コミュニティをデザインするために、極めて多様な場に足を運んでみた。

皆さんは、現代の魔術師・落合陽一さんをご存知だろうか。あの、つぶグミばっかり食べる落合陽一さんだ。

(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/落合陽一)

僕が今最も注目している人の1人である。

 

この人がよく口にする言葉は、ズバリ「複雑性」。

牡蠣はあたることもあれば、上手いこともあって、匂いが磯っぽいこともあれば、クリーミーなこともあると。海全体を食べているかのようであると。だから、牡蠣は複雑性が高いらしい。

それで、複雑性の高いものも食べるんだけど、普段から主食として単一なもの、例えばつぶグミとかを食べているからこそ、複雑性の高いものを食べることが幸せであるという理論である。

ファッションでいえば、普段はユニクロのパジャマを着ているけど、外に出るときはヨウジヤマモトを着るらしい。

(https://www.houdoukyoku.jp/archives/0029/chapters/29210)

 

未だ飲み込めない深さを持つ理論ではあるが、結局は、いつも選択コストをかけない単調さを保ちつつも、複雑性の高いものに触れることは何らかの効用をもたらすものだということだ。無駄なく生活が最適化されている感はある。

 

昨日は、「コミュニティ」というものがいかに複雑性が高く、アービトラージが生まれまくっていて自分がどこにポジション取るか、また、どのポジションの人々にコミュニティを作っていくべきかを判断する恰好の機会であった。牡蠣が海を食べるというなら、今回の旅は人間の多様性を味わい尽くす複雑性を存分に感じられたと言えるだろう。

 

 

 まずは、pm15:30。

八王子でのことから話をする。

石川関連のプロジェクトなどで、いつもとてもお世話になっているランドスケープデザイナーの三島由樹さんがデザインされたAjirochayaの見学から。

10人ほどのツアー参加者の方がいて、顔見知りの方もいてホッとした。

(http://ajirochaya.com/concept)

まちに賑わいをもたらすという視点で、お茶屋さん、イベントを行う蔵などが一箇所に密集して、とても奥が深いデザイン性を持っている。

紙芝居で説明してくださる。

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例えば、この蔵の灯は、昔の懐中電灯らしい。

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道に敷き詰められた石は曲線を描くために断面を小さく多く敷き詰めている。

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蔵はのっぺりせずに、移築時に隣との継ぎ目を残したまま持ってきたそうだ。

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奥の凹型のベンチは、井戸の枠を半分にしたらしい。

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人が惹きつけられるデザインとは、当たり前に存在するけど、そこに1つ1つ大事に紡いできた物語があり、想いがのっていることのように思えてくる。こういう人間味が感じられる複雑性は、自分の考え方や価値観と似ていて、自分もこういうコミュニティは大事にしたいと感じた。

 

pm18:30、渋谷。

2年前くらいに通っていたビジネススクールwillfuを訪れる。

通っていた時に個人的にお世話になった学生起業された社長さんがいて、自分と歳が近いのに、早くも13億円で自社サービスを事業売却されたようだ。すごすぎるので、お話を伺ってきた。

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やはり、仕事に対する考え方がシビアだ。優秀な人と組んで、サービスを半年で1000万円規模にグロースして、数年でもう13億の事業売却。

強烈な市場課題に対して、webというレバレッジをかけやすいツールで拡大して、大きく市場を取りに行くという、とにかく大きい資本主義市場に躍り出て、成長性と社会的な価値を高めていこうというコミュニティ。

割り切りと潔さが気持ちよく、普段から非営利組織や行政と話すことも多い自分にとって、コミュニティをデザインする領域が、さらに市場として大きく企業として利益を継続的に産み続ける仕組みを導入できたら、課題解決を加速させるだろうという見解を得ることができた。

自分と領域のかぶる人はなかなか会わないが、とてつもなく学びのあるコミュニティと感じた。

そして、自分と領域がかぶる人がいないからこそチャンスが潜んでいると感じた。世の中、割と100対1みたいな構図が作れるかだと考えている。

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pm20:30、清澄白河

仕事を自分で作ろうというフリーランスコミュニティと思いきや雑多なコミュニティ。結構、フリーランスに興味ないごく一般的なサラリーマンのような人もおおかった。方向性を合わせないと、なかなか話していても仕事の話をしにきたのに、仕事の話が進まず難しい。皆何をしにここにきたのか目的が違えば、共通言語が違う。改めて思うのは、コミュニティとは、テーマによって引き寄せられ、核となる共通言語が存在するものであると考えていて、やはりそこは必須だなと。ただし、なんでもありのごちゃ混ぜコミュニティからたまにものすごいクリエイティビティが発揮されることもあるので、こういうコミュニティってある意味賭けだなと感じた。

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今日はとことん非日常コミュニティを体感できた。自分としては、やはりコミュニティを広くとらえ、オンライン、オフラインに関わらず、強く必要とされるコミュニティを大きな発信力をもって、作っていきたいと感じた。ヒラヤマちべっとの次の一手を模索中である。

 

 

東京都日野市築150年の古民家

「ヒラヤマちべっと」

(https://m.facebook.com/Hirayama.Tibet/?locale2=ja_JP)

子どもを核として、地域がつながるシェアハウス、イベントスペースを運営しております。

 

 

 

 

 

 

 

東京都日野市築150年の古民家「ヒラヤマちべっと」で、一周年記念・一品一灯の会を開催しました!

2017年12月16日は、僕が管理人をしている東京都日野市築150年の古民家「ヒラヤマちべっと」の一周年記念だった。

 

昨年、12月16日に一品一灯の会が行われたことが「ヒラヤマちべっと」の始まりだった。当時は、空き家だったので、電気もガスも水道もろくに使えない中で、地域の人が集まり、1人1品食事と、1つの灯を持ち寄って古民家をどう活用していこうか話し合われた。それからというもの、毎月1回の頻度でお花見や、夏祭り、さんまを食べる会など、季節に応じた食事会を開催して来た。

今回は、13回目の一品一灯の会であり、一周年記念の特別な会でもあった。

 

<スケジュール>

第1部13:30〜17:00 ピザづくり体験

第2部17:00〜20:30 1年振り返りと今後について&鍋を食べながら飲み会

 

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会はキッチンカーの登場から始まった。

古民家の庭の体温が1℃高くなった瞬間でもあった。

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講師の加納さんは、ピザ作りの名人。

キッチンカーを乗り回し、様々なイベントでおいしいピザを提供されている。

(村山屋・デエダラ焼き・ピザ パンhttps://www.facebook.com/deedarayaki/)

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手順は以下の通り。

(こねる〜1次発酵〜小分け〜2次発酵〜トッピング〜焼き)

 

 ひとグループは、1から作る。

もうひとグループは、トッピングのところから作る。

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子供を背負いながら、生地を伸ばすお母さんもいる。

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出来た生地を発酵させるのに1時間。

こういう時に遊べるものがあると便利。上智大学から来た留学生たちは、ジェンガにハマっている。このように、場所に多くの人が集うようになると、みんなが置いていった遊び道具が必ずどこかで役に立つと感じる時がある。

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できたピザは、本格的な耐熱陶器製釜で焼き上げる。

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完成!!!

ふわふわなマルゲリータにいくつかトッピングがされている感じ。

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もりもり食べる。

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第2部は、鍋をつつきながら飲み会を開始。はじめに、一人一人が自由に自己紹介。型にはまらない自己紹介がこの場所らしい。今回から、名前シールを服にペラっと貼っている。名札を首から下げると、なんかワークショップっぽくて、雰囲気に合わないと運営のこまちゃん。なるほどと思う。あと、受付も使い古したノートに名前を書いてもらっている。このアットフォーム感を最大限生かしたい。

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この場所は、どう活用されて来たのか、今後どういう活用をしていきたいのか、そういうお話をさせてもらう。ワイワイしている中での発表は、緊張せずにリラックスしてできる。定期的なイベントを主催してくださっている方や、初期から一品一灯に関わっているメンバーも紹介する。

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それから、最後に、お正月明けの一品一灯の会で、次回やるとしたらどんなことをしてみたいか、紙に書いてもらう。

一品一灯の会の最後はいつものヒラチベポーズ。ヒラヤマちべっとは山っぽいということで、山のポーズになった。

次回の一品一灯の会は、1/7(日)に開催予定だ。(基本は毎月第1日曜日開催。)

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これからの一品一灯は、子供向けの定期イベントのお試しバージョンの意味合いでやりたい。多摩地域の子育て世帯の割合は全国平均より高く、ただ子供の安心して預けられる場所がたりてないというニーズがある。今までの地域の方々が集まってこの場所をどうしていくかを考える食事会としての機能は残しつつも、子供が安心して遊べる場として、活用を進める上での、お試しイベントという意味合いをもたせていくということだ。

 

一品一灯でイベントを開催していただいた方が、場所を気に入って、現在行われているような寺子屋、遊び場、子ども食堂、映画上映会のように、定期的なイベント開催をしていただけるようになったらとても嬉しい。

イベント主催者同士、子どもという共通の関心テーマ(共通言語)のもとで交流できたり、参加者も参加したいイベントの選択肢が増え、横のつながりの好循環が生まれる。

 

これからは、地縁の場づくりはもう古い。家を村総出でつくったり、道路を近隣住民総出で作る時代ではない。今は、地縁の暖かさを残しつつも、テーマの場づくりで考えた方が良いと感じる。インターネットの発達で、関心あるテーマで個人と個人がつながるより自己実現しやすい時代になった今、1つの共通言語を持って交流できる場づくりを各所で行なっていきたい。よく場づくりの世界で語られることの多い「多世代交流」もそこがベースになる。ヒラヤマちべっとはそれを「子ども」というキーワードに絞る方向性だ。

 

 長くなりましたが、一周年を迎えられたのも、いつも関わってくださっている皆さんのおかげです。いつも本当にありがとうございます。今後も面白くて楽しい企画をたくさん開催していきます。初めての方も、ぜひお気軽に遊びにお越しください。今後ともヒラヤマちべっとを応援よろしくお願いします。

 

 

 

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〒191-0055

東京都日野市西平山4丁目18-12

築150年の古民家「ヒラヤマちべっと」

 

facebookはこちら。

(https://m.facebook.com/Hirayama.Tibet/?locale2=ja_JP)

 

<お問い合わせ・連絡先>

info.kiteminka@gmail.com

(管理人・稲村)

 

多摩地域の自治体の空き家・空き店舗対策についてメモ書き

自治体が空き家を紹介するときは、すぐに売れちゃう空き家だと不動産屋が入ればいいので、それ以外の空き家を取り扱っている。賃貸価格や初期投資が抑えられる場合が多いことが魅力で、あとは立地的にどう人を集めるかというところ。

 

◯東京都日野市

都市計画課が、空き家を把握して、使いたい人と大家さんをつなげてくださっている。基本的には、地域に開かれた形での活用を推進している。地域活動については、地域協働課に相談することができ、助成金も条件によってはもらうことができる。

(http://www.city.hino.lg.jp)

 

◯東京都八王子市

市役所は空き家把握段階にあり、とりわけ空き家活用が進んでいる印象はない。ただ、株式会社まちワイが、空き家・空き店舗等活用に積極的に取り組んでおり、カフェ兼イベントスペースの古民家「となりわ」がオープンしたばかりだ。

(https://tonariwa.jimdo.com)

また、まちワイは、一坪チャレンジショップも運営しており、新しく事業を開始したい人が気軽に借りられる場所を整えている。(http://www.shopper.jp/w/2017/07/07/空き店舗を活用した一坪チャレンジショップ-「は/)

 

 

◯東京都昭島市

市役所は都市計画課が、空き家を把握調査中。空き店舗は、駅近くの商店街でのみ、いくつかお店としての利用で物件紹介をしている。

 

◯東京都奥多摩町

空き家バンクが立ち上がっており、HPで使用可能な物件を紹介している。ただし、居住することが条件となっており、例えば事業として利用したい場合は、借主がその空き家に住まなくてはいけない。(http://www.town.okutama.tokyo.jp/kurashi/sekatsu/sumai/akiya_bank/index.html)

 

今後も引き続き、多摩地域の自治体の空き家活用に対する取り組みについて、情報を集めていく。

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場づくりする中で、「自己紹介」について考えてみた。

場づくりに必要なのは、まず自分を知ってもらうってことがとても大事と感じる。

 

先週木曜日、友人と立川の子ども未来センターでのワークショップ「ワクつくクラス」に参加してきた。

コミュニティをデザインすることについて、参加者同士考える会だ。

注目はレゴブロック。

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なんと、このレゴブロックで自己紹介するという。どうやってやるのか。

 

まずは、タワーを高く作る。参加者同士制限時間内に高い塔をつくる。誰が一番高く作れるか熱くなる。そして、なんと僕のタワーは一番低かった。ここでテンションやや下がったが、土台をしっかりつくる人です、などと言い訳をする。(No photo)

 

その次に、「未来から来た生命体」をつくる。作り終わった後に、「それは今の自分を表しています」と言われ、なるほどと思う。いい自己紹介だ。土台しっかり、でも羽みたいなのが片方生えているちょっと非合理的な面白さも追求したくなっている自分に気づく。

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で、最後に今日来た理由というテーマで作品を作る。僕の作品はこれ。明るい気持ちで、1ステップ成長するっていうシンプルな作品。

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自己紹介がレゴで行われるってのはすごく良いと感じた。なぜなら、言葉よりも視覚的な情報の方が心に残りやすい。自己紹介も一人一人の特徴を長期的に鮮明に覚えていられる。コミュニティや場づくりをするときに、自己紹介を工夫することはとても重要と感じる。

 

それから、ゲストトーク、対談形式の内容あったが、そこまで印象に残らなかった。そして、イベントが終わってからある気づきがあった。

ゲストの方と話したときのこと。

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コミュニティデザインってソフトな部分ばっかりで、予算つきにくいイメージですが、最初どうやって仕事を軌道に乗せたんですか?

これってよくある場づくり界隈の議論だ、と思いつつも聞いてみた。

 

そしたら、このような答えが返って来た。場づくり界隈で、場を持つ人は受け身になりがちという。確かに、場を使いたい人に基準を説明して場を使ってもらうのがメインだ。場自体に興味を持って、お客さんがやってくるから、場づくりしている人は営業が弱い人が多い。

でも、この方、前職での営業経験があったから、ワークショップを企画するとか、場を作るとかするときに、自分にしかできないこと・魅力を人に伝えるのが得意で、顧客開拓できたようだ。企画も通りやすい状況が作れたらしい。

 

それこそ、さっきの自己紹介の話じゃないけど、自分はこういう人間ですと相手に的確に示すことができるってすごく大事と感じた。的確な自分に合った表現方法を取り入れたい。

 

最近ハマっている読書。

この前読んだのは、加藤諦三著「自分に気づく心理学。」

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まずは、自分に気づくことが大事だ。そして、それを的確に相手に伝えていくこと。よくありがちなのが、抑圧されて我慢して生きてきたマジメな人、人当たりが柔らかくていつも笑顔でニコニコしていて嫌なことを嫌と言えない人。他人と自分にウソをつかないことが本当に大事だ。

 

NMBの須藤凛々花が、恋愛禁止!が鉄則であるアイドルでありながら、一番大事な大舞台である総選挙で結婚宣言をしたのは記憶に新しい。いま、情報過多な現代において、ウソをつかない生き方というのが注目されている。

自分は何者なのか?ということを改めて見つめてみたい。

 

食は味よりも量を優先する、食べ盛りな僕がこの前食べたラーメンはこちら。

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デザインセッション多摩2017で学んだコミュニティデザインの方法

多摩地域のデザイナー、表現者が一気に集結したデザインセッション多摩に参加した。デザイナーは、遅刻するという格言があるようだが、その格言通りにはならなかった。

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自己紹介と地域とは何かという、得体の知れない問いから始まった。

様々な答えが出たが、
僕は共通言語の存在なんじゃないか、と答えた。ほっとけば人は無関心でも、話題があったり、繋がりのようなインセンティブがあったりすると話をする。そうやって共同体が出来ていくものなのではないか。

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多摩地域を良くするためのプランを考えた。僕らの班は、学生から社会人、それぞれやりたいことを表現しているプロ。コミュニティデザイナー、イラストレーター、などなど。

 

多摩地域で課題感を持っているターゲットを考えた時、真っ先に高齢者と子どもが挙がった。高齢者は老後の楽しみや安心感を求めて人と繋がれる場所を探しているし、子ども及びその親は安心して遊べる場所と仲間を求めている。特に多摩地域では、全国平均よりも顕著なのが、子育て世帯が多いということ。だからこそ、子供は多いのに場の整備、及び情報発信できていないというのは、この地域特有の悩みだろう。

 

そこで、「わらしBeプロジェクト」というプランをみんなで考えた。まず、子どもがノートと交換したいものを持ち寄る。そして、だれとどんなものを交換したのかをノートに記入していく。

最初はコミュニティスペースに集まることからはじめて、徐々に一般宅訪問に切り替えていく。まるで、「トリックオアトリート!」。子どもがモノを介して仲間や地域と繋がるという流れだ。やはり、多世代をつなぐというのに大事なのは媒介するもの「共通言語」が必要なのではないか?

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お昼のお弁当が、美味しすぎた!

kizagisuの杉崎さんのお弁当。

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午後はゲストスピーカーの話と、プランの発表。1番印象に残ったのは、赤と青のリストバンドをする話。赤が正常、青が困った状態。道端で青のリストバンドをしている人を見つけたら赤のリストバンドをしている人は助けなくてはいけない。とてもシンプルで暖かいコミュニティができると感じた。リストバンドが人と人とを媒介するものということだ。

もう1つ、自治会の回覧板の話。回覧板に漫画を描くというもの。なにげなく日常にあるつまらないものを面白くする、という発想もいいなと感じた。

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地域の人と人とが繋がることは、生きがいに繋がると常々感じる。あとは、高齢者にとっても、子供にとってもそれは確実に言えること。それをよくありがちなざっくりとくくる感じではなく、それぞれに対して必要な活動を作っていけたらと感じた。

 

 

 

 

 

金沢市の空き家活用とコミュニティ作りについて考えてみた。

石川県金沢市の市役所に行ってきた。

自分の活動ともかなり近い、空き家に対する補助制度、コミュニティづくりに関する補助制度について知りたいと思った。

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空き家補助は売買が中心のようだ。

扱っているのは、住宅政策課。

そこに不動産屋が仲介でかんでいるらしい。不動産屋とは別に、不動産流通にのらない空き家を扱う自治体もあるので、こういうタイプの行政サポートもあると知る。

 

中心市街地に一軒家が多く、マンションが少ない土地だけに、空き家事情も特殊。ほっとくと荒れてしまうので、とにかく住んでくれる人が欲しいようで、あまりコミュニティづくりの場としての空き家活用という発想には結びつかないようだ。

 

水道局の調べによると、3割の物件のライフラインが1年以上止まっているとのことで、賑わっているように見える金沢市の中心部も課題は山積みなのだと実感。意外と高齢化も顕著で、どう若者を入れるかという所に知恵を絞っている。「学生の街金沢」と打ち出しているのもなんとなくわかるような気がした。

 

そして、コミュニティづくりについて。

こちらも、学生の活動はスポットライトが当たるが、他の市民活動は市役所 も把握していない模様(そういう活動がないのか、スポットが当たりにくいのか)。

東京都日野市など、市民活動が盛んなところは、地域活動、例えば子供の居場所づくり、高齢者の居場所づくりに関する活動に助成をしたり、サポートしたりしていくが、基本的にそういう制度はないようだ。そのかわり、集合住宅の集会にお金を出しているというから、とにかく住んでくれる人を増やしたいという部分がクローズアップされてくる。

金沢中心市街地の図。

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それから、午後は、郊外の過疎地域と呼ばれる金沢市内の集落を見学した。

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金沢市内の郊外の過疎地域は、空き家問題というよりも空き室問題に困っていた。

 

いつもお世話になっている、袋板屋町の宮村さんとお話しした。

袋板屋町は、市街化調整区域で、新築を建てることができない。

それに加え、大家族の世帯が多く、高齢化が進むにつれて、町の活気は少なくなるけれども、空き家も全然増えない。袋板屋町の空き家はたった1軒しかないようだ。

若者が住みたいと思ってもなかなか受け皿がない。周りに大学が多く、金沢中心市街地までも車で30分ほどとそこまでアクセスが悪いわけでもない土地で、もったいない。

また、袋板屋町の特色として、大家族ゆえに空き室はよくできるという。ただ、その部屋を若者に貸すというのは心理的にもハードルが高く、現状厳しいようだ。

 

これから空くであろう数少ない空き家や、現状1件空いている空き家を活用して、大学に通う若者が住めるシェアハウスを作りたいという話があり、今後もそのプロジェクトに関わっていきたい。

また、このように袋板屋町は東京や金沢の大学生が集い、バーベキューイベントや音楽祭なども開催している。今後も様々なプロジェクトが生まれ、活気が出て来るに違いない。

(袋板屋HP→https://www.fukuroitaya.jp)

 

一見すると都市部に空き家は少なく、周辺部に空き家が多いと思われがちだが、金沢市のようにそれが逆転している地域もあり、事情は様々で複雑だ。これからも金沢市の空き家活用とその地域に必要なコミュニティづくりに関わって、地域に貢献していきたい。

 

 

新しい空き家活用の形「アルベルゴ・ディフーゾ」について学んできた。

アルベルゴ・ディフーゾ。

それは、イタリア発祥の分散型の宿泊を推進する考え方。

そこにある空き家などを使って街全体をホテルとして捉える考え方である。

(参考資料はこちら→https://prtimes.jp/a/?c=15916&r=52&f=d15916-52-pdf-0.pdf)

 

日本でいうと、個人的には、兵庫県篠山の城下町ホテルや、東京都谷中のHagisoがコンセプトとしては似通っているように感じたが、どうやら相違点は、過疎地での村再生という視点であるように思われる。

 

過疎地の村は、空き家活用の自由度が高いというところが、村全体を宿泊施設とするコンセプトとの親和性と言えるのではないか。

 

それに関していうと、実体験として面白い話がある。

先日、八王子のまちづくり会社に遊びにいった時に、八王子の商店街から空き家発掘は至難の技だと話をしていた。

なぜならば、第一に、権利関係が厳しいからだ。だれの空き家ともわからず、活用することはできない。

そして、第二に、基本賑わっているところは困ってないので、空き家になってもなかなか貸してくれない。家賃をとにかく高く請求してくる。別に空き家を所有していても困ることなんかないからだ。

そして、第三に、東京オリンピック前なので、基本建築費が高く、建て替えを検討している人にとってはダメージが大きい。だからこそ、空き家をそのまま手を加えずに塩漬けにしておいて、オリンピック後に地価が下がってきた時に建て替えようというニーズがあるようだ。

これらの理由から、空き家活用をすでに賑わっている地域でやるには相当な根気とタイミングが必要で、あまりオススメできない。だからこそ、賑わいの少ない過疎の村で空き家を群として一気に活用しまくっちゃおうというのが、アルベルゴ・ディフーゾの狙いなのではないか。

 

しかし、それにしてもプロモーションの壁は否めないだろう。自然流入が少ない過疎地に観光客を呼ぶにはコンテンツ力が必要であることは明白で、そこをどう考えているのかは自分にとって考えるべきポイントであった。

 

今日は、イタリア文化会館にて、

アルベルゴ・ディフーゾ協会会長のジャンカルロ・ダッラーラ氏が来日したということで、お話を聞きに行った。

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旅行マーケットからの逆算ではなく、土地そのものを発信するという考え方をとても大事にしていた。

それは、内に対するプロモーション(インアプロモーション)でもあり、そこが出発点。内側の人間が変わっていけば、徐々にコアな旅行者を獲得していけるということ。

そのためには、地域の人、一人一人が、それぞれの作り手意識を持って誇りある資源を見つめていく必要がある。

 

そして、結局最後は美しさに帰属する。

街全体を観光客受け入れという方向性に舵をきるためには、まずその村の美しさが引き出されなければならない。

そこを大事に、景観に対しても結局は縛りを設けて行くべきなのではないかという議論をしていた。

古民家でも重要伝統的建造物群保存地区という区域には景観規制が設けられるように、美しい村という単位でもそういったことが必要になってくる未来もあるのでは?ということである。

 

ここまでくると、個人的には、クリエイティビティを阻害する要因でもあると思うので、あまり好きな考え方ではないが、伝統的方向性でいくのか、クリエイティブの方向性でいくのかを選ぶのはその村自身であり、今後の展開に注目したい。

 

いろいろと考えてもみたが、なんだかんだ言って、アルベルゴ・ディフーゾは、少なからず空き家活用と、コミュニティ形成の方向性に大きな影響力を持たせる考え方でもあり、世界を席巻しうる活動である。日本にアルベルゴ・ディフーゾの波は来るのか。これから、どのような展開があるのか、本当に楽しみだ。