物メイン」「衣服ばっかり」などさまざまな特徴が垣間見られる。

(各夜市の特徴は後ほど)

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夜市の由来

そもそも、なんで夜市ができたのか調べてみた。

もともとは、所得向上のために戦後拡大した商売をする場であった。

(暑さを避けて夜に集う場ができたという事情もある。)

夜市が拡大するにつれて、環境や衛生、交通面で支障をきたすようになった。

ただ、政府は所得が向上すれば夜市は自然消滅するだろうと黙認していた。

しかし、所得が向上しても拡大を続けるばかり。

規制をかけても一向に消滅しない。

政府もしだいに計画的に夜市を整備していかざるをえず。

ついに夜市は文化となった。

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夜市の何が面白いか

では改めて夜市の何が面白いのだろうか。

「とりわけ深いコミュニケーションには発展しないけど、賑やかな雰囲気が楽しくて、来てよかった」というのがポイントだろう。

日本の銭湯文化とも似て非なるものだ。

要はコミュニケーションを無理にしなくてもいいけど、どことなく自分がその場にいることで満足感が得られるような場所なのである。

個人的にも、あんまり人とコミュニケーション取りすぎるのも疲れるし、程よく話ができて賑やかな場が好きなんだと気付いた。

 

あと最近気付いたのだが、場づくりは以下の2パターンの図式で表すことができる。

A 排他性×濃密的な場

これは自分の興味関心とかコアな趣味などが会う人が集まって盛り上がるパターン。極論言えば、アニメおたくがオタク話で盛り上がっているのがわかりやすい。

B 寛容性×希薄的な場

これは、誰でも来ていいですよという間口が広い代わりに、コミュニケーションが強制されないパターン。日本の銭湯文化とか、台湾の夜市文化が近い。

 

AかBに当てはまらない場づくりは基本淘汰されるかも。

自治会を例に考えてみる。

最近日本では自治会の衰退が問題となっているが、こういう地縁的なコミュニティはこれからどうなっていくのか。

Aを目指す自治会は、そもそも「地域の集まり」である必要がなくなる。

Bを目指す自治会は、個人的に理想だと思う。長老縛りはなんとかならないものか。

排他×希薄の自治会は、会費高いのに余っちゃうから何に使おうか議論勃発。

寛容×親密の自治会は、会内でグループ化が進みまとまりがない。バチバチする。

自治会は個人的には寛容×希薄で地域に開いて、コミュニケーションを強制しないのがベストだと考える。

 

夜市を巡りながら考えた。

親密な関係を作るのは、もう個人に委ねればいいと思う。

だから、そもそも寛容的な場づくりは、「コミュニティ」というくくりで考えるのはおかしいのかもしれない。

寛容的な場を作りたいなら、

もう「コミュニティ」ではなく、「集う場」として、

これからの場づくりは考えて行くべきだ。

 

 

 

 

MY TAIWAN

さて、僕が夜市で食べてきたものの数々。

やっぱり個人的には、餅系(小麦粉系のやつ)が一番好きだな。

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夜市の紹介

今の所訪れた夜市をここでご紹介する。

夜市の屋台数は、軽く100店舗超えるところも多いだろう。

しかし、1人のお客が回れる屋台はせいぜい3店舗くらい。

それでもんな腹一杯だ。

100分の3になれるように、各屋台はしのぎを削る。

倍率約33倍の勝負を毎日くぐりに抜けるために皆必死だ。

頭使っている。

屋台の前に動くもの置いてみたり、

音かき鳴らして見たり、

試食作ってみたり、

看板の書き方を賑やかにしてみたり、

さくら置いてみたり、

商品の種類増やす減らすとかの調整してみたり、

見栄え大きくするために油つけて膨らませたり、

食べる時と来店時に煙が出るとか面白い体験を提供してみたり、

これ色々考えてるんだろうなという屋台はすぐにわかる。

屋台では、安くてうまい、安くて多いは王道でわりと当たり前。

それプラスアルファで個性ガンガン出しに行ってる。

 

 

寧夏路夜市(6/24.27.28)

屋台夜市の典型。

生活の中から自然発生的に生まれた感があって良い。

作り込まれた感じがしなくて、一本道なのでとてもコンパクトに展開されている。

僕がこの夜市で好きなのは、ネギ餅である。

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・饒河街観光夜市(6/24)

派手な建物多し!観光向けに作られた感は否めない。

しかし、Tシャツが安かったのと、胡椒餅が超うまかったのを覚えている。

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・華西街夜市&廣州街夜市(6/30)

個人的には、一番好きな夜市だ。

何が面白いかというと、まず物価が安すぎる。

イカジュースが10元(36円くらい)、車輪餅10元、胡椒餅35元をはじめとして、台北最安価格ではないだろうか。

安くて量が多い粉物が好きな僕にとっては最高の夜市だ。

そして、意味わかんない奇妙なものまで売っている。

蛇とか、ネズミとか、鳩とかいろんなものが食える。

まじでクレイジー

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・雙城街夜市(7/1)

個人的には、いまいち。

盛り上がりは少なく、食の屋台が少ない。

写真撮り忘れたので、食べた陽春麺の写真貼っとく。

脂がよくないのか腹壊したけど、味は普通にうまかった。

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士林夜市(7/2)

この夜市は、どデカすぎる。

こんなに活気があって、人が多くて、でかい夜市は今まで見たことがない。

行けども行けども何かあって、商売の争いが半端ない。

野外だけでなく、屋内、地下までもがもはや台北の胃袋。

盛り上がりっぷりやばい。

日本人が多すぎて、観光地感は否めない。

とにかく、台湾の食べ物の縮図感は否めない。

ここに来れば大体のものは食えると思っていい。

刃物入れてない一匹丸々の豚が焼かれてあった。

鼻から煙が噴射するアイス食った。

臭い豆腐、臭豆腐も食った。

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夜市でだけで論文書けそう。

多様性、迷宮性はんぱない。

なんでもありって感じ。

ここ最近、台湾=食みたいになるくらい、

自分が台湾の食文化と一体になってる感がある。

台湾に来たら、食の概念が壊れるから絶対夜市行くべし。

また行った夜市の情報はこの記事に付け足して行く。

 

 

【65日目】台湾で見た!偶発性ってのはやっぱり面白い。

台北、台中、九份もう様々に回って気づいたこと。

自分がエモいと感じたものだけパート2。

 

木に引き続き、やっぱり偶発性はおもしろい。

全体像が把握できない。

だから、とりあえず前に進む。

そこでばったり出くわしたもんが、なかなかにおもしろい。

これは1つ1つがものすんごい奇跡。

なおかつ、次がわからないから楽しい。

しかも、出会ったものの1つ1つの濃密さよ。。

 

九份

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九份という街の面白さは「どこを取っても絵になる」である。

海からそそり立つ街は山へと抜ける。

急峻なロケーションが、景色の良さを創出する。

日本の尾道にも似ている感じ。

屋台が延々と続く、きらびやかな風景。

路地を外れると、なんか趣深い路地がある。

猫がいて癒される。

人がどう動いても、何かしらある。

外れないから面白い。

ここまで、要素が揃いすぎていると完璧すぎ。

 

しかも、例えば城みたいに中心になるものがない。

いろいろ回ってみたけど、結局なんだったのって感じの街。

でも、色々あってすごく楽しかったよねって感じの街。

人間所詮欲張りなんだし、一つじゃ満足しないんだろう。

 

今日はカツオのたたきがメインメニューです!

じゃなくて

なんでもうまいもんあるからてきとーに取って食べてね!(笑)

って感じの街。

 

台北国際芸術村

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台北国際芸術村の面白さは「意味わかんない驚き」である。

九份同様に迷路っぽい。

全体像が把握できず、突如アートスペースが出現。

いろんな家がアトリエになっている。

 

一つ一つのアートは基本意味わかんない。

ガムテープだらけの空間。

のっぺらい人間ばっかりの空間。

おっさんの顔ばっか書かれた壁。

 

景観こそ、高速道路が周りにあった関係でいまいちだった。

しかし、ただ歩いているだけで、アートが元気にさせてくれた。

アートと出会った時に、心が動いた。

へー!これ意味わかんな!

へー!これなんか絵になる!

みたいな感動が人を元気にさせる。

なんか、頑張ってアートを見つけに行く感じもサバイバル的で良い。

台北國際藝術村

 

◎とある屋台

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屋台の面白さは「百花繚乱」である。

 

賑わっている店には理由がある。

僕は、毎日屋台飯を食っている。

そして、毎日どの屋台にどれくらいの人が並んでいるか数えている。

 

その街で一番並んでいる屋台の飯を食う。

必ず理由がある。

だいたい、安くてうまいか、安くて量が多いかの2択だ。

あとは、気のせいかもしれないが、店員がマジで頑張ってる。

お客が2人だったら、切り分けましょうか?とか。

ただでさえ客捌くのに忙しいのに、細部まで配慮している。

手さばきが早くて、目に止まらぬ速さだ。

 

それはそうと、

人を惹きつける店など数知れず。

だから、メニューもいろいろで、自分たち独自の味や種類で勝負する。

揉まれまくってのし上がった店が客を引き寄せる。

これなんだろ?

うまいのかな?

これ意外とうまいんだね!

 

様々な味との出会い。

僕はそれに加えて、適当に人気店の秘訣探りゲーム。

 何でもそうだが、揉まれるくらいカオスな競合環境って、おもしろくなる。

 

台北の夜市

https://www.google.com.tw/maps/search/%E5%A4%9C%E5%B8%82/@25.056581,121.5025435,13z/data=!3m1!4b1

 

 

さて、この偶発性。

何が起こるかわからないワクワク感。

 

僕の場づくりは、人の多様性による偶発性作りをしてきた。

あそこに行ったら面白い人に会えるし刺激が受けられるという感じ。

これは、単発的な個人間の出会いには向いているけど、場やコミュニティとしてみたときに発展しうるか?をもう一度問う必要がある。

ああ、なんかよかったねの先に何を作るかってわりと大事な気がする。

 

そんなら、偶然のワクワク感を生むような仕掛けがいくつかあるような場を作っておいて、それに対する担い手もどんどん増えて行って、あとは集まってきた人たちでお好きにどうぞの方が理にかなってる?

 

 

【64日目】台湾で見た!木というのはやっぱり面白い。

台北、台中、九份もう様々に回って気づいたこと。

自分がエモいと感じたものだけ。

  

やっぱり、木の建築というのはおもしろい。 

木の建築というのは、気の建築だ。

生命が生命として生きられるのは、生命からエネルギーをもらうからだ。

体の中にエネルギーが沸き起こり、温かみを感じる建築。

場の空気が和み、リラックスできる建築の数々。

 

◎松山文創園区の閲楽書店

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閲楽書店の面白さは「自然から湧き出る建築」である。

松山文創園区は元タバコ工場で、その敷地が緑地に変身。

歩いていたら汗だくだくで、暑すぎる台北において緑地は紅一点。

その緑地に囲まれているのがこの閲楽書店。

天井の木組みと、温かみのある光が目を引く。

木組みには、やはりこの吊るす形の薄暗いライトが合う。

このおしゃれ空間は、

まさにネイチャーと言うにふさわしかった。

 

www.google.com.tw

 

 

◎青田七六

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青田七六の面白さは「空気のうまさ」である。

日本の教授がリノベしたシェレオツ古民家カフェだ。

空気がうまいところってのは、

飯を食うでもなく

飲み物を飲むでもなく

空気を食っている。

僕は120元の小さいアイスクリームを食べた。

台湾でこれ食べたら、普通は30元しないくらいだ。

僕は残りの90元で古民家の風情ある空気を食った。

同じことは都市でも言える。

空気のうまい都市のエコノミーは付加価値が加わっている。

空気が汚くて汚い街は逆に単価が上がらなくて貧しい。

そんなもんだと思う。

空気がうまいところには必ず木がある。

qingtian76.tw

 

◎白石画廊

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白石画廊の面白さは「木組みの旋回」である。

 かの有名な日本の建築家・隈研吾設計の建築。

いくつもの木を互い違いに組んでいる。

自然的な複雑性の高い動きのあるワクワクする空間が生まれている。

一部の木が本棚、植物置き場、茶室と様々な用途にも使われる。

まさに、自然と生活の境目を担うかのような木の建築である。

人と自然ってもっと近くていいと思う。

ここの人と友達になったので、個展とかあそびにいく。

kkaa.co.jp

 

木は自分が大事にしたい要素の1つ。

山登って、木に囲まれたところで過ごすの好きだし、欠かせない。

同様に植物も。

日本って森林率68%だから、木なんて余りまくっているはず。

でも、日本は山がちすぎで斜面の木を切り出す技術がいるし、人手不足。

自給率は35%ぐらい。

日本はリソース全然活かせてない。

オーストリアやドイツでは今や高給取りの林業関係者。

それに対し建材需要が減ってしまった上、安月給な日本。

もともと、手入れを始めた人工林は常に面倒見ないと荒れるだけ。

天然林を人工林にさせてしまったなら、責任は付いて回る。

 

所得の再分配的な感じで、日本国民に木材の再分配とかできないのかな。

再分配でいうとモチベーションの再分配が日本で最もやるべきと思うけどそれはおいといて。

木材って、人類に対する恩恵めちゃくちゃあると思う。

その恩恵をもっと再分配して流通させねば。

 

岡山県の真庭で一度、面白いもんを見たことがある。

木材中継基地だ。

林業者が中継基地まで持ってけば、それが加工される。

一枚板として流通されないものは全部バーグとかチップになる。

公共施設のボイラーになってエネルギー転換されて、人々の生活を支えている。

建材も木材の流通量が半端なく多かった。

 

個人的には木造の建築物ってのは魅力的だし僕も作ってみたい。

とにかくもったいないのは、木材というリソースが余っている。

これをどう人の幸せに還元するのかということ。

 

僕の作りたい場にはいつも木と気の存在がある。